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五輪まで1年 競泳 池江選手がメッセージ「希望の炎輝いて」

 新型コロナウイルスの感染拡大で延期された東京オリンピックまで23日で1年となり、開会式が行われる国立競技場では、23日夜、競泳の池江璃花子選手が、「1年後のきょう、この場所で希望の炎が輝いていてほしい」と、世界に向けてメッセージを発信しました。

 これは、来年に延期された東京オリンピックに向けてスポーツが持つ力のすばらしさを伝えようと大会組織委員会が開いたもので、国立競技場には、来年の7月23日、開会式がはじまる時間と同じ午後8時に、白血病からの競技復帰を目指す競泳の池江選手が姿を見せました。

 白い衣装の池江選手は聖火がともされたランタンを掲げながらメッセージを読み上げ、「本当ならあすの今頃、この国立競技場では開会式が華やかに行われているはずでした。私もこの大会に出るのが夢でした」と語り出しました。

 そして、自身の闘病生活を振り返り、今も感染症と戦っている医療従事者に感謝を示したうえで、「今から1年後、オリンピックやパラリンピックができる世界になっていたらどんなにすてきだろう」と述べました。

 さらに、新型コロナウイルスが広がる中でスポーツに否定的な声があることに理解を示したうえで、「逆境からはい上がっていくときには、どうしても、希望の力が必要だ。希望が、遠くに輝いているからこそ、どんなにつらくても、前を向いて頑張れる」と語り、「1年後のきょう、この場所で希望の炎が輝いていてほしい」と世界にメッセージを発信しました。

 組織委員会は今回、観客を入れずに行い、池江選手のメッセージの動画を組織委員会の公式ホームページで公開しています。

◎池江璃花子「希望の炎」五輪1年前メッセージ…涙
 (2020年07月23日 20:08 日刊スポーツ)

 白血病から競技復帰を目指す競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)が、世界中に祈りのメッセージを発信した。

 延期された東京五輪開幕1年前の23日、メイン会場の国立競技場に登場。真っ暗なスタジアムに純白の服で降り立った。

 ひと筋の光を浴びて、3月にギリシャで採火された聖火のランタンを掲げると照明が点灯。東京の夜空を照らした。

 新型コロナウイルスが世界を覆う中、4分10秒のスピーチで、「1年後、オリンピックやパラリンピックができる世界になっていたら、どんなにすてきだろうと思います」。引き揚げる際には感極まって大粒の涙。一心に願いを込めた。

   ◇   ◇   ◇

<メッセージ全文>

池江璃花子です。

今日は、1人のアスリートとして、そして1人の人間として、少しお話しさせてください。

本当なら、明日の今ごろ、この国立競技場ではTOKYO 2020の開会式が華やかに行われているはずでした。

私も、この大会に出るのが夢でした。

オリンピックやパラリンピックはアスリートにとって、特別なものです。

その大きな目標が目の前から、突然消えてしまったことは、アスリートたちにとって、言葉にできないほどの喪失感だったと思います。

私も、白血病という大きな病気をしたから、よくわかります。

思っていた未来が、一夜にして、別世界のように変わる。それは、とてもキツい経験でした。

そんな中でも、救いになったのはお医者さん、看護婦さんなど、たくさんの医療従事者の方に、支えていただいたことです。

身近で見ていて、いかに大変なお仕事をされているのか、実感しました。

しかも今は、コロナという新たな敵とも戦っている。

本当に感謝しかありません。ありがとうございます。

2020年という、特別な年を経験したことで、スポーツが、決してアスリートだけでできるものではない、ということを学びました。

さまざまな人の支えの上に、スポーツは存在する。本当に、そう思います。

今から、1年後。

オリンピックやパラリンピックができる世界になっていたら、どんなにすてきだろうと思います。

今は、一喜一憂することも多い毎日ですが、一日でも早く、平和な日常が戻ってきてほしいと、心から願っています。

スポーツは、人に勇気や、絆をくれるものだと思います。

私も闘病中、仲間のアスリートの頑張りにたくさんの力をもらいました。今だって、そうです。

練習でみんなに追いつけない。悔しい。そういう思いも含めて、前に進む力になっています。

TOKYO 2020。

今日、ここから始まる1年を単なる1年の延期ではなく「プラス1」と考える。

それはとても、未来志向で前向きな考え方だと思いました。

もちろん、世の中がこんな大変な時期に、スポーツの話をすること自体、否定的な声をあることもよくわかります。

ただ、一方で思うのは、逆境からはい上がっていく時には、どうしても、希望の力が必要だということです。

希望が、遠くに輝いているからこそ、どんなにつらくても、前を向いて頑張れる。

私の場合、もう1度プールに戻りたい。その一心でつらい治療を乗り越えることができました。

世界中のアスリートと、アスリートから勇気をもらっているすべての人のために。

1年後の今日、この場所で、希望の炎が、輝いていてほしいと思います。

競泳選手

池江璃花子

本日はありがとうございました。

◆池江璃花子(いけえ・りかこ)2000年(平12)7月4日、東京都生まれ。2015年世界選手権で中学生として14年ぶりに代表入り。得意は100メートルバタフライで自己ベスト56秒08。2016年リオデジャネイロ五輪5位、2018年パンパシフィック選手権で主要国際大会初優勝。同年ジャカルタ・アジア大会で日本勢最多6冠で大会MVP。昨年2月に白血病を公表し入院。同12月に退院。171センチ、60キロ。

◆池江の経過 2019年2月8日、オーストラリア合宿中から緊急帰国、白血病と診断されて入院した。同12日にツイッターで病気を公表。同3月6日にはSNSで「思ってたより、数十倍、数百倍、数千倍しんどいです」とつづった。同12月17日に10カ月の闘病生活をへて退院。今後の大目標を「2024年のパリ五輪出場、メダル獲得」とした。今年3月17日には406日ぶりのプールに入り「言葉に表せないぐらいうれしくて気持ちよくて幸せ」。6月16日には西崎勇氏をコーチに迎える新体制を発表。7月2日に練習を公開し、10月の日本学生選手権(東京辰巳国際水泳場)でのレース復帰を目標に掲げた。
| 福祉・医療と教育 | 04:15 | comments(0) | - |