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京アニ放火事件 きょう1年 現場のスタジオ跡地で追悼式

 36人が死亡、33人が重軽傷を負った京都アニメーション放火事件から18日で1年です。

 現場のスタジオ跡地では遺族や会社の関係者による追悼式が開かれ、亡くなった人たちに祈りがささげられました。

 去年7月18日、京都市伏見区にある京都アニメーションの第1スタジオが放火され、社員36人が死亡、33人が重軽傷を負いました。

 殺人事件として平成以降、犠牲者の数が最も多い事件から1年となる18日、スタジオ跡地では、遺族や八田英明社長ら会社関係者など90人余りが出席して、追悼式が開かれました。

 テントで覆われた跡地には、菊やゆりなどの花が供えられた臨時の祭壇が設けられ、参列者は静かに会場に入っていきました。

 追悼式は事件発生の午前10時半ごろから始まり、全員で1分間の黙とうをささげたあと、一人一人が祭壇に献花しました。

 そして、八田社長が。「1年がたとうと私たちは悲しみの中にあります。私たちは、アニメーションを創るために、この地に集い、共に作品作りに励んできました。今までも、今も、これからも、心は常に仲間と共にあります。仲間とそのご家族、そして支えてくださる皆様と心をつなぎ、ゆっくりでも一歩ずつ、進んでいくことを改めて誓います」と話しました。

 八田社長は18日午後会見を開き、改めて事件から1年がたった心境などについて述べることになっています。

◇石田奈央美さん母親「娘を思わない日はない」
 事件で亡くなった石田奈央美さん(当時49)は、鮮やかな色遣いに定評がある京都アニメーションで主に色彩の設計を担当していました。

 周囲には「印象的な色作りをしたい」と語り、自宅にはさまざまな色彩が表現できる500本の色鉛筆が残されていました。

 母親はいまも毎日、朝と晩には必ず仏壇に新しい水やごはん、それに奈央美さんが好きだったチョコレートや果物を供えて娘をしのんでいます。

 事件から1年となることについて、「いまも娘のことを思わない日はありません。ある程度落ち着いた今のほうが、一緒に行った場所などいろいろなことが思い出されて悲しみが強くなっています。この気持ちは何年たっても変わりません」と話していました。

◇現場から離れて黙とうささげるファンも
 現場となったスタジオ跡地の周辺では京都アニメーションの要望に応じ、近隣の住民などに迷惑がかからないように、遠く離れた場所から静かに手を合わせて黙とうをささげるファンの姿も見られました。

 40代の男性は、「この1年は長かったですが、まだ整理しきれていないです。京都アニメーションはこれからも優れたアニメを作ってくれると思うので、僕らもずっと追いかけていきたいです」と話していました。

 50代の男性は、「この日が毎年やってくるのはつらいですが、これからも応援していきたいです。世界的に有名なアニメ制作会社が京都にあることを誇りに思っています」と話していました。

 30代の男性は、「お悔やみを申し上げようと思って来ました。建物が取り壊された姿を見て、心がぽっかりと空いた気分です。社員の方々は志半ばで倒れて無念だと思います」と話していました。

◇会社が追悼動画を配信
 京都アニメーションは18日、1年前の事件の発生時刻午前10時半にあわせ、ユーチューブ上の会社の公式チャンネルで動画を配信しました。

 7分32秒の動画では冒頭、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて大勢の人が集まることは避けるべきだと判断し、動画で追悼の場を設けることにしたと説明しています。

 そのうえで、「共に切磋琢磨してきた仲間のことを想いつづけ、志を繋げていくための日々でした。どれだけの歳月が流れても、その想いが消えることはありません」と、この1年を振り返り、哀悼の意を表しました。

 また、ともに作品の制作に携わった関係者3人の弔辞として、「私たちに出来ること。それは未来へと思いを繋いでいくこと。仲間たちの忘れられない思いを、忘れられない作品創りへと昇華していくこと。その意思は決して変わることはありません」という内容や、「もう共に作品を作ることは出来ませんが、その『志』を繋いでいくことは出来ます。そしてその『志』を繋いでいく多くの仲間が居ます。その仲間と共に、永く永く歩んでいきます」といった内容を紹介しています。

 動画では視聴者に1分間の黙とうを呼びかけた後、「これからも世界中の皆さまに、夢と希望と感動を育むアニメーションを届けて参ります。どうぞ見守っていただけますと幸いです」ということばで締めくくっています。

 動画は18日、1日に限って視聴することができるということです。

 京都府宇治市にある老舗旅館を家族で経営する金丸公大さんはタブレット端末で映像を視聴し、動画の呼びかけに応じて静かに黙とうをささげました。

 この旅館は、京都アニメーションの作品に出てくる旅館のモデルとしてファンの間では「聖地」として知られています。

 新型コロナウイルスの影響で宿泊客が激減してクラウドファンディングで資金を呼びかけると目標額を上回るおよそ370万円が集まり、ファンからの多くの励ましのメッセージも寄せられたということです。

 金丸さんは、「亡くなった方々のご冥福をお祈りしています。作品の中で旅館を取り上げてもらい、感謝しています。亡くなった方々の作品を受け継いで、新たな作品を作ってもらいたい」と話していました。

◇京アニ 八田社長「1ミリでも前に進めるよう」
 追悼式のあと、京都アニメーションの八田英明社長は京都市内で記者会見を開きました。

 八田社長は、「あれほどの大事件が起きて、きょうでちょうど1年がたちました。日頃から応援していただいている皆様に深く感謝しています。これからも世界中の皆様に夢と希望と感動を届けるアニメーションを創り、1ミリでも前に進めるようにしていきたい」と決意を語りました。

 事件後の社員のようすについては、「相当なショックを受けて、いまだに回復できていない人もいる。コミュニケーションを大事にして会話を多くすることで、会社としても少しでも元気になるよう手助けしていきたい」と話しました。

 現在の作品の制作状況については、「すでに決まっているテレビを少しずつ仕込んでいるが、以前と比べて制作能力はかなり落ちているので、無理のないように進めている。今後については企画を練り上げている段階です」と述べました。

 一方、さら地となった第1スタジオの跡地の利用方法については決まっていないとしたうえで、「ご遺族や社員、ご近所の皆様がどういうふうに考えるか、一生懸命語り合って、次の展開は時間をかけてやっていきたい」と話していました。
| 事件・事故 | 21:07 | comments(0) | - |