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北朝鮮 ケソンの南北連絡事務所爆破 韓国 対応を協議
 北朝鮮は16日午後、南西部のケソン(開城)にある南北の共同連絡事務所を爆破しました。

 北朝鮮は、韓国の脱北者団体がキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長を批判するビラを飛ばしたことに強く反発していて、韓国大統領府は、緊急のNSC(国家安全保障会議)を開いて対応を協議しました。

 北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは16日夕方のニュースで南西部のケソンにある南北の共同連絡事務所を「午後2時50分に完全に破壊した」と伝えました。

 破壊の理由について北朝鮮は、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長を批判するビラを飛ばした韓国の脱北者団体と、これを黙認したとして韓国政府を改めて非難しました。

 韓国国防省が撮影した爆破の瞬間をとらえた映像では、建物の外壁が一気に崩れ落ち、その直後に施設全体が一瞬にして煙に包み込まれる様子がわかります。

 韓国大統領府は16日午後5時すぎから緊急のNSC(国家安全保障会議)を開き、対応を協議しました。

 NSCの終了後に会見した国家安保室のキム・ユグン(金有根)第1次長は、遺憾の意を示したうえで、「北が状況を悪化させる措置をとる場合、強力に対応することを厳重に警告する」と述べました。

 この連絡事務所は、おととし4月の南北首脳会談の「パンムンジョム(板門店)宣言」に基づいて、その5か月後にケソン工業団地に設置されたものですが、今月13日にはキム委員長の妹のキム・ヨジョン(金与正)氏が取り壊しを予告していました。

◇朝鮮中央テレビ 異例の速さで放送
 北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、16日午後5時からのニュースで、「われわれの担当部門は共同連絡事務所を完全に破壊する措置を実行した。きょう午後2時50分、大きな爆音とともに共同連絡事務所が無残にも破壊された」と伝えました。

 そのうえで、「人間のくずと、これを黙認した者たちによる罪の代価を受け取るべきだという怒った民心に応えた」として、ビラを飛ばした脱北者団体と、これを黙認したとする韓国政府を改めて非難しました。

 発生からわずか2時間余りでの発表は、北朝鮮としては異例の速さです。

 一方で、関連の写真や映像は放送されませんでした。

◇安倍首相「米韓と連携しながら情報分析し対応」
 安倍総理大臣は、16日夜、記者団に対し、「北朝鮮が爆破したことは、承知している。南北関係がこれ以上緊張しないことをわれわれも望んでいるところだが、韓国やアメリカと緊密に連携しながら情報をしっかり分析し、対応していきたい」と述べました。

◇菅官房長官「情勢注視し警戒監視に全力」
 菅官房長官は午後の記者会見で、「韓国政府の発表を含め、さまざまな情報に接しているが、その一つ一つについてコメントは差し控えたい。いずれにしろ、わが国としては引き続き米国や韓国などと、ともに緊密に連携しながら必要な情報の収集、分析を行い、情勢を注視するとともに警戒監視に全力を挙げているところだ」と述べました。

◇外務省「情勢を注視 米韓とも緊密に」
 外務省幹部は取材に対し、「爆破そのものが、北東アジアの戦略的状況を大きく変えるわけではないと考えているが、北朝鮮による、さらなる軍事的挑発が行われないか、朝鮮半島の情勢をアンテナを高くして注視したい。当然、アメリカや韓国とも緊密にやり取りしていく」と話しています。

◇中国外務省「状況を把握していない」
 中国外務省の趙立堅報道官は日本時間の16日午後4時すぎから行われた記者会見で、北朝鮮が南西部のケソン(開城)にある南北の共同連絡事務所を爆破したと伝えられたことについて、「関係する状況を把握していない」と述べるにとどめました。

 また、北朝鮮が韓国への圧力を強めていることについては、「北朝鮮と韓国の人々は同じ民族であり、中国は近隣の国として、一貫して朝鮮半島で平和と安定が保たれることを望んでいる」と述べました。

◇ロシア報道官「すべての当事者に自制を求める」
 ロシア大統領府のペスコフ報道官は16日、記者団に対し、北朝鮮が南北の共同連絡事務所を爆破したことについて、「大きな懸念を呼び起こすもので、われわれは朝鮮半島で何が起きているのか、注視している」と述べました。

 そのうえで、「われわれはすべての当事者に対して自制を求める」と述べ、北朝鮮と韓国の双方に自制を求めました。

◇韓国と北朝鮮の共同連絡事務所とは
 韓国と北朝鮮の共同連絡事務所は、おととし4月の南北首脳会談の「パンムンジョム(板門店)宣言」に基づいて、その5か月後に北朝鮮南西部のケソン(開城)工業団地に設置されました。

 南北の当局者が常に接触できる窓口としては、これが初めてでした。

 共同連絡事務所には、双方合わせておよそ50人が24時間体制で駐在し、南北の鉄道や道路を連結する着工式をめぐる実務協議など、当局者どうしの話し合いが行われてきました。

 韓国メディアによりますと、共同連絡事務所の建設費や運営費として、韓国政府はこれまでに、少なくとも168億ウォン、日本円にしておよそ15億円を拠出したということです。

 共同連絡事務所は、ことしに入って、新型コロナウイルスへの対応の一環で運用が停止されて担当者らは事務所から撤収し、ソウルとピョンヤンの間に電話回線を設けて業務にあたっていました。

 その後、韓国の脱北者団体がキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長を批判するビラを飛ばしたことに北朝鮮が反発し、今月9日以降、連絡が遮断されました。

 さらに今月13日には、キム委員長の妹のキム・ヨジョン(金与正)氏が共同連絡事務所について、「遠からず、跡形もなく崩れる悲惨な光景を見ることになるだろう」として取り壊しを予告していました。

◇爆破の背景と今後の展開
 北朝鮮が南北の共同連絡事務所を爆破した背景には、内部の結束を強めようというねらいがあるとみられます。

 北朝鮮は、国際的な制裁に加え、新型コロナウイルスの流入を防ぐために、中国やロシアとの間で列車の運行などをとめていて、貿易が滞り経済的に打撃を受けているとみられています。

 北朝鮮は、連絡事務所の爆破をおよそ2時間後に国営のテレビやラジオで伝えていて、国民に対して成果として誇示しました。

 また、韓国に対しては、予告したことを実行に移すという姿勢を強調し、揺さぶりを強めています。

 緊張した状態は、今後も続く可能性があります。

 北朝鮮が、さらなる措置をとると警告しているからです。

 16日朝は、南北の合意で非武装化した地帯に、軍を再び進出させる計画を検討すると警告するなど、軍事的な措置も示唆しています。

 これに対して、南北関係の改善を目指す韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領は、これまでは、対話によって事態を打開したい考えを強調していました。

 しかし、北朝鮮が圧力を強める中、韓国国内でも「弱腰」だとの批判が出ており、ムン政権は、難しい対応を迫られることになりそうです。

◎北朝鮮 共同連絡事務所の爆破映像を放送 朝鮮中央テレビ

北朝鮮の国営テレビは、南西部のケソン(開城)にある韓国との共同連絡事務所を16日、爆破した際の映像を公開しました。

 北朝鮮は16日午後、南西部のケソンにある南北の共同連絡事務所を爆破し、国営メディアを通じて「完全に破壊した」と発表しました。

 これについて、国営の朝鮮中央テレビは、17日午後3時すぎからの放送で、爆破した際に撮影した映像を公開しました。

 映像は30秒余りで、爆破音とともに連絡事務所の建物が爆発し、破片が勢いよく空中に吹き飛び、土煙のようなものが広がりました。

 また、爆破の衝撃で連絡事務所の隣にある15階建ての建物の壁が崩れ落ちました。

 放送では、アナウンサーが「人間のくずたちに懲罰を加えた」としたうえで、韓国政府に対して、「これは第1段階の行動だ。今後のふるまいに応じて、措置の強さと決行の時期を決める」と警告しました。

 北朝鮮は、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長を批判するビラを飛ばした韓国の脱北者団体と、これを黙認したとして韓国政府を強く非難していて、キム委員長の妹のキム・ヨジョン(金与正)氏が談話で共同連絡事務所の破壊を予告していました。

 北朝鮮としては、映像を公開することで、韓国との関係悪化を印象づけるねらいもあるものとみられます。
| 政策 | 19:24 | comments(0) | - |