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空前の「食パン」ブーム、起きた訳
◎「高級食パン」に「萌え断」 空前の食パンブームが起きたビジネス的“必然”に迫る
 (2020/04/12 07:00 ITmedia ビジネスONLiNE)

 今、空前の“食パンブーム”である。2斤で1000円以上する高級食パンが飛ぶように売れているだけでなく、カツサンド専門店や卵サンド専門店といった進化系専門店も増えている。

 そもそもパンは、戦国時代にポルトガルから鉄砲とともに入ってきたといわれており、明治時代には庶民にも広がり始めたそう。

 第2次世界大戦後は、米国が支援物資として小麦粉を持ち込んだことで、給食にパンが登場。一気に日本にパン食文化が広まったとされている。このようにして、パンは朝食を中心に日本の食卓に当たり前に存在するものとなった。

 「食パン」とは日本における呼称であり、大きな長方形の型に入れて焼いたパンのことを指す。食中に食べるパンの総称ともいわれるが、スライスしてそのまま食べたり、トーストしたり、サンドイッチにしたりして日常的に食されるパンだ。

 このようなスタイルのパンは、イギリスで生まれたともいわれており、“イギリスパン”とも呼ばれている。

 また、同じような焼き方をしたり、同じような材料の配合で作られたりしたものをフランスでは「パンドゥミ」と呼んだりする。

 パンの種類は数あれど、食パンはいつでも、どこでも、手軽に手に入る逸品であり、おそらく日本では最も日常的に食べられているパンではないだろうか? 

 なぜ今この食パンがブームなのか? 今回は、昨今の食パン事情とともにブームの背景を解説していきたい。

◇ポイントは“手の届く範囲での高級化”
 では、この日常的に食されている食パンは、どのようなプロセスを踏んでブームになっていったのだろうか。

 食パンブームをけん引した要因は2つあると考える。

 1つ目は“高級化”だ。いつでも、どこでも、気軽に手に入るものが高級化された商品は、大衆に愛されるため、ブームになる確率が高い。

 昨今は、通常であれば1斤100〜200円で気軽に購入できる食パンが、2斤で1000円前後で販売されており、専門店も続々とオープンしている。

 通常の倍以上の価格であるため、高価に感じるが、手に入らない価格ではない。“手の届く範囲での高級化”がブームをけん引するポイントである。

 では、この“高級食パン”の歴史はどのようになっているのだろうか?

 高級食パンブームをけん引したのは、流通業である。2003年4月にセブン-イレブン・ジャパンが「金の食パン」の販売をスタートさせた。

 当時、食パンは1斤100円程度で購入できたが、この金の食パンは250円。通常の2.5倍の価格であるにもかかわらず好評で、結果的にセブンの食パンの売り上げは前年の1.6倍となった。

 これを皮切りに、スーパーマーケットなど流通業界では、PB商品として、高級食パンを次々に販売。売れ筋商品となったのだ。

◇専門店が続々と登場
 そして、専門店の登場を語らずして、高級食パンブームは語れない。専門店は、ターゲットやアピールポイントが明確になるため、昨今の「食」のシーンにおいては勝ち筋の1つである。

 高級食パンの先駆けといっても過言ではない高級「生」食パン専門店「乃が美」。 2013年に大阪で1号店をオープンさせたが、現在は全国に160店舗以上を展開している。

 高級食パンを、一過性のはやりものから、日本の“パン”の世界における定番カテゴリーとした。

 「食パン専門店」というだけでも十分キャッチ―で、話題性がある。さらに、「生」食パンと題し、トーストするのではなく、購入したらすぐにちぎって食べるのがベストとした。そして、「そのまま食べることが一番おいしい」食パンとして大ブレークした。

 その後、続々と“高級食パン店”が増え、今や、主要都市には必ず存在する業態となった。このような高級食パンの専門店は、菓子店のような内装と外装になっている。

 また、食パンを入れるバッグもパン屋さんにありがちなビニール袋ではなく、おしゃれなデザインの紙袋が主流だ。まるで、洋菓子や和菓子のように、自分だけではなく、人にお土産として渡せることも、消費を拡大させたポイントだ。

◇付加価値がつけやすい
 食パンブームの2つ目の要因は、付加価値がつけられることである。

 「食パン」というシンプルかつ普遍的な食材をアレンジして食べるお店が増えているのだ。

 東京・銀座にある「セントル ザ ベーカリー」。同店はバケットで有名な渋谷「ヴィロン」のオーナーが経営しているが、国産の小麦を使った「角食パン」、輸入小麦を使った「プルマン」、そして山型の「イギリスパン」と3つの食パンが楽しめる。

 また、イートインコーナーには、この3枚が楽しめるセットメニューも存在する。“食べ比べ”――食パンに限らず、その食材ファンにとってはたまらないキーワードではないだろうか?

◇アレンジがしやすい
 食パンのアレンジは、昔から多数存在する。

 食パンを1斤使用したハニートーストは、2000年代を中心に、飲食店やカラオケボックスで人気のスイーツとなった。

 その他にもフレンチトーストやサンドイッチに使用するのは昔からの定番である。

 しかし、昨今のSNSの普及により、この定番アレンジメニューも進化を続けている。

 分厚い牛カツを挟んだビーフカツサンドや、具材が3〜5センチはありそうな分厚いフルーツサンド。

 そして、卵サンドやおかずサンドといったように、“断面”が魅力的なサンドイッチも続々と登場。

 その総称として「萌え断」というキーワードがSNS上で飛び交ったほどだ。

 その他にもスイーツやアボカドなど、“映えやすい”具材のオープンサンドも人気である。

 カツサンド専門店や卵サンド専門店など、アレンジメニューが専門店化してブレークするといったように、食パンからの進化系専門店も増えているのだ。

 また、沖縄にある居酒屋「むとう」では、メニューに「塩パン」が存在する。

 こちらはシチューなどにつけて食べるものだが、程よく塩分の効いた分厚く切られた食パンを、ピザ窯でこんがりと焼いた絶品メニューなのである。

 パンがメインディッシュで、メインのはずのシチューは脇役となるほどだ。こちらの塩パンで作る卵サンドも人気で、卵サンド専門店を作ったほどだ。

 このような現象を見ると、食パンは、お米のような主食としてのポジションにとどまらず、スイーツでもあり、メインディッシュでもあり、お土産でもある。さまざまなジャンルに侵入し、存在感を増しているのが分かる。

◇老舗の和菓子ブランドも注目
 そんな食パンの可能性に注目して、ある企業が食パンマーケットに参入している。

 京都銘菓「つぶあん入り生八つ橋 おたべ」や「京ばあむ」を製造販売し、抹茶ソフトクリームやパフェで人気を誇る「辻利」ブランドを展開する株式会社美十(京都市)だ。

 京都のお土産、スイーツのマーケットをけん引してきた同社は、2019年12月1日、京都に「別格」をオープンした。

 食パンの人気店を次々とプロデュースするジャパンベーカリーマーケティングの岸本拓也氏とタッグを組んだ“高級食パン専門店”だ。

 おたべで使用している日本名水百選・瓜割の水や、おたべと同じあんこを練りこんだ食パンも展開。 老舗のこだわりと技術で開発した食パンは、オープン以来大人気となっている。

 では、老舗の和菓子ブランドがなぜ、食パンマーケットに参入したのか? その要因を、同社代表の酒井氏に聞いてみた。

 「食パンは、パンの中でもお土産になる可能性が高く、1人で複数個購入される可能性が高い。さらに、食パンは付加価値をつけて展開しやすいため、食パンブランドが確立されれば、それをアレンジして商品開発を進めることができる」とのこと。

 まさに、この食パンブームをけん引した2つの要因をマーケットチャンスとして捉え、展開しているのである。おたべや京ばあむを中心に、お土産の製造販売を続けてきた同社ならではの考えである。

 では、食パンは今後どのようになっていくのだろうか?

 高級食パンのジャンルは、一過性のブームではなく、日本で定番化していくであろう。さらに進化系として、いくつかの可能性に期待している。日本のきめ細やかで、丁寧な技術は食に限らず、世界に誇るものと考える。

 まず、この日本の「パンの技術」が世界に注目され、輸出される可能性はないだろうか? 

 牛肉(BEEF)のカテゴリーにおける「WAGYU(和牛)」、お茶(TEA)のカテゴリーの「MATCHA(抹茶)」のように、「SYOKUPAN」が日本を代表するパンになることに期待したい。

 また、食パンに限らずではあるが、「パン」はもっと主役化する可能性があると感じている。

 東京・中目黒のフレンチレストラン「クラフタル」では、ドリンクペアリングならぬ、パンペアリングを展開している。

 料理一皿一皿にあったパンが提供されるのだ。まさにパンが主役のコース料理といっても過言ではない。“糖質制限”のブームも続いているが、“NO 炭水化物、NO LIFE”なのではないか。

 4月12日は「パンの記念日」だそうだ。さらにパンの可能性について、思考してみたいと思う。

 (有木 真理)
| 雑感 | 00:55 | comments(1) | - |
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| アイティメディア株式会社ライセンス担当 | 2020/09/10 12:25 PM |