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IOC バッハ会長がメッセージ “延期前提”にじませる
 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、東京オリンピック・パラリンピックについて延期を含めた検討に入ったIOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長は、全世界の選手へのメッセージを公開し、この中で「きょうの延期に関する決定は現時点で新しい日付まで決められなかった」と述べ、延期を前提に議論していることをにじませました。

 新型コロナウイルスの世界規模での感染拡大を受けて東京オリンピック開催への懸念が広がるなかIOCは22日、大会組織委員会や東京都、日本政府とともに、延期を含めた検討を始め、4週間以内に結論を出すことを決めました。

 これを受けてIOCのバッハ会長は、全世界の選手に向けたメッセージをインターネット上で公開しました。

 この中でバッハ会長は、感染拡大がどこまで続くか予測が難しい不確実な状況のなか、地域ごとに感染拡大の影響や予防策が異なりこれまでどおりの環境で練習できない選手がたくさんいることを踏まえ、「きょうの延期に関する決定では現時点で新しい日付までは決められなかった」と述べ、延期を前提に議論していることをにじませたうえで、4週間以内に結論を出すことに理解を求めました。

 そのうえで、「諦めないでほしい。いつでも新しい状況に適応できるような準備を進めてほしい。5大陸すべての選手と各オリンピック委員会、そして国際競技団体の望みが満たされることを願っている。私たちがともに進む暗いトンネルはどこまで続くかわからないが、その先には聖火が輝いているだろう」とメッセージを送りました。

◇“中止”ではなく“延期”検討の背景
 東京オリンピック・パラリンピックについて、IOC(国際オリンピック委員会)が中止をしないことを明言し延期を含めた検討に入ったのは、4年に1回の大会を中止した場合の選手たちへの影響を考慮しながら、IOCなどの損失を最小限に抑えるとともに、大会の組織委員会などが7年間進めてきた準備をむだにしたくないという思いがあるものとみられます。

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で開催に懸念が広がるなか、IOCは東京大会について中止をしないことを明言したうえで、組織委員会などとともに延期を含めた検討に入り4週間以内に結論を出すと発表しました。

 世界規模で感染が広がる中で選手や関係者の健康や安全の確保を前提に、予選大会が延期や中止となるなか代表選考の公平性などを考慮しての対応ですが、中止ではなく、延期の検討を始めた背景には複数の要因が考えられます。

 まずは選手たちへの影響です。

 オリンピックは4年に1回の大会で、すでに出場を確実にしている選手だけでなく、出場を争っている選手たちにとっても中止になれば次のチャンスは4年後です。

 かつて1980年のモスクワオリンピックのボイコットでは金メダル確実と言われた柔道の山下泰裕さんやレスリングの高田裕司さんが涙ながらに出場を訴えました。

 選手にとって4年間、世界のトップを維持するのは大変なことで、選手のモチベーションを維持するためにも中止という判断は避けたかったものとみられます。

 また、中止になれば競技会場を整えるとともに、史上最多となる1万1000人規模の選手を含む各国地域の選手団や関係者、観客を迎える準備を7年間にわたって進めてきた大会の組織委員会などの準備も意味をなさなくなります。

 オリンピックに基づく放送権やスポンサー収入などが主な収入源のIOCにとっても、中止となれば収入の大幅な減少が予想され存続を左右しかねません。

 また、巨額の放送権料を支払いアメリカで独占的に大会を中継できるNBCなど放送局にとっても中止の影響は大きくなります。そうした状況を踏まえ、中止を明確に否定し延期を含めた検討を始める判断をしたものと見られます。
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