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東日本大震災9年 首相官邸で献花式

 東日本大震災の発生から9年となる11日、総理大臣官邸で安倍総理大臣や閣僚らが出席して献花式が行われ、地震が起きた午後2時46分に出席者全員が黙とうをささげ、犠牲者を悼みました。

 東日本大震災の発生以降、政府は毎年3月11日に追悼式を開催してきましたが、ことしは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて取りやめ、総理大臣官邸で献花式を行いました。

 献花式には安倍総理大臣をはじめ、武田防災担当大臣や田中復興大臣らおよそ20人が出席し、地震が発生した時刻の午後2時46分に黙とうをささげたあと、安倍総理大臣が追悼のことばを述べました。

 この中で、安倍総理大臣は、「未曽有の被害をもたらした東日本大震災の発生から9年の歳月が流れ、最愛のご家族やご親族、ご友人を失われた方々のお気持ちを思うと、今なお哀惜の念に堪えません。ここに改めて、衷心より哀悼の意をささげます。また被災されたすべての方々に、心からお見舞いを申し上げます」と述べました。

 そして、被災地の復興は着実に進展している一方、いまだ多くの被災者が仮設住宅での避難生活など不自由な生活を強いられているとして、「今後も被災者の生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を行い、原子力災害被災地域では、帰還に向けた生活環境の整備などを着実に進めてまいります。『復興・創生期間』のあとも、次なるステージに全力で取り組みます」と述べました。

 そのうえで、「わが国は幾度となく国難と言えるような災害に見舞われてきましたが、そのたびに勇気と希望をもって乗り越えてまいりました。いまを生きる私たちも、先人たちにならい、手を携えて前を向いて歩んでまいります」と述べました。

 そして、式の最後に安倍総理大臣は献花台に花を供え、震災の犠牲者を悼みました。

◇内閣総理大臣 追悼の言葉(全文)

 本日、東日本大震災発災9年を迎えるに当たり、政府を代表して、謹んで追悼の言葉を申し上げます。

 最初に、本年の政府主催「東日本大震災九周年追悼式」の開催中止について申し上げなければなりません。追悼式については、規模縮小など新型コロナウイルスの感染拡大を防止する措置を講じた上で実施する方向でぎりぎりまで模索を続けてきましたが、現下の状況を踏まえ、今が国内における感染拡大を防止するためにあらゆる手を尽くすべき時期であることから、誠に遺憾ながら、開催を断念するのやむなきに至りました。御遺族を始めとした関係者の皆様にお詫び申し上げます。

 かけがえのない多くの命が失われ、東北地方を中心に未曾有の被害をもたらした東日本大震災の発生から、9年の歳月が流れました。

最愛の御家族や御親族、御友人を失われた方々のお気持ちを思うと、今なお哀惜の念に堪えません。ここに改めて、衷心より哀悼の意を捧げます。また、被災された全ての方々に、心からお見舞いを申し上げます。

 震災から9年が経ち、被災地の復興は、着実に進展しております。地震・津波被災地域においては、住まいの再建・復興まちづくりはおおむね完了し、産業・生業の再生も順調に進展しているなど、復興の総仕上げの段階に入っています。

 原発事故によって大きな被害を受けた福島の被災地域では、3月14日、JR常磐線が全線開通の予定であり、一部地域では帰還困難区域として初めての避難指示解除が行われるなど、復興・再生は新たなステージに入ります。

 一方で、いまだ6千人の皆さんが仮設住宅での避難生活を強いられるなど、長期にわたって不自由な生活を送られています。

 政府として、今後も、被災者の生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を行ってまいります。中長期的な対応が必要な原子力災害被災地域においては、帰還に向けた生活環境の整備や産業・生業の再生支援などを着実に進めてまいります。来年度で終了する復興・創生期間の後も、次なるステージに向け全力で取り組みます。

 震災による大きな犠牲の下に得られた貴重な教訓を決して風化させてはなりません。国民の命を守る防災・減災を不断に見直してまいります。あらゆる分野において国土強靱化を進め、災害に強い故郷を創り上げていくことを、改めて、ここに固くお誓いいたします。

 震災の発生以来、地元の方々や関係する全ての方々の大変な御努力に支えられながら、復興が進んでまいりました。世界各国・各地域の皆様からも、多くの、温かく心強い御支援をいただきました。心より感謝と敬意を表したいと存じます。世界の多くの方々に、「復興五輪」と言うべき本年のオリンピック・パラリンピックなどの機会を通じて、復興しつつある被災地の姿を実感していただきたいと思います。

 震災の教訓と我が国が有する防災の知見や技術を、世界各国・各地域の防災対策に役立てていくことは、我々の責務であり、今後も防災分野における国際貢献を、一層強力に進めてまいります。

 我が国は、幾度となく、国難と言えるような災害に見舞われてきましたが、その度に、勇気と希望をもって乗り越えてまいりました。今を生きる私たちも、先人たちに倣い、手を携えて、前を向いて歩んでまいります。

 御霊の永遠に安らかならんことを改めてお祈り申し上げるとともに、御遺族の皆様の御平安を心から祈念し、私からの追悼の言葉といたします。

令和2年3月11日 内閣総理大臣 安倍晋三

◇衆参議長が談話
 東日本大震災の追悼式が取りやめになったことを受けて、例年、追悼式に出席し、追悼の辞を述べている衆参両院の議長は、代わってそれぞれ談話を出しました。

 この中で、大島衆議院議長は、「あの日を思うとき、今なお深い悲しみを覚えます。現在も多くの方々が避難生活を強いられており、真の復興を成し遂げるために、心を合わせて努力を続けていく必要があります。『復興五輪』として開催される東京オリンピック・パラリンピックを、そうした決意を新たにする契機としていかなければなりません」としています。

 また、山東参議院議長は、「辛く悲しい震災の経験とそこから得た教訓を確実に次世代へと引き継ぎ、各人が高い意識を持って、災害に強い社会をしっかりと構築していくことが強く求められています。『被災された方々の心の復興』に最後まで寄り添っていくことが、私たち国政を預かる者に課された使命です」としています。
| 環境とまちづくり | 22:17 | comments(0) | - |