<< August 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 中国 武漢の肺炎 国内で初確認 武漢に渡航した男性から 厚労省 | main | 自転車の「チリンチリン」問題 >>
新型ウイルス肺炎 国内で初確認 注意すべきポイントは?
 中国内陸部の湖北省武漢で相次ぐ新型コロナウイルスによるとみられる肺炎。日本国内でも武漢に渡航していた人から同じウイルスが検出されました。注意すべきポイントなどをまとめました。

◇「濃厚接触」の可能性
 中国の地元当局は患者の中に夫婦で発症しているケースがあるとして限定的ではあるものの、ヒトからヒトに感染する可能性が排除できないと指摘しています。

 一緒に暮らしている家族が肺炎になった場合は街なかで行き交うのとは段違いに接触する機会が増えます。いわゆる「濃厚接触」です。

 多くの感染症では濃厚接触があると感染のリスクが大幅に増えます。同じように濃厚接触で人から人に感染したとみられるケースは鳥インフルエンザでも報告されていますが、その後も人の間で大規模な流行は起こっていません。

 今回、新型コロナウイルスに感染していたことが分かった神奈川の男性は、武漢に滞在していた際に肺炎の患者に接触していたと話しているということで、濃厚接触の可能性があるということです。

 現時点では、患者は武漢の海鮮市場などと関わりのある人たちが中心で、地域で感染が広がっている状況では無いとされています。

 こうしたことから、新型のコロナウイルスは人から人に次々と感染する状況ではないと考えられています。

 今回の肺炎の症状は発熱が中心で、呼吸の苦しさを訴えるケースもあるということです。中国でもともと健康状態が良くなかった1人が死亡しましたが、ほかの患者はすでに回復している人も多く容体は安定しているということです。

 神奈川県の男性もすでに回復し、1月15日に退院して現在は自宅で療養しているということです。

◇手洗いや人混み避けるなど一般的なかぜ対策が有効
 今回、国内で患者が確認されたことについて専門家はどう見ているのでしょうか。感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長に聞きました。

 「明らかに武漢への渡航歴があり、どこで感染したか明確なうえ、現時点でヒトからヒトへの感染も極めて限定的なので、国内で感染が確認されたからといって過度に恐れる必要はない」

 一方で、今回確認された新型コロナウイルスはまだ性質について分かっていることが少ない点は注意が必要だそうです。

 「理論上はウイルスの性質が変化して、ヒトからヒトに感染しやすくなったり、高い病原性を持つようになったりすることも考えられるので、今後の動向に注意する必要がある」

 私たちはどう気をつければいいのでしょうか?

 「国内ではインフルエンザの方が感染リスクは高い。特別に神経をとがらせる必要はないが、あえて言えば、手洗いの徹底や人混みを避けるなど、インフルエンザと同様の感染予防対策と常識的な対応で十分防ぐことが可能だと考えられる」

 コロナウイルスはインフルエンザやかぜと同様にせきやくしゃみなどの飛まつで感染します。つまり手洗いや人混みを避けるなどの一般的なかぜ対策が有効だということです。

◇海外へ行く際には?
 これから海外に渡航する人は何に気をつければいいのでしょうか。

 アメリカのCDC(疾病対策センター)は中国・武漢を訪れる旅行者への注意情報を示し、危険度のレベルは3段階のうち最も低いレベル1だとして、通常の予防措置をとればよいとしています。

 この中では、

▼生きていても死んでいても、動物との接触を避けること

▼病気の人との接触を避けること

▼石けんと水で少なくとも20秒間、手を洗うことなどが必要だとしています。

◇中国から帰国で症状 → 速やかに受診を
 海外の感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎教授は、中国から帰国した人が2週間以内に咳などの呼吸器の症状や37度5分以上の発熱がみられたら、速やかに医療機関を受診し、自分が中国に滞在していたという趣旨をきちんと医師に伝えて治療を受けてほしいとしています。

 「現状を見る限り、必要以上に恐れる感染症ではないと思う。行政の発する情報やニュースに常に注意し、海外でも常識的な行動を心がけていれば、感染のリスクはそれほど高くない」

◇「分からない」=「危険」ではない?
 新型のコロナウイルスはどこから来たのか、どれぐらいの感染力を持つのか、今後、ウイルスはどう変化するのか、などまだわからないことが多くあります。

 ただ、新型のコロナウイルスが出てきた際の対応についてはWHOや各国政府、それに専門家はSARSやMERSなど、過去の事例や経験に基づいて対策を進めています。

 これまでの情報からは私たちも過剰に心配する必要はなさそうですが、今後、しっかりと注目しておく必要はありそうです。
| 福祉・医療と教育 | 02:54 | comments(0) | - |