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ウクライナ旅客機撃墜 ハメネイ師 “責任の所在明らかに”
 イラン軍がウクライナの旅客機を誤って撃墜したことを認めたことについて、イランの最高指導者ハメネイ師は深い哀悼の意を示すとともに、原因の究明や責任の所在を明らかにするよう軍に指示したことを明らかにしました。

 今月8日、イランの首都テヘラン近郊の空港を離陸したウクライナ国際航空の旅客機が墜落し180人近くが死亡したことについて、11日、イラン軍は一転して、誤って撃墜したことを認めました。

 これについて、イランの最高指導者ハメネイ師は声明を発表し、「調査の結果、今回の旅客機の事故で、人為的な過ちが認められたことが報告され、この悲しい事故で人々が亡くなったことに衝撃を受けている」としたうえで、犠牲者の家族に深い哀悼の意を示しました。

 そのうえで、イラン軍に対して今回の撃墜についての原因究明や責任の所在を明らかにするよう指示するともに、すべての関係機関に再発防止のためにあらゆる措置をとるよう求めたということです。

 また、イランの政府系通信社ファルス通信によりますと、前日の10日朝にこれまでの調査の結果から人為的なミスによって旅客機が撃墜されたことがハメネイ師やロウハニ大統領に報告されたとしています。

 これを受けて、ハメネイ師は、国の最重要政策を決定する最高安全保障委員会を緊急で開催するよう求め、10日夜に会議が開かれたあと、ハメネイ師の指示に基づき、公表に至ったとしています。

◎航空機撃墜、イランが認めた理由 隠ぺい不可能と判断か
 (2020/01/11 18:57 朝日新聞社)

■慶応大大学院政策・メディア研究科教授の田中浩一郎氏
 イランの軍部は当初、ミサイルによる撃墜の事実を隠し通す方針だった。しかしネット上で墜落現場での地対空ミサイルの部品などの画像が出回り、隠蔽は不可能と判断したのだろう。

 認める時機としてはウクライナから事故調査団を受け入れた後という選択もあったが、早期に認めた理由として、二つ考えられる。

 一つは、1988年のペルシャ湾でイラン航空機が米イージス艦のミサイルで撃墜され、290人が死亡した事件だ。米国は当初すぐに誤射であることを認めなかったため、イラン政府はその後、約30年間、繰り返し事件に言及し米国を非難してきた。

 もし今回の撃墜の隠蔽が長引けば国家としての対外的信用も損ない、今後のあらゆる外交に悪影響を及ぼすと考えたのだろう。

 もう一つは、イランでは昨年末にかけてガソリン値上げを契機にした反政府デモが広がり、政府が鎮圧して多数の死傷者が出るなど、国民の不満が高まっていた。

 米軍によるソレイマニ司令官の殺害で国民の意識が米国など外に向かっていただけに事故処理を誤れば国民感情に再び火が付くと恐れたことも早期に認めた理由と考えられる。

 今回の件でも、米軍が駐留するイラクの基地への報復攻撃でも示されたが、注目すべきは最高指導者のハメネイ師周辺の外交バランスだ。ソレイマニ司令官の死で高揚する軍部を抑え、ある種のシビリアンコントロール(文民統制)が機能しているともいえる。

 (聞き手・伊藤喜之)
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