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井上靖が1969年のノーベル文学賞候補に 川端康成受賞の翌年

 シルクロードを題材にした歴史小説などを多く残したことで知られる小説家の井上靖が、川端康成が受賞した翌年にあたる1969年のノーベル文学賞の選考で初めて候補となっていたことが明らかになりました。

 ノーベル文学賞の選考資料は、スウェーデン・アカデミーが50年たったあと情報公開請求に応じて開示し、川端康成が日本人として初めて受賞した翌年にあたる1969年の選考の議事録が、2日、初めて公開されました。

 それによりますと、この年の候補者は103人に上り、この中に小説家の井上靖の名前があり、この年初めて候補となっていたことが分かりました。

 井上はドイツの文学研究者の推薦を受けていましたが、議事録には、「ことし、また新たに日本に賞を与えることは考えられないため、この候補者については調査を行わない」とだけ記され、川端の翌年に日本人作家への授賞を再び議論する状況ではなかったことがうかがえます。

 井上靖は、シルクロードを題材にした歴史小説などを多く残したことで知られ、国内ではこの時までに、『あすなろ物語』や『氷壁』、『敦煌』などの代表作を発表していました。

 この年の議事録に載っていた日本人は井上だけで、1963年と1967年に最終候補に残るなど高い評価を受けてきた三島由紀夫の名前はありませんでした。この年のノーベル文学賞はアイルランド出身の劇作家、サミュエル・ベケットが受賞しています。

◇専門家「候補のうわさ裏付けされた」
 ノーベル文学賞の選考の歴史を調べている日本大学大学院の秋草俊一郎准教授は、「井上靖は1980年代初頭に国内の新聞報道で“ノーベル賞候補”として取り沙汰されたことがあったが、今回の資料で、実際に候補者であったことが初めて裏付けされた。井上の作品は1950年代の後半から英訳が出始め、1960年代にかけてはイタリア語やドイツ語などヨーロッパの言語へも翻訳が増えていた。その後、1980年代には世界の文学者で組織する国際ペンクラブの副会長を務めていて、アカデミーの井上への評価が、このあとどのように変わっていったのかも興味深い」と話しています。
| 雑感 | 05:15 | comments(0) | - |