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優れた営業マン「雑談」をしない理由
◎本当に優れた営業マンが「雑談」を決してしない理由とは?
 (2019/12/07 20:30 ZUU Online)

■「雑談」を「戦略的シナリオトーク」に変える
 たいていの上司は、『まずは雑談で顧客の心をなごませて……』、とか『雑談を通じて仲良くなって……』など、訳知り顔で部下に教えます。雑談こそが営業力のシンボルとでも言わんばかりですが、営業に雑談は本当に必要なのでしょうか?

 実は、トップ営業マンは決して雑談はしていません。営業に必要なのは、『雑に話をする』雑談ではなく、綿密に計画された『戦略的シナリオトーク』です。雑談に見えて雑談でない話。これがトップ営業マンに共通しているスキルなのです。

■まずは『雑談』という言葉を捨てる
 雑談という言葉を聞いて、あなたはどんな会話を想像するでしょう?

1.決められたテーマがない

2.決められたメンバーもいない

3.決められた時間もない

4.決められた目標もない

5.決められた評価項目もない

 これが雑談です。つまり、無計画、無目的な話です。

 社内で雑談という言葉を使いだすと、誤解が生まれてしまいます。つまり、『営業のスタートは、目的もなく、計画もない話をしなさい』と言っているようなものです。これでは、よい話ができるわけがありません。

 営業に雑な意識で雑な言葉を使う無駄な時間は1秒もありません。逆に1秒1秒が戦略に基づいた綿密なコミュニケーションであるべきです。

 まずは、営業行為としての雑談という言葉を使わないこと。これがトップ営業を目指すための第一歩です。

■必要なのは「シナリオ」
 それでは、いわゆる雑談と呼ばれることの多い営業トークの冒頭部分はなんと呼ぶべきなのでしょうか?

 私はそれを、『戦略的シナリオトーク』と呼ぶことにしています。

 営業トークには、綿密に計画されたシナリオが必要です。

 戦略的シナリオトークは無駄話ではありません。必然の会話です。営業トークの基本はイニシアティブを持つこと。雑談に見せかけて、実は冷静に目的地に誘導していく。これが戦略的シナリオトークです。

 中でも接客の最初の5分は、結果に大きく影響します。顧客は、第一印象と共に、『第一評価』を下します。最初の5分で、ほぼ顧客の答えは出されてしまうのです。

■信頼を得るためには「リスペクト」と「ライク」を?
 その最初の5分にするべきことは、二つあります。

 一つ目は、いつまでもなく信頼の獲得。二つ目が顧客からの直接、間接の情報収集です。

 戦略的シナリオトークの目的のひとつが信頼の獲得であるならば、ぼーっと雑談をしていては、信頼を獲得できるわけがありません。

 信頼を獲得すれば、成約の可能性は大幅にアップし、同時にクレームのリスクも低くなります。

 信頼はrespectとlikeから生まれます。尊敬と好感を持ってもらうことが、信頼への近道なのです。

 その二つを得ることが戦略シナリオトークの目的です。

■「暑いですね」「寒いですね」は実はNGワードだった!?
 尊敬を得るには、情報として「価値ある話」をすることです。いわゆる『へーっ!』です。

 例えば天気の話。営業トークで天気の話はよくネタに使われますが、単なる雑談では、むしろ営業機会の損失につながることもあります。

 天気に関する会話では、『暑いですね』『寒いですね』の話になりがちです。暑いか、寒いかは、誰にでもわかることですし、それを聞いた顧客はどんな気持ちになるでしょう。『暑くてイヤだわ』『寒くてイヤだわ』というマイナスの気持ちをわざわざ誘発していることになるのです。

 これを共感と勘違いする営業マンがいるのですが、共感力とは最終的に顧客を”ごきげん”な気持ちに誘う力です。顧客はごきげんにならないと購買意識がわかない、というのは営業の常識であるのに、天気の話をしてわざわざ顧客のモチベーションを下げてしまっていることに気づかない営業マンもいるのです。これでは本当に「雑な話」です。

■トップ営業マンが実践する「戦略的な天気の話」とは?
 戦略的シナリオトークなら、天気の話も戦略的にします。つまり、情報としての価値がある天気の話をするのです。

 例えば天気予報。今現在、暑いか寒いかは誰でもわかることですが、これからどんな気温になるのか、これからどんな天気になるのかは、情報としての価値があります。

 つまり、『今は暑いですが、今夜は相当冷えるらしいですよ。』とか『明日は雨が降るらしいので、折り畳み傘はお持ちになったほうがいいですよ。』などのいわゆる天気予報話なら、相手にとっての価値となるのです。

 また、暑い日が続いている時に、『暑い時でもお水は常温で飲んだほうが身体の負担が少なくてすむそうです。』とか、『最近は”飲む日焼け止め”があるそうです。』などの、天候に対する知恵や情報をお届けするのもいいでしょう。

 こうした価値ある情報を伝えることで、顧客からの信頼を瞬時に得ることができるのです。言い換えれば『聞いておもしろい話』をすることです。

■「面白い話」や「誉め言葉」には危険も
 また、情報としての価値の他に「ごきげんを届ける」というのも信頼の獲得には欠かせません。いわゆる『オモロイ』話ですね。笑いを生む会話です。

 しかしながら、このオモロイ話というのは、スベるリスクもありますし、営業マンは芸人さんではないので、そうそうレベルの高いオモロイ話をするのは難しいことがほとんどです。オモロイ話には芸風もありますから、相手の好みに合わないと、居心地の悪い時間を作ってしまうことになります。

 ごきげんにしようとして、やたらと相手を褒める人もいますが、褒めるコミュニケーションは、これもまた相当に高いレベルのスキルが求められます。相手が褒められたいことを褒めてこそ、はじめて褒めたことになるのですが、初対面ではそこまで読み切れず、『褒め音痴』という失態をしでかすことになります。

■営業トークには『二筒式エンジン』が必要
 それでは、相手にごきげんになってもらう、相手に好感を持ってもらうにはどうしたらよいかと言えば、最初の5分でとにかく相手を観察しまくり、好感のツボを探り出すことです。

 戦略的シナリオトークには、「二筒式エンジン」が必要です。左脳と右脳をフル回転しながら、会話を進めるというイメージです。左脳で情報を分析しながら、右脳で話をする。これを繰り返しながら、相手のインサイト、つまり『好感のツボ』を探り出すというプロセスが、戦略的シナリオトークなのです。

 戦略的シナリオトークとは、シナリオがありながら、その場で得た情報に対し、『即興的対応』も求められます。そのため、内の二筒式エンジンをフル稼働させることが必要になります。

 いくつかの投げかけをした後に、想定されていない反応があった場合は、しなやかな思考力でその場で即興的な対応をすることで、相手の好感のツボにたどり着けるのです。

■戦略的シナリオトークに欠かせないツールとは?
 相手の好感のツボがわかったら、それを最大限生かして、信頼の獲得に取り掛かります。人は、自分の好きな話をするときにごきげんになります。好きなことについて、深く広く語れることほど楽しいことはないからです。

 相手の好感のツボがわかったら、そのことについて話をするだけで、相手は信頼と好感を持ってくれます。

 ここで問題になるのが、相手の好感のツボを話題にどこまで深い話ができるかです。野球ファンなら、応援している球団の動向、主力選手、今年の成績など細かいことを知っていればいるほど、相手は喜んでくれます。映画好きな人であっても、洋画好きと邦画好きでは話題が全く変わります。

 戦略的シナリオトークで最大の目的地である相手の好感のツボを探ることができても、そのことについての知識教養がなければ、相手がごきげんになる会話は交わせません。結局、知識教養の広さ、深さが営業力につながるといっても過言ではないでしょう。知識教養は一朝一夕で身につくものではないので、日頃からの情報の貯金が必要になります。

 戦略的シナリオトークと知識教養、これこそがトップ営業マンに求められるスキルです。

 雑談という概念から抜け出し、計画性、戦略性を持ったトークを心掛けていきたいものです。

※安東徳子(あんどう・のりこ)
 株式会社エスプレシーボ・コム代表取締役
 明治学院大学社会学部社会学科卒。広告代理店勤務、ピアノ講師を経て、1986年からウエディングプランナーとして活動。1992年、東京観光専門学校にて日本初となるウエディングの専門教育に着手し、1996年にウエディングプロデュース事業を立ち上げる。その後、ホテル、結婚式場などのコンサルティング事業を開始。美容系専門学校の創立に参画し校長に就任。コンサルテーションを担当。現在はサービスビジネスコンサルタントとして活躍。株式会社エスプレシーボ・コム代表取締役、株式会社ポジティーボ取締役、一般社団法人日本ヘッドスパ協会理事。著書に、「究極のホスピタリティを実現する「共感力」の鍛え方――AIにはできない、人にしかできない!」などがある。(『THE21オンライン』2019年10月21日 公開)
| 雑感 | 05:33 | comments(0) | trackbacks(0) |









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