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牛肉 豚肉安く?日米新貿易協定 来年1月1日発効の方向で調整

 日米の新たな貿易協定の国会承認を求める議案は参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党などの賛成多数で可決・承認されました。日米両政府は来年1月1日を協定の発効日とする方向で調整しています。

 日米の新たな貿易協定の国会承認を求める議案は4日の参議院本会議で討論が行われました。

 この中で自民党は、「懸念された自動車の追加関税は課されないことが確認され、さらなる交渉による関税撤廃についても協定上、明記されている。農業分野もアメリカ産牛肉と豚肉の関税削減はTPP協定と同じ水準であり、わが国の国益はしっかりと守られ、増進した」と述べました。

 一方、立憲民主党などの会派は、「自動車、自動車部品の関税撤廃を勝ち取ることができず、今後の交渉でも関税撤廃は確約されていない。日米貿易協定は日米双方にとってウィンウィンの成果物ではなく、日本にとって完全敗北の内容であることは明らかだ」と批判しました。

 このあと採決の結果、国会承認を求める議案は自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決・承認されました。

 また、インターネットを使った商取引のルールを定めた日米デジタル貿易協定もあわせて可決・承認されました。

 政府は近く、協定の締結を閣議決定し、アメリカに通知する方針です。

 日米貿易協定は両政府が合意する日に発効すると定められていて、日米両政府は来年1月1日を協定の発効日とする方向で調整しています。

◇農産品と工業品の物品関税に関する日米2国間の協定
 日米の新たな貿易協定は農産品と工業品の物品関税に関する日米2国間の協定です。

 このうち農産品の分野で日本は、アメリカが求める市場開放にTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の水準を超えない範囲で応じます。

 牛肉は現在38.5%の関税を2033年度に9%まで引き下げる一方、国内の畜産農家への影響を抑えるため、一定の数量を超えれば関税を緊急的に引き上げる「セーフガード」と呼ばれる措置が導入されます。

 豚肉は価格の安い肉にかけている1キロ当たり最大482円の関税を2027年度に50円に、価格の高い肉にかけている4.3%の関税は2027年度に撤廃します。

 小麦については国が一括して輸入し、国内の製粉業者などに販売する「国家貿易」の仕組みは維持したうえで、アメリカに対し、最大で15万トンの輸入枠を新たに設けます。

 これらはいずれもTPPの交渉時に日本がアメリカと合意していた内容と同じ水準です。

 一方、日本が最も重要な品目として交渉に臨んだコメは1キロ当たり341円という高い関税は維持したうえで、TPP交渉で日本がアメリカに設定した年間最大7万トンの無関税の輸入枠は設けないことになりました。

 また、乳製品もバターや脱脂粉乳などの低関税の輸入枠は設けないとしていて、いずれもアメリカ側が譲歩した形です。

 さらに、アメリカへの輸出の分野では、牛肉は低い関税が適用される枠が実質的に拡大することになり、日本産牛肉の輸出の増加が期待されます。

 一方、工業品の輸出をめぐっては主要な輸出品である自動車と関連部品の扱いが継続協議となり、国会審議ではこの分野の交渉内容が論点となりました。

 政府は協定の付属書に、「関税撤廃に関してさらに交渉する」と記載されたことなどを踏まえ、将来的な関税撤廃は合意事項であり、今後、どのくらいの期間をかけて撤廃するかについてアメリカと交渉していくと説明しています。

 これに対し、野党側は自動車関税をめぐる交渉の継続を確認したにすぎず、関税撤廃は確約されたものではないなどと批判しました。

 また、政府はアメリカが通商拡大法232条に基づく日本車への追加関税や、日本からの自動車の輸出を制限する数量規制を発動しないことを首脳間や閣僚間で確認したとしていますが、野党側は「口約束にすぎない」などと追及しました。

◇貿易協定の今後は?
 日米貿易協定は両国が国内手続きを完了したことを通知した日から30日後、もしくは両国が合意する日に発効すると定められていて、日米両政府は来年1月1日を協定の発効日とする方向で調整しています。

 協定の発効後はことし9月の日米共同声明に沿って、発効日から4か月以内に次の交渉分野をめぐる協議を行うとされています。

 次の交渉分野をめぐっては、野党側が農産品やサービスなどの分野でアメリカからさらなる譲歩を求められるのではないかと指摘しているのに対し、政府は日本側が交渉対象として想定しているのは継続協議となった自動車分野のみだと説明しています。

 一方、共同声明の記載内容が「日米両国は交渉を開始する『意図』である」と断定的な書き方を避けていることなどから、実際に交渉が始まるかどうかは不透明だという指摘も出ています。

◇日米デジタル貿易協定 電子データで関税課さず
 日米貿易協定とともに国会で承認された「日米デジタル貿易協定」ではインターネットを使った商取引など、デジタル分野での日米の貿易を促進するとともに、両国が国際的なルールづくりで主導権を握りたいねらいがあります。

 協定では日米間の電子データのやり取りについて原則として禁止や制限をしないことや関税を課さないことを定めています。

 これは例えばアメリカのアマゾンやネットフリックスなどの動画配信サービスを日本で利用する際には今後も関税をかけないことを約束するものです。

 協定ではさらに、IT企業などの活動の妨げにならないよう企業のサーバーを自国内に設置するよう求めないこととしているほか、企業の知的財産を保護するためサービスを販売する条件として、ソフトウエアの設計図とも言える「ソースコード」や性能を左右する「アルゴリズム」などを国が開示するよう求めてはならないとしています。

 この背景にはデジタル分野で成長著しい中国が自国内からの自由なデータの移転を原則禁止していることなどに対抗する意味合いもあり、日米が協定を結ぶことにより、国際的なルールづくりで主導権を握りたいねらいがあります。

◇自民 中谷氏「日米関係 当面心配ない」
 自民党の中谷・元防衛大臣は谷垣グループの会合で、「貿易協定は日米間の信頼関係の下、協議された。アメリカと中国などが貿易摩擦を起こしている中、日米関係は当面そういった心配もなく非常によかった」と述べました。

◇公明 山口代表「今国会最大のテーマ承認」
 公明党の山口代表は党の参議院議員総会で、「今国会の最大のテーマだった日米の貿易協定が、きょう承認の運びとなった。皆さんの努力に心から敬意を表したい。残りわずかな会期となったが、最後まで与党として、攻めの一手を打ち続けることが大事で、守りもしっかり対応して乗り切りたい」と述べました。

◇国民 玉木代表「令和の不平等条約」
 国民民主党の玉木代表は記者会見で、「自動車の追加関税が課されないという政府の説明は納得できないし、アメリカ側の関税撤廃率がWTO(世界貿易機関)のルールに違反する可能性もある。とてもウィンウィンとは呼べず、将来に禍根を残す『令和の不平等条約』で大変残念だ。引き続き注視し、追及したい」と述べました。

◇経済同友会 櫻田代表幹事「想定どおりで安心」
 日米の新たな貿易協定の国会承認を求める議案が参議院本会議で賛成多数で可決・承認されたことについて、経済同友会の櫻田代表幹事は4日の定例の記者会見で、「想定どおりで安心した。われわれが期待していた自動車や自動車部品の関税撤廃は先送りということでじっくり、諦めずに取り組むことが大事だ」と述べ、今後の交渉を注視していく考えを示しました。
| 政策 | 21:11 | comments(0) | trackbacks(0) |









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