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孫社長「勝者総取りの世界」ヤフー・LINE経営統合の背景は
 ソフトバンクグループの孫正義社長は、日頃から「IT業界は勝者総取りの世界だ」と発言し、業界のトップを取ることが重要だと強調していて、こうした方針が、傘下のソフトバンクやヤフーの戦略に影響しています。

 ヤフーがことし9月、4000億円を投じて国内最大級のファッション通販サイトを運営するZOZOの買収を決めた際も、孫社長が双方を仲介する役割を担いました。

 今回の経営統合では、LINEがソフトバンクのグループに入る形になり、ヤフーとともに検索やSNS、スマートフォン決済など、幅広いインターネットサービスを一手に担うグループが生まれます。

 孫社長としては、創業まもないころからソフトバンクグループが出資し、ネット通販やスマホ決済などで巨大IT企業に成長した中国のアリババグループのような存在にしたい意向と見られ、海外勢に対抗できるような力をつけられるかが注目されます。

◇ヤフー・LINEのねらい
 ヤフーとLINEは経営統合を機に互いの強みを持ち寄り、国内外のネット業界で存在感を高めたい考えです。

 ヤフーは検索やニュース配信などを手がけ5000万人の利用者がいますが、ネット通販の分野では、アマゾンや楽天といったライバルに後れを取っています。

 調査会社「ニールセン」のことし5月時点の調査では、ネット通販の国内の利用者はアマゾンが4672万人、楽天が4573万人で、ヤフーは2742万人となっています。

 ヤフーは、ネット通販で国内トップになる目標を掲げてファッション通販サイトを運営するZOZOを買収したばかりで、今後、若い世代を中心にしたLINEの顧客基盤を活用して一段と事業の拡大を図りたい考えです。

 また、事業者が乱立状態になっているスマートフォン決済の分野では、両社の統合によって、シェアが一気に高まります。

 調査会社「MMD研究所」によりますと、スマホのQRコード決済の利用率は、ソフトバンクグループの「PayPay」が44.2%でトップ。次いで、「楽天ペイ」が17.1%、「LINEPay」が13.6%、NTTドコモの「d払い」13.6%などとなっています。

 「PayPay」と「LINEPay」を単純に合わせると50%を超える計算になり、今後、双方の利用者が手数料なく送金できるようになることなどが想定されます。

 また、LINEにとっては、無料アプリで8200万人に上る膨大な顧客基盤を持つ一方、スマホ決済などの分野の先行投資が響き、ことし1月から9月の決算は339億円の最終赤字になっています。

 このため、LINEは、ヤフーとの統合によりソフトバンクグループ入りし、その資金力やAI関連の技術などを活用することが今後の成長にとって必要だと判断したとみられます。

◇対GAFA 守りと攻め
 今回の統合は、国内のインターネットサービスでトップになることに加えて、海外展開も積極的に進めるねらいがありますが、海外では「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業が圧倒的な存在感を持っており、ヤフーとLINEが国内市場を守りながら、どこまで海外で対抗できるかは未知数です。

 アメリカでは、年間の売り上げでアマゾンが日本円で25兆円余り、グーグルの持ち株会社、アルファベットがおよそ15兆円などと、日本のIT関連企業と比べて桁違いの規模を誇っています。

 アップルとフェイスブックも含めた4社の頭文字を取って「GAFA」と呼ばれるこれらの企業は、ネット通販や検索サービスなどの事業に加えてキャシュレス決済や動画配信などサービスの多角化を図っていて、1社であらゆるサービスを完結できる、みずからの「経済圏」に利用者を取り込んでいます。

 また、次世代技術の鍵となるAI(人工知能)などの分野の研究開発投資も盛んに行っています。

 中国でも「バイドゥ」、「アリババ」、「テンセント」の頭文字から「BAT」と呼ばれる大手IT企業が急成長していて、年間の売り上げは、アリババグループが5兆8000億円、テンセントが4兆8000億円と、こちらも日本企業を大きく上回っています。

 一方、LINEは国内で8200万人の利用者がいるだけでなく、タイで4500万人、台湾で2100万人、インドネシアで1600万人の利用者を持っていて、タイと台湾でのシェアはトップ、インドネシアでは2位だということです。

 ヤフーの場合は、アメリカ企業とのライセンス契約となっているため、原則として、ロゴやブランドは、日本でしか使えません。

 統合後は、LINEが持つアジアでの顧客に対してヤフーのネットサービスを提供していくこともできるようになり、海外の巨大IT企業の背中を追う足がかりにしたいねらいです。

 18日に発表した声明で両社は、「インターネット業界では米中を中心とする海外企業が圧倒的に優勢だ」とする一方、「革新的なモデルをアジア、さらには世界に展開し日本・アジアから世界をリードするAIテックカンパニーとなることを目指す」と表明しました。

◇LINE SBグループ入り
 ヤフーとLINEとの経営統合は段階的に進められ、最終的にLINEはソフトバンクのグループに入ることになります。

 LINEは東証1部に上場していますが、今回の統合では、まず、ソフトバンクと韓国のネイバーがそれぞれ1700億円ずつ、合わせて3400億円を拠出してLINEの株式のTOB(公開買い付け)を行い、LINEの上場は廃止されます。

 その後、LINEはヤフーとともに持ち株会社、Zホールディングスの100%子会社となります。

 Zホールディングスの筆頭株主はソフトバンクとネイバーが50%ずつを出し合って設ける会社で、この会社がソフトバンクの連結子会社となるとしています。
| 政策 | 23:49 | comments(0) | trackbacks(0) |









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