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国が始めた遠隔死亡診断 全国で1度も実施されず
 人生の最期を、自宅で迎えやすいようにしようと、国はおととし医師が遠隔で死亡診断を行える体制を整えましたが、全国で一例も実施されていないことが分かりました。

 医師が患者のもとに到着するまでに12時間以上かかることなどが要件になっていて、現場の医師はこれを満たすのは厳しいと指摘しています。

 自宅など希望する場所で、人生の最期を迎えたいという人は多くいますが、過疎地や離島などでは死亡診断を行う医師が少なく、すぐには患者のもとに駆けつけられないため、患者が入院を余儀なくされるなどして、自宅での「みとり」が困難になるケースがあります。

 厚生労働省はおととし9月、遠隔で死亡診断を行うためのガイドラインを作り、医師の到着までに12時間以上かかる場合などに、看護師から患者の写真やデータを受け取って診断できるとしましたが、その後、全国で一例も行われていないことが分かりました。

 現場の医師や看護師は、医師の到着までに12時間以上という要件を満たせないことや、亡くなった患者を撮影することに看護師が抵抗感を持っていることが背景にあると指摘しています。

 厚生労働省は、需要があるかなど情報を集め、必要に応じてガイドラインを見直していきたいとしています。

 日本医師会の今村聡副会長は、「死亡診断は本来、医師が対面で行うのが最も望ましい形で、遠隔で行う需要があるのかなど実態を検証する必要がある」と指摘しています。

◇要件厳しい遠隔死亡診断 より柔軟性ある現実的な条件を
 遠隔での死亡診断について、国のガイドラインでは患者や家族による事前の同意が必要で、医師が患者のもとに到着するのに12時間以上かかる場合などに限られています。

 そして、あらかじめ研修を受けた看護師が患者の元に駆けつけ、決められた手順で呼吸や心臓の停止などを確認したうえで、テレビ電話やスマートフォンを通じて、医師に患者の写真などの情報を送ります。

 これを受けて最終的に医師が死亡診断を行うとしています。

 このガイドラインについて、在宅医療を行う現場からは、要件が厳しいという声が出ています。

 長野市で在宅医療に取り組む平方眞医師は、地域を回って自宅や施設で暮らす高齢者の訪問診療を行っています。

 勤務する病院で訪問診療を行っている医師は平方さんを含めて3人で、患者の自宅や施設で死亡診断を行ったのは、おととしの1年間だけでも150人に上ります。

 この10年ほどで増える傾向にあり、ときには片道100キロ、3時間をかけて患者の自宅を訪問して死亡診断を行うこともあるということです。

 平方医師は、遠隔での死亡診断は有効な選択肢の1つだと考えていますが、「医師の到着までに12時間以上」という要件を満たすことは自身が受け持つ患者ではなく、実施は難しいと考えています。

 平方医師は、「在宅医療の需要は増え続け、現場の医師は厳しい状況に置かれているので、より柔軟性のある現実的な条件を考えてほしい」と話しています。

 一方、患者の自宅などを訪問して医師を支援する看護師からは、通常の死亡診断とは異なることを求められることへの不安の声が聞かれました。

 茨城県桜川市にある訪問看護ステーションに勤める看護師の廣瀬智子さんは、遠隔での死亡診断を支援する看護師に必要な研修を受講し、実施に向けた準備を進めています。

 しかし、ガイドラインでは異状死の疑いがないか、現場の看護師が亡くなった患者の写真を撮影する必要があり、家族らの理解をえるのがときには難しいと感じています。

 廣瀬さんは、「通常のみとりとは異なる手順があることを心配しています。遠隔でのみとりについて多くの人に知ってもらい、納得してもらうことが必要だと思います」と話しています。
| 福祉・医療と教育 | 13:13 | comments(0) | trackbacks(0) |









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