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介護保険 維持できない?自己負担増やすか 検討始まる 厚労省

 高齢化が急速に進み介護費用が増え続ける中、厚生労働省は、介護保険サービスを利用する人の自己負担を増やすかどうか、本格的な検討を始めました。

 今年度の介護費用の総額は予算ベースで11兆7000億円。介護保険制度が始まった平成12年と比べて3倍以上に膨らんでいます。

 介護費用は今後さらに増加する見通しで、厚生労働省は、このままでは介護保険制度を維持していけなくなるおそれがあるとして、利用者の負担を増やすかどうか本格的な検討を始めました。

 28日開かれた専門家部会では具体的な論点が示されました。

 主に7つです。

◇論点1 被保険者・受給者の範囲見直し

▽保険料の支払い=40歳〜、

▽介護保険でサービスが受けられる=原則65歳〜。

⇒この対象年齢を見直すかどうか。

◇論点2 補足給付の見直し

低所得の人が介護施設を利用する場合に給付している居住費や食費。
⇒対象者を狭めるかどうか。

◇論点3 多床室の室料負担

介護施設での「相部屋」の利用料は保険給付でまかなわれています。
⇒自己負担とするなど見直すかどうか。

◇論点4 ケアマネジメントの自己負担

在宅で介護を受ける際にケアマネージャーにサービスの利用計画を作成してもらうなどする「ケアマネジメント」は現在は無料。
⇒自己負担を求めるかどうか。

◇論点5 要介護1・2の生活援助の市町村移行

要介護1と2の人が受ける、買い物、調理、洗濯などの生活援助サービス。
⇒国から市町村の事業に移行するかどうか。

◇論点6 高額介護サービス 自己負担上限額引き上げ

1か月ごとの自己負担の上限額は現在4万4400円。
⇒年収に応じて引き上げるかどうか。

◇論点7 自己負担「2割」「3割」対象者見直し

介護サービスを受ける際の自己負担の比率は現在は原則1割、「所得の多い人」は2割または3割。
⇒この所得の範囲を拡大するかどうか。

◇委員「負担求めるべき」「慎重に議論を」
 委員からは、

▽「現役世代の負担を抑えるためにも介護の利用者にも収入などに応じて負担を求めていくべき」といった意見が出た一方、

▽「自己負担の増加は必要な介護サービスの利用控えにつながるおそれがあり、慎重な議論が必要だ」といった意見も出ていました。

 厚生労働省は、再来年の制度改正に向けて年内にも結論を取りまとめ、来年の国会に法案を提出する方針です。

◇介護保険 現状と見通しは
 介護保険制度は2000年に始まり、

▼40歳以上の人が支払う保険料、

▼公費、

▼利用者の自己負担、

で費用がまかなわれています。

◇総費用 20年足らずで3倍にも
 急速な高齢化を背景に、

▼介護が必要な人は今年度665万人と制度開始当初の3倍以上に増え、

これに伴って、

▼費用の総額も今年度の予算ベースで年間11兆7000億円と当初の3倍以上に膨らんでいます。

◇2025年には15兆円突破へ
 今後、利用者や費用はさらに増え続け、団塊の世代がすべて75歳となる2025年には介護が必要な人が771万人となり、費用は自己負担分を除いて15.3兆円に達する見通しです。

◇高齢者数ピークの2040年 25兆8000億円に
 さらに、高齢者の数がピークになる2040年には介護費用は自己負担分を除いて25.8兆円と今年度よりおよそ2.4倍に膨らむと推計されています。

◇支え手(現役世代)は減少 喫緊の課題に
 一方、介護保険制度の支え手となる現役世代は減少していく見通しで、制度をいかに維持していくかが喫緊の課題となっています。

◇年金生活者「とてもじゃないがやっていけない」
 介護保険サービスの自己負担の増加をめぐる国の議論ついて、高齢者からは不安の声が上がっています。

 都内で1人暮らしをしている勝田洋子さん(78)はつえが無くては歩けず、要介護3の認定を受け、週に1回、訪問介護やデイサービスなどを利用しています。

 勝田さんの収入は毎月およそ7万円の年金だけ。

 自己負担は月に8000円ほどです。

 腰の持病などの医療費も毎月5000円ほど負担。

 食費、光熱費、マンションの管理費なども合わせると、手元にはほとんどお金が残らないといいます。

 今も生活費を切り詰めながら暮らしていて、これ以上、自己負担が増えると介護サービスが利用できなくなるのではないかと心配しています。

 勝田さんは、「今でもリハビリの回数を減らして何とかやりくりしているのが現状です。先月には消費税が上がり、今後、介護費用も増えたらとてもじゃないけどやっていけません」と話していました。

◇専門家「利用者負担増は国の財政負担増に」
 介護保険制度に詳しい淑徳大学の結城康博教授は、「国民年金しか収入がないなど経済的に厳しい高齢者が増える中、利用者負担を増やすことは介護サービスの利用控えにつながりかねない。適切なサービスが受けられないと、状態が悪化してさらに多くの介護サービスが必要になり、結果的に財政負担の増加につながるおそれもある。国は、目先の財源だけでなく、中長期的な視野を持って利用者負担について慎重に議論すべきだ」と指摘しました。
| 福祉・医療と教育 | 06:49 | comments(0) | trackbacks(0) |









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