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高齢者「上級と下級」の分水嶺とは
◎年金と介護 「上級高齢者」と「下級高齢者」の分水嶺とは
 (2019/08/13 16:00 マネーポストWEB)

 「老後資金2000万円不足問題」の本質は、老後が長すぎることにある。20歳から60歳まで40年間、サラリーマンの夫が年金保険料を納めただけで、夫婦が100歳まで、2人合わせて計80年間安心して生きていけるなどという話があるはずはない。

 新著『上級国民/下級国民』が話題の作家の橘玲氏によると、その答えは「老後を短くする」ことだ。「長く働く」ことで「年金の繰り下げ受給」が可能になる。「上級高齢者/下級高齢者」の分水嶺ともなるそのメリットについて、橘氏が解説する。

 * * *

 現行の制度では65歳より早く年金を受給すると1か月あたり0.5%ずつ年金受給額が減らされ、遅く受給する場合には0.7%ずつ増えていく。

 繰り上げはペナルティが科され、繰り下げには大きなプレミアムが上乗せされている。いまは70歳が繰り下げの上限だが、今後は75歳や80歳までできるようになるだろう。

 仮に80歳まで繰り下げるとすると、年金受給額はほぼ倍になる計算だ。65歳時点で月額20万円の年金が月額40万円になる。

 金融庁の報告書では、65歳で2000万円の金融資産と月額20万円の年金がないと安心した老後は過ごせないとされた。

 だが80歳の時点で月額40万円の年金があれば、たいした貯金がなくても老後に不安はないだろう。

 金融資産をもたない50代のサラリーマンが、10年間で2000万円を貯めるのは不可能だが、働くことは健康であれば誰にでもできる。「長く働いて年金を繰り下げる」が超高齢社会の最強の人生設計なのだ。

◇「子供夫婦まで巻き込む」のは避けたい
 80歳以降に「持ち家」から「賃貸」に移るのが富裕層の理想的な選択だとすると、下級高齢者がこれを選ぶことは不可能なのか――。

 適切な介護サービスのある有料老人ホームの月額利用料が約30万円だとしよう。年金が月額20万円なら、足りない10万円を貯金から取り崩すしかない。

 貯蓄がなければ子どもの世話になるしかなく、子どもの家計に余裕がなければ親子そろって最貧困に転落してしまう。そんな罠にはまらないためにも、「長く働く、いっしょに働く」ことを夫婦でじっくり相談してみたらどうだろう。

 乏しい金融資産を運用するより、ほとんどのひとにとっては働くことが最大の「資産運用」だ。上級高齢者にはなれないかもしれないが、すくなくとも下級高齢者からは脱することができるはずだ。

◆橘玲(たちばな・あきら)
 1959年生まれ。作家。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎文庫)、『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書)などベストセラー多数。新刊『上級国民/下級国民』(小学館新書)が話題。

※週刊ポスト2019年8月16・23日号
| 雑感 | 23:54 | comments(0) | trackbacks(0) |









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