2019.08.09 Friday
長崎 平和宣言「被爆国の責任として核兵器禁止条約に署名を」

長崎に原爆が投下されてから74年となる9日、長崎市で平和祈念式典が行われ、田上富久市長は平和宣言で、「唯一の戦争被爆国の責任として、核兵器禁止条約に一刻も早く署名、批准すべきだ」と述べ、日本政府に対して、戦争をしないという平和の理念を世界に広げるためのリーダーシップを発揮するよう求めました。
長崎市の平和公園で行われた式典には、被爆者や遺族、それに66か国の代表を含むおよそ5900人が参列し、この1年間に亡くなった被爆者など3402人の名前が書き加えられた、18万2601人の原爆死没者名簿が納められました。
そして、原爆がさく裂した午前11時2分に合わせて鐘が鳴らされ、原爆で亡くなった人たちに黙とうがささげられました。
長崎市の田上市長は、平和宣言の中で、原爆によって家族全員を亡くした被爆者、山口カズ子さんが、当時、目の当たりにした惨状をつづった詩を引用し、二度と原爆を使ってはならないという被爆者の思いを訴えました。
そして、核兵器廃絶に向けた国際情勢が厳しさを増す中、核保有国に対して核軍縮の義務を果たすよう求めるとともに、日本政府に対しては「唯一の戦争被爆国の責任として、一刻も早く核兵器禁止条約に批准・署名し、『戦争をしない』という平和の理念を世界に広げるリーダーシップを発揮するべきだ」と訴えました。
これに対し、安倍総理大臣は、「核軍縮をめぐっては各国の立場の隔たりが拡大している」としたうえで、「『核兵器のない世界』の実現に向けて、核兵器国と非核兵器国の橋渡しに努め、双方の協力を得ながら対話を粘り強く促し、国際社会の取り組みを主導していく決意だ」と述べた一方、核兵器禁止条約については言及しませんでした。
また、被爆者を代表して「平和への誓い」を読み上げた山脇佳朗さん(85)は、「被爆者が生きているうちに、世界で唯一の被爆国として、核保有国に核兵器を無くすよう働きかけ、核兵器廃絶のきぜんとした態度を示してほしい」と述べ、最後に「世界から核兵器を廃絶し、長崎を最後の被爆地にするため、皆さんの力を貸してください」と英語で呼びかけました。
◇平和への誓い「あらゆる核保有国に働きかけを」
平和祈念式典で被爆者を代表して「平和への誓い」を述べたのは、長崎平和推進協会で被爆体験の語り部活動を続け、政府の「非核特使」にも任命された山脇佳朗さんです。
山脇さんは、11歳のときに爆心地からおよそ2.2キロの自宅で被爆し、父親を原爆で亡くしています。
山脇さんは「平和への誓い」の中で、兄弟3人で亡くなった父親を火葬したものの、変わり果てた姿に驚き、逃げ出してしまった体験を語りました。
そして、被爆後に急性肝炎や腎炎、胃がんを発症しながらも、60歳を過ぎて独学で英語を学び、国際会議などで世界に向けて核兵器廃絶を訴えてきたことを紹介しました。
そのうえで、安倍総理大臣に対し、「被爆者が生きているうちに、世界で唯一の被爆国として、あらゆる核保有国に『核兵器をなくそう』と働きかけてください。アメリカに追従することなく、核兵器廃絶のきぜんとした態度を示してください」と訴えました。
◇爆心地で祈り
長崎市松山町の爆心地公園でも、原爆がさく裂した午前11時2分に合わせて訪れた人たちが黙とうし、犠牲者に祈りをささげました。
15歳のときに爆心地から1.5キロのところで被爆したという長崎市の90歳の女性は、「原爆の爆風を受けて、今も耳が聞こえにくい状態が続いています。被害に遭いたくて遭ったわけではないのに、悔しい思いもたくさんしてきました。あの日のことは一度も忘れたことはありません」と話していました。
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