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ハンセン病家族訴訟「首相談話」「法律上の問題点」政府声明に
 政府は、ハンセン病の患者をめぐる隔離政策で家族への差別被害も認めた判決を受け入れ控訴しないことを決めたのを受けて、12日の持ち回り閣議で、政府としての反省とおわびを盛り込んだ安倍総理大臣の談話と、判決の法律上の問題点を指摘した、政府声明を決定しました。

 ハンセン病の患者に対する誤った隔離政策によって家族も差別され被害を受けたとして元患者の家族500人余りが国を訴えた集団訴訟で、安倍総理大臣は、国の責任を認めて賠償を命じた熊本地方裁判所の判決を受け入れ、控訴しないことを決めました。

 これを受けて政府は、12日の持ち回り閣議で安倍総理大臣の談話を決定し、「家族の方々に対しても社会において極めて厳しい偏見、差別が存在したことは厳然たる事実だ。患者・元患者とその家族の方々が強いられてきた苦痛と苦難に対し政府として改めて深く反省し、心からおわびする。家族の皆様と直接お会いし、この気持ちを伝えたい」としています。

 そのうえで、確定判決に基づく原告への賠償を速やかに履行するとともに、訴訟への参加・不参加を問わず、家族を対象とした新たな補償措置の検討を早急に開始し、関係省庁が連携して人権教育などの普及啓発活動の強化に取り組むとしています。

 また、談話に合わせて、熊本地方裁判所が言い渡した判決について、時効の判断など法律上の問題点を指摘した政府声明も決定しました。

◇官房長官補償措置を早急に検討
 菅官房長官は持ち回り閣議のあとの記者会見で、元患者の家族への補償の範囲について、「総理大臣談話において、訴訟への参加・不参加を問わず、家族を対象とした新たな補償の措置を講じることを表明しており、具体的な内容は今後、早急に検討を進めていきたい」と述べました。

 また、安倍総理大臣と家族との面会について「具体的な日程は今後調整していきたい」と述べました。

 さらに、政府声明について、「今回、訴訟をしないという異例の判断をするにあたり、法的に容認できない点があるため、当事者である政府の立場を明らかにするとともに、他の事案への影響をできるだけ少なくしようとするものだ。法的拘束力はないが、政府としての大変重い意思表明であり、閣議における全閣僚の合意によるものだ」と述べました。

◇厚労相「家族に新たな補償措置」
 根本厚生労働大臣は記者団に、「家族の方々は、かつてとられた施設入所政策のもとで厳しい偏見にさらされ、大変つらい思いをされてきた。家族の苦しみに思いをいたし、寄り添った支援をしていかなければならない。厚生労働省としても家族の方々が強いられてきた苦痛と苦難に対し、改めて深く反省し心からおわびする」と述べました。

そのうえで「家族を対象とした新たな補償措置を講じるための検討を早急に開始するとともに、普及啓発活動の強化にも取り組む。さらに家族が抱える問題の解決を図るための協議の場を設置し、意見を聞きながら、寄り添った支援を進め、地域で安心して暮らせる社会の実現に取り組んでいく」と述べました。

◇法相「差別・偏見の解消へ取り組む」
 山下法務大臣は記者団に、「元患者や家族が、かつての政策によって筆舌に尽くしがたい苦難を受けたことに対し、心から痛惜の念を感じる。政府の一員として心からおわび申し上げる」と述べました。

 そのうえで、「判決に従って補償の措置を取ることになるほか、訴訟を提起したかどうかにかかわらず補償を行うために、速やかに検討を開始する。また、ハンセン病のいわれなき差別や偏見を取り除けるように、しっかり取り組んでいく」と述べました。

◎ハンセン病家族訴訟 判決の問題点指摘 「政府声明」要旨
 政府は12日の持ち回り閣議で、安倍総理大臣の談話と併せて、今回の熊本地方裁判所の判決について法律上の問題点を指摘した政府声明を決定しました。

 それによりますと、裁判でも争われた、原告の人たちが賠償を求める権利が時効によって消滅しているかどうかという点について、「判決での消滅時効の起算点の解釈は民法の趣旨や判例に反するもので、国民の権利や義務への影響が大きく、法律論としてゆるがせにすることができない」と指摘しています。

 また、判決で、差別を解消するための措置を怠ったなどと認定された厚生労働大臣、法務大臣、文部科学大臣の責任について、「過去の判決で平成8年のらい予防法廃止時をもって終了するとされていて、今回の判決とそごがあり、受け入れられない」としています。

 さらに、「偏見や差別を除去する方策は柔軟に対応すべきもので、行政に裁量が認められているが、判決はそれを極端に狭くとらえている」などと主張しています。

◎ハンセン病家族訴訟 終結へ 訴え退けられた原告20人も控訴せず
 ハンセン病の元患者の家族が起こした集団訴訟で、原告団が会見し、国が新たな補償措置を講じる方針を示したことを受けて、訴えが認められなかった20人の原告についても控訴しないことを明らかにしました。国も控訴せず裁判が終結することになりました。

 先月28日の熊本地方裁判所の判決では、訴えを起こした元患者の家族561人のうち541人については、国の誤った隔離政策によって深刻な被害を受けたなどとして国に賠償を命じた一方、20人については国による被害があったとは認められないとして訴えを退けました。

 集団訴訟の原告団は12日、都内で会見を開き、訴えが認められなかった20人についても控訴しないことを明らかにしました。

 これは12日発表された安倍総理大臣の談話の中で、裁判に参加していない人も含めて家族を対象とした新たな補償措置を講じる方針が示されたためだとしています。

 集団訴訟では国も控訴せず、裁判が終結することになりました。

 原告の弁護団の徳田靖之共同代表は、「裁判への参加、不参加を問わず、家族を対象とした新たな補償を設けるという決断に敬意を表し、補償制度の枠組みの検討を早急に開始したいという思いから控訴をしないことを決めた」と話しています。

◇原告団「裁判不参加の人含め一律補償を」
 原告団は12日午後、都内で会見し、国が示した新たな補償措置について、裁判に参加した人も参加していない人も、一律の金額で補償するよう求めました。

 また、ハンセン病の患者の隔離政策を進めた「らい予防法」が平成8年に廃止された後も偏見が残り、これまでの国の啓発活動には限界があると指摘しました。

 そのうえで、国と原告が新たな補償措置や啓発活動について協議する場を設けるよう求めました。

 原告の弁護団の徳田共同代表は、「ハンセン病に対する差別や偏見が残る社会構造を打ち壊し、家族の方々が地域で安心して暮らすことができるよう活動を続けていきたい」と話しています。

 両親が熊本県の療養所に入所していた鹿児島県奄美市の奥晴海さん(72)は、「母が亡くなるまで母の体に触れることもできなかった。病気に対する差別や偏見は、自分の中にしまっておくしかないと思っていたが、立ち上がらなければ悔いが残ると思い、裁判を起こして本当によかった。人生を取り戻せるわけではないが、心の中を整理して生きていきたい」と話していました。
| 福祉・医療と教育 | 13:21 | comments(0) | trackbacks(0) |









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