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大量閉店、スタバとの決定的な差
 大量閉店を発表した「黒船チェーン」と、スターバックスコーヒーには決定的な違いがあります。

◎スタバと大量閉店「黒船チェーン」の決定的な差 本国で成功したコンセプトを生かせてない
 (2019/06/15 07:40 東洋経済オンライン 鈴木 貴博)

◇相次ぐフードチェーン店の大量閉店、各社の事情
 アメリカから黒船のごとく上陸して一時は日本でも熱狂的な支持を得たフードチェーン店の大量閉店が相次いでいます。

 最近ではバーガーキングが5〜6月で23店舗を閉店することになりました。サンドイッチチェーン世界最大手のサブウェイも過去5年間で200店規模のお店を閉めています。

 一昔前にはあれほどの長蛇の列ができていたクリスピークリームドーナツも店舗戦略を改めて、新宿駅にあった1号店はすでに2017年で閉店しています。

 3つのチェーンの閉店理由は、おのおのの特別な事情が背景にあります。しかし、一段掘り下げると、実は深層レベルではアメリカの有力チェーン店が克服しなければならない共通の問題が存在していたことが見えてきます。

 日本市場にはどのような落とし穴が潜んでいるのでしょうか。各社の事情を見ながら、有力チェーンの参入を妨げる魔物の正体を探っていきましょう。

 バーガーキングは国内99店舗のうちの6月末までに計23店舗を閉店します。もっともバーガーキングを運営するビーケージャパンは、今回の閉店をスクラップアンドビルド戦略の一環と説明しています。

 今後の成長が望めない店舗を閉店する一方で、今年の下半期までに20店舗の新店舗を開店する計画。それはそうなのかもしれませんが、過去、バーガーキングは何度も苦境を迎えていて、閉店と再チャレンジを繰り返してきています。

 バーガーキングは1993年、「アメリカでマクドナルドに急接近する第2位のハンバーガーチェーンだ」という話題とともに西武グループの招きで日本に上陸しました。

 バブル崩壊後に西武グループの流通ビジネスが整理を行うことになり、バーガーキングの日本での経営権はJTが引き継ぐのですが、結局は業績不振で2001年に日本から撤退します。

 2006年にロッテリアが企業支援ファンドのリヴァンプと組んで日本再上陸を試みます。この再上陸でもかなり力を入れて展開を試みたのですが期待したようには業績は伸びず、2010年に韓国のロッテリアに経営権を1400ウォン(約100円)で譲渡します。

 その後ライバルのマクドナルドが不祥事で業績を下げる中でも事業拡大は見込めず、2017年に香港の投資会社アフィニティ・エクイティ・パートナーズへと経営権が移ります。

 今回は経営権が新しくなった中でのスクラップアンドビルドなので計画通り新店舗への投資は実施されると思われますが、バーガーキングがアメリカ本社の思うほど日本で業績を伸ばせていないという状況はこれまで一貫しています。

 バーガーキングが苦しんでいる理由は、マクドナルドが低価格戦略で成功している市場で、消費者から見てそれほど大きな違いのないバーガーキングがプチプレミアムと呼ばれるやや高めの価格を維持しようとしていることに問題があるといわれています。

 この点について一段深く掘ると、もう少し複雑な事情が見えてくるのですが、まずは他のチェーンの事情も見てみましょう。

 バーガーキングと比較するとサブウェイの大量閉店はより深刻です。つい先月も首都圏で20店舗を運営していた大手フランチャイズ運営企業が破産宣告を受けるなど、フランチャイズ側も儲からない。

 一方で、日本法人も赤字が続き、投資をする体力が落ちてきています。ピークといわれた2010年代中盤から見ると200店舗規模での店舗閉鎖が起きています。

◇3社の乗り越えられていない課題とは?
 かつてサブウェイは、「その場で作る健康的なサンドイッチチェーン」として日本でも急速に店舗数を増やしました。

 ちなみに、サブウェイは世界的には店舗数がマクドナルドを上回る世界最大のチェーン店で、世界で約4万4000店を展開しています。

 日本では1992年の上陸以降、「野菜のサブウェイ」のスローガンを打ち出し店舗数は急拡大。健康に気遣う女性を中心に業績を伸ばしました。

 しかし、その売り上げの大半がランチタイムに集中するという弱点があって、かつ、手作りである分オーダーから製品提供まで時間がかかるといった事情もあり、ほかにも健康を標榜する競合が台頭する中で、サブウェイからゆっくりと顧客離れが進んでいきました。

 価格帯としてはバーガーキング同様にプチプレミアム価格だったことで、ランチタイムの女性需要以外の新需要が開拓できなかったことがマイナスに働いたといわれています。

 クリスピークリームドーナツは、バーガーキングと同時期に同じロッテリアとリヴァンプが手を組んで日本に上陸しました。

 1個160円の軽くて甘いオリジナルグレーズドというドーナツが大人気となり、1号店となった新宿サザンテラス店には2時間待ちの長蛇の列ができ、大きな話題を呼びました。

 このオープン時の熱狂が後の反動減につながったといわれています。全国64店舗まで拡大したあたりをピークとして、店舗数も縮小を始めます。こうして2015年以降、全国で20店舗が閉店されていきます。

 2016年にはあれだけ人気だった新宿の1号店も閉店が決まりました。クリスピークリームドーナツはこの一連の大量閉店を戦略転換だと言っています。

 行列のできる店から、長く愛される店へと転身を図る中で大型店を閉鎖する一方、小型で居心地のいいお店を増やしていく。新宿エリアでは新しい新宿のランドマークになった東宝のゴジラビルの直下にそのような新店舗が開店しています。

 さて、3つのチェーンの閉店の事情はこのようにそれぞれ違います。しかし事情は違ってもそれぞれにある共通点があるということが今回の記事のポイントです。

 アメリカで大成功して、そのコンセプトで日本に上陸して、日本でも当初は歓迎される。しかしプチプレミアム価格帯であることが途中でマイナスに働くようになり、やがて需要が減少していく。

 起きてきた事象を見てみると、よく似たことが3つのチェーンとも起きています。そしてその後ろには、ある魔物が存在している。ここが3社の乗り越えられていない課題です。

 アメリカから上陸した他の有力チェーンでは、この3社のような罠に陥らずに成功している飲食チェーンも存在しています。

 いちばん目立つのはスターバックスコーヒーでプチプレミアム戦略が功を奏して高収益チェーンの象徴といわれるほど展開がうまくいっています。

 では、大量閉店の3社は何が違ったのでしょうか?

 実は3社のチェーンはどれも、アメリカで成功したコンセプトが日本市場に文化として受け入れられていない。ここが共通の深層要因であり、乗り越えられていない魔物の正体です。

 バーガーキングがなぜアメリカで成功したのか。その理由はマクドナルドとよく似たメニューをそろえながら、調理の際に網焼きにすることで余計な脂を落として調理したことです。

 ハンバーガーというジャンクフードを調理のプロセスで少しだけ健康によい食べ物に変えたという点が、そもそものバーガーキングの成功コンセプトです。

 アメリカではこのことがCMで強調されていて、全米の父母が「ハンバーガーを食べに行きたい」という子どもを連れて行く店として、マクドナルドよりもバーガーキングを選択した。それがバーガーキングのそもそもの成長の原動力でした。

◇スターバックスがなぜ日本であれだけ成功したのか
 ところが日本のバーガーキングは最初の上陸から20年以上が経つのに、この特徴を日本市場できちんと伝えていません。結果、子どもの顧客は少ないまま。

 そして、ジャンクフードが好きな顧客はマクドナルドに流れ、健康的なハンバーガーが好きな顧客はフレッシュネスバーガーに流れるという形で顧客を奪われ、市場の中でなぜ存在しているのか消費者にもよくわからない。中途半端な存在になっているのです。

 サブウェイはそもそもアメリカでは、「サンドイッチを夕食としても食べる文化がある」という前提で成長した企業です。

 細長いパンを真ん中で半分に切ったサイズがランチ用、パン一本分のサイズがディナー用というのが本来望ましい食べ方です。

 しかし、このコンセプトが日本市場に根付いていない。日本ではあいかわらずサンドイッチは昼食で食べるメニューのままです。

 結果売れるのはランチの女性向け需要だけ。その日本市場特有のニーズに20年間フォーカスしすぎて、文化を変えられていない。それ以外の時間帯の需要が創造できていない。

 しかも、男性にとっては量がちょっと物足りない。男性を捨て、夕食を捨てればアメリカの4分の1の業績になるのは当然です。

 厳しく言えば、サブウェイは日本の文化を変える投資を27年間怠ってきた結果、本来の強さが刺さらない市場で戦い続けるという苦しい状況を自らが招いてしまっているのです。

 クリスピークリームドーナツは、アメリカではとても甘くてふわっとしていて「いくつも食べたいドーナツ」を提供し、それを「1ダースを標準サイズとして家に持ち帰る」というコンセプトで伸びた会社です。

 当初は日本でもこのコンセプトは受けましたが、現在では甘さを抑えたドーナツを開発し、小さな店舗で少ない顧客を相手にビジネスを行っている。

 これが悪いとは言いませんが、アメリカでウケた成功コンセプトが日本市場向けに変質しているという点では課題は他の2社と共通しています。

 スターバックスコーヒーがなぜ日本であれだけ成功したのか。それはアメリカで成功したコンセプトからぶれていないからです。

 そもそも、アメリカで成功したコンセプト自体もそれまでのアメリカ市場の文化を変えたところから始まっています。

 イタリアで栄えている、そしてアメリカにはなかったエスプレッソコーヒーの香りと味を愉しむコーヒーショップをシアトル発で展開したい。

 そうやってアメリカの文化を変えることで成功し、日本でもそれまでの日本の喫茶店文化を変えることでスターバックスは大成功を収めてきました。

 アメリカであれだけ成功しているチェーンであるということは、そのコンセプトにはそれだけの強みが存在していることを意味しています。

 それはどのチェーンにとっても共通点です。しかし、これらの3社はそのコンセプトに投資して、日本の文化を変えていくことに力を入れてこなかった。そのようなチェーンが今、大量閉店を招いているように私には見えるのです。
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