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民間ロケット「MOMO」打ち上げ成功
 北海道大樹町のベンチャー企業が製造・開発したロケットが4日朝に打ち上げられ、高度100キロの宇宙空間に到達、打ち上げは成功しました。日本では民間初の快挙となります。

 北海道のベンチャー企業が開発・製造した全長10メートルのミニロケットの打ち上げが4日朝行われ、成功しました。日本の民間企業が単独でつくったロケットが宇宙空間に到達するのは初めてです。

 ロケットは実業家の堀江貴文さんが取締役をつとめる、北海道大樹町のベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」がつくったミニロケット「MOMO3号機」で、4日午前5時45分に北海道大樹町の発射場から打ち上げられました。

 そして、会社は、ロケットが目標としていた高度100キロの宇宙空間に到達し、打ち上げは成功したと発表しました。

 「MOMO3号機」は全長およそ10メートル、直径50センチで重さ20キロほどの観測機器を積んで、4分間ほど無重力状態をつくることができます。

 今回も大学の実験装置を積み込んでいて、会社では今後、無重力状態などを利用した実験や観測を企業や研究機関に売り込みたい考えです。

 ただ、「MOMO」は人工衛星を軌道に投入する能力はないことから、会社では「MOMO」の技術を踏まえて、2023年に超小型の人工衛星を搭載できるロケットを打ち上げ、衛星打ち上げビジネスに参入する計画です。

 日本の民間企業が単独で開発・製造したロケットが宇宙空間に到達するのは今回が初めてで、今後、国内の宇宙ビジネスの市場拡大につながることが期待されます。

 発射場から1.5キロ離れた北海道大樹町の多目的航空公園では、打ち上げ時刻の午前5時45分が近づくと、集まった人たちがアナウンスにあわせて大声でカウントダウンをしました。

 そして、「ごー」という音とともにロケットが青空に向かって打ち上がると、会場からは割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こりました。

 中には、目に涙を浮かべたり、抱き合って喜んだりする人の姿も見られました。

 北海道帯広市から夫婦で訪れた50代の男性は、「令和の時代に入り、地元北海道で民間ロケット打ち上げという偉業をこの目で見ることができて本当に感動しました。これからどんどん活躍してほしい」と話していました。

 また、北海道幕別町から家族で訪れた小学6年生の男の子は、「まっすぐに打ち上がるロケットの姿がほんとうにきれいでした。僕もロケットを作って北海道の空に打ち上げたい」と話していました。

◇成功の意義は
 日本の宇宙ロケットの開発はこれまでJAXA(宇宙航空研究開発機構)が主導する形で行われてきました。

 そうした中、小型なものとはいえ、民間企業が設計、製造、そして打ち上げまでを行って宇宙空間に到達したロケットは国内初で、日本の民間企業によるロケットビジネスの扉を開いたといえます。

 このベンチャー企業が掲げている目標の1つが「価格破壊」です。

 ロケット開発では、部品の信頼性を高めるために特注品を使うことが普通ですが、この会社では、低価格の市販品を使うようにしています。

 インターネット通販で金属材料などを購入したり、燃料の蒸発を防ぐ断熱材をホームセンターで買いそろえたり、ロケットエンジンの部品も自社の工場で金属材料を加工するなどして、価格を抑える工夫を行ってきました。

 「MOMO」は重さ20キロほどの観測装置の搭載が可能で、4分間ほどの無重力環境で電子機器の実験などを行うことができ、会社では企業や大学など研究機関に売り込みたいとしていますが、衛星を軌道にのせる能力はありません。

 このため、会社は、「MOMO」の技術を踏まえて、超小型衛星を軌道に投入するロケットを開発し2023年に打ち上げて、衛星打ち上げビジネスへ本格的に参入したいとしています。

◇これまでの経緯
 北海道大樹町にあるベンチャー企業、「インターステラテクノロジズ」は、実業家の堀江貴文さんとアマチュアのロケット愛好家らが平成17年、前身となる組織を立ち上げました。

 現在は20人余りのスタッフが市販の部品や材料を使った格安のロケットで、超小型の人工衛星を打ち上げるビジネスへの参入を目指しています。

 会社はおととし、全長10メートル、高度100キロの宇宙空間を目指す「MOMO」1号機を完成させ、会社が整備した北海道大樹町の発射場から打ち上げを行いました。

 しかし、位置や速度などを示すデータが途中で得られなくなったために地上から信号を送ってエンジンを緊急停止、目標の高度には届かず、失敗しました。

 改良を加えて臨んだ去年の2回目の打ち上げでは、今度は、姿勢を制御する装置に不具合が起こり、打ち上げ直後に落下して炎上、再び失敗しました。

 3回目となる今回は、配管を改良したほか、ロケットを立てた状態で、本番と同じように120秒間、エンジン噴射する試験を追加するなど対策を行って臨みました。

 当初、打ち上げ日とした先月30日には、直前にバルブの不具合が発生、その後も風の影響で延期が続き、ようやく4日の打ち上げ実施となりました。

◇ミニロケット開発競争
 北海道の「インターステラテクノロジズ」が開発に取り組んでいるロケット「MOMO」のように全長が10メートル前後の小さなロケットは「ミニロケット」と呼ばれ、ここ数年各国の民間企業が開発に力をいれています。

▽去年1月には、アメリカのベンチャー企業が開発した全長17メートルのロケットが、超小型衛星の打ち上げに成功しました。

▽また、去年5月には、中国のベンチャー企業も軍の協力を得て全長9メートルのロケットの打ち上げに成功しています。

▽日本でも、「インターステラテクノロジズ」のほかに、キヤノン電子など4社が共同で設立した「スペースワン」が2021年の打ち上げを目指し、ロケットの開発を進めています。

 背景には、超小型衛星を打ち上げる需要の高まりがあります。

 「インターステラテクノロジズ」も、今回の「MOMO」の成功を踏まえて、2023年には超小型衛星を打ち上げるロケットを開発、打ち上げる計画を打ち出しています。

 超小型衛星は、重さが数キロから数十キロ程度と軽量で、製造も安価なことからベンチャーや中小企業、大学なども開発を進めています。

 また、数十基の衛星を同時に運用すると地球全体をリアルタイムに観測できるため、漁場や農場、森林などの資源管理や災害の被害の把握など、幅広い用途が期待されているのです。

▽アメリカのベンチャー企業「プラネット」は、超小型衛星130基以上を使い、地球全体を常時撮影していて、画像データを企業などに販売しています。

▽日本でもベンチャー企業の「アクセルスペース」が、地上の様子を定点観測するビジネスにつなげようと、2022年までに50基の超小型衛星を打ち上げる予定です。

▽また、福岡にあるベンチャー企業「QPS研究所」は、レーダーで夜間も地上を撮影できる超小型衛星をことしから打ち上げ2024年ごろに36基の運用を目指しています。

▽さらに、東京のベンチャー企業、「Synspective」も25基のレーダー衛星の運用を目指して、2020年に最初の衛星を打ち上げる計画です。

 アメリカの調査会社によりますと世界で打ち上げられる超小型衛星は2010年に、年間30基ほどでしたが2022年には、457基にまで増えると予測しています。
| 環境とまちづくり | 08:26 | comments(0) | trackbacks(0) |









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