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改正民法きょうから順次施行 遺言書の作成ルール緩和へ

 相続制度を定めた改正民法が、13日から順次施行されます。遺言書を自分で作成する際のルールが13日から緩和され、財産の目録をパソコンでつくることなどが可能になります。

 高齢化の進展に伴う相続のトラブルを防ぐため、去年7月の民法の改正で、残された配偶者に配慮した仕組みの新設など、およそ40年ぶりに制度が大幅に見直され、13日から法律が順次施行されます。

 このうち遺言書を自分で作成する際のルールが13日から緩和されます。

 自分で遺言書を作成するときは、これまで添付する相続財産の目録も含め、すべて手書きにすることが必要で、負担が大きいという指摘がありました。

 このため、13日から財産の目録はパソコンでつくることが可能になるほか、預金通帳のコピーや不動産の登記簿などを添付することも認められます。

 ただし、偽造を防ぐため、自筆以外の部分には署名と押印が必要です。

 一方、自分で作成する遺言書を法務局で保管できる制度は来年7月に始まります。

 相続の制度は、今後、順次変更されることから、法務省はホームページなどで法律が施行される日を確認するよう呼びかけています。

◎自筆の遺言書、作る負担減 パソコン作成一部OKに
 (1/4(金) 7:47配信 NIKKEI STYLE)

 相続に関する法制度が大きく変わる。前回「民法改正で変わる相続 配偶者の居住権・遺産分割…」で主な改正内容を紹介したが、第2回は自筆の遺言書について改正ポイントを説明する。

◇  ◇  ◇

 今回の相続法改正の中で、最も多くの人に関係する身近な項目として「自筆証書遺言」の改正がある。「これまで完璧に仕上げるにはハードルが高かった自筆の遺言だが、改正でトラブルや失敗が減ることが期待できる」と相続を専門に扱うレガシィ・代表社員税理士の田川嘉朗さんは話す。

 遺言書は相続財産の多寡にかかわらず、後の相続のトラブルを防いだり、相続財産を所有する人(被相続人)が希望する遺産分割をしたりするのに重要な役割を持つツールとなる。これを機会に既存の作成ルールと改正内容を理解し、遺言書の作成に挑戦してみるのがお勧めだ。

◇財産目録をパソコン作成、全ページに署名・押印必要
 遺言書には、
(1)遺言を残す本人が直筆で書く自筆証書遺言、

(2)本人が読み上げた内容を公証人が筆記する公正証書遺言、

(3)遺言書そのものを封じて作成した遺言の内容を秘密にできる秘密証書遺言

の3種類がある。

 今回の改正の対象となるのは(1)自筆証書遺言(以下、自筆遺言)だ。自筆遺言は気軽に書ける半面、書き方の不備で無効になったり、「失くした」「偽造された」などのトラブルが起こったりしやすいなどの問題点も指摘されている。遺言書の記述が、遺言書を見つけた人に有利な内容だった場合、「勝手に書き加えた」などと他の相続人から指摘され、もめる原因になるケースもある。しかし、今回の改正でこうした不具合は少なくなりそうだ。

 まず大きな改正点となるのが、一部パソコン作成が認められたことだ。これまで自筆遺言では全文直筆で仕上げる必要があったが、そのうち、相続や遺贈をさせる財産に関しての記述部分を別紙という扱いで財産目録とする場合、これをパソコンで作成してよいことになる。

 または、相続財産となる銀行預金口座の通帳のコピーや、登記事項証明書などの添付で同じく別紙の相続財産リストとすることも認められる。

 このスタイルなら、いくつもの金融機関の口座で預貯金や株式を持っていたり、複数の不動産などを所有していたりする人にとっては作業負担がかなり軽減されそうだ。

 たびたび遺言書を書き直す人にとっては、一度財産目録を作っておきさえすれば、保有資産に変化が生じた場合もその部分だけ手直しすればよいことになる。

 注意したいのはパソコンやコピーの添付で作った財産目録は、全てのページに本人の署名と押印が必要になること。これを怠ると、遺言書そのものが無効になる可能性もある。

 「用紙の両面にデータが印字されている場合は紙の両面に署名と押印が必要。この点も忘れないよう注意してほしい」(大和総研・金融調査部研究員の小林章子さん)

◇遺言を法務局で保管できる
 さらに、自筆遺言を法務局で保管してもらえる制度が新設されるのも重要なポイント。現行では自筆遺言は遺言者が自ら自宅などで管理する必要があったが、改正後はいくらかの手数料(詳細は未定)を払うことで法務局に預けることができる。制度を使えば「遺言書をなくしたり、第三者に偽造されたりするリスクがなくなる」(レガシィの田川さん)というメリットが生まれる。

 また、この保管制度によって、遺族は相続開始後に法務局で遺言書があるかどうかの検索ができ、写しの請求、閲覧も可能に。この仕組みで、せっかく書いた遺言書が、家族に見つけられないまま放置されるという残念なケースもある程度回避できそうだ。

 ただ、遺言者が死亡した際に、法務局に遺言が預けられていることが自動的に遺族に通知されるわけではない。そのため、この制度を利用したことだけは家族に知らせておくと安心だ。

 この他、遺言者が法務局に遺言書を預ける際に遺言書の保管官のチェックが入るので、自筆遺言の必須項目とされる日付や署名・押印の漏れなど、決定的なミスを見つけてもらえる可能性もある。

 加えて、これまで自筆遺言は遺族が発見した後に家庭裁判所に持ち込んで、「検認」の手続きを行う必要があったが、保管制度を使えばこの作業は必要なくなる。遺族の負担を大きく減らせるメリットは大きい。

◇所定の様式が必要
 保管制度で知っておきたいポイントも押さえておこう。

 まず従来の自筆遺言では署名・押印などの一定のルールがあるものの、使う用紙は便箋やノートの切れ端でも有効で、書き方のスタイル、封印の有無も自由となる。一方、制度利用時は「法務省令で定める様式」で作成した無封の状態の遺言書という体裁でないと認められない。

 また、遺言者本人が法務局に遺言書を持参して申請手続きを行い、本人確認などのチェックを受ける必要がある。代理人に申請してもらうことはできず、この段階で遺言者自身の手間がかかることは認識しておきたい。

 なお、「財産目録のパソコン作成可」という改正については2019年1月に、保管制度の新設は2020年7月までに施行される予定だ。

※田川嘉朗さん
 税理士法人レガシィ資産税・法人税務部統括パートナー・税理士。相続専門の税理士として25年以上、数多くの実務経験を持つ。専門は事業承継対策全般、資産家の相続事案、土地評価をめぐる税務争訟、税務調査事案における折衝など

※小林章子さん
 大和総研・金融調査部研究員。2014年司法修習終了(67期)、その後、2015年大和総研に入社。弁護士(東京弁護士会所属)資格を生かし、相続関連を中心とする調査リポートを発表している

 (ライター 福島由恵)

 [日経マネー2018年12月号の記事を再構成]
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