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認知症にならなかった15の共通項
 認知症予防の三つの柱は、『知的活動』『運動』『コミュニケーション』との事です。

◎“健康長寿”アンケートでわかった「認知症を防ぐ」15の習慣
 (11月5日 AERA.dot)

 健康長寿の暮らしにはきっと共通点があるはず──。好評発売中の週刊朝日ムック「60歳からはじめる認知症予防の新習慣」では、そのヒントになる衣食住の習慣を探るために、70歳以上で認知症予防に励む元気な高齢者にアンケートを実施した。152人の回答から得られたデータと医師が解説する15のを紹介する。

 2017年の日本人の平均寿命は、男性が81.09歳で女性が87.26歳となり、いずれも過去最高を更新した(厚生労働省:簡易生命表から)。厚労省が把握している50の国や地域で比べると、女性は3年連続で世界第2位、順位を一つ下げたものの男性も世界第3位であり、日本は世界において長寿国である。健康長寿の理由としては、生活習慣の改善や、医療水準の向上などがあげられる。

 健康で長生きならば、言うことはない。しかし、長寿になればなるほど、認知症の患者数は増えていく。厚労省の推計では、認知症の高齢者は500万人超(2015年)、2025年には約700万人に達するとされている。認知症を予防するためには「禁煙をしたほうがいい」「もっと運動をしたほうがいい」など、多くの意見がある。

 では、健康で長生きをしている高齢者は実際、何をしているのだろうか。そこで編集部では、朝日脳活マガジン「ハレやか」の読者で、70歳以上の高齢者201人に郵送でアンケートを配布した。回答者152人の結果を集計してまとめたデータを紹介する。

 からだのもととなる食事について。アンケートの結果では、毎日必ず食べているものは、ヨーグルトや納豆などの発酵食品。反対に避けているのは塩分だった。

 また、頻度にばらつきはあるものの、8割が自炊をしていることがわかった。脳の活性化のためにやっていることで最も多かったのは塗り絵、次いで読書、料理、ピアノという結果に。ピアノ以外にも三味線やウクレレなど、約3割が楽器演奏をしていた。

 「15年くらい折り紙をやっています。手指を動かすのが大好きです。料理も3食つくっています」(78歳・女性)

 健康のためにしている運動の1位はウォーキング。1日の平均歩数は4232.5歩で、最も多い人で1万6千歩だった。

 「運動は苦手ですが、空いた時間に5分ほどつま先立ちや片足立ち、スクワットなどを続けている」(74歳・女性)と、短時間でも運動を続けている人が多数いた。

 交友関係を重視しており、年賀状は平均72.5枚を出しているという結果になった。離れて暮らす家族と会う頻度は、月に1〜2回が最も多い半面、地域のサークルや老人会の参加率は5割を超えた。

 「友人を誘い一日一日を大切に。友人とのふれあいの場を楽しみたいです」(85歳・女性)

 「独りで引きこもらないで、老人クラブの活動や集会などに参加。知人との会話を積極的にしたい」(88歳・男性)

 そのほか健康のために実施している習慣は、「毎日、朝と夜に血圧測定し記録する」(72歳・男性)、「家計簿や日記をつける」(71歳・女性)など、記録をとることがあげられた。

 健康のための目標は、「自分でできることは自分でする」という回答が多く、自活したメリハリある暮らしが健康長寿の特徴といえそうだ。

■おさえておきたい! 認知症を招くリスク
 認知症が発症するメカニズムやリスクとの関係についてはわかっていないことも多いものの、近年では研究が進み、認知症を発症する可能性を高める病気が明らかになりつつある。

 現在考えられるものとしては、糖尿病や高血圧、アルコール、脂質異常症、脳梗塞、頭部外傷、喫煙、うつ病、難聴などのリスクが知られている。

 認知症は多因子疾患と呼ばれ、いくつもの要因が重なり合って起こる症状と考えられる。リスクが一つの場合より、二つ、三つと重なるほうが認知症の発症につながりやすい。

 しかし、毎日の生活を見直すことで、リスクは減らすことができる。認知症を予防したいなら、今できる治療や生活改善をしっかりすることが重要だ。

・うつ病
 海外の研究では、うつ病があると認知症の発症リスクが2倍になるという報告がある。認知症では、脳の海馬という部分の萎縮や、アミロイドβがたまってできる老人斑、免疫や神経の障害などがみられる。うつ病になると、これらが起こりやすくなり、認知症につながると考えられている。うつ病は再発しやすい傾向があり、1回のうつ病ごとに認知症発症リスクが14%高まるという報告もある。

・糖尿病
 糖尿病の人はそうでない人と比べ、認知症のリスクが1.5〜2倍高いという報告がある。糖尿病になると血管に障害が起こりやすくなり、血液循環が悪くなるため脳に十分な酸素や栄養が届かなくなる。さらに、長期にわたって血管が障害されると、血管が詰まる、出血するなど脳血管の病気になりやすく、それによって脳の神経細胞がダメージを受けて認知症のリスクが高まると考えられる。

・喫煙
 喫煙者は、非喫煙者の1.5倍、認知症の発症リスクが高まるという報告がある。喫煙は、呼吸器の病気だけでなく、動脈硬化や糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などとも関係している。これらは、喫煙により血管が収縮し、血液の粘度が高まり血流が低下することで、脳の血管に障害が起こる。それにより、脳の神経細胞がダメージを受けることで認知症発症のリスクが高まると考えられている。

・高血圧
 中年期の高血圧は認知症発症リスクが高いとされている。降圧剤を服用して血圧をコントロールすることで、認知症の発症や認知機能の低下が抑制されたという報告は国内外である。脳の血管はからだのほかの部分の血管と構造が異なり、傷つきやすい傾向がある。血圧が高くなると出血が起こりやすくなり、血管に障害が起こることで神経細胞がダメージを受け、認知症を発症しやすくなる。

・アルコール
 慢性アルコール依存症になるくらい常習的に、かつ多量に飲酒をした場合には、アルコール性認知症などの発症につながる。一方、少量の飲酒は認知症のリスクを減少させるという報告もあるが、飲酒歴が後年の脳萎縮に影響する可能性があること、アルコールが睡眠の質を悪くすることがあるといわれることから、少量でも毎日飲酒することは、認知症のリスク因子になると考えられる。

・脂質異常症
 血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質が基準値より多い状態を言う。脂質異常症は動脈硬化の原因になり、心臓や脳の血管に障害が起こりやすくなるため、とくに中年期の脂質異常症は認知症のリスクになり得るという。糖尿病や高血圧と同じく、コントロールすることが大切だ。

■医師が解説! 健康長寿に共通する認知症予防の項目
(1)人に会う。会話をする
 コミュニケーションが認知症予防に効果があるという海外の文献がある。できれば、親しい人やいつも同じ人ではなく、いろんな人に会うことがおすすめだ。慣れない相手と話すときのほうが、頭を使う。

(2)体操やスポーツをする
 運動、とくに有酸素運動は効果がある。スポーツができる人はいいが、足腰に痛みがある人は無理をしてはいけない。継続することが大切なので、体操やストレッチ、散歩など自分に合ったものを選ぼう。

(3)料理をする
 普段料理をしている人が料理をできなくなると、認知症の疑いが出てくる。料理は、献立作りから買い物、調理、盛り付けと、頭を使う複雑な作業。新たに始める男性も多くいる。

(4)規則正しい生活をする
 なにか特定のメニューをすれば認知症予防になるということはない。一日全体を通して、規則正しいリズムで生活することが大切だ。

(5)楽器を演奏する
 音楽療法の一つ。音楽を聴くことや、歌うことも音楽療法だが、なかでも楽器演奏は指先を使い、音を聴きながら反応するため、高度な知的活動になり、予防効果が高いとされている。

(6)絵を描く。習字や切り絵をする
 アートセラピーと呼ばれるもの。これも指先を使うため、知的活動となる。

(7)農業、畑仕事をする
 何をどう育てるかを考える「知的活動」と実際に作業をする「運動」の二つの要素をもっている。さらに収穫という報酬、達成感が得られるため、おすすめだ。

(8)日記を書く。記録する
 文字を書くことは知的活動で、その日に起きたことを脳が復習するいい訓練になる。ときどき、過去に書いたものを読み返すと、回想療法の効果も期待できる。

(9)新聞を読む。読書をする
 新聞を読むことは、世の中の出来事に関心をもつこと。認知症になると、関心がなくなるので、日々、関心を失わないように新聞や本を読む習慣をもつことが大切だ。

(10)バランスのとれた食事をする
 認知症予防に効果があるとされる食材や栄養素があっても、そればかり偏って食べていてはよくない。老夫婦の食事は、同じようなメニューになりがちなので、バランスよく食べる工夫をする必要がある。

(11)よくかんで食べる
 高齢になると、よくかめない人も増える。かめないと、生野菜などを食べる機会が減り、結果、栄養も不足してしまうことがある。

(12)適切な睡眠習慣をもつ
 夜6〜8時間の睡眠と30分未満の昼寝が推奨される。昼寝は寝すぎると、夜眠れなくなり、生活リズムを崩してしまうので、注意が必要だ。

(13)現役で仕事を続ける
 認知症が発症しても仕事を続けている人は進行が遅いといわれている。元気な人は、現役時代と違う仕事に挑戦することもいい。認知機能が衰えている人は、やり慣れた仕事を続けるのがいいとされる。

(14)役割をもつ。人から頼りにされる
 仕事を続けるのが難しくても、地域やコミュニティーに参加し、仲間から頼りにされることは必要だ。存在価値を認められて生きがいになり、生活に張りが生まれる。

(15)クロスワードパズルなどで脳トレをする
 知的活動の一つで、楽しみながらおこなうことが大切だ。認知症予防のためと、いやいやおこなうのでは意味がない。

 健康長寿の方々の生活には共通する習慣があり、それらは認知症予防につながる習慣といえる。日本認知症予防学会理事長の浦上克哉医師に、15の項目について解説してもらった。

 「認知症予防の三つの柱は、『知的活動』『運動』『コミュニケーション』です。ここで挙げる15の項目はいずれも、三つの柱に関連している習慣です」

 すべて、読者の生活の中にとり入れてほしいことばかりだが、浦上医師は「大事なのは、習慣化すること」と言う。

 「どんなに予防効果があるといわれるメニューでも、続けられなければ効果は期待できません。たまにしかできないようなことより、続けられることに挑戦するのがよいでしょう。そのためには、楽しみながらできるかどうかも大切です」

 いろいろ試してみて、無理なく続けられることを自分の習慣にしていこう。

 (認知症ムック取材班)

 ※週刊朝日2018年11月9日号
| 福祉・医療と教育 | 03:33 | comments(0) | trackbacks(0) |









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