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東京医科大 女子受験者の点数を一律10%以上減点の年も
 東京医科大学が医学部医学科の一般入試で、受験者側に説明しないまま女子の受験者の点数に係数を掛けて一律に減点し、合格者の数を抑えていたことが関係者への取材でわかりました。女子の点数を10%以上一律に減点した年もあったということで、大学は来週にも調査結果を公表することにしています。

 東京医科大学をめぐっては、私立大学の支援事業の選定で文部科学省の前局長から便宜を図ってもらう見返りに、受験した前局長の息子を不正に合格させたとして、理事長だった臼井正彦被告(77)らが贈賄の罪で東京地検特捜部に在宅起訴されています。

 前局長の息子が受験したことしの医学部医学科の一般入試は、1次の学科試験に合格した受験者が面接などの2次試験に進む仕組みになっていますが、大学側が1次試験の女子の受験者の点数に係数を掛けて一律に減点し、合格者の数を抑えていたことが関係者への取材でわかりました。

 関係者によりますと、こうした点数操作は平成22年の一般入試で女子の合格者が4割近くになったことなどをきっかけに行われ、女子の点数を10%以上一律に減点した年もあったということです。

 しかし、入試の募集要項には男女の定員に関する記載はなく、受験者側に一切、説明しないまま点数操作が続けられていたということです。

 平成23年以降、女子の合格者は3割前後で推移していて、ことしの合格者は男子が141人だったのに対し、女子は30人と全体の2割以下にとどまっていました。

 NHKの取材に対し、大学関係者の1人は、「女性は結婚や出産で医師を辞めたり休職したりするケースが多く、あまりに増えてしまうと大学病院の態勢を維持できないという危機感があった」と話しています。

 関係者によりますと、こうした点数操作は事件を受けた内部調査の過程で発覚したということで、大学は来週にも調査結果を公表することにしています。

◇1点足りずに不合格 100人規模
 女子の受験生の点数に係数を掛けて一律に減点していたことについて、大手予備校の関係者は、東京医科大学は私立大学の医学部の中でも比較的、人気が高いため、合格ラインに1点足りずに不合格となる受験生は100人規模に上るとしています。

 そのうえで、「まして10%以上も減点されれば、相当数の合否の逆転現象が起きていることになる。著しく公平性に欠けた入試だ」と話しています。

◇専門家「医療現場の論理だけで検討不十分」
 大学入試に詳しい東京大学高大接続研究開発センター長の南風原朝和教授は、「一律に係数をかけるという荒っぽい方法で、女子に対して不公平な入試が実施されていたことに驚いている。医学部という学ぶ場と大学病院といった仕事の場が直結している特殊な事情はあるかもしれないが、医療現場の論理からの判断だけで、入試の公平性の観点からの検討が不十分だったのではないか」と指摘しました。

 そのうえで、「選抜方法は募集要項に合理的な説明がなされれば、受験生も納得できると思うが、募集要項に書いていないルールを適用するというのはアウトだ」と話しています。

◇医療関係者「ほかの大学でも実施」
 東京医科大学が女子の合格者の数を抑えていたことについて、複数の医療関係者は、「合格者の男女の割合を調整することは、ほかの一部の医科大学でも行われている」と証言しています。

 一方で、「面接の評価で差をつけるケースが多く、今回のように一次の学科試験で女性の点数を一律に下げるやり方は聞いたことがない」と話しています。

◇受験生からは怒りの声
 東京医科大学の入試をめぐる問題で、医科大学や医学部を目指す受験生からは、男女を問わず「許せない」という怒りの声などが聞かれました。

 東京 千代田区にある医科大学や医学部の受験専門の予備校に通う高校3年の女子生徒は、「医学部に入りたくて、頑張って勉強している受験生としては許せないです。医師というのは、性別に関係ない仕事だと思います。女性だから入学できないというのは間違っていると思います」と話していました。

 また、浪人生だという19歳の男性は、「受験生は男女関係なく努力をしています。1点を争う入試の現場で、大幅な点数の調整が行われていたとすれば、あってはならないことだと感じます。たとえ、女性が医師の仕事を続けにくいという現状があるにしても、入試の段階でこうしたことを行うべきではないと思います」と話していました。

◇批判の声相次ぐ
 東京 千代田区では、さまざまな立場の人たちから批判の声が相次ぎました。

 大学入試を控えた高校3年の女子生徒は、「頑張って勉強しても、男性というだけで優遇されるのは残念で悲しいです」と話し、40代の母親は、「一生懸命勉強しているわけなので、不公平なのは困ります。男女問わず頑張った人が認められるようになってほしいです」と話していました。

 建設業界で働いているという60代の男性は、「入試の段階で性別で差をつけるのはひどいと感じます。『女性は結婚してしまうから採用したくない』という考え方は、どんな職業であっても差別だと思いますし、女性が職場復帰できるよう、うまくやればいいと思います」と話していました。

 また、60代の女性は、「ひどいことで差別だと思いますし、女性の数を減らすということの意味がわかりません。知り合いの女性も『子どもを産めない』と言っていましたし、出産した女性が仕事を続けられないことが問題だと感じます」と話していました。

◇国は女性医師の活躍を推進
 厚生労働省によりますと、女性の医師の割合は増加傾向にあり、ことしの医師の国家試験では、合格者9024人のうち、女性は3066人と全体の34%に上りました。

 こうした中、医師の働き方改革を議論している厚生労働省の検討会は、女性の医師の仕事と育児の両立を推進するため、ことし1月に支援策を打ち出しました。

 具体的には、女性の医師が出産や育児のあとに速やかに復帰できるよう、短時間勤務の導入や宿直の免除など、柔軟な働き方を推進するとしています。

 東京医科大学が女子の合格者数を抑えていたことについて、厚生労働省は「コメントする立場にない」としたうえで、「女性医師が働きやすい環境を整えていくため引き続き検討を進めていきたい」としています。
| 福祉・医療と教育 | 21:52 | comments(0) | trackbacks(0) |









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