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桂歌丸さん死去 死因「慢性閉塞性肺疾患」
 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) は、たばこの煙などに含まれる有害物質に長期間曝露されることにより肺が持続的な炎症を起こし、呼吸機能の低下などを起こした状態です。

 原因のほとんどが喫煙であることから、生活習慣病のひとつとして注目されています。慢性閉塞性肺疾患は中高年が発症することが多いですが、なかでも高齢になってから発症するケースが増加しています。

 2001年に行われた調査では、日本における患者数は約530万人にのぼると推定されています。しかし、その後の厚生労働省による調査において、実際に治療を受けている患者さんは約20万人にとどまることがわかりました。

 このことから慢性閉塞性肺疾患は、症状があるにもかかわらず治療を受けていない方が多い病気といえます。男女別患者数は、日本では女性よりも約2.5倍男性のほうが多いとされています。

 慢性閉塞性肺疾患の認知度は25%程度にとどまりますが、日本人の死因10位であり、肺炎や肺がんなど重篤な肺疾患を起こす危険性も持っています。そのため慢性閉塞性肺疾患では、早期発見と早期治療の実施が重視されています。

◎桂歌丸さん死去 死因「慢性閉塞性肺疾患」は20年以上の喫煙で発症リスク増
 (2018/07/02 17:37 AERA dot.)

 演芸番組「笑点」の第一回からのメンバーで、終身名誉司会者でもあった落語家の桂歌丸さんが2日、死去した。81歳だった。番組の人気コーナー「大喜利」では6代目三遊亭圓楽(楽太郎)さんらとの“愛情の裏返し”ともとれる罵り合いが視聴者に親しまれ、人気を博した。2006年には5代目三遊亭圓楽さんの司会降板により、「笑点」5代目司会者に就任。その後も、度重なる病気を患ってきたが、それらを「笑い」にかえながら病を押して活動し続けた。

 これまでも、誤嚥性肺炎や背部褥瘡(じょくそう)などで体調を崩してきた歌丸さんだが、死因は慢性閉塞性肺疾患。

 2020年には世界の死亡原因の3位になると予測されている慢性閉塞性肺疾患(COPD)。日本の潜在患者数は約620万人とされているが、治療を受けているのはその中のごく一部だ。いったいどんな病気なのか。

*  *  *

 COPDはたばこの煙などの有害物質によって、肺が炎症を起こす病気だ。20年以上喫煙していると発症しやすいため、早い人では40代で発症する場合もあり、3大症状である「咳、痰、息切れ」を自覚し始める。進行すると息苦しさから動けなくなり、寝たきりになることもある。

 治療の基本は「禁煙」「薬物療法」「運動療法」「栄養療法」「増悪予防(後述)」だ。最も効果的な治療が禁煙で、受動喫煙の防止のみならず生活環境全般の空気をきれいにすることが大切だ。それで咳や痰はかなり改善する。適度な運動をし、適切な栄養をとることも重要だ。しかし、息切れはそれだけでは改善しにくい。

 東京女子医科大学病院呼吸器内科教授の玉置淳医師はこう話す。

 「薬物治療によって肺をもとの状態に戻すことはできませんが、息切れなどの症状を軽減し、進行を予防することで生活の質を保てます。最終的に、COPDによる死亡を防げるのです」

 薬物治療の中心は、気管支拡張薬だ。狭まった気道を広げることで呼吸が楽になり、息切れが軽減する。気管支拡張薬にはいくつかの種類があり、重症度によって選択されるが、その基準を大きく変えたのが2013年に承認された「長時間作用性抗コリン薬(LAMA)」と「長時間作用性β2刺激薬(LABA)」の配合薬だ。

 従来最初に選択されることが多かったのがLAMAで、効果が十分に得られないときにLABAを追加するというケースが一般的だった。作用の違う薬を併用することで、気道をより広げることが期待できる。

 LAMA・LABA配合薬も発売当初は、LAMA単剤で十分な効果が得られなかった場合や重症患者に限り、使用されてきた。しかし最近は、軽症でも最初から配合薬を使用する傾向があるという。

 「例えば高血圧の薬は効きすぎると血圧が下がりすぎる弊害がありますが、気管支拡張薬の場合は効きすぎて困ることがありません。このため、最初から効果の高い薬を使用するほうが、患者さんも効果を実感でき、吸入治療を続けやすいと考え、第一選択薬として使用されるケースが増えてきたのです」(玉置医師)

 配合薬は吸入操作が1回ですむため患者の負担が軽くなることもメリットだ。

 COPDの患者は、気管支ぜんそくが併存している場合も少なくない。この場合は、LAMA、LABAのほかにさらに「吸入ステロイド薬(ICS)」を追加する「トリプルセラピー」という治療がおこなわれる。現在はLAMA・LABAの配合薬に吸入ステロイド薬を追加する方法とLABAと吸入ステロイド薬の配合薬にLAMAを追加する方法があるが、今後は三つの薬を組み合わせた配合薬も登場する予定だという。

 COPDの薬は、正しく吸入することもポイントだ。使い方を誤ると十分な効果を得られないため、医師や看護師の前で吸入し、やり方が正しいかどうか、確認してもらうことが不可欠だ。

 「COPDは進行すると薬物治療の効果が得にくく、在宅酸素療法が必要になります。階段や坂道を上ったときに今までに感じなかったような息切れがある、咳が2カ月以上続くといった症状があれば医療機関を受診し、早めに治療を開始することが大切です」(同)

 COPDで問題となるのが「増悪」だ。風邪やインフルエンザなど呼吸器の感染症を機にCOPDの症状が一時的に悪化し、症状が全身におよぶ状態を指す。血液中の酸素不足により呼吸不全で生命が危険になることもある。

 また、COPDは糖尿病や心臓病など併存症がよく見られるが、増悪を起こすと併存症も悪化することがあり、さらに重症となる。重症化すると、息切れや咳、痰の症状が続き外出もままならない状態となり、運動能力や骨格筋の筋力低下を起こす。高齢者の場合、そのまま寝たきりになることもある。

 そうならないためには、増悪を起こしたらできるだけ早く医療機関を受診することが大切で、症状が起こってから48時間以内に治療を受けることが望ましいとされている。日本医科大学呼吸ケアクリニック所長の木田厚瑞医師はこう話す。

 「以前は“急性増悪”と呼ばれていたように、“増悪”というと急激に症状が悪化するものだと考えられてきました。しかし最近は症状が悪化したまま、時には数週間以上続くタイプの“増悪”が多いことがわかっています。このような場合、“治りにくい風邪”と判断して治療が遅れ、COPDそのものを悪化させてしまうことがよくあるのです」

 増悪時の主な症状は、「息切れがいつもより強い」「痰の量が増えて切れにくい」「痰が黄色くなる」「熱やのどの痛みがある」「食欲が落ちる」などだ。これらの症状があれば自己判断せずに受診したい。

 「COPDの患者さんの場合、風邪のような症状でも、それが増悪の可能性があります。当院ではこのことを知ってもらうための患者さんへの指導を徹底しています。これによりCOPDの増悪で緊急入院が必要となる場合はほとんどなくなりました」(木田医師)

 COPDの治療では、増悪の予防、早期治療はきわめて重要である。増悪の原因の多くは風邪などの感染症のため、手軽に受診できるかかりつけ医による早期治療、インフルエンザワクチンを接種するなど感染症を予防することが大切だ。

 (文・中寺暁子)

 ※週刊朝日 「新・名医の最新治療」から 
| 福祉・医療と教育 | 01:34 | comments(0) | trackbacks(0) |









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