<< December 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 広範囲で厳しい暑さ 関東甲信は梅雨明け | main | 5月の完全失業率2.2% 25年7か月ぶりの低水準 >>
働き方改革関連法 賛成多数で可決・成立
 政府・与党が今国会最大のテーマとしてきた働き方改革関連法は、29日の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決され、成立しました。

 国会審議で最大の焦点となった、高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す高度プロフェッショナル制度は来年4月から導入されることになります。

 働き方改革関連法案は、28日夜、参議院厚生労働委員会で可決されたのを受けて、29日午前、参議院本会議で審議が行われ、最初に、法案に賛成・反対双方の立場から5党による討論が行われました。

 この中で、自民党は、「今回の法案で、柔軟に働くことができる、能力を最大限に発揮できる働き方を実現できれば、わが国の経済もさらに力強く成長する」と述べました。

 これに対し、参議院野党第1党の国民民主党は、「高度プロフェッショナル制度の創設は、長時間労働や過労死となる懸念が極めて大きく、労働者保護の観点から絶対に導入してはならない」と述べました。

 続いて採決が行われた結果、自民・公明両党と日本維新の会、希望の党などの賛成多数で可決され、成立しました。

 働き方改革関連法は、長時間労働を是正するため時間外労働に罰則付きの上限規制を設ける一方、高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す高度プロフェッショナル制度を導入するとしています。

 さらに、同一労働同一賃金の実現に向けて、正社員と非正規労働者の不合理な待遇の差を禁止することなども盛り込まれていて、新たな制度は来年4月から順次導入されます。

◇法成立までの経緯
 安倍総理大臣が「働き方改革国会」と銘打った今の国会。政府・与党は働き方改革関連法案を最重要法案と位置づけて審議を進めました。

 政府は当初、実際に働いた時間と関係無く、一定の時間働いたものとみなして賃金を支払う裁量労働制の適用の拡大を盛り込む方針でした。

 しかし、法案作成の過程で使用された厚生労働省の調査に不備があることが発覚し、誤りと見られるデータが相次いで見つかりました。このため、政府は、法案からの削除を余儀なくされました。

 一方、高収入の一部専門職を対象に、働いた時間ではなく成果で評価するとして労働時間の規制から外す高度プロフェッショナル制度について、政府は「多様な働き方の実現に必要な制度だ」と主張。立憲民主党や国民民主党、共産党などは「長時間労働を助長し、過労死につながる」と真っ向から対立しました。

 法案の審議は、衆議院では33時間余り、参議院では衆議院を上回るおよそ37時間行われ、28日に参議院厚生労働委員会で可決されたのを受けて、29日の参議院本会議で採決が行われました。

 その結果、自民・公明両党と日本維新の会、希望の党などの賛成多数で可決され、成立しました。

◇厚労相「周知や啓発に取り組む」
 加藤厚生労働大臣は記者団に対し、「一億総活躍社会の実現に向けた最大の挑戦が働き方改革だ。成長と分配の好循環を回し、より活力のある国にしていきたい。省令やガイドラインをできるだけ早く整備し、理解を深めてもらうべく、周知や啓発に取り組みたい」と述べました。

◇公明 井上幹事長「政府は懸念の払拭を」
 公明党の井上幹事長は記者会見で、「安倍総理大臣が『働き方改革国会』と位置づけたように、労働法制の70年ぶりの大改正であり、これからの働き方が大きく変わる。高度プロフェッショナル制度にはいろいろな懸念が寄せられているが、付帯決議に労働基準監督署が監督・指導をきちんと行うことも盛り込まれており、政府は、課題にしっかり取り組み、懸念を払拭してもらいたい」と述べました。

◇立民 蓮舫参院幹事長「数で押し切られ悔しい」
 立憲民主党の蓮舫参議院幹事長は記者団に対し、「いとも簡単にあっさり採決されたことは非常に残念だ。まだまだ審議しなければならない課題があることが明確になったにもかかわらず、数の力で押し切られ、本当に悔しい。働く人たちの生活にどのような影響が出るのか常にチェックし、必要であれば対案を提出したい」と述べました。

◇過労死遺族が採決見守る
 参議院本会議場には、過労死で家族を亡くした人たちで作る「全国過労死を考える家族の会」のメンバーや、3年前、過労のため自殺した高橋まつりさんの母親の幸美さんらが訪れ、採決の様子を見守りました。

◎働き方改革関連法 そのポイントは
 働き方改革関連法は、29日の参議院本会議で採決が行われ、可決、成立しました。その主なポイントをまとめました。

◇関連法とは
 働き方改革関連法は、改正された労働基準法や労働契約法など合わせて8本の法律で構成されています。

 長時間労働を是正するため「時間外労働の上限規制」が盛り込まれた一方、労働規制を緩和する新たな仕組みとして、高収入の一部専門職を対象に労働時間の規制から外す高度プロフェッショナル制度も導入されます。

 また、正社員と非正規労働者の待遇の差をなくすため、同じ内容の仕事に対しては同じ水準の賃金を支払う「同一労働同一賃金」の実現や、労働者の健康を確保するため客観的な記録などによる労働時間の把握をすべての企業に義務づけることなども盛り込まれています。

◇上限超えたら罰則の対象に
 法律のポイントの1つは「時間外労働の上限規制」です。

 長時間労働を是正するため、時間外労働の上限を原則として月45時間・年間360時間としています。これには休日労働は含まれません。

 ただ、臨時に特別な事情がある場合には、年間6か月までは、さらなる時間外労働が認められ、休日労働も含めて、月100時間未満、連続する2か月から6か月のいずれの期間の平均も80時間が上限となります。また、年間では休日労働を除いて720時間が上限となります。

 上限を超えた場合には罰則の対象となり、使用者側に、6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科せられます。

◇高度プロフェッショナル制度とは
 高度プロフェッショナル制度とは、高収入の一部専門職を対象に働いた時間ではなく成果で評価するとして労働時間の規制から外す仕組みです。

 制度が適用されると、残業や休日出勤をしても労働者に割増賃金は支払われません。一方で、労働者の健康を確保するため、年間104日以上、4週間で4日以上の休日を確保することなどが義務づけられます。

 制度の対象になるのは、年収1075万円以上の証券アナリストや医薬品開発の研究者、それに、経営コンサルタントなどが想定されていますが、最終的に年収要件や対象の職種をどうするかは、今後、労使双方が参加する国の審議会での議論を踏まえ、厚生労働省が省令で定めることになっています。

◇始まるのは
 時間外労働の上限規制は、大企業では来年2019年4月1日から、中小企業では再来年2020年4月1日から始まります。

 また、高度プロフェッショナル制度は来年4月1日から、「同一労働同一賃金」の実現に向けた取り組みは、大企業では2020年4月1日から、中小企業では2021年4月1日から、それぞれ始まります。
| 政策 | 04:14 | comments(0) | trackbacks(0) |









http://blog.sato501.com/trackback/1089314