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中高年、銀歯の下に「時限爆弾」
 “歯根破折”と言う言葉を初めて聞きました。“歯根破折”は、歯周病、虫歯に次いで日本人の抜歯理由の第3位だそうです。

◎自覚症状がないまま歯を失わないための5つの対策
 (6月8日 NEWSポストセブン)

 「過去に受けた歯科治療」が歯を失う“原因”になっている……そんな衝撃的な実態をレポートするのは話題の新刊『やってはいけない歯科治療』著者のジャーナリスト・岩澤倫彦氏だ。中高年の「銀歯」の下で、静かな危機が進んでいる。同氏が警鐘を鳴らす。

 * * *

 虫歯が進行して歯の根まで感染が広がると、根管治療(感染した神経や血管組織等の除去)が必要になる。その後、空洞になった根管に入れる支柱が「ポスト」、銀歯などを冠せる土台が「コア」と呼ばれる(イラスト参照)。

 このポストやコアが、硬い金属製であるために、深刻な事態を引き起こしていた。

 「歯の内部組織は柔らかい象牙質なので、硬いメタルポストやコアが入ると、10年以上経って歯にヒビが入ったり、割れる“歯根破折”が起きてしまうのです」

 こう話す歯科医・眞坂信夫氏(78)は、歯根破折治療の第一人者。他院から紹介されてくる患者も多い。

 「いま、団塊の世代を中心に“歯根破折”を起こすケースが目立っています。歯科医の多くは“歯根破折”と診断すると、即抜歯を患者に勧める傾向が強い。歯根破折の治療法が普及していないからです」

 過去に「差し歯」や、神経を抜く治療(根管治療)を受けた人の口には、まずメタルポストやコアが使用されている。つまり、口の中に時限爆弾が仕掛けられたようなものなのだ。

 適切な位置にメタルポストやコアが入っていれば、長期間経過しても“歯根破折”は起きにくい。しかし、ズサンな治療の場合は短期間で破折してくる。

【対策1】正確な診断を受ける
 実は、。では“歯根破折”による抜歯を回避するには、どうすべきなのか。まずは、歯根破折に詳しい歯科医に正確な診断をしてもらうのが重要だという。

 「診断に際して、根管に接着されたメタルポストやコアを外すためにマイクロスコープで少しずつ削っていく必要があります。根管が割れてしまうリスクもあるので、経過観察しながら“歯根破折”を早期発見する方法が基本です」(眞坂氏)

 かなり状態が悪いメタルポストやコアが入っている場合は、それを撤去して、根管治療をやり直すという選択肢もある。根管が割れるリスクもあるので、経験を積んだ歯科医を選びたい。

【対策2】ファイバーポストを使う
 現在では、象牙質の硬さに近く、しなやかなグラスファイバー素材の「ファイバーポスト」、プラスチック系素材の「レジンコア」が開発され、保険診療でも使用可能になった。新たに根管治療を受ける場合は、それらを使用したほうが“歯根破折”のリスクは少ない。

 15年経過の前向き調査では、メタルコアの生存率は55.4%、レジンコアの生存率78.7%という報告もある。

 しかし、現在でも「実績がある」「丈夫だ」という理由でメタルポストやコアを選ぶ歯科医は多い。厚労省が公表した、2016年6月の保険診療では、メタルコア約21万件に対して、ファイバーポストは約1万件しかない。

【対策3】定期検査で早期発見
 神経を抜いた歯は、痛みを感じないので“歯根破折”しても気づかない。そこで、半年に1回程度、定期検査を受診して「早期発見」することをお勧めしたい。“歯根破折”しても、早期発見すれば、歯を残すことが可能になるからだ。

 正確に診断するには「デンタルX線」と呼ばれる、2歯ほどを部分的に撮影するタイプの画像診断と、プロービング(歯周ポケットの深さを計る検査)が必須。歯根破折に詳しい歯科医を選ばなくては意味がない。

◆インプラント誘導に騙されるな

【対策4】歯根破折は「接着」で治す
 歯科医の大半が「歯根破折=抜歯」と考えているが、早期発見すれば、眞坂氏のグループが確立した「破折歯接着療法」で歯を残すことが可能になった。これはマイクロスコープを使い、超音波で感染部位を除去、スーパーボンドと呼ばれる接着剤で破折した隙間を接着固定する治療。

 「接着療法で治療した“歯根破折”の生存率は、5年経過で9割以上。10年では約7割、20年では、約5割です。着療法は、歯根の表面を覆っている歯根膜という組織が“生きている”ことが重要なので、早期発見が大事なのです」(眞坂氏)

 “歯根破折”してから長期間経過すると、周囲の骨が溶けてしまうので、接着療法は使えない。

 “歯根破折”の接着療法は、保険診療の対象外となるので、基本的に自費診療。費用は歯の割れ方や歯を支える骨の破壊状態で治療法が異なるため、1歯あたり15万円から30万円と幅がある。

【対策5】患者が歯科治療に詳しくなること
 最近、筆者の友人は前歯の差し歯が“歯根破折”となった。そこで、2つの歯科医院を受診したところ、「すぐに抜歯してインプラントにしたほうがいい」、「インプラントと接着療法の2つの選択肢があるが、接着療法で十分に治すことができるだろう」と診断が分かれた。歯科医によってスキルも違うし、得意な治療も異なる。だからといって、複数あるはずの治療の選択肢を提示しないのは、医療人として誠実とは言えない。

 歯科治療の知識がない患者は、担当した歯科医の得意な治療に誘導されてしまう場合が多い。友人は接着療法を受けて3か月ほど経つが、今のところ順調に経過している。

 眞坂氏が、接着療法にこだわる理由を教えてくれた。

 「患者さんは、みんな自分の歯を残したいと願って治療にくるわけです。だから私は歯医者として、歯を残すことに生涯をかけているのです」

 これまでの歯科治療は、頑丈な金属によって修復するのが基本とされていたので、銀歯やメタルポスト、コアが重宝された。しかし、実際は、頑丈な金属であるがゆえに歯の寿命を縮めていた。さらに手抜きやズサンな治療が横行したことが、追い打ちをかけている。

 「歯医者のタブー」は、ほかにも存在する。患者が自分の歯を守るためには、歯科治療の正しい知識を学び、賢くなるしかないのだ。

 ※週刊ポスト2018年6月15日号
| 福祉・医療と教育 | 01:26 | comments(0) | trackbacks(0) |









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