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なぜか生きづらい 大人のHSP
 「HSP」、初めて聞きました。生まれ持った特性と言えども5人に1人いるとは驚きです。

◎「怒鳴り声が苦手」で不登校に 32歳女性が今も抱える“5人に1人が苦しむ癖”
 (2018年06月02日 16:02 AERA dot)

 なぜか生きづらい。細かいことを気にしすぎる自分が嫌い。そんな「ひといちばい敏感な大人(HSP)」が、実は5人に1人の割合でいるという。精神科医・明橋大二さんは「HSPは病気ではないし、治すべきものでもない、自分にとって生きやすい生き方を選んでいい」と指摘する。不登校新聞の編集長、石井志昂さんがリポートする。

*  *  *

 「掃除機や電話の音はどうしても苦手です。ほかにも救急車のサイレン音や騒がしいレストランも苦手だし、なにより『怒鳴り声』はホントに苦手です。たとえ他人が怒られていたとしても、自分が怒られているような衝撃を受けてしまうというか、すごく動揺してしまうんです」

 そう語ってくれたのはAさん(32歳・女性)。小さいころから「神経質すぎる」「気にしすぎだ」と言われ自分でも自分を責めてきました。しかし、どうしても大きな音や怒鳴り声などには耐え切れず、高校1年生のときに不登校になり、学校を中退しました。現在は結婚してパートで働いてもいますが、大きな音が苦手なのはいまも変わっていません。そんなAさんが昨年、ネットで「HSP(Highly Sensitive Person)」の記事を発見し、「自分はまさにこれだ!」と思ったそうです。

 2015年に『ひといちばい敏感な子』(エレイン・N・アーロン著)という本が出版され、「HSC(Highly Sensitive Child)=ひといちばい敏感な子ども」が話題になりました。HSCはHSPの子ども版です。Aさんは、いわば「大人のHSC」。こういう方は、研究結果によれば5人に1人いると言われています。

■大人のHSP、その特徴は?
 HSPの特徴は23項目あります。文末にセルフチェック(自己診断)リストでもあるので、自分が当てはまるものがあれば、その数を数えてみてください。12個以上に「はい」と答えた人、または「はい」が1つや2つしかなくても、その度合いが極端に強ければ、HSPの可能性があります。冒頭のAさんの場合は23個中22個の項目が該当していました。

 HSPは生まれ持った特性であり、人種、性別、年齢差はありません。本書を翻訳した精神科医・明橋大二さんも「HSPは性格の欠陥や障がいや問題ではない」と訴えており、HSPの人自身を変えようとするのではなく、HSPの人も生きやすい社会へと変えていく必要があると指摘しています。

 しかし、社会がすぐに変わるわけではありません。周囲がHSPを理解することは前提だとしても、自分がHSPだと知った人は、どんな対策をたてることができるのでしょうか。明橋さんからお話をうかがいました。

■精神科医・明橋大二「自分がHSPだと初めて知った人へ」  
 「今日、初めて自分がHSPだと知った人、あるいは『HSPかも』と思った人がいれば、3つのことをお伝えしたいと思います。

 1点目は『HSPについてくわしく知ってもらいたい』ということです。

 これまで人とちがうことで『神経質すぎる』『臆病だ』と言われてきたかもしれません。また、つい動揺してしまったり、いっぱいいっぱいになることで『ワガママなのでは』と自分を責めたことがあるかもしれません。でも、けっしてそうではないんです。HSPは生まれ持っての特性です。人種や男女差もありません。研究結果によれば5人に1人がHSPです。これまでは自分のことをネガティブに捉えていたかもしれませんが、あなたの敏感さは長所でもあるのです。HSPのなかには、人の気持ちにすぐ気がついたり、するどかったり、創造力が豊かだったり、すばらしい人がたくさんいます。またすべての人間が非HSP(敏感でない人)であれば、すぐに人類は滅んでしまったでしょう。おそらく一定数の『敏感な人』が、人類の存続に大切な役割を果たしてきたのだと思います。

 2点目は『バウンダリー(心の境界線)を引いていい』ということです。他人はよかれと思ってあなたへアドバイスをすることがあります。なかには『強くならないと生きていけない』と言う人もいるでしょう。でも結局、他人は他人。自分のことをすべて分かっているわけではありません。その人がよかれと思ったアドバイスが不適切な場合もあります。なのでそういう人とは一定の距離をとっていいのです。

 直接のアドバイスは受けていないけれど、他人の期待を裏切りたくないと自分自身で背伸びをしてきたことがあるかもしれません。でも自分に合わない生き方を、無理にする必要はないのです。『西の魔女が死んだ』(梨木香歩/著)のなかでは、不登校の女の子はおばあちゃんからこんなアドバイスをされています」

 <自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか>(『西の魔女が死んだ』より)

 「HSPの人にとって学校は苦痛が多い場だったと思います。先生の怒鳴り声や教室内の騒音は、すごくつらかったでしょう。でもこれからは、自分が生きやすい場を選んでいいんです。HSPは病気ではないし、治すべきものでもありません。であれば、自分にとって生きやすい生き方を選んでいいということなんです。

 最後の3点目はダウンタイム(休憩)をとることです。HSPは気持ちが高ぶってしまうと、たとえそれが楽しいことでも夜、眠れないことがあります。なので興奮状態に任せず、休憩をとって自分を調節してあげてほしいと思っています。

 もし今日、自分がHSPだと知ったのならば『HSPについて知ること』『バウンダリー(心の境界線)を引くこと』『ダウンタイム(休憩)をとること』、この3点を知ってもらえればと思っています」(明橋さん)

 HSPや発達障害など医療現場から新しい発見があるたびに「子どもを選別するラべリングになる」と指摘されます。また新しい名前が付いたことによる周囲の無理解な対応が、より当事者を傷つけることがあります。しかし、明橋さんのメッセージは、誰にでも必要なアドバイスではないかと私は思いました。こうしたアドバイスとともに、HSPへの理解が広まり、誰もが生きやすい社会になっていくための議論が深まればと思っています。

■HSPセルフチェック(自己診断)リスト
1.自分を取り巻く環境の微妙な変化によく気づくほうだ
2.他人の気分に左右される
3.痛みにとても敏感である
4.忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所に引きこもりたくなる
5.カフェインに敏感に反応する
6.明るい光や強いにおい、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
7.豊かな想像力を持ち、空想にふけりやすい
8.騒音に悩まされやすい
9.美術や音楽に深く心動かされる
10.とても良心的である
11.すぐにびっくりする(仰天する)
12.短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
13.人が何かで不快な思いをしている時、どうすれば快適になれるかすぐに気づく(例えば電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)
14.一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ
15.ミスをしたり、物を忘れたりしないようにいつも気をつける
16.暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
17.あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
18.空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応がおこる
19.生活に変化があると混乱する
20.デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
21.動揺するような状況を避けることを、ふだんの生活で最優先している
22.仕事をする時、競争させられたり、観察されたりしていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
23.子どものころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた

(※『ひといちばい敏感な子』より抜粋)

 上記のうち、12個以上に「はい」と答えた人、または「はい」が1つや2つしかなくても、その度合いが極端に強ければ、HSPの可能性があります。
| 福祉・医療と教育 | 11:49 | comments(0) | trackbacks(0) |









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