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4月と10月 変わる非正規ルール
 2013年に施行された改正労働契約法は、5年を超えて働き続けた契約社員や派遣社員、アルバイト・パートの方たちは希望すれば「無期労働契約」に転換できるというものです。ただし、無期転換は必ずしも「正社員になる」事ではありません。

 2018年4月、契約社員や派遣社員として働いている方にとっては、大きな転換点がやってきます。「無期転換ルール」によって有期労働契約から無期労働契約に転換する方が出始めるのです。

◎2018年問題:変わる「非正規」のルール 4月と10月
 (2018年02月12日 08:53 毎日新聞)

 非正規で働く人の雇用ルールが今年大きく変わる。4月に有期社員の「無期転換ルール」、10月には派遣社員の「派遣期間3年ルール」の運用が始まる。

 労働市場への影響の大きさから、「2018年問題」とも呼ばれている。雇用の安定化という期待の一方で、働き方がどう変わるかの不安もある。何が起こるのかを報告する。

 契約社員やパート社員など非正規社員の多くは企業と1年や半年などの有期契約を結んでいる。無期転換ルールの導入で、契約が繰り返し更新され、通算5年を超えると、無期契約を申し込む権利が得られる。2013年4月施行の改正労働契約法で定められ、5年たった4月から運用される。

◇雇用安定化図る
 目的は非正規社員の雇用安定化だ。有期契約は本来、臨時の仕事のためのものだが、有期社員の3割は5年を超え契約を更新している。

 恒常的な働き手としてつなぎとめられているのに、いつ期間満了を理由に雇い止めされるかわからない不安定な立場だ。企業側は「雇用の調整弁」にできる都合のいい仕組みだが、有期社員の不安は大きい。ルールはこれを改め、契約を実態に合わせるよう迫る。

 国の推計では勤続5年超の有期社員は450万人。労働政策研究・研修機構が2016年秋に行った企業調査(有効回収9639件)によると、63%は無期に切り替えるとするが「未定」も27%あった。

 懸念されるのは、申し込み権の発生前に企業の雇い止めが横行することだ。改正労働契約法は客観的に合理的な理由を欠く雇い止めは認められないと明確にしたが、一部で雇い止めが出ている模様だ。

 ただし、現在の雇用環境は、リーマン・ショック(2008年)後の雇用不安が続いていた法改正時と様変わりし、雇用増と人手不足が顕著。

 2017年の完全失業率は23年ぶりに3%を割り、有効求人倍率も1.50倍と高い。流通や外食など人材確保が厳しい業種では前倒しして正社員化する動きもある。無期転換を進めるには絶好のタイミングといえる。

◇準備不足の企業も
 焦点はむしろその先だ。求人広告大手アイデムの「人と仕事研究所」所長、岸川宏さんは、「ほとんどの企業は無期転換の方向を固めたが、具体的な受け入れ態勢はまだ手つかずのところも多い」とする。ここにトラブルの芽がある。

 有期社員の方は、無期転換で処遇が良くなると期待する向きもあるが、必ずしもそうではない。

 転換後の処遇には、
(1)労働条件を変えない
(2)職務・勤務時間・勤務地などを限定する限定正社員
(3)限定がない正社員−−
の三つが考えられる。

 人材支援のエン・ジャパンが昨夏、企業513社に行った調査では無期転換を進める企業(全体の67%)の半数超は「条件や待遇は変えない」としている。受け皿として「無期転換社員」という新たな社員区分を作るのが主流とみられる。これはモチベーションに影響しかねない。

 企業は「無期転換社員」向けの就業規則を新たに作ることになるが、労働条件は不利にならなくても職務や勤務時間などが変わる可能性もあり、転換を考える人への十分な説明は必須となる。

 責任が重くなることや残業をしたくないなどの理由で転換を希望しない人もいるだろうが、人手確保のため一斉に無期転換する方針の企業もある。ミスマッチの解消は大きな課題だ。

◇問われる人事管理
 大きくみれば、無期転換ルールは企業に人事管理制度の見直しを迫っている。

 日本企業は長らく、無期雇用は正社員、有期雇用は非正社員という2区分で、採用、配置、仕事配分、処遇などの人事管理を行ってきた。

 だが、有期の非正規雇用が拡大し、無期でも限定正社員を導入する企業は今や半数超。正社員も必ずしも無限定な働き方をしているわけではなく勤務条件の希望を受け入れてもらっている人は少なくない。

 ここに無期転換社員が加われば、職場では処遇や条件の異なる区分が入り乱れてしまい、なぜ社員を区分し処遇や条件を変えているのかの論理が求められる。納得が得られなければ、職場を不信が覆い、溝は深まるだろう。

 2019年度から適用が想定される同一労働同一賃金制度との不整合も問題だ。ガイドライン案は非正規雇用(有期・パート・派遣)と正規雇用の間の不合理な待遇差を問う。

 だが、フルタイム勤務の無期転換社員はこの対象外にある。場合によっては、無期転換社員より有期社員の方が処遇が厚くなることもありうる。

 国は、社員タイプを明確化して、転換制度を整え、働く人がライフスタイルに応じ多様な働き方を選択できる仕組みを示す。

 リクルートワークス研究所労働政策センター長の中村天江(あきえ)さんは、「求められるのは正社員を含めた包括的な人事制度。無期転換はそれに向けたプロセスの入り口だ」と位置づける。

◇派遣期間は3年に
 もうひとつの2018年問題の「派遣3年ルール」は、派遣社員を同じ職場に派遣できる期間を3年に統一。

 期間が満了した派遣社員が希望すれば、
(1)別の派遣先を紹介
(2)派遣先に直接雇用を促す
(3)派遣会社が無期雇用−−
のいずれかを派遣会社に義務づけた。

 2015年9月施行の改正労働者派遣法で定められ、3年を迎える10月から本格運用される。

 ここでも雇い止めは不安視される。特に「ソフトウエア開発」など26業務はそれまで期間制限がなく、長期間派遣されてきた人が多い。

 26業務の対象者は2015年6月時点で65万人おり影響は懸念される。また、派遣社員は働き方の自由度が狭まり、派遣会社には派遣先が見つからない場合のコストが増すデメリットがある。

 人手不足が広がり、派遣社員として採用される層も変わるなど、労働市場での位置づけも変わりつつある。
| 政策 | 21:04 | comments(0) | trackbacks(0) |









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