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「入院より在宅」体制加速へ
 厚生労働省が決めた4月からの診療報酬改定には、在宅医療を今以上に推進しなければこれからの高齢化に対応できない、そんな意図が明確に示されました。

◎「入院より在宅」促進 診療報酬改定、遠隔診療も拡大
 (2018年02月10日 23:52 朝日新聞デジタル)

 医療機関で治療を受けたり、薬を出してもらったりする時の4月からの値段が7日、決まった。医療ニーズが急増する「2025年問題」を乗り切るため、患者がなるべく入院せずに住み慣れた自宅や施設で治療を受けられる体制づくりを一層加速させる内容だ。遠隔診療の対象も広がる。

 中央社会保険医療協議会(中医協=厚生労働相の諮問機関)がこの日、医療サービスの公定価格となる診療報酬の個別の改定内容を決め、答申した。診療報酬は2年に1度見直す。政府は昨年末、全体で1.19%引き下げると決定。治療代などの「本体」は0.55%引き上げ、薬代の「薬価」などは1.74%引き下げるとした。中医協はこの範囲に収まるよう値段を決めた。原則1〜3割の患者の自己負担額も変わる。

 今回の改定は、団塊の世代がすべて75歳以上になる25年を強く意識したものになった。今の年約42兆3千億円から健康保険組合連合会の推計で約57兆8千億円に膨らむとされる国民医療費をいかに抑えるかが課題だ。患者の急増で入院中心では受け皿が足りなくなる恐れもある。

 在宅の患者を支えるための柱は、24時間診療に応じられる新たな仕組みだ。地域の複数の診療所などが連携し、24時間連絡がついて往診できる体制を築いたら報酬を患者1人当たり月2160円加算する。

 スマートフォンやパソコンを通じて診察する遠隔診療は、保険対象を拡大する。対面診療と適切に組み合わせ、診察や日常生活の指導などをした場合の報酬を新設する。糖尿病といった生活習慣病患者の利用などを想定し、訪問診療や外来の代わりとしても使ってもらう狙いだ。1回当たりの治療代は安くなり、生活習慣病なら対面の2割ほどになる。

 国民医療費の4割ほどを占める入院費の新たな抑制策も打ち出した。急性期向けで患者7人に対して看護職員1人と最も配置が手厚く、報酬が高い「7対1病床」は高齢化による慢性疾患患者の増加でニーズが下がっているが、なかなか減らない。次に手厚い病床との入院基本料の差額が大きいためで、二つの基準を残しつつ基本料を7段階に細分化し、診療実績も加味して支払う基本料を決める。

 多死社会の本格化を前に、いまは8割が医療機関で亡くなっている「みとり」に備える見直しもした。6年に1度の同時報酬改定となった介護とも連携。患者の住み慣れた特別養護老人ホーム(特養)で外部の医師がみとった場合、医師側も特養側も報酬を受け取れるようになる。

◎病院経営は多様化の時代に 診療報酬改定で介護との連携に加算 「みとり」充実にも配慮
 (2月8日 産経新聞)

 平成30年度の診療報酬改定は、2年に1度行われる診療報酬改定と3年に1度の介護報酬の同時改定となり、団塊の世代が75歳以上になる37年に備える上で実質的に最後の機会となる。医療と介護の連携体制を整える絶好の機会ともいえ、入院医療から在宅医療を促進させるために、さまざまな加算が新設された。在宅医療への促進は膨張する医療費抑制の狙いもある。病院経営は多様化の時代に突入する。

 今回の診療報酬改定案の基本方針には「人生100年時代を見据えた社会の実現」を据えており、高齢化の到来とともにいかに医療と介護を連携させ、病院で治療を終えた人を円滑に介護施設や自宅に移れるようにするかに腐心した。自宅や介護施設でのみとりの充実にも配慮した。

 これらを実現するには「地域包括ケアシステム」の構築は喫緊の課題だった。高齢者の生活習慣病や認知症が増加傾向にある中、自宅で長期にわたり治療にあたるニーズが高まるのは間違いない。入院期間が長いのは日本の医療の特徴であり、このままだと医療費が膨張の一途をたどるのも目に見えている。

■介護との連携
 介護との連携の具体策では、医療機関から介護保険のリハビリテーション事業者に患者に関する情報などを提供した場合の評価を「リハビリ計画提供料」として新設した。

 一般的な外来について大病院ではなく「かかりつけ医」に相談することを基本としたのは在宅医療を推進させるためだ。紹介状なしで初診を受ける際に定額負担する医療機関を拡大するのも、かかりつけ医機能の充実という狙いがある。

 また、国民の希望に応じたみとりの推進策として、在宅ターミナルケア(終末期医療)への点数加算のほか、特別養護老人ホームに入っている末期のがん患者らに対する医療費を加算し、訪問診療や訪問看護の担い手を増やす。

■入院医療の評価
 急性期の一般病棟の入院料について、現行の患者7人に対し看護職員1人を配置する病棟の基準「7対1」と「10対1」の間に中間的な水準の評価を設け、2段階から7段階に再編したのは「弾力的運用」という狙いのほか、効率的な看護職員の配置という狙いもある。

 病院には「7対1」などの基準を満たし、点数を稼ぐため、看護職員を必死でかき集める傾向にある。その結果、過剰に看護職員を集めるケースは少なくなく、高齢者が増加する中、看護職員不足という問題が起きている。評価を7段階にすることで、病院側にとって過剰に看護職員を集めるプレッシャーから解放されることになる。

■小児医療、周産期医療
 小児医療でも介護との連携を進める方針で、訪問看護ステーションが介護職員の支援を行った場合について「看護・介護職員連携強化加算」を新設する。発達障害などの精神疾患の診療を充実させるため「小児特定疾患カウンセリング料」の算定要件を緩和する。

 周産期医療の充実としては、妊娠の継続や胎児に配慮した診療を評価する観点から、妊婦に外来診療を行った場合に算定する「妊婦加算」を新たに設ける。

■がん、認知症治療
 2人に1人ががん患者という時代を迎え、治療と仕事の両立を目指す患者は少なくない。こうした観点から、主治医が産業医からの助言を得て、治療計画の見直しなどの「医学管理」を行った場合の評価を新設する。認知症サポート医の助言を受けたかかりつけ医が医学管理を行った場合についても評価し加算する。

■薬価の評価
 地域医療に貢献する薬局について、夜間、休日対応などの実績を踏まえた「地域支援体制加算」も創設する。もっとも、診療報酬の本体部分がプラス改定にした分、薬価がマイナス改定になっており、その財源として、画期的な新薬を高値で維持する「新薬創出加算」について革新性などに着目して対象品目を絞り込む。

 安価なジェネリック医薬品(後発品)の使用を促進させるため、後発品の数量の割合が著しく低い薬局の調剤基本料を減算する。

■患者側の姿勢
 診療報酬本体の引き上げは患者負担に直結する。医療の仕組みが複雑になる中、医療機関が制度の周知徹底を図るべきなのはもちろんのこと、患者側も積極的に情報を取りにいく姿勢が求められる。
| 福祉・医療と教育 | 16:37 | comments(0) | trackbacks(0) |









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