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親が他界、申請するともらえるお金
 人が亡くなった際の手続きは知らない事の方が多いので、知っておいた方が良いでしょう。

◎親が他界「申請しないともらえないお金」
 (10月7日 プレジデントオンライン 井戸 美枝)

 親が亡くなったとき、「申請しなければもらえないお金」があることは、ご存じだろうか。たとえば国民健康保険の「葬祭費」は申請がなければ1円も出ないが、申請すれば自治体によって1万〜7万円が支給される。ファイナンシャルプランナーの井戸美枝氏が、「親が亡くなる前後に知っておきたいお金のこと」を解説する――。

◇親が亡くなる前に知っておきたいお金のこと
 高齢化が進む日本。

 9月17日に総務省が発表した人口推計では、90歳以上の人口が206万人、総人口に占める65歳以上の割合は27.7%と過去最高になりました。それにともなって亡くなる人も増えており、2016年度の年間死亡者数は約130万人でした。

 読者のなかにも、親の健康状態を心配している方がいると思います。あまり考えたくないことですが、高齢であれば、たとえ今は元気でも、ケガや病気で突然倒れてしまうリスクがあります。すぐに亡くなってしまうこともあるのです。

 本稿では、「親が亡くなる前後に知っておきたいお金のこと」を3つ取り上げます。具体的には(1)葬儀のこと、(2)健康保険のこと、(3)年金のことです。

 特に、(2)健康保険や(3)公的年金の手続きには期限がありますので、注意してください。また、こちらから請求しなくてはならないケース(未支給年金や払い過ぎた保険料の払い戻しなど)もあります。知らないと損をしてしまうかもしれません。

▼葬儀 親が互助会に加入しているのを知らずに大損
 まずは(1)葬儀についてです。

 「親が希望する葬儀の様式は何か」「仏教の場合、戒名はどうするか」「誰を呼ぶか」など、いくつか生前に確認したいことがあります。親と別居している場合には、お盆や年末年始などの帰省の際にぜひ話してみてください。

 もうひとつ重要なポイントは「互助会に加入しているかどうか」の確認です。

 互助会とは、冠婚葬祭を催している事業者が、積み立てや一括払いで、葬式や結婚式などにかかる費用を前払いする仕組みのことです。加入者の多くは、毎月1000円〜5000円を支払い、20万〜50万円程度を目安に積み立てているようです。積立金は、葬儀の費用の一部にあてられます。

 互助会は公的なサービスではなく、冠婚葬祭の事業者に前払いする仕組みです。ただ、将来を不安に思って、かなりの人が互助会に加入しているようです。問題は、加入者の名義が故人だった場合、子供などの遺族が加入の事実を知らなければ、積立金がムダになってしまう点です。事業者が用途を制限しているため、互助会が提携していない斎場で葬儀をしてしまった場合、「積立金は使えません」というケースもあります。葬儀を終えてから解約しても、数万円単位の手数料が発生することが多いようです。

 加入の有無を直接確認できない場合には、契約書を探すか、預金通帳などで定期的な引き落としがないかどうかをチェックしましょう。

◇最大7万円 国民健康保険から「葬祭費」が支給される
 次は、亡くなったあとの手続きをみてみましょう。

 親を亡くした後は心身ともに疲れていると思いますが、健康保険や年金の手続きには期限があります。家族と手分けをして進めましょう。

 まずは(2)の健康保険です。

 国民健康保険や後期高齢者医療保険(主に75歳以上の人が対象)では、被保険者が亡くなってから14日以内に「資格喪失届」を提出しなくてはなりません*。市町村によっては「死亡届」を提出すると、役所側で手続きしてくれる場合もありますが、いずれの場合も「健康保険被保険者証」(いわゆる健康保険証ですね)を返却する必要があります。

 *亡くなった人が働いていて、「協会けんぽ」などの健康保険に加入していた場合は、勤務先が手続きをしてくれます。勤務先に連絡して、必要な書類があれば提出しましょう。

 手続きは、亡くなった人の住んでいた市区町村の国民健康保険担当窓口で行います。個人のマイナンバーカード(もしくは通知カード)や、亡くなったことを証明する書類、届出人の印鑑が必要です。地域によっては必要のない書類もありますので、役所へ行く前に確認しておきましょう。介護保険証や高齢受給者証などもこのタイミングで返却できます。

▼埋葬費の補助は請求しないと支給されない
 国民健康保険料は「前払い」の制度です。よって、亡くなった時期によっては保険料を払い過ぎていることがあります。払う必要のなかった保険料は「過誤納金」として払い戻されます。上記の「資格喪失届」の手続きをすると、後日「過誤納金還付兼充当のお知らせ」が届きますので、振込先などを記載して返送しましょう。そうしなければお金は戻ってきません。

 また、あまり知られていませんが、国民健康保険や後期高齢者医療保険からは葬儀費用の補助として「葬祭費」が支給されます。金額は市区町村によって異なりますが、1万〜7万円程度です。亡くなった人が会社で働いていた場合も、それぞれの健康保険組合から5万円を上限に埋葬費*が支給されます。

 *被保険者に生計を維持されていた人が埋葬を行うと「埋葬費」として5万円、親族がいない場合は埋葬を行った人に上限5万円が支給されます。

 ただし、葬祭費はじっと待っていても支給されません。受け取る側から請求の手続きをする必要があります。窓口は上記と同じ市区町村の国民健康保険担当窓口ですので、資格喪失届のときに一緒に手続きしておくといいでしょう。

 請求には、埋葬をおこなったことを証明できるもの(領収書や会葬礼状など)、埋葬を行った人の印鑑、振込先の口座番号が必要です。

◇「年金受給者死亡届」を期限までに提出しないと……
 続いて(3)年金の手続きです。

 亡くなった人が年金を受け取っていた場合は、国民年金は14日以内に、厚生年金は10日以内に「年金受給者死亡届」を提出しなくてはなりません。手続き先は年金事務所または年金相談センターですが、後述する「未支給年金」の請求をする場合は市区町村の年金担当窓口でもOKです。

 手続きが遅れると、亡くなった後も年金が支払われることになります。

 時折、「死亡届を出さずに故人の年金を家族が受け取っていた」というニュースをみかけますが、不正に受給した年金は、年金事務所から返還をもとめられます。忘れずに手続きを済ませましょう。ただし、2011年7月以降、日本年金機構に住民票コードを登録している人は、原則として死亡届を出す必要はありません。

▼未払い分の年金をしっかり受け取る
 年金は「偶数月の15日」に過去2カ月分が振り込まれます。後払いということですね。たとえば、4月15日に振り込まれる年金は、2?3月分の年金です。年金は亡くなった月の分まで受け取ることができ、3月1日に亡くなった場合は、2月と3月分の故人の年金を遺族が受け取ることができます。これを「未支給年金給付」といいます。

 年金は後払いですので、この未支給年金は必ず発生します。手続き先は市区町村の年金担当窓口ですので、死亡届を出すときに手続きしておきましょう。なお厚生年金の場合、窓口は年金事務所や年金相談センターになります。

 受け取ることができるのは、故人と生計を同じくしていた遺族で、受け取る権利は「配偶者」「子」「父母」「孫」「祖父母」「兄弟姉妹」「その他3親等以内の親族」の順です。

 その他にも、高額な医療費がかかっていた場合は、高額療養費に該当する場合があるかもしれません。故人が個人事業主である場合、また収入が一定の金額を超えていた場合には、遺族が「準確定申告」をする必要があります。

 拙著『身近な人が元気なうちに話しておきたい お金のこと 介護のこと』(東洋経済新報社)では、昨年親をみとった私自身の経験をもとに、親が亡くなる前にやっておいた方がよいこと、亡くなった後に大変だったことなどを記しました。参考になれば幸いです。
| 福祉・医療と教育 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) |









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