2017.10.07 Saturday
貴重な登録文化財 相次ぎ解体
国の登録有形文化財になっている建造物の解体が続いている事は大変に残念です。登録有形文化財を保存するために、クラウドファンディングで幅広く支援を呼びかける手法があるそうですが、それこそ「ふるさと納税」で協力を呼びかける方法を取っても良いのではないでしょうか。
◎貴重な「登録文化財」相次ぎ解体、理由は重い「管理費負担」…所有者手放すケース後絶たず
(2017年10月05日 13:07 産経新聞)
国の登録有形文化財になっている建造物の解体が続いている。本来、近代の貴重な建築物が安易に取り壊されないようにするために導入された制度だが、修復費用の負担などを重荷に感じた所有者が建物を手放すケースが後を絶たないという。
解体などで登録を抹消されたケースは平成8年の制度創設から計180件。自治体所有の建造物が解体された事例もあり、行政だけに頼らない支援の仕組みづくりも始まっている。
京都市の出版社「平楽寺書店」の社屋は昭和初期に建てられたレトロな外観が特徴だったが、老朽化が著しく、解体され今年9月に文化財登録が抹消された。
同社取締役の井上知也さん(44)によると、修復も検討したが、将来にわたってかかる維持・管理費が懸念材料に。「小さな出版社で資金も潤沢にない。通りのシンボル的な建物だっただけに断腸の思いで解体を決めた」と明かす。
中山道の宿場町として栄えた岐阜県の旧加納町(現岐阜市)では、平成17年に国の登録文化財となった旧町役場庁舎が老朽化のため解体され、今年2月に登録が抹消された。現在は更地になっている。
庁舎を設計したのは、国会議事堂や京都市庁舎の設計に関わり関西建築界の雄として知られた武田五一(1872〜1938年)。大正15年に建てられた庁舎はコンクリートの劣化が進み、外壁はボロボロで、放置すれば倒壊の危険性もあったという。
名建築の解体を惜しむ地域住民の声を受け、所有する岐阜市は修復を検討したものの、数億円も費用がかかることが判明し、解体が決まった。
自治体所有の登録文化財の解体は珍しく、関係者の間からは驚きの声が上がったという。市まちづくり景観課の担当者は、「歴史的な文化財でギリギリまで残すことを検討したが、安全性も考えるとやむを得なかった」と話す。
近代建築の保存に取り組む国際学術組織「DOCOMOMO」の日本支部代表で京都工芸繊維大の松隈洋教授(近代建築史)は、「古い建物は地域のよりどころ。残そうと決めれば、いろいろな活用の可能性が見えてくる」とした上で、「行政に頼り切るのではなく、クラウドファンディングなどで市民から資金を募る手もある」と話す。
例えば、昭和11年に完成し、平成27年に登録文化財となった滋賀県高島市の旧今津郵便局は、地元住民らによって保存活動が続けられている。
ウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計で、長らく倉庫として使われていた建物の管理と運営を地元住民らで結成した「ヴォーリズ今津郵便局の会」が引き継ぎ、傷んでいた建物を手弁当で修復した。今はコンサートや寄席などの会場として使用している。
耐震診断や補強計画の立案にかかる費用をクラウドファンディングで集め、今年3月までに目標額の50万円を達成。同会会長の大石義一さん(73)は、「見知らぬ人からも寄付をもらい、私たちの活動をいろんな人たちが見てくれるのだと感じた」と話していた。
※クラウドファンディング
プロジェクトのための資金を調達できない個人・団体が、ソーシャルメディアをはじめインターネット上で企画内容と必要な金額を提示し、広く支援を呼びかける手法。少額の資金提供者を多く集めることによって、目標額の達成をねらうもの。
クラウドcrowd(群衆)とファンドfund(資金)を組み合わせた造語で、略称CF。ソーシャルファンディングsocial fundingやマイクロファンディングmicro funding、マイクロパトロンmicro patronともいう。
◎貴重な「登録文化財」相次ぎ解体、理由は重い「管理費負担」…所有者手放すケース後絶たず
(2017年10月05日 13:07 産経新聞)
国の登録有形文化財になっている建造物の解体が続いている。本来、近代の貴重な建築物が安易に取り壊されないようにするために導入された制度だが、修復費用の負担などを重荷に感じた所有者が建物を手放すケースが後を絶たないという。
解体などで登録を抹消されたケースは平成8年の制度創設から計180件。自治体所有の建造物が解体された事例もあり、行政だけに頼らない支援の仕組みづくりも始まっている。
京都市の出版社「平楽寺書店」の社屋は昭和初期に建てられたレトロな外観が特徴だったが、老朽化が著しく、解体され今年9月に文化財登録が抹消された。
同社取締役の井上知也さん(44)によると、修復も検討したが、将来にわたってかかる維持・管理費が懸念材料に。「小さな出版社で資金も潤沢にない。通りのシンボル的な建物だっただけに断腸の思いで解体を決めた」と明かす。
中山道の宿場町として栄えた岐阜県の旧加納町(現岐阜市)では、平成17年に国の登録文化財となった旧町役場庁舎が老朽化のため解体され、今年2月に登録が抹消された。現在は更地になっている。
庁舎を設計したのは、国会議事堂や京都市庁舎の設計に関わり関西建築界の雄として知られた武田五一(1872〜1938年)。大正15年に建てられた庁舎はコンクリートの劣化が進み、外壁はボロボロで、放置すれば倒壊の危険性もあったという。
名建築の解体を惜しむ地域住民の声を受け、所有する岐阜市は修復を検討したものの、数億円も費用がかかることが判明し、解体が決まった。
自治体所有の登録文化財の解体は珍しく、関係者の間からは驚きの声が上がったという。市まちづくり景観課の担当者は、「歴史的な文化財でギリギリまで残すことを検討したが、安全性も考えるとやむを得なかった」と話す。
近代建築の保存に取り組む国際学術組織「DOCOMOMO」の日本支部代表で京都工芸繊維大の松隈洋教授(近代建築史)は、「古い建物は地域のよりどころ。残そうと決めれば、いろいろな活用の可能性が見えてくる」とした上で、「行政に頼り切るのではなく、クラウドファンディングなどで市民から資金を募る手もある」と話す。
例えば、昭和11年に完成し、平成27年に登録文化財となった滋賀県高島市の旧今津郵便局は、地元住民らによって保存活動が続けられている。
ウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計で、長らく倉庫として使われていた建物の管理と運営を地元住民らで結成した「ヴォーリズ今津郵便局の会」が引き継ぎ、傷んでいた建物を手弁当で修復した。今はコンサートや寄席などの会場として使用している。
耐震診断や補強計画の立案にかかる費用をクラウドファンディングで集め、今年3月までに目標額の50万円を達成。同会会長の大石義一さん(73)は、「見知らぬ人からも寄付をもらい、私たちの活動をいろんな人たちが見てくれるのだと感じた」と話していた。
※クラウドファンディング
プロジェクトのための資金を調達できない個人・団体が、ソーシャルメディアをはじめインターネット上で企画内容と必要な金額を提示し、広く支援を呼びかける手法。少額の資金提供者を多く集めることによって、目標額の達成をねらうもの。
クラウドcrowd(群衆)とファンドfund(資金)を組み合わせた造語で、略称CF。ソーシャルファンディングsocial fundingやマイクロファンディングmicro funding、マイクロパトロンmicro patronともいう。
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