2014.12.17 Wednesday
パキスタンの学校襲撃、生徒など死者141人に
パキスタン北西部の都市ペシャワルで武装グループが日本時間の16日午後、陸軍が運営する学校を襲撃し、これまでに生徒を中心に141人が死亡しました。
イスラム過激派組織「パキスタン・タリバン運動」が犯行を認め、パキスタン軍が学校内に入り制圧作戦を行いました。
16日午前10時半ごろ(日本時間の16日午後2時半ごろ)、パキスタン北西部の都市、ペシャワルにある陸軍が運営する学校に、地元の治安部隊の制服を着て銃などで武装した数人の男らが侵入し銃撃を始め、その後、爆発物も爆発させました。
事件があった地元の州の首相の報道官によりますと、同日夜、立てこもっていた武装勢力7人全員が死亡し、作戦を終了したと明らかにしました。
武装勢力からは要求などはなかったことから、生徒を人質にするのではなく当初から殺害目的だった可能性が高いという事です。
襲撃事件では、生徒132人と学校長を含む職員9人の計141人が死亡し、生徒121人が負傷しました。
地元メディアなどによりますと、武装勢力の中にはアラビア語とみられる外国語を話していたメンバーもいたという事です。TTPとつながりが深い国際テロ組織アルカイダなど、他の過激派も関与した可能性があります。
自爆ベストや自動小銃、手投げ弾などで武装しており、校内に侵入後、講堂で応急処置の仕方を学んでいた生徒たちを標的にして無差別に発砲し、犠牲者の多くはこの時に講堂にいた生徒だったという事です。
パキスタン軍は約15分後に現場に到着し、校内から約960人の生徒らを救出したとしております。
事件を受てけ、アフガニスタンの旧支配勢力タリバンの報道官は、「罪のない人々や子供、女性を故意に殺害することはイスラム教の基本に反している」との声明を発表し、TTPの襲撃を非難しました。
タリバンはアフガンで治安部隊や外国人を標的にしたテロ攻撃を繰り返しておりますが、多数の市民が巻き込まれた事件では犯行声明を出さない傾向があります。残虐性が目立つTTPと一定の距離を置き、支持を失うことを避ける狙いがあるとみられます。
今回の事件について、パキスタン最大のイスラム過激派組織「パキスタン・タリバン運動」は、NHKの電話取材に対し犯行を認めたうえで、「パキスタン軍による軍事作戦への報復のために、軍の運営している学校を狙った」と話しております。
パキスタンでは、軍がことし6月から北西部でイスラム過激派を標的とした大規模な軍事作戦を続けており、過激派による報復が各地で続いております。
◇「パキスタン・タリバン運動」とは
「パキスタン・タリバン運動」は、ペシャワルなどを含むパキスタン北西部を中心に活動するパキスタン最大のイスラム過激派組織です。
隣国アフガニスタンの反政府武装勢力「タリバン」を支持するパキスタン国内の複数の武装勢力によって2007年に設立され、国連によりますと、2011年の時点で3万人から3万5000人の勢力になると推定されております。
「タリバン」のほか、国際テロ組織「アルカイダ」とも関係が深く、ことし10月には、イラクやシリアで勢力を拡大するイスラム過激派組織「イスラム国」の活動にも同調する姿勢を示しておりました。
「パキスタン・タリバン運動」は、イスラム法による統治を掲げ、支配地域では女性の教育を禁じており、ことしのノーベル平和賞を受賞したパキスタンの少女、マララ・ユスフザイさんを銃撃し頭に重傷を負わせたことでも知られております。
このほかにも爆弾テロや政府機関への襲撃を繰り返しており、ことし6月、最大都市カラチの国際空港を襲撃し、治安部隊の隊員など30人を殺害しました。
これに対して、パキスタン軍は、「パキスタン・タリバン運動」の拠点であるパキスタン北西部への軍事作戦を行い、これまでに1200人以上を殺害したとしており、報復の連鎖が止まらない状況になっております。
◇マララさん「私たちは決して負けない」
今回の事件について、ことしのノーベル平和賞を受賞したパキスタン出身のマララ・ユスフザイさんは、フェイスブック上で、「ペシャワルで起きている無意味で冷血なテロ行為に胸を痛めています。学校にいる何の罪もない子どもたちがこのような恐怖にさらされるようなことはあってはなりません。私はこうした残虐で卑劣な行為を非難し、パキスタンの政府や軍と共に立ち向かいます。また、世界中の人たちと、私のきょうだいともいえる子どもたちの死を悼みます。しかし、私たちは決して負けません」とするコメントを発表しました。
マララさんは、子どもや女性が教育を受ける権利を訴えて、2年前、みずからも「パキスタン・タリバン運動」に所属するメンバーに銃撃されました。
イスラム過激派組織「パキスタン・タリバン運動」が犯行を認め、パキスタン軍が学校内に入り制圧作戦を行いました。
16日午前10時半ごろ(日本時間の16日午後2時半ごろ)、パキスタン北西部の都市、ペシャワルにある陸軍が運営する学校に、地元の治安部隊の制服を着て銃などで武装した数人の男らが侵入し銃撃を始め、その後、爆発物も爆発させました。
事件があった地元の州の首相の報道官によりますと、同日夜、立てこもっていた武装勢力7人全員が死亡し、作戦を終了したと明らかにしました。
武装勢力からは要求などはなかったことから、生徒を人質にするのではなく当初から殺害目的だった可能性が高いという事です。
襲撃事件では、生徒132人と学校長を含む職員9人の計141人が死亡し、生徒121人が負傷しました。
地元メディアなどによりますと、武装勢力の中にはアラビア語とみられる外国語を話していたメンバーもいたという事です。TTPとつながりが深い国際テロ組織アルカイダなど、他の過激派も関与した可能性があります。
自爆ベストや自動小銃、手投げ弾などで武装しており、校内に侵入後、講堂で応急処置の仕方を学んでいた生徒たちを標的にして無差別に発砲し、犠牲者の多くはこの時に講堂にいた生徒だったという事です。
パキスタン軍は約15分後に現場に到着し、校内から約960人の生徒らを救出したとしております。
事件を受てけ、アフガニスタンの旧支配勢力タリバンの報道官は、「罪のない人々や子供、女性を故意に殺害することはイスラム教の基本に反している」との声明を発表し、TTPの襲撃を非難しました。
タリバンはアフガンで治安部隊や外国人を標的にしたテロ攻撃を繰り返しておりますが、多数の市民が巻き込まれた事件では犯行声明を出さない傾向があります。残虐性が目立つTTPと一定の距離を置き、支持を失うことを避ける狙いがあるとみられます。
今回の事件について、パキスタン最大のイスラム過激派組織「パキスタン・タリバン運動」は、NHKの電話取材に対し犯行を認めたうえで、「パキスタン軍による軍事作戦への報復のために、軍の運営している学校を狙った」と話しております。
パキスタンでは、軍がことし6月から北西部でイスラム過激派を標的とした大規模な軍事作戦を続けており、過激派による報復が各地で続いております。
◇「パキスタン・タリバン運動」とは
「パキスタン・タリバン運動」は、ペシャワルなどを含むパキスタン北西部を中心に活動するパキスタン最大のイスラム過激派組織です。
隣国アフガニスタンの反政府武装勢力「タリバン」を支持するパキスタン国内の複数の武装勢力によって2007年に設立され、国連によりますと、2011年の時点で3万人から3万5000人の勢力になると推定されております。
「タリバン」のほか、国際テロ組織「アルカイダ」とも関係が深く、ことし10月には、イラクやシリアで勢力を拡大するイスラム過激派組織「イスラム国」の活動にも同調する姿勢を示しておりました。
「パキスタン・タリバン運動」は、イスラム法による統治を掲げ、支配地域では女性の教育を禁じており、ことしのノーベル平和賞を受賞したパキスタンの少女、マララ・ユスフザイさんを銃撃し頭に重傷を負わせたことでも知られております。
このほかにも爆弾テロや政府機関への襲撃を繰り返しており、ことし6月、最大都市カラチの国際空港を襲撃し、治安部隊の隊員など30人を殺害しました。
これに対して、パキスタン軍は、「パキスタン・タリバン運動」の拠点であるパキスタン北西部への軍事作戦を行い、これまでに1200人以上を殺害したとしており、報復の連鎖が止まらない状況になっております。
◇マララさん「私たちは決して負けない」
今回の事件について、ことしのノーベル平和賞を受賞したパキスタン出身のマララ・ユスフザイさんは、フェイスブック上で、「ペシャワルで起きている無意味で冷血なテロ行為に胸を痛めています。学校にいる何の罪もない子どもたちがこのような恐怖にさらされるようなことはあってはなりません。私はこうした残虐で卑劣な行為を非難し、パキスタンの政府や軍と共に立ち向かいます。また、世界中の人たちと、私のきょうだいともいえる子どもたちの死を悼みます。しかし、私たちは決して負けません」とするコメントを発表しました。
マララさんは、子どもや女性が教育を受ける権利を訴えて、2年前、みずからも「パキスタン・タリバン運動」に所属するメンバーに銃撃されました。
⇒ aki (10/25)
⇒ aki (07/03)
⇒ 佐藤 光一 (03/25)
⇒ おかも (03/22)
⇒ アイティメディア株式会社ライセンス担当 (09/10)
⇒ 孔雀王 (03/22)
⇒ 孔雀王 (02/23)
⇒ 孔雀王 (02/19)
⇒ 孔雀王 (02/08)
⇒ 孔雀王 (01/01)