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初のG8認知症サミット始まる
 世界で患者数が急増すると予測されている認知症について、G8各国が話し合う初めての「認知症サミット」がイギリスのロンドンで始まり、患者や家族に対する効果的な支援の在り方や、新薬の研究開発の推進などについて議論することになっております。

 G8の閣僚級による初めての認知症サミットは、日本から厚生労働省の土屋副大臣のほか、WHO(世界保健機関)の責任者や研究者、製薬会社の関係者などが出席し、日本時間の12月11日午後6時からロンドンで始まりました。

 サミットの冒頭、イギリスのハント保健相は、「新薬の開発や早期診断の促進、そして、社会の偏見を取り除くことを目指して意見を交わしたい。大いなる目標を掲げ、勇気を持って、この脅威に立ち向かっていこう」と述べ、国際社会に連携を呼びかけました。

 会議ではまず、各国の代表がそれぞれの国で行われている具体的な取り組みなどを紹介しております。

 そして、認知症の予防や症状の進行を遅らせるための新薬の研究開発を資金面でどのように支援していくかなどについても意見を交わす見通しです。

 会議は日本時間の11日深夜まで行われ、議論の成果をまとめた共同声明を発表することにしております。

◇各国の意識共有に期待
 G8認知症サミットに出席するのを前に厚生労働省の土屋副大臣は、「先進国では高齢者が増えて認知症の患者も増えている。特に、日本はその面でも『先進国』ということで、意識を共有してどんな政策を行うことが重要かということを話し合いたい。日本は、いろいろな政策を行ってきたのでそれをみなさんに示し、日本でうまくいかなかったものもオープンにしたい。1回目で終わらず、2回、3回と積み上げて各国が意識を共有していくことを期待している」と話しております。

◇認知症サミット開催の背景
 「認知症サミット」は、イギリス政府がことし8月に開催を発表したもので、認知症について集中的に話し合うサミットは初めてです。

 開催の背景には、高齢化に伴って認知症の人が急速に増えている現状があります。

 イギリス政府によりますと、現在、認知症の人はイギリス国内におよそ80万人いて、治療や介護にかかる費用は年間230億ポンド(日本円にしておよそ3兆9000億円)に上っております。

 そして、2040年までには人数が倍に増え、対策にかかる費用も3倍になると予測しております。

 このため、イギリス政府は抜本的な対策が必要だとして、2009年に「認知症国家戦略」を策定し、早期診断の徹底や、認知症の人や家族への支援体制の充実、認知症に対する理解促進などの取り組みを進めてきました。

 さらに、キャメロン政権は去年、認知症への対策を国の重要課題に位置づけ、新薬の研究開発などに5200万ポンドを拠出すると表明しました。

 イギリス政府は、増え続ける認知症の人に、より迅速に対応するためには各国政府が連携し、企業や研究者、医療機関の協力体制を作ることが必要だとしてサミットの開催を決めました。

 サミット開幕を前に、キャメロン首相は、「認知症を克服するためには、ガンやエイズと同じように世界の重要課題だと認識し、各国、産業界、科学者たちが協力していかなければならない。今回の会議で、現状を打開するための方策を打ち出せることを期待している」と述べました。

◇アルツハイマー病治療薬の開発
 アルツハイマー病を巡っては、これまでに症状の進行を遅らせる薬は開発されておりますが、治療薬や予防薬は依然、開発の途上にあります。

 アルツハイマー病の発症は、「βアミロイド」という特殊なたんぱく質が脳にたまることが原因の1つだと指摘されております。

 このため、βアミロイドが脳に蓄積するのを防ぐ薬の開発が進められ、このうちアメリカの製薬会社が開発していた薬が関係者の期待を集めておりましたが、去年8月、臨床試験の最終段階で患者の症状に改善が見られず、いったん開発は中断されました。

 その後、アメリカでは、症状が現れる前に予防的な治療を始める必要があるという認識が広がり、新たな取り組みが進められております。

 アメリカのボストンにある病院が中心になって進めているプロジェクトでは、βアミロイドが脳にたまり始めていても症状が現れていない高齢者に、蓄積を防ぐ薬を投与して効果を調べる臨床試験が近く始まる予定です。

 また、アリゾナ州にある研究機関では、遺伝的にアルツハイマー病になるリスクが高い人たちを対象にした臨床試験が計画されております。

 このうち、南米のコロンビアでは、40代になるとアルツハイマー病を発症する特異な遺伝子をもつ住民が集まる村があるということで、この住民300人への臨床試験も行われる予定です。

 今回の認知症サミットでは、こうした最新の研究についても報告され、研究開発の分野でのさらなる国際協力の必要性が議論されることになっております。

 国際アルツハイマー病協会(Alzheimer's Disease International、ADI)は5日、人口の高齢化に伴い、世界の認知症の患者数は今後数十年で爆発的に増加し、2050年までに現在の約3倍に達する可能性があるとの報告を発表しました。

 ADIの報告書によりますと、認知症の患者数はすでに約4400万人に達しており、この数字は2050年までに、1億3500万人にまで増加する可能性があるとしております。

 ADIはまた、認知症の患者数が過去3年間で22%増加していることも併せて指摘しました。

 世界のアルツハイマー病団体を代表するADIのマーク・ウォルトマン(Marc Wortmann)理事長は、「これは世界的な蔓延であり、悪化の一途をたどるばかりだ。将来を見ると、高齢者の数が劇的に増加するのは間違いないのだから」と語りました。

 また、「認知症を世界保健機関(World Health Organisation、WHO)の優先事項の1つにして、世界がこの病気に直面する準備を整えるようにすることが不可欠だ」とも語りました。

 今回の報告書は、ロンドン(London)で開かれいる初めての「主要8か国(G8)認知症サミット」に先立ち発表されました。

 認知症サミットは、英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ロシア、米国の主要8か国の代表が一堂に集まる事で、認知症に対する世界規模での対処を主導することになります。

 効果的な治療法や治療薬を見いだすための国際的な努力をさらに強化することが期待されているようですが、様々な脳の病気が原因となり発症する認知症は、記憶、思考、行動や日々の活動を行う能力に影響を及ぼすことが知られており、認知症に対する偏見をなくして理解の促進を図ったり、認知症の人や家族への支援体制などソフト面の取り組みも、世界規模でその充実を図って欲しいと思います。
| 福祉・医療と教育 | 00:07 | comments(0) | trackbacks(0) |









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