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日銀総裁候補・黒田東彦氏が所信、物価安定目標を早く実現
 衆議院議院運営委員会は4日、政府が日銀の新しい総裁に起用したいとする、アジア開発銀行(ADB)総裁の黒田東彦氏から所信を聴き、黒田氏は、2%の物価安定目標の1日も早い実現に取り組む考えを示しました。

 政府は、今月19日に辞職する意向の日銀の白川総裁の後任にアジア開発銀行総裁の黒田東彦氏を起用し、副総裁に学習院大学教授の岩田規久男氏と、日銀の理事の中曽宏氏を当てる人事案を先週、国会に提示しました。

 これを受けて、衆議院議院運営委員会は4日、総裁候補者の黒田氏から所信を聴きました。

 この中で、黒田氏は、「日銀が2%の物価安定目標を設定して、早期に実現することを宣言したのは画期的だ。私が総裁に選任されれば、1日も早く目標を実現することが、何よりも重要な使命になる」と述べ、2%の物価安定目標の1日も早い実現に取り組む考えを示しました。

 さらに、黒田氏は金融政策の手法について、「日銀は国債以外にも社債などを買い入れてきたが、できるだけ早期に2%の物価安定目標を達成するためには十分ではない。市場の期待に働きかけることが不可欠で、市場とのコミュニケーションを通じてやれることは何でもやるという姿勢を明確に打ち出したい」と述べました。

 このあと行われた質疑で、民主党の津村元内閣府政務官は、「黒田氏の話は歯切れが悪く、2%の物価安定目標を達成することに自信がないのではないか。どのような具体的な方法を考えているのか」と質問しました。

 これに対して、黒田氏は、「その時々の金融資本市場にあわせて考えるべきだが、市場の規模が一番大きい国債の購入額を増やすことが自然だ」と述べました。

 そのうえで、黒田氏は、日銀が現在、買い入れる国債を償還期間が3年以下のものを対象としていることに関連し、「日銀が短期の国債ばかり買うと、大半を日銀が保有することになり、市場の流動性が低下するので、バランスの取れた金融緩和をやるには、より期間の長い国債を大量に買うことが自然だ」と述べ、より長期の国債の買い入れを進めるべきだという考えを示しました。

 また、日本維新の会の中田国会議員団政策調査会長代理が、2%の物価安定目標の具体的な達成時期について質問したのに対し、黒田氏は、「世界的には2年程度というのがスタンダードなので、当然それを目指すことになる。2年は1つの適切なめどであり、できるだけ早期に達成するよう全力を挙げたい」と述べました。

 国会では、与党側が参議院で過半数を確保していないことから、国会の同意にあたっては野党側の対応が焦点になりますが、野党第1党の民主党は、黒田氏の起用に表立った異論もなく、容認する意見が広がっております。

 黒田東彦ADB総裁の所信からは、「量的、質的にさらなる緩和策が必要」、「(日銀が来年から実施する無期限緩和は)当然、前倒しでの実施を検討する」のどと、経済再生の三本の矢の一つとして、大胆な金融緩和を掲げる安倍首相に「忠誠」を誓う発言が次々と飛び出しました。

 これまでの日銀の金融政策に不満を持つ安倍首相は、物価目標導入をめぐり、政府からの独立性を定めた日銀法改正もちらつかせながら、現在の白川方明・日銀総裁を追い込みました。

 これに対して、黒田氏の答弁は安倍首相の意向に100%沿い、政府と一体の強力なデフレ脱却策への期待に、金融市場からは「安心感があった」(大手証券)と好評価が上がりました。

 総裁候補に名前が取り沙汰された当初、黒田氏は円高是正に効果のある日銀による外債購入に否定的で、緩和姿勢が弱いとの見方があり、また、為替政策を所管する財務省出身であることが否定的にとらえられ、国会同意を得る上での懸念材料になる可能性もありました。

 しかし、2月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議声明を受け、安倍首相が円安誘導策ととられかねない外債購入を封印したことで、黒田氏の重しははずれました。

 自らを「曇りのないデフレファイター」とアピールし、この日の聴取でも、財務省との関係を問う質問を「離れて10年になる」とさらりとかわすことができました。

 ただ、金融市場は、黒田氏がデフレ脱却にやみくもに突き進むとは見ていない様です。

 具体的な緩和策を問われると、株式などに比べて損失リスクの小さい国債で「より長期のものを買っていくのが自然」とも発言し、リスクを嫌う日銀の政策委員に配慮する理性的なリーダーの顔をみせており、金融政策も現実路線に落ち着くとの見方が多い様です。

 今後、衆議院議院運営委員会は、5日に副総裁候補の岩田規久男学習院大教授と中曽宏日銀理事への所信聴取を行い、政府・与党は15日までに衆参両院本会議での人事案の採決を目指します。
| 政策 | 00:44 | comments(0) | trackbacks(0) |









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