2013.01.20 Sunday
生活保護制度見直しで報告書案
生活保護の受給者が過去最多を更新するなか、厚生労働省の専門家会議は、不正受給への対策の強化など生活保護制度を抜本的に見直すとともに、生活保護を受ける前の経済的に困っている人たちへの支援を充実させるべきだとする報告書の案を公表しました。
これは16日に東京で開かれた専門家会議で示されたものです。
それによりますと、生活保護制度の見直しでは、128億円に上る不正受給を防止するため、自治体の調査権限を強化し、仕事で収入があることを隠していないかや、保護費を何に使ったか調査できるようにするほか、罰則の強化などを検討することが必要だとしております。
また、受給者が早期に生活保護から脱却するのを促すため、積極的に就職に向けた活動に取り組んでいる人には一定の手当を支給するほか、就職のめどが立たない人には低い賃金でもいったん仕事に就くことを明確にすべきだとしております。
さらに、生活保護を受けながら働いて得た収入の一部を積み立てて、保護から脱却した際、受け取れる制度を創設すべきだとしております。
一方、生活保護を受ける前の経済的に困っている人たちへの支援としては、住居や就労支援などさまざまな相談を一括して受け付ける窓口を全国に設置したり、ひきこもりなどですぐに一般の仕事に就くのが難しい人に、簡単な作業を通じて働くことに慣れてもらう「中間的就労」の場を設けるべきだとしております。
専門家会議では、今月下旬に開かれる会議で報告書を取りまとめたいとしております。
生活保護の受給者は、去年9月の時点で213万人と過去最多を更新しており、厚生労働省は報告書を基に生活保護法の改正などを検討することにしております。
専門家会議の部会長を務めた北海道大学大学院の宮本太郎教授は、「今回の報告書案は生活保護の受給を抑制するためのものでは決してなく、可能な人はなるべく生活保護を受けずに済むような支援策の在り方をまとめたものだ。特に、生活保護受給者の増加に歯止めをかけるには、保護を受ける前の生活支援や就労支援が最も大切だと考えている。政権は交代したが、報告書の内容を今後の政策に十分反映させてほしい」と話しております。
厚生労働省の専門家会議が、「生活保護の支給額が、収入の低い世帯の支出を上回っている世帯がある」とした検証結果を公表したことを受けて、政府・与党は、食費や光熱費など生活保護を支給する基準額を一部引き下げる方向で検討を進めることにしております。
生活保護で支給される費用のうち食費や光熱費などに当たる「生活扶助」は、地域や年齢、それに世帯の人数を基準にして支給額が決まっております。
厚生労働省の専門家会議は、16日にこの基準額が妥当かどうかについて、「人数が多い世帯や都市部の世帯を中心に、生活保護の支給額が収入の低い世帯の支出を上回っている世帯がある」などとする検証結果を公表しました。
これを受けて、田村厚生労働大臣は、支給額が上回っていると指摘された世帯について、新年度・平成25年度から基準額の一部を引き下げる方針で、近く与党側と具体的な検討に入ることにしております。
これについて、自民党内には、今回の検証結果にとどまらず、物価や年金などとのバランスを考慮して、さらに踏み込んだ引き下げを検討すべきだという意見もあります。
これに対して、公明党の石井政務調査会長は、基準額の一部引き下げはやむを得ないとしながらも、「支給水準の大幅な引き下げにならないよう配慮すべきだ」と述べており、今後、基準額の引き下げ幅や引き下げの手法などを巡り、政府・与党の間で調整が本格化する見通しです。
生活保護の受給者を支援しているグループの事務所には、受給者や生活に困った人から毎日、住居や生活費についての相談が寄せられております。
先月、同グループが行った電話相談では、2日間で全国からおよそ1000件の相談が寄せられ、生活保護費の引き下げに反対する声が相次いだと言う事です。
中には、「仕事がないのに支給額がカットされると生活が成り立つか不安だ」とか、「今でもギリギリの生活で今後が心配だ」といった不安の声が寄せられておりました。
支援グループは、16日の検証結果を受けて、厚生労働省の前で集会を開きました。
集会には生活保護の受給者や支援者およそ70人が参加し、「生活保護の引き下げ反対」と声を上げて訴えました。
10年ほど前から生活保護を受けている都内の51歳の男性は、「足や目に障害があり、仕事をすることができず生活保護のおかげで生活できている。基準額が引き下げられると食費を削るしかなく生活が立ち行かなくなる」と訴えました。
集会を開いた生活保護問題対策全国会議の稲葉剛幹事は、「今回比較の対象となった収入が低い世帯の支出が低すぎるので、生活保護を引き下げるのではなく、こうした低所得者の収入を引き上げることが必要だ。支給の基準額が引き下げられると、住民税の非課税基準などほかの低所得者対策への影響もあり、貧困のスパイラルが起きるので、引き下げるべきではない」と話しておりました。
生活保護費については、その不正受給問題や、低所得者層との「逆転」現象問題などがあり、また、3兆7千億円(平成24年度予算)という莫大な金額に膨れあがり、その抜本的な見直しが大きな課題となっておりました。
民主党の野田佳彦政権もこれに取り組んでおりましたが、成果をみることなく退陣し、安倍晋三政権が引き継ぐことになりました。
野田政権下では、民主党内の旧社会党系議員らの抵抗もあって踏み込み不足になりそうでしたが、安倍晋三政権は、平成25年度予算編成にあたり、生活保護費を削減する方向で検討に着手しました。
安倍政権には、「働くよりもらった方が得」となってしまっている生活保護制度の抜本的見直しに、敢然と取り組んで欲しいとと思います。
それにはまず、増え続ける生活保護費の適正化に向けて、生活保護者や生活困窮者への自立支援や不正受給の是正を、先行して取り組んで欲しいと思います。
何故なら、安直な保護費圧縮は、かえって社会保障費の増大を招きかねず、それでは元も子もなくなってしまうからです。
これは16日に東京で開かれた専門家会議で示されたものです。
それによりますと、生活保護制度の見直しでは、128億円に上る不正受給を防止するため、自治体の調査権限を強化し、仕事で収入があることを隠していないかや、保護費を何に使ったか調査できるようにするほか、罰則の強化などを検討することが必要だとしております。
また、受給者が早期に生活保護から脱却するのを促すため、積極的に就職に向けた活動に取り組んでいる人には一定の手当を支給するほか、就職のめどが立たない人には低い賃金でもいったん仕事に就くことを明確にすべきだとしております。
さらに、生活保護を受けながら働いて得た収入の一部を積み立てて、保護から脱却した際、受け取れる制度を創設すべきだとしております。
一方、生活保護を受ける前の経済的に困っている人たちへの支援としては、住居や就労支援などさまざまな相談を一括して受け付ける窓口を全国に設置したり、ひきこもりなどですぐに一般の仕事に就くのが難しい人に、簡単な作業を通じて働くことに慣れてもらう「中間的就労」の場を設けるべきだとしております。
専門家会議では、今月下旬に開かれる会議で報告書を取りまとめたいとしております。
生活保護の受給者は、去年9月の時点で213万人と過去最多を更新しており、厚生労働省は報告書を基に生活保護法の改正などを検討することにしております。
専門家会議の部会長を務めた北海道大学大学院の宮本太郎教授は、「今回の報告書案は生活保護の受給を抑制するためのものでは決してなく、可能な人はなるべく生活保護を受けずに済むような支援策の在り方をまとめたものだ。特に、生活保護受給者の増加に歯止めをかけるには、保護を受ける前の生活支援や就労支援が最も大切だと考えている。政権は交代したが、報告書の内容を今後の政策に十分反映させてほしい」と話しております。
厚生労働省の専門家会議が、「生活保護の支給額が、収入の低い世帯の支出を上回っている世帯がある」とした検証結果を公表したことを受けて、政府・与党は、食費や光熱費など生活保護を支給する基準額を一部引き下げる方向で検討を進めることにしております。
生活保護で支給される費用のうち食費や光熱費などに当たる「生活扶助」は、地域や年齢、それに世帯の人数を基準にして支給額が決まっております。
厚生労働省の専門家会議は、16日にこの基準額が妥当かどうかについて、「人数が多い世帯や都市部の世帯を中心に、生活保護の支給額が収入の低い世帯の支出を上回っている世帯がある」などとする検証結果を公表しました。
これを受けて、田村厚生労働大臣は、支給額が上回っていると指摘された世帯について、新年度・平成25年度から基準額の一部を引き下げる方針で、近く与党側と具体的な検討に入ることにしております。
これについて、自民党内には、今回の検証結果にとどまらず、物価や年金などとのバランスを考慮して、さらに踏み込んだ引き下げを検討すべきだという意見もあります。
これに対して、公明党の石井政務調査会長は、基準額の一部引き下げはやむを得ないとしながらも、「支給水準の大幅な引き下げにならないよう配慮すべきだ」と述べており、今後、基準額の引き下げ幅や引き下げの手法などを巡り、政府・与党の間で調整が本格化する見通しです。
生活保護の受給者を支援しているグループの事務所には、受給者や生活に困った人から毎日、住居や生活費についての相談が寄せられております。
先月、同グループが行った電話相談では、2日間で全国からおよそ1000件の相談が寄せられ、生活保護費の引き下げに反対する声が相次いだと言う事です。
中には、「仕事がないのに支給額がカットされると生活が成り立つか不安だ」とか、「今でもギリギリの生活で今後が心配だ」といった不安の声が寄せられておりました。
支援グループは、16日の検証結果を受けて、厚生労働省の前で集会を開きました。
集会には生活保護の受給者や支援者およそ70人が参加し、「生活保護の引き下げ反対」と声を上げて訴えました。
10年ほど前から生活保護を受けている都内の51歳の男性は、「足や目に障害があり、仕事をすることができず生活保護のおかげで生活できている。基準額が引き下げられると食費を削るしかなく生活が立ち行かなくなる」と訴えました。
集会を開いた生活保護問題対策全国会議の稲葉剛幹事は、「今回比較の対象となった収入が低い世帯の支出が低すぎるので、生活保護を引き下げるのではなく、こうした低所得者の収入を引き上げることが必要だ。支給の基準額が引き下げられると、住民税の非課税基準などほかの低所得者対策への影響もあり、貧困のスパイラルが起きるので、引き下げるべきではない」と話しておりました。
生活保護費については、その不正受給問題や、低所得者層との「逆転」現象問題などがあり、また、3兆7千億円(平成24年度予算)という莫大な金額に膨れあがり、その抜本的な見直しが大きな課題となっておりました。
民主党の野田佳彦政権もこれに取り組んでおりましたが、成果をみることなく退陣し、安倍晋三政権が引き継ぐことになりました。
野田政権下では、民主党内の旧社会党系議員らの抵抗もあって踏み込み不足になりそうでしたが、安倍晋三政権は、平成25年度予算編成にあたり、生活保護費を削減する方向で検討に着手しました。
安倍政権には、「働くよりもらった方が得」となってしまっている生活保護制度の抜本的見直しに、敢然と取り組んで欲しいとと思います。
それにはまず、増え続ける生活保護費の適正化に向けて、生活保護者や生活困窮者への自立支援や不正受給の是正を、先行して取り組んで欲しいと思います。
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