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あおり運転事故裁判 懲役18年の判決 危険運転の罪認める

 神奈川県の東名高速道路であおり運転をきっかけに家族4人が死傷した事故の裁判で、横浜地方裁判所は、被害者の車の進路をしつこく妨害したり走行車線に停車したりした被告の行為が追突事故を誘発したとして、危険運転の罪を適用しました。そのうえで、「常軌を逸した犯行であり、刑事責任は重大だ」として、懲役18年を言い渡しました。


 去年6月、神奈川県の東名高速道路で、あおり運転を受けて停車したワゴン車が後続のトラックに追突され、萩山嘉久さん(45)と妻の友香さん(39)が死亡し、娘2人がけがをしました。

 福岡県中間市の無職、石橋和歩被告(26)が、あおり運転の末に事故を引き起こしたとして、危険運転致死傷などの罪に問われました。

 これまでの裁判員裁判で、検察が懲役23年を求刑したのに対し、弁護士は、被告が車を止めたあとに起きた事故に危険運転の罪は適用できないとして、この罪について無罪を主張していました。

 14日の判決で、横浜地方裁判所の深沢茂之裁判長は、被告が走行車線に車を止めたこと自体は危険運転には当たらないとしたものの、それ以前に4回にわたって萩山さんの車の進路を妨害した行為などとは密接に関連し、追突事故を誘発する原因になったとして、危険運転致死傷の罪を適用できると判断しました。

 そのうえで、「パーキングエリアで駐車のしかたを注意されたからといって一連の犯行に及んだのは、常軌を逸していて、くむべき事情はない。強固な意思に基づく犯行で、刑事責任は重大だ。家族旅行の帰りに、突如、命を奪われた被害者の無念さは察するにあまりある」と指摘し、石橋被告に懲役18年を言い渡しました。

 判決の言い渡しのあと、石橋被告は、裁判長から「内容はわかりましたか」と尋ねられると「はい」と答え、遺族のほうに目を向けることなく法廷をあとにしました。

◇傍聴希望者 約700人
 石橋被告に対する判決の言い渡しを傍聴しようと、横浜地方裁判所には大勢の人が訪れました。

 裁判所によりますと、41の傍聴席に対し682人の希望者が並んだということで、抽せんの倍率は16倍を超えました。

◇萩山さん夫婦の長女「気持ち考慮してくれた判決 よかった」
 判決について、萩山さん夫婦の17歳の長女は、「私たちの気持ちを考慮してくれた判決でよかったです」というコメントを弁護士を通じて出しました。

 また、亡くなった萩山友香さんの73歳の父親もコメントを発表し、「危険運転致死傷罪を認定して下さったことに感謝します。懲役18年についてはいろいろな考え方もあると思いますが、ここに至るまでの皆さまのご尽力によるものなので、私としてはそのまま受け止めたいです」と心境をつづっています。

 萩山嘉久さんの母親の文子さんは、「量刑について全面的に納得できるものではありませんが、被告の行為が危険運転と認められたことは良かったと思います。今回の裁判で自分の気持ちに1つの区切りをつけたいと思います。これからあおり運転などの危険な運転がなくなってくれることを切に願います」というコメントを弁護士を通じて出しました。

◇友香さんの友人「短すぎて理解できない」
 言い渡しのあと、亡くなった萩山友香さんの高校時代の友人だという女性は、懲役18年の量刑について、「あのような危険な運転を繰り返しているのに、懲役18年というのは短すぎて理解できません。ただ、2人はもう戻ってはこないので、被告は決められた刑で罪を償ってほしいです」と話しました。

 また、「被告は裁判中ずっと腕を組んだり顔を触ったりしていて、ちゃんと聞いているのかなと思いました。『本当に反省していますか』と直接尋ねたいです」と話していました。

 そのうえで、友香さんと最後に会ったときのことを振り返り、「『またね』と言って別れたのでもう1度会いたいです」と涙ながらに話していました。

◇過去の事故の遺族も傍聴に
 全国的に注目を集めた今回の裁判には、過去に交通事故で家族を失った当事者たちも傍聴に訪れました。

 このうち、中江美則さん(55)は、6年前、京都府亀岡市で小学生の列に無免許で居眠り運転の車が突っ込んだ事故で、児童に付き添っていた、当時妊娠中の娘を失いました。

 中江さんは14日の判決について、「危険運転が認められてよかったですが、懲役18年と求刑23年との5年の差の意味が明らかになっていないことに、ちょっと疑問が残っています」と話していました。

 また、中江さんは、萩山さん夫婦の残された娘たちと交流があるということで、「証人尋問で娘さんが一生懸命戦っておられ、娘さんたちはよく頑張ったなと思います。しかし、この子たちがこれからも長い月日、苦しみ続けていくことを想像すると苦しすぎます」と話していました。

◇国家公安委員長「悪質運転抑止の取り組み効果的に推進」
 今回の判決に関連し、あおり運転の抑止に向けた警察の今後の施策について、山本国家公安委員長は閣議のあとの記者会見で、「あおり運転などの悪質危険な運転に対しては、道路交通法だけでなく、刑法などでの立件も視野に取締まりを行い、的確な行政処分も実施している。その結果、取締まりや免許の処分件数は大きく増加していて、引き続き、こうした取り組みを効果的に推進していきたい」と述べました。

◇元検事「一定の抑止効果ある判決」
 判決について、元検事の高井康行弁護士は、「あおり運転の末に車を前に回り込ませて停止させたあとに起きた事故について、危険運転致死傷の罪を認めたのは初めてのケースと思われ、同じような行為について、社会に対して一定の抑止効果がある判決だと思う」と話しています。

 一方で、「車を止めた行為、つまり時速0キロの状態を危険な運転行為と認めなかった点は問題があると思う。車の停止も運転に含まれることは明らかで、高速道路の追い越し車線で相手の直前で車を停止させた状況を踏まえると、この行為をそのまま危険運転と認定するほうが法律を作った趣旨にも合っているのではないか」と指摘しています。

◇裁判員の女性「みんなが納得して結論出した」
 裁判員を務めた45歳女性が判決の後で記者会見に臨み、被告に危険運転の罪を適用した点について、「法律にはすごく縛りがあるなと感じました。評議では、法律論や感情論などさまざまな意見が出ましたが、最終的には裁判員みんなが納得して冷静に結論を出しました」と振り返りました。

 また、懲役18年という量刑の判断については、「刑の重さは被告や被害者側の人生を決めてしまうことでもあり、難しい判断でした。正直、今でも気持ちの整理がついていません」と話しました。

 このほか、あおり運転が後を絶たない現状に対し、「自分が意識していなくても事故に巻き込まれることがあると思いました。あおり運転はしてほしくないです」とも話していました。

◇弁護側「処罰の範囲拡大している」
 判決について、石橋和歩被告(26)の弁護士は、「車線上に車を止めたことが危険運転致死傷罪の実行行為に該当しないという主張が認められた点は評価できる」と述べました。

 そのうえで、一連の行為に対し危険運転の罪が適用されたことについては、「走行中の車を前提にした法の趣旨を骨抜きにするもので処罰の範囲を拡大している」と批判する一方で、「高速道路上に車を強制的に停車させる運転が、生命・身体に大きな危険を生じさせることは明らかであり、被害者感情などと法制度の間に大きな隔たりがあることも事実で、立法による解決を図るほかないのではないか」と指摘しました。

 また、今後、控訴するかどうかについては、「判決文をよく精査し、法律の解釈や量刑などが妥当かどうか被告と協議していきたい」と述べるにとどめ、「被告にはしっかり更生することを望みます」と話しました。

◇横浜地検「量刑については判決内容を精査したい」
 判決について、横浜地方検察庁の山口英幸次席検事は、「危険運転致死傷罪が適用された点については、検察の主張が認められたものと受け止めている。量刑については判決内容を精査したい」とするコメントを出しました。
| 事件・事故 | 23:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
あおり運転 裁判 検察「執拗で危険な運転」懲役23年求刑
 神奈川県の東名高速道路であおり運転で停車させられたワゴン車がトラックに追突され家族4人が死傷した事故の裁判で危険運転致死傷などの罪に問われている被告に対し、検察は「何度も危険な妨害運転を繰り返すなど執ようで悪質な犯行で、法令を順守するつもりが全くない」などと指摘し、懲役23年を求刑しました。

 一方、被告の弁護士は、危険運転致死傷の罪について改めて無罪を主張し、裁判は10日で結審しました。

 去年6月、神奈川県の東名高速道路であおり運転を受けて停車したワゴン車が後続のトラックに追突され、萩山嘉久さん(45)と妻の友香さん(39)が死亡し娘2人がけがをしました。

 福岡県中間市の無職石橋和歩被告(26)があおり運転の末に事故を引き起こしたとして危険運転致死傷などの罪に問われています。

 10日、横浜地方裁判所で開かれた裁判で検察は「何度も危険な妨害運転を繰り返すなど執ようで悪質な犯行だ。法令を順守するつもりが全くなく、常習性は顕著であり安全で安心な車社会を実現するためには決して許されない」などと指摘しました。

 そのうえで危険運転致死の罪に問われた過去の事件と比べても重い刑が言い渡された事件に分類されるとして懲役23年を求刑しました。

 一方、被告の弁護士は停車したあとに起きた事故で危険運転致死傷の罪について無罪だとしたうえで、危険運転の罪が適用されない場合に備えて検察が加えた監禁致死傷の罪にもあたらないと改めて主張しました。

 最後に石橋被告が用意した紙を見ながら、「夫婦を死亡させ、子どもや親族を傷つけたことは本当に申し訳ありませんでした。二度と運転せず同じことを繰り返しません」などと述べました。

 裁判は10日で結審し、判決は今月14日に言い渡されます。

◇遺族が意見陳述 長女は文書で「もっと一緒にいたかった」
 10日の裁判では事故で死亡した萩山嘉久さんの母親、妻の友香さんの父親が法廷で意見を述べたほか、夫婦の17歳の長女の意見も読み上げられました。

 嘉久さんの母親の文子さん(78)は、「事件から1年半たっても何も忘れることはできません。嘉久、友香ちゃんは2人とも本当に仲よしで一生懸命働いて、子どもたちのことが大好きで、本当に優しくて、もっともっと長生きしてほしかった」と涙で声を詰まらせながら述べました。

 また、「高速道路で息子家族を追いかけ回していた時、高速道路に車を無理やりとめさせた時、息子が恐怖で必死に謝っていた時、被告はどんな思いでその光景を見て、何を感じていたのか。何を反省しこれからどう生きていくか。納得いくように説明してほしかったですが、残念ながらそれを聞くことはできませんでした」と話しました。

 そして、「まだまだ失った悲しみを乗り越えることはできません。被告が何という罪になっても残された遺族からすれば息子夫婦2人は殺されたとしか思えません。被告には私の苦しみの何倍もの苦しみを味わってほしい」と述べ、厳しい処罰感情をあらわにしました。

 また、友香さんの73歳の父親は、「法廷での被告の態度を観察していましたが、自分のやったことの危険性や重大性をきちんと理解し、向き合い反省しているようには見えませんでした」と述べました。

 そして、「嘉久と友香は子どもたちの成長を楽しみにしており、こんな形で子どもたちを残していくことになって無念だったに違いありません。被告を娘夫婦2人の命の重さに見合うだけの長い刑にしてほしい」と求めました。

 萩山さん夫婦の17歳の長女の心情がつづられた文書も検察官によって読み上げられました。

 この中で長女は、「この事件のことをできるだけ考えないようにしています。忘れるようにして現実逃避しているのかもしれません。『父と母は亡くなり、もう会えない』という現実を突きつけられたら、つらすぎて耐えられません。被告が何を言っても私の大切な両親は戻ってきません。どれだけたくさん涙を流しても、もう会えません。両親ともっと一緒にいたかったし、大人になったらいろんなことをしてあげたかったのに、それができないのは悔しいです。父や母のことを考えると厳罰に処してほしいです」と訴えました。

◇「更生するまで罪を償って」
 裁判のあと事故で亡くなった萩山嘉久さんの母親の文子さん(78)が記者会見し、検察が懲役23年を求刑したことについて、「何年とは言わず更生するまで罪を償ってほしい。重い刑になることであおり運転が少しでも減ってくれたらと期待します」と話していました。

 また、10日の意見陳述については、「泣かないように頑張りました」と振り返っていました。

◇懲役23年求刑の根拠
 石橋被告は東名高速の事故で危険運転致死傷の罪と暴行の罪に問われているほか、山口県内でのあおり運転について器物損壊と2件の強要未遂の罪にも問われています。

 また、危険運転致死傷罪が成立しない場合に備えて監禁致死傷罪も加えられています。危険運転致死傷罪と監禁致死傷罪は、それぞれ単独で罪に問われた場合は、懲役20年まで刑を科すことができます。

 ただ、他の罪と一緒に問われた場合、最も重い罪の刑期の1.5倍を超えない限り、すべての罪の刑期を足し合わせて懲役を科すことができると法律に規定されています。

 これを今回のケースに当てはめると、危険運転致死傷罪が認められた場合は懲役30年まで、危険運転の罪が認められず監禁致死傷罪となった場合は懲役29年まで刑を科すことができます。

 こうした中、10日の裁判で検察が求刑したのは懲役23年でした。検察は過去の事件に照らした結果だと理由の一端を裁判の中で明らかにし、「裁判所のデータベースによれば、これまでに危険運転致死罪に問われ、複数が死亡した場合は量刑はすべて懲役13年以上になっていて、重い刑の場合は23年だった」と指摘しました。

 そのうえで、今回は2人が死亡し2人がけがをしているほか、山口県内の事件でも起訴されるなど悪質さは際立っているとして、懲役23年という重い刑を求めることが妥当だとしました。
| 事件・事故 | 23:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
貴ノ岩 現役引退の意向 付け人暴行問題
 巡業先で付け人に暴行したとして冬巡業を途中休場していた大相撲の平幕の貴ノ岩が、現役を引退する意向を固めたことが関係者への取材でわかりました。貴ノ岩は7日にも日本相撲協会に引退を届け出るということです。

 貴ノ岩は日本相撲協会の調査に対し、今月4日の夜、冬巡業のために滞在していた福岡県行橋市のホテルの部屋で、一緒にいた23歳の付け人を平手やこぶしで数回殴ったことを認め、冬巡業を途中休場していました。

 相撲協会は、貴ノ岩と暴行を受けた付け人に事情を聴くなどして調査結果をまとめたうえで、今後、理事会で処分を検討することにしていましたが、関係者によりますと、貴ノ岩が現役を引退する意向を固めたということです。

 貴ノ岩は7日にも日本相撲協会に引退を届け出るということです。

 相撲協会は、貴ノ岩に改めて暴行の事情や経緯を詳しく聴いたうえで引退を承認するか検討する方針です。

 モンゴル出身の貴ノ岩は去年10月、元横綱 日馬富士に鳥取市内の飲食店でカラオケのリモコンなどで殴られてけがをした傷害事件の被害者です。

 角界ではこの傷害事件以降、暴力問題が相次ぎ、ことし10月、相撲協会は「大相撲においては、指導名目その他、いかなる目的のいかなる暴力も許さない」などとして暴力との決別を宣言しましたが、今度は被害者だった貴ノ岩自身が加害者となって現役を引退する事態となりました。

◇暴行のいきさつ
 日本相撲協会によりますと、貴ノ岩はほかの力士と一緒に翌日の巡業に参加するため行橋市のホテルに滞在していましたが、23歳の付け人の態度に腹を立て、平手やこぶしで数回殴ったということです。

 相撲協会によりますと、行橋市での巡業当日の5日朝、この付け人が巡業の会場に姿を見せなかったことなどから事情を聴いたところ、貴ノ岩の暴行が発覚し、相撲協会はその日のうちに都内で貴ノ岩から聴き取り調査を行いました。

 貴ノ岩は暴行を認め、「忘れ物をしたのに言い訳をした。4回から5回殴った」などと話し謝罪したということです。

 6日、相撲協会は東京 両国の国技館で付け人から1時間余りにわたって聴き取りを行いました。

 相撲協会は当面の措置として貴ノ岩に冬巡業を途中休場させ、部屋での謹慎とし、今後、理事会で貴ノ岩の処分を検討する方針でした。

◇暴行被害・親方退職・慰謝料請求取り下げ・負け越し…
 貴ノ岩はモンゴル出身の28歳。強豪の鳥取城北高校に相撲留学し、元横綱 貴乃花が師匠の貴乃花部屋に入門しました。

 平成21年の初場所で初土俵を踏み、右四つの安定感のある相撲で順調に番付を上げ、平成26年の初場所には貴乃花部屋から初めてとなる新入幕を果たしました。

 しかし去年10月、巡業中の鳥取市で当時の横綱 日馬富士にカラオケのリモコンで頭を殴られるなどの暴行を受け、11月の九州場所から2場所連続で休場しました。

 ことし3月の春場所には十両で復帰し、徐々に本来の相撲を取り戻して7月の名古屋場所で十両優勝、9月の秋場所で返り入幕を果たしていました。

 しかし、そのさなかのことし9月、貴乃花親方が一連の問題をめぐって日本相撲協会と対立したことから退職を届け出て、所属が千賀ノ浦部屋に変わる大きな環境の変化がありました。

 10月には元日馬富士に対して慰謝料など2400万円余りを求める訴えを起こしましたが、直後に「家族が心痛にさらされた」などとして訴えを取り下げるなど注目を集めました。

 先月の九州場所は東前頭6枚目で臨み、6勝9敗で負け越していました。

◇暴力あとたたぬ相撲界
 角界では去年10月から暴力問題が相次ぎ、日本相撲協会は第三者による検討委員会から再発防止に向けた提言を受け、ことし10月、「いかなる目的の暴力も許さない」として暴力との決別を宣言しましたが、再び暴力問題が発覚しました。

 日本相撲協会が相撲界での暴力の実態把握や再発防止に向けた提言などを検討委員会に諮問するきっかけとなったのは、去年の元横綱 日馬富士による傷害事件でした。

 日馬富士は秋巡業中の去年10月、鳥取市内の飲食店で貴ノ岩をカラオケのリモコンなどで殴って頭に12日程度のけがをさせたとして傷害の罪で略式起訴され、鳥取簡易裁判所から罰金50万円の略式命令を受けました。

 日馬富士は問題の責任を取る形で去年11月に引退し、現場に同席していた白鵬・鶴竜の横綱2人も処分を受けました。

 この傷害事件のあと相撲協会が再発防止に取り組むさなか、当時、三段目の力士が弟弟子に対してことし1月初めまでの間に素手で殴るなどの暴力を振るったとして処分を受けました。

 3月には貴ノ岩と同じ部屋だった当時十両の貴公俊が支度部屋で付け人を殴るなど、たびたび暴力問題が発覚しました。

 相撲協会はことし10月、第三者による検討委員会からの再発防止に向けた提言を受け、「大相撲においては、指導名目その他、いかなる目的のいかなる暴力も許さない」などとして暴力との決別を宣言し、親方や力士に対する研修を強化することなど再発防止策を発表していましたが、そのやさきに再び暴力問題が明らかになりました。
| 事件・事故 | 11:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
貴ノ岩が付け人を素手で数回殴る
 大相撲 平幕の貴ノ岩が4日夜、福岡県内のホテルの部屋で、23歳の付け人を素手で数回殴ってけがをさせていたことがわかりました。日本相撲協会によりますと、詳しいけがの程度はわからないということです。

 これは、5日に日本相撲協会が明らかにしました。

 それによりますと、平幕の貴ノ岩は4日夜、福岡県行橋市のホテルの部屋で、一緒にいた23歳の付け人を平手やこぶしで数回殴ったということです。

 この付け人は、ほおにけがをしたということですが、詳しいけがの程度はわかっていません。

 相撲協会によりますと、5日朝、この付け人が巡業の会場に姿を見せなかったことなどから事情を聴いたところ、貴ノ岩の暴行が発覚したということです。

 相撲協会は5日に都内で貴ノ岩に事情を聴いたところ、暴行について認めたうえで、付け人に対し謝罪の意思を示しているということです。

 暴行の理由については、「忘れ物をしたのに言い訳をした。4回から5回殴った」などと説明しているということです。

 貴ノ岩は、先月、福岡市で行われた九州場所に前頭6枚目で臨み、6勝9敗の成績で負け越していました。

 モンゴル出身の貴ノ岩は、去年10月、元横綱 日馬富士に鳥取市内の飲食店でカラオケのリモコンなどで殴られてけがをした傷害事件の被害者です。

 また、師匠だった貴乃花親方がことし9月、日本相撲協会に退職を届け出て、その後、所属していた貴乃花部屋が消滅したため、千賀ノ浦部屋に移籍していました。

 相撲協会によりますと、貴ノ岩は、ほかの力士と一緒に5日に行橋市で行われた巡業に参加するためホテルに泊まっていたということです。

 相撲協会では、今回の暴行問題を受け、現在行われている冬巡業で貴ノ岩を途中休場させました。

◇芝田山親方「自覚がない」
 日本相撲協会の広報部長を務める芝田山親方は、貴ノ岩について、「自分も同様の被害に遭っていて自覚がない。関取は指導すべき立場で、協会の一員という認識が足りていない。双方の意見を聞き、今後の理事会で処分を検討したい。九州場所の初日にも暴力事案がないように周知徹底していた。こうしたことが起きないようにさらに厳しく対処していきたい」とコメントしています。

◇師匠の千賀ノ浦親方「残念なこと」
 貴ノ岩の師匠、千賀ノ浦親方は、「非常に残念なことだが、今の段階では何も話せない」とコメントしています。

◇10月に暴力との決別を宣言
 角界では去年10月から暴力問題が相次ぎ、日本相撲協会は、第三者による検討委員会から再発防止に向けた提言を受け、ことし10月、「いかなる目的の暴力も許さない」として暴力との決別を宣言しましたが、再び暴力問題が発覚しました。

 日本相撲協会が相撲界での暴力の実態把握や再発防止に向けた提言などを検討委員会に諮問するきっかけとなったのは、去年の元横綱 日馬富士による傷害事件でした。

 元横綱 日馬富士は、秋巡業中の去年10月、鳥取市内の飲食店で貴ノ岩をカラオケのリモコンなどで殴って頭に12日程度のけがをさせたとして傷害の罪で略式起訴され、鳥取簡易裁判所から罰金50万円の略式命令を受けました。

 日馬富士は問題の責任を取る形で去年11月に引退し、現場に同席していた白鵬、鶴竜の横綱2人も処分を受けました。

 この傷害事件のあと、相撲協会が再発防止に取り組む最中、当時三段目の力士が弟弟子に対して、ことし1月初めまでの間に素手で殴るなどの暴力を振るったとして処分を受けました。

 さらに3月には、貴ノ岩と同じ部屋だった当時十両の貴公俊が、支度部屋で付け人を殴るなど、たびたび暴力問題が発覚しました。

 相撲協会は、ことし10月、第三者による検討委員会からの再発防止に向けた提言を受け、「大相撲においては、指導名目その他、いかなる目的のいかなる暴力も許さない」などとして暴力との決別を宣言し、親方や力士に対する研修を強化することなど再発防止策を発表していましたが、そのやさきに再び暴力問題が明らかになりました。
| 事件・事故 | 19:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
日産社員と司法取引、適応は2例目
◎日産社員と司法取引合意 東京地検、2例目 ゴーン容疑者捜査
 (2018/11/20 10:30 株式会社 産経デジタル)

 日産自動車代表取締役会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)が有価証券報告書に自身の報酬を約50億円過少に記載したとして、金融商品取引法違反容疑で逮捕された事件で、東京地検特捜部が同社社員との間で、捜査に協力する代わりに刑事処分を軽くする司法取引(協議・合意制度)に合意していたことが20日、関係者への取材で分かった。制度は今年6月に導入され、適用は2例目になるとみられる。

 ゴーン容疑者と代表取締役のグレゴリー・ケリー容疑者(62)は共謀し、平成22〜26年度の5年間にゴーン容疑者が受け取った役員報酬は計約99億9800万円だったのに、計約49億8700万円と過少に記載した有価証券報告書(有報)を関東財務局に提出したとして19日に逮捕された。

 関係者によると、ゴーン容疑者らが虚偽の内容を記載した有報を提出する際、ゴーン容疑者の部下の社員が関与。

 この社員が特捜部との司法取引に応じ、ゴーン容疑者らの不正を証言するとともに関係証拠を提出したという。社員は合意に基づき、刑事処分が軽減される。

 司法取引は共犯者の事件の捜査や公判に協力する見返りに、容疑者や被告が自分の起訴を見送ってもらったり、求刑を軽くしてもらったりする制度。

 組織の末端の実行者などの協力を得て、立件が困難とされるトップや組織犯罪を摘発することが期待されている。法人の処罰規定がある犯罪では企業も取引できる。

 特捜部は7月、外国公務員への贈賄を禁じた不正競争防止法違反事件で初適用。「三菱日立パワーシステムズ」(横浜市)から捜査への全面協力を得る代わりに法人の起訴を見送り、同社の元取締役ら3人を在宅起訴した。
| 事件・事故 | 17:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
日産・西川社長が会見「ゴーン氏に重大な不正行為 解任を決断」
 日産自動車のカルロス・ゴーン会長が金融商品取引法違反の疑いで逮捕されたことを受けて、日産の西川廣人社長が19日夜、記者会見し、今回の事件の背景について、「ゴーン会長の長年にわたる統治の負の側面と言わざるをえない」と述べ、ゴーン氏への権限の集中が要因だという見方を示しました。

 この中で西川社長は、「社内調査の結果、カルロス・ゴーン代表取締役・会長に本人の主導による重大な不正行為が確認された。会社として断じて容認できる内容ではなく、解任を決断した」と述べました。

 そのうえで、会社の調査で、ゴーン会長が主導した重大な不正行為が大きく3点確認されたとしています。

 具体的な内容について西川社長は、

▼ゴーン会長の報酬を、有価証券報告書に実際よりも少ない金額で記載していたこと、

▼私的な目的で「投資資金」を支出したこと、そして、

▼私的な目的で「会社の経費」を支出したことだと説明しました。

 このため、今月22日に、ゴーン氏の代表権、そして会長職を解くことを提案する取締役会を開く予定だと明らかにしました。

 今回の事件の背景について西川社長は、「ガバナンス上、1人に非常に権限が集中しすぎることが問題であり、1つの要因であると思う。ゴーン会長の長年にわたる統治の負の側面と言わざるをえない」と述べ、第三者の専門家も交えた委員会をなるべく早く設け、背景や原因を調べたうえで経営体制の在り方を抜本的に見直す考えを示しました。

 そして、「株主、関係者の皆様に多大な心配をおかけする事態となり、会社を代表して深くおわび申し上げたい。ガバナンスの問題点など、猛省すべきで、残念ということばではなく、はるかに超えて、憤りということ、落胆ということを強く思っている」と述べ、陳謝しました。

◇「コンプライアンス徹底進める中での重大事案」
 記者会見で西川社長は、「去年からコンプライアンスの徹底を進めるなかで出てきた重大事案だ。とても大きい問題で重大な事案だが、徹底的に対策を進めていきたいと思っている」と述べました。

 日産自動車では、国内の5つの工場で車の燃費や排ガスの検査の際、排ガスのデータを社内基準に合うように書き換えるなどしていたことが明らかになっています。

◇「グレッグ・ケリー氏は相当な影響力」
 西川社長は記者会見で、ゴーン会長とともに逮捕されたグレッグ・ケリー代表取締役について、「長い間ゴーン会長の側近としてさまざまな仕事をしてきた。ゴーン氏の権力を背景に相当な影響力を持って社内をコントロールしてきたのは事実だ」と述べました。

◇ゴーン氏はカリスマか、暴君か
 西川社長は記者会見で、ゴーン会長はカリスマ経営者だったのか、暴君だったのかと問われ、「これまでゴーン氏が積み上げてきたものすべてを否定することはできず、将来に向けた財産は大きい。ただ、最近の状況を見るとやや権力の座に長く座っていたことでガバナンスだけではなく業務の面でも弊害が見えたという実感がある」と述べました。

 そのうえで、みずからを含むほかの経営陣の責任については、「猛省している」として、経営体制の見直しに早急に取り組む考えを示しました。
| 事件・事故 | 00:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
日産・ゴーン会長を逮捕 金融商品取引法違反の疑い
 日産自動車のカルロス・ゴーン会長(64)が有価証券報告書にみずからの報酬を実際より50億円余り少なく記載していたとしてグレッグ・ケリー代表取締役(62)とともに金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。

 逮捕されたのは日産自動車の会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)と代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)で、東京地検特捜部は横浜市にある日産の本社などを捜索しています。

 東京地検特捜部によりますと、ゴーン会長らは平成23年3月期から平成27年3月期までの5年間のゴーン会長の報酬が、実際には合わせて99億9800万円だったのに、有価証券報告書には49億8700万円と50億円余り少なく記載していたとして金融商品取引法違反の疑いが持たれています。

 ゴーン会長は日産自動車の有価証券報告書で毎年、役員報酬を公開していて、平成22年度から26年度にかけては毎年、10億円前後の報酬を受け取ったと記載していました。

 しかし、日産自動車は19日、ゴーン会長が開示されるみずからの報酬額を少なくするため、長年にわたって実際の報酬額より減額した金額を有価証券報告書に記載していたことや、会社の資金を私的に支出するなどの複数の重大な不正行為が認められると明らかにしていて、こうした不正にはケリー代表取締役が深く関与していたと発表していました。

 特捜部は捜索で押収した資料などを分析し、トップが関わったとされる不正の実態解明を進めるものとみられます。

◇ケリー氏 3年前から代表取締役
 日産自動車のホームページによりますと、グレッグ・ケリー氏はアメリカの大学を卒業後、法律事務所で弁護士として勤務し、1988年に北米日産に入社しました。

 主に法務や人事などを担当し、2008年に日産自動車の執行役員に昇格。その後、常務執行役員などを経て3年前から代表取締役を務めていました。

◇報酬は10億円超も
 カルロス・ゴーン会長は、日産自動車の有価証券報告書で毎年、役員報酬を公開しています。

 それによりますと、平成26年度には1年間の報酬が初めて10億円を超えて10億3500万円、平成27年度は10億7100万円でした。平成28年度は過去最高となる10億9800万円でしたが、平成29年度は前の年よりも33%減らして7億3500万円でした。

 また、これとは別にゴーン氏は三菱自動車工業の会長として平成29年度には2億2700万円の役員報酬を受けているほか、同じく会長を務めるフランスのルノーからも役員報酬を受けています。

◇ゴーン氏「他のグローバル企業と比べれば低い水準」
 カルロス・ゴーン氏の報酬をめぐってはその高さが注目され、日産自動車の株主総会でも毎年、株主から質問が出ていました。

 平成28年度のみずからの役員報酬が過去最高となる10億9800万円となったことについて、カルロス・ゴーン氏は去年6月の株主総会で、「役員報酬は、業績や事業への貢献と日産と同じ規模のグローバル企業におけるCEOの報酬水準も分析したうえで決めている。役員や幹部クラスのほぼ半数は外国人だ。競争力を維持するためには、多国籍の優秀な人材をつなぎとめないといけない」と述べ、理解を求めていました。

 また、おととしの株主総会では、「優秀な人材の確保には競争力のある報酬が必要で、トップの報酬も他のグローバル企業と比べれば低い水準だ」と述べていました。

◇日産自動車の社員は
 日産自動車のカルロス・ゴーン会長が東京地検特捜部に逮捕されたことについて、35歳の男性社員は、「びっくりました。これまでも排ガスの検査などで不正が続いていたので、これを機にうみを出し切ってほしいと思います」と話していました。

 38歳の男性社員は、「まだ会社から社員に対して何も説明がないので、早く真相が知りたいです」と話していました。

 また、20代の男性社員は、「とても驚いていますが、まだ何も聞かされていないので詳しいことはわかりません」と話していました。

◇ルノー「情報確認中」
 カルロス・ゴーン氏はフランスの自動車メーカールノーの会長兼CEOを務めていて、ことし6月の株主総会で4年の任期で再任されました。ルノーによりますとゴーン氏の2017年の報酬は740万ユーロ、日本円でおよそ9億5000万円でした。

 ゴーン氏が会長兼CEOを務めるフランスの自動車メーカー・ルノーの広報担当者は、NHKの取材に対して「現在、情報を確認中で、コメントすることはありません」と話しています。

◇ルノー株が急落
 カルロス・ゴーン会長が会社の資金を私的に支出するなど、複数の重大な不正行為をしていたと日産自動車が発表したことを受けてゴーン氏が会長を務めるフランスの自動車メーカー・ルノーの株価は一段と値下がりしています。

 パリの株式市場では、ルノー株への売り注文が膨らみ日本時間の午後7時15分現在、株価は13%以上、下落しています。

◎過小申告、ゴーン会長逮捕 日産のケリー取締役も
 (11月19日 株式会社 産経デジタル)

 日産自動車(本社・横浜市)のカルロス・ゴーン会長(64)が自身の報酬を過少に申告したとして、東京地検特捜部は19日、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で、ゴーン容疑者と、同社代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)を逮捕した。

 過少申告額は約50億円。特捜部は同日、横浜市の日産自動車本社など関係先を家宅捜索した。日産は善管注意義務に違反するとし、ゴーン容疑者の会長と代表取締役の職を解くよう取締役会に提案すると明らかにした。

 逮捕容疑は、平成23年6月〜27年6月、5回にわたり、平成22〜26年度のゴーン容疑者の報酬が計約99億9800万円だったにもかかわらず、計約49億8700万円と記載した有価証券報告書を提出したとしている。

 日産が発表した声明によると、同社は内部通報を受け数カ月間かけて調査。長年にわたり、ゴーン容疑者の報酬の過少申告が判明したほか、同社の資金を私的に支出するなど複数の重大な不正もあったとしている。

 ゴーン容疑者はブラジル生まれ。1978年にタイヤメーカーのミシュランに入社し、1990年に36歳で北米ミシュラン会長に抜擢された。1996年にルノー上席副社長に就任。1999(平成11)年6月、45歳で極度の経営難にあった日産の最高執行責任者(COO)に就任。2001(同13)年6月から社長兼最高経営責任者(CEO)となった。

 日産では「リバイバルプラン」を策定し、大リストラを断行、わずか1年で大幅赤字から黒字へ「V字回復」を成し遂げた。その後、三菱自動車との提携を主導し、2016(同28)年12月に同社の会長に就いた。2017(同29)年4月に日産の社長を退き、代表権のある会長となった。

 日産は、「今後も捜査に協力していく」としている。
| 事件・事故 | 20:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
こん包されていない刃物 すべての列車への持ち込み禁止へ

 ことし6月、東海道新幹線の車内で乗客3人が刃物で殺傷された事件を受け、国土交通省は、すべての列車を対象に適切にこん包されていない刃物の持ち込みを来年4月から禁止することになりました。

 ことし6月、神奈川県内を走行していた東海道新幹線の車内で、乗客3人が男に刃物で切りつけられ、男性1人が死亡、女性2人がけがをしました。

 これまで爆発物や引火しやすい物などの列車内への持ち込みは法令で禁止されていましたが、事件を受けて国土交通省は、適切にこん包されていない包丁やナイフそれにはさみなどの刃物も持ち込みを禁止します。

 在来線や私鉄を含めたすべての列車が対象で、来年4月から施行する予定です。

 具体的には、銃刀法の規制対象と同じ刃渡り6センチを超える刃物を持ち込む場合には、刃先をプラスチックや革製のケースに収納したり、段ボールで覆ったりしたうえで、丈夫なかばんや袋に入れる必要があります。

 また、小売店などで購入した刃物の場合、買ったときと同じこん包したままの状態を保つことが求められます。

 さらに、6センチ以下の刃物も車内では使用せず、袋などに収納する必要があります。

 一方、法令では、乗客の手荷物検査は求めていませんが、違反が確認された場合は強制的に列車から降ろすことができることになっています。
| 事件・事故 | 00:06 | comments(0) | trackbacks(0) |
「記者殺害はサウジ皇太子の命令」CIAが結論 米メディア
 サウジアラビア人のジャーナリストが殺害された事件についてアメリカのメディアは、「CIA(中央情報局)がムハンマド皇太子の命令によるものだと結論づけた」と伝えました。

 サウジアラビアは、アメリカと経済や安全保障面で強い結びつきがあり、トランプ大統領は難しい対応を迫られることになりそうです。

 サウジアラビア人の著名なジャーナリストのジャマル・カショギ氏が先月殺害された事件について、有力紙ワシントン・ポストの電子版は16日夜、「CIAはサウジアラビアのムハンマド皇太子が暗殺を指示したと結論づけた」と伝えました。

 それによりますと、CIAは、カショギ氏がトルコのサウジアラビア総領事館に入ってまもなく殺害されたことを示す音声記録をトルコ側から入手したということです。

 また、殺害後に実行犯の1人がムハンマド皇太子の側近に電話をかけ、任務が完了したと伝えるなど、さまざまな情報を分析した結果、皇太子の命令があったと結論づけたとしています。

 また、「ウォール・ストリート・ジャーナル」の電子版は、「明白な証拠に基づいた結論というより、皇太子の関与なしに今回の事件は起こりようがなかった」というアメリカ政府当局者の見方を伝えています。

 一方、サウジアラビア政府は15日に捜査結果を公表した際、現場の暴走だったとするこれまでの主張を強調し、皇太子の関与を強く否定しています。

 トランプ大統領はこれまで、事件の真相究明を求めるとしながらも、経済や安全保障面で強い結びつきがあるサウジアラビアとの決定的な対立は避けたい考えをうかがわせてきました。

 ただ、自国の情報機関であるCIAが皇太子の命令だと結論づけたと伝えられたことで、議会などから厳しい態度で臨むべきだという声が強まるのは確実で、難しい対応を迫られることになりそうです。

◇皇太子の弟の駐米大使と記者会話か
 ワシントン・ポストの電子版は16日、関係者の話として、CIAが分析した情報の中には、サウジアラビアのムハンマド皇太子の弟のハリド駐米大使とカショギ氏の間の電話の会話も含まれていると伝えています。

 CIAが事件前に傍受した電話の中で、ハリド大使はカショギ氏に対し必要な書類を得るためにイスタンブールにあるサウジアラビアの総領事館に行く必要があるとしたうえで身の安全は保証すると伝えたということです。

 ワシントン・ポストは、ハリド大使がカショギ氏が殺害されることを知っていたかどうかは分からないとしているものの、「電話はムハンマド皇太子の指示だった」と伝えています。

 一方、この報道についてハリド大使は16日、ツイッターに「カショギ氏と電話で話したことは一度もない」と書き込み、全面的に否定しています。
| 事件・事故 | 20:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
パイロット飲酒問題 日航社長が謝罪 再発防止策を強化
 日本航空の赤坂祐二社長は、飲酒問題の経緯や再発防止策を国土交通省に報告したあと記者会見し、改めて謝罪しました。


 この中で赤坂社長は、「絶対にあってはならないことで安全運航に関わるものとして強く責任を感じている。誠に申し訳ありません。再発防止策を進め信頼を取り戻せるよう努力していく」と述べました。

 そして、副操縦士が乗務前のアルコール検査を行った際、一緒に乗務する予定だった2人の機長が、相互の確認を怠っていたことを明らかにしました。

 日本航空は、副操縦士が飲酒が発覚しないよう、検査で不正を行っていたと判断するとともに、2人の機長についても監督責任があったとして、関係者の処分を検討しています。

 また、再発防止策として、精度の高い感知器を国内外の乗り入れるすべての空港に、今月19日までに配備するほか、これまで「指針」としていた乗務を制限するアルコール濃度の基準を「運航規程」に盛り込み、違反した場合の処分も重くするとしています。

 さらに、客室乗務員や整備士、運航管理者などに対しても感知器での検査を行うとしています。

◇統一基準がない日本の航空会社
 パイロットの飲酒に対して、アメリカやヨーロッパでは、乗務を制限するための呼気や血液の検査での統一的な基準が設けられています。

 これに対して、日本の航空法では、飲酒の影響がある場合の乗務を禁止する規定はありますが、国の具体的な基準はなく、航空会社がそれぞれ自主的なルールを定めています。

 NHKが今月上旬、定期便を運航する国内の25すべての航空会社に取材したところ、8つの会社では、感知器による検査を全く行っていないか、毎回は行っていませんでした。

 このうち、3社は感知器自体を導入しておらず、パイロットどうしなどが口頭で飲酒していないか確認しているということです。

 国土交通省は、統一的な基準によるアルコール検査の義務化について、年内をめどに方針をまとめたいとしています。

◇なぜ見過ごされたのか
 日本航空は16日の会見で、逮捕された副操縦士の飲酒が見過ごされたいきさつについて、再現動画などを使って説明しました。

 それによりますと、副操縦士と2人の機長は、空港の事務所でテーブルを囲んで感知器を使ったアルコール検査を順番に行っていて、その様子をお互いに確認することになっていました。

 副操縦士は、感知器に軽く息を吹きかけたあと、反応が出ていないことを2人の機長に見せていますが、1人は荷物を移動させるなどしていて一連の様子を確認していません。

 検査の様子を見ていたもう一人の機長は、息の吹き方が不十分ではないかと感じていましたが、許容の範囲内だと考え、特に指摘はしなかったということです。

 また、副操縦士は、2人の機長と酒の臭いに気づいたバスの運転手以外に、機内に乗り込むまでに合わせて10人と接点がありましたが、いずれも距離が離れていたり、接した時間が短かったりして異変には気づかなかったということです。

 その後、機内に乗り込んでいた副操縦士は、空港の保安スタッフから呼び出しを受けると「酒は飲んでいない。マウスウォッシュによるものだ。うがいをさせてほしい」と大声で言葉を発したということです。

◇元機長「勤務実態踏まえ対策を」
 航空業界でパイロットによる飲酒の問題が相次いでいることについて、航空評論家で、元日本航空機長の小林宏之さんは、「パイロットは多くの人命を預かるため、厳しい自己管理が必要で、『みずからをコントロールできて初めて飛行機をコントロールできる』と後輩にも言ってきたので、非常に残念だ」と話しています。

 そのうえで、「日本では、パイロットは自己管理できるという前提に立っていたので、欧米に比べて基準は厳しくなかったが、こうした事態では基準を作らざるをえない」としています。

一 方で、小林さんは、パイロットが過度な飲酒に陥る背景に、「睡眠」の問題があるのではないかと指摘しています。

 パイロットが集中力を持続するためには、十分な睡眠が必要とされますが、特に時差の影響を受ける国際線の場合、寝つきをよくするために酒を飲む人もいるということです。

 最近は、長距離の便も増えているため、時差が大きくなったり、現地での滞在時間が短くなったりして、睡眠が取りにくくなるケースもあるということです。

 小林さんは、「飲酒を一切禁止するなど厳しい基準を作るだけでは、新たなストレスを生むため、問題の解決にはならない。パイロットも生身の人間なので、生理現象や心理状態も考慮することが重要だ」と述べて、パイロットの勤務実態も踏まえた対策を検討する必要があると指摘しています。
| 事件・事故 | 16:25 | comments(0) | trackbacks(0) |