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ノートルダム大聖堂 ドローンで撮影 被害状況が明らかに

 火災があったノートルダム大聖堂を上空からドローンで撮影した映像が公開され、被害の状況がより明らかになってきました。

 映像は、ロシア系のメディアが火災のあと、ドローンを使って撮影し、17日に公開しました。映像からは、大聖堂を覆っていた屋根が完全に焼け落ちて、屋根を支えていた木材が散乱しているのが確認できます。

 また、屋根の上にほぼ正方形に組まれていた修復工事用の足場も確認できます。足場の中心部分は穴が開いたような状態ですが、ここは90メートル余りのせん塔があったところで、火災が起きる前には、せん塔の周囲に配置された銅像を取り外して修復工事などが行われていました。

 一方で、大聖堂の正面に2つあるおよそ70メートルの鐘の塔は、大きな損傷を受けている様子は映像からは確認できません。

◎ノートルダム大聖堂火災 現場検証できず 原因究明難航か
 フランスを代表する歴史的な建築物、ノートルダム大聖堂で起きた大規模な火災について捜査を進めている検察は、安全面の懸念から大聖堂内部での現場検証をできておらず、火災の原因究明は難航することも予想されます。

 フランスのパリ中心部にあるノートルダム大聖堂では15日、大規模な火災が起き、高さ90メートル余りのせん塔が焼け落ちて、屋根の3分の2が崩れる甚大な被害が出ました。

 検察は、過失による出火の疑いで捜査を始めていて、フランスの有力紙「パリジャン」は、警備員が、せん塔の基礎部分で火が出ているのを見つけたものの、勢いが強く、消し止められなかったと伝えています。

 大聖堂では、去年夏から大規模な足場を組んで修復工事が行われていて、検察は工事関係者などから話を聞くなどして、火災との関連を調べているものとみられます。

 これに対し、修復工事を行っていた会社のトップは、メディアの取材に、火災の発生当時、従業員は現場にいなかったと話し、必要な防火対策はとっていたと説明しています。

 また、大聖堂は、火災で天井に穴があき、外壁を支える部分にも被害が出ていて、建物自体が崩れるおそれもあるため、検察は、安全面の懸念から内部での現場検証をできていません。

 地元のメディアに対し、捜査関係者は「証拠集めは複雑な作業になる」と話していて、火災の原因究明は難航することも予想されます。

◇専門家「通常なら修復に30年」
 マクロン大統領がノートルダム大聖堂の5年以内の再建を目指すと表明したことについて、フランス建築の保存と修復に詳しい東京理科大学建築学科の山名善之教授は、「通常であれば30年かけて修復するところ。フランスは中央集権的なので不可能ではないと思うが、5年はとても短く疑問が残る」と話し、短期間での修復は難しいという見方を示しました。

 その理由として、山名教授は、「大聖堂に使われている木材は、十分寝かせて乾燥させたものを使っていて、全国の教会ですでに利用される計画ができている。また、修復には『コンパニオン』と呼ばれる中世から伝わる高度な技術を持った、限られた職人集団があたっている」ことなどを挙げています。

 さらに、「修復には『オーセンティシティ』というオリジナルの材料をなるべく残そうとする考え方があり、崩落した天井などの、どれをどこまで残すのか時間をかけて調査し、決める必要がある」と話し、拙速に修復すれば文化財としての価値を損う可能性があると指摘しました。

 また、マクロン大統領が再建を急ぐねらいについて、「国内で混乱を抱える中、求心力を持つ大聖堂を建て直すことには政治的な意図があると思う」と話しています。

◇文科相「国宝の緊急点検を」
 柴山文部科学大臣は衆議院の文部科学委員会で、「ノートルダム大聖堂での大規模な火災により、世界的に貴重な文化遺産が焼損したことに大変な衝撃を受けている。フランス政府から何らかの技術的支援などの要請があれば、積極的に検討していきたい」と述べました。

 また、「文化庁では改めて国宝と重要文化財の防火対策などについて緊急点検を行うことにした。日本では木材が使われていることも多いので防火対策の徹底を図っていく」と述べました。
| 環境とまちづくり | 20:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
パリ ノートルダム大聖堂で火災 中央部分が崩落 大きな被害

 フランスのパリを代表する観光名所でユネスコの世界文化遺産にも登録されているノートルダム大聖堂で、現地時間の15日夜、日本時間の16日未明、大規模な火災が発生し大聖堂の中央部分が崩れ落ちたほか正面の塔にも火が燃え移り消火活動が続いています。

 フランスのパリ中心部を流れるセーヌ川の中州、シテ島にあるノートルダム大聖堂で現地時間の15日午後7時前、日本時間の16日午前2時前、火災が発生しました。

 大聖堂の中央部分が最も激しく燃え、高さおよそ90メートルのせん塔や周辺の屋根が火災発生からおよそ1時間後に崩れ落ちました。

 その後、火は正面にそびえるふたつの塔のうち北側の塔にも燃え移り、現場ではいまもおよそ400人の消防隊員が消火活動を続けています。

 消防によりますと、消火活動中に隊員の1人が大けがをしたほか、これまでに大聖堂の屋根の3分の2が崩れ落ちましたが火の広がりは抑えているとしています。

 大聖堂は火が燃え広がったときには閉館後で、中に観光客はいなかったとみられ、内務省の高官は今のところ死者は出ていないと話しています。

 消防は大聖堂の屋根裏付近から火が出たとみていますが、詳しい原因はわかっておらず、地元の検察当局は失火の疑いで捜査を始めたことを明らかにしました。

 大聖堂では建物の周りに足場を組んで修復などの工事が行われていました。

 ノートルダム大聖堂は850年余り前の1163年に着工したゴシック建築を代表する建物で、1991年には周辺の歴史的な建築物などとともにユネスコの世界文化遺産に登録されました。

 大聖堂には日本人も含め世界中から年間およそ1200万人の観光客が訪れるということでパリ屈指の観光名所として知られています。

◇約90メートルのせん塔 崩壊
 パリの中心部にある観光名所、ノートルダム大聖堂は、火災発生からおよそ1時間がたった午後8時、日本時間の16日午前3時現在も赤い炎とともに激しく燃え上がっています。

 火は大聖堂の屋根づたいに、正面に向かって延焼を続け、事態を見守っていた大勢の人たちの前で、大聖堂の後方にある高さおよそ90メートルの塔がガラガラと音を立てて崩れ落ちていました。

◇マクロン大統領「恐ろしい悲劇、最悪の事態避けられた」
 フランスのマクロン大統領は、火災現場で記者団に対して「ノートルダム大聖堂はすべてのフランス人にとっての大聖堂で、われわれの歴史の一部だ。この火災はまさに恐ろしい悲劇といえる。消火活動は終わっていないかもしれないが、最悪の事態は避けられた。必ずこの大聖堂を再建する」と述べ、大聖堂の再建に向けて全力を尽くす考えを示しました。

◇パリ市民 衝撃と悲しみ広がる
 ノートルダム大聖堂で火災が起きたことについて、パリの市民の間に衝撃と悲しみが広がっています。

 このうち、大聖堂の近くに10年間住んでいるという会計士の北谷博道さんは、「火災発生当時は自宅にいて、悲鳴が聞こえたので何かがあったのだと思った。長く住んでいるが、このあたりは静かなエリアでこんな火災は初めてだ。カトリックの信者が多く、その総本山とも言える場所が火災に見舞われたことはフランス人にとって残念なことだと思うし、外国人の私も落ち着かない気持ちです」と話していました。

 また、火災が発生した当時、近くの飲食店にいたという28歳の女性は、「テレビのニュースで火災が起きたと聞き、現場を見に来ました。歴史的な建造物であり、わたしたち市民は皆、ショックを受けています。炎が高く燃え上がっているのを見て消火は難しいと感じました」と落胆した様子で話していました。

 大聖堂の近くに住んでいるという75歳の男性は、「パリの象徴であり、重要な大聖堂なので、ニュースで火災を知り、すぐに駆けつけました。ノートルダムはフランスで暮らすキリスト教徒にとって歴史ある重要な大聖堂です。修復には長い時間がかかるはずで、とても悲しいです」と悲嘆に暮れていました。

◇ユネスコ事務局長「これほど激しい火災は遺憾」
 ユネスコ(国連教育科学文化機関)のアズレ事務局長はツイッターで、「1991年に世界文化遺産に登録された大聖堂でこれほど激しい火災が起きたことは遺憾だ。ユネスコとして事態を注視するとともに、貴重な遺産を保護し復元するためフランスを支援する準備がある」とコメントしました。

◇ナポレオン1世の戴冠式も
 ノートルダム大聖堂は、一時、ヨーロッパの大半を勢力下に置いたフランスの皇帝ナポレオン1世の戴冠式(たいかんしき)が行われたことでも知られています。

 大聖堂は上空から見ると十字型をしていて、縦およそ130メートル、横およそ40メートル、屋根までの高さがおよそ40メートルあります。

 十字型の中央には高さおよそ90メートルの針のような鋭い形をしたせん塔があったほか、正面には大聖堂の象徴とも言える高さおよそ70メートルの2つの塔が立っています。

正面の2つの塔のうち北側の塔には8つ、南側の塔には2つの鐘があって、このうち南側の塔の鐘の1つは300年以上前に造られた重さおよそ13トンの「エマニュエル」と呼ばれる有名なものです。

 大聖堂の中には、700年以上前に設置されたステンドグラスや400年近く前の絵画など貴重な芸術品が数多くあります。

 火災が起きた当時、大聖堂では修復などの工事が行われていて、中央部分のせん塔の周りには足場が組まれていましたが、この塔は炎に包まれて倒壊し屋根のほとんどが焼け落ちています。

◇トランプ大統領「人生の一部」
 アメリカのトランプ大統領は、フランスのパリにあるノートルダム大聖堂で大規模な火災が起きたことについて中西部ミネソタ州で15日、「ひどい火災だ。ノートルダム大聖堂は国を越え、われわれの成長、文化、そして人生の一部だ。私も行ったことがあるが、本当にすばらしい大聖堂だ」と述べました。

 そして、「まだよくはわからないが、彼らは、火災が修復によって起きたとみているようだ」と述べ、出火の原因にまで言及しました。
| 環境とまちづくり | 05:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
WTO判断「十分議論行われなかった点を問題視された」
 WTO(世界貿易機関)の上級委員会で、韓国政府による水産物の輸入禁止の撤廃を求めていた日本側の主張が退けられたことについて、外務省と農林水産省が説明を行いました。WTOの1審にあたる小委員会で十分議論が行われていない点を問題視されたためだとしています。

 12日、外務省と農林水産省は、WTOの上級委員会がまとめた報告書を分析し、その内容を説明しました。

 それによりますと、WTOの報告書では日本と韓国では自然環境から受ける放射線の量が異なるということを1審にあたる小委員会が十分議論していなかったと指摘しているということです。

 さらに、小委員会では食品に含まれる放射性物質のデータのみに基づいて判断しているが、それ以上の可能性については議論されておらず、不十分だとしています。

 また、小委員会は、日本が食品に対して設けている年間1ミリシーベルトという放射線量の基準は同時に韓国の基準も満たしていることから、輸入禁止にするべきではないという日本の主張を認めました。

 しかし、上級委員会は、韓国がより厳しい安全基準に基づけば輸入禁止措置が妥当だと主張していたのに1審ではこの主張を十分議論していなかった、と問題点を指摘しています。

 こうした理由によって小委員会の判断が覆り、韓国政府による水産物の輸入禁止の撤廃を求めていた日本側の主張は退けられて、日本は事実上敗訴した形になりました。

 その一方で、日本政府は、小委員会で認められていた、日本産の食品の安全性や、韓国側が輸入の禁止措置にあたり周知の手続きが不十分で日本側が是正を求めていた点については、今回の判断でも認められたとしています。

◇「安全性について丁寧な説明続ける」
 WTOの上級委員会の判断について農林水産省の担当者は、日本の主張は退けられたものの、「科学的根拠に基づいて日本の水産物は安全だと認められた」としています。

 そのうえで、日本の農林水産物や食品の輸入を規制しているほかの国や地域に対し、「安全性について丁寧な説明を続けていきたい」として、引き続き規制の撤廃を求めていくとしています。

 ただ、政府内では、上級委員会で日本に有利な判断が示されることを前提に、各国に対して積極的に規制の撤廃を求めていこうという思惑があっただけに今後の影響が懸念されています。

◇輸入規制の国・地域と韓国は
 東日本大震災で東京電力福島第一原子力発電所の事故が起きたあと、54の国と地域が日本からの食品の輸入規制をとりました。

 これまでに、カナダ、トルコ、メキシコ、タイなど31の国と地域は規制措置を撤廃しています。

 一方で、韓国、中国、アメリカ、EU(ヨーロッパ連合)など、23の国と地域では、一部で緩和する動きもあるものの規制措置を継続しています。

 このうち韓国は震災後、2011年3月に、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県の8つの県の水産物の一部について輸入を禁止しました。

 2年後の2013年9月には輸入を禁止する対象をすべての水産物にまで広げています。

 この措置もあって、日本から韓国への水産物の輸出額は大幅に減少しました。

 規制が強化される前の2012年9月から2013年8月までの1年間の輸出額は109億円、規制が強化された2013年9月から2014年8月までの輸出額は84億円となり、23%減少しました。

◇なぜ韓国だけ提訴した?
 2011年の原発事故の直後には、54の国や地域が日本産の食品について輸入規制を導入しましたが、日本政府がWTOに提訴したのは韓国だけです。

 その理由は、韓国が原発事故から2年たって規制を強化した点にあると外務省は説明します。

 事故以降、日本が食品の安全性を証明する措置について多くの国が一定の評価をして規制の撤廃や、撤廃はしなくても緩和に応じる一方で、韓国は事故から2年余りたった2013年9月になって、輸入禁止の対象を一部の水産物からすべてに拡大しました。

 さらに、輸入規制の科学的な根拠も乏しく、どのような対応をとれば規制は撤廃されるか、その見通しも示さなかったことも提訴の理由だと説明しています。

◇専門家「各国に丁寧な説明を」
 東京大学の八木信行教授は今回のWTOの判断について、「1審の小委員会では、日本と韓国が主張する放射線量の基準があまり変わらないとして日本の主張が認められていた。しかし上級委員会では、韓国側がほかにも重要であるとした基準を見落としているのではないかとして判断が覆ったことがポイントだ」と話しています。

 その背景として八木教授は、「上級委員会では小委員会に比べて法律的な整合性をみる傾向があると思っている。法律的なプレゼンがたけているか、どこに議論の中心を置くかなどが重要になり、韓国側が法律的な議論で巻き返す動きがあったかもしれない」と話しています。

 八木教授は今後の日本の対応について、「日本の環境の実態からすれば今回の判決で各国が日本からの輸入規制を強めるのではないかと深刻にとらえなくてもいいと思う。ただ、懸念を持っている各国に対して日本の環境の実態を丁寧に説明していく努力は重要だ」と話しています。
| 環境とまちづくり | 07:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
世界初 ブラックホールの輪郭撮影に成功

 極めて強い重力で光も吸い込む天体、ブラックホールの輪郭を撮影することに世界で初めて成功したと日本などの国際研究グループが発表し、画像を公開しました。世界各地の電波望遠鏡をつないで地球サイズの巨大な望遠鏡を構築したことによる成果で、ブラックホールの存在を直接示すものだとして世界的に注目されています。

 これは、日米欧などでつくる研究グループが世界6か所で同時に会見し明らかにしました。

 撮影したのは、地球から5500万光年離れたおとめ座の「M87」と呼ばれる銀河の中心にあるブラックホールです。

 ブラックホールは極めて強い重力で光や電波も吸い込み直接見ることができないため、研究グループはブラックホール周辺のガスやチリが出す電波を観測しました。

 観測は南米チリにあるアルマ望遠鏡など世界6か所の電波望遠鏡をつなぐことで、口径がおよそ1万キロという地球サイズの巨大な望遠鏡を構築し、人間の目のおよそ300万倍というこれまでにない解像度を実現して行われました。

 そして、得られたデータをもとに画像化した結果、世界で初めて「ブラックホールの影」と呼ばれる黒い輪郭をとらえることに成功したとして画像を公開しました。

 研究グループによりますと、ブラックホールの周囲のガスやちりなどが出す強い電波が赤や白のドーナツ状の輪として示され、その内側には重力の影響で電波が観測できない「ブラックホールの影」が黒い穴のように見えています。

 この画像から、「ブラックホールの影」は直径がおよそ1000億キロメートルと太陽系がすっぽりと入る大きさでブラックホールの質量は太陽のおよそ65億倍に達する超巨大なものだとわかったということです。

 ブラックホールは宇宙に多く存在するとされますが地球から遠いことなどから、これまでは強い重力の影響を受けたほかの天体の動きなどをもとに、存在する場所を推定したり、想像図を描いたりすることしかできませんでした。

 研究グループでは今回の画像は、ブラックホールが存在することを直接示す成果だとしていて、ブラックホールを直接観測する道が開かれたことで銀河や宇宙の成り立ちに深く関わるブラックホールの謎の解明が進むと期待されています。

◇謎の天体 ブラックホール
 ブラックホールは極めて強い重力で、光や電波を吸い込むため、観測することが困難で、成り立ちや進化の過程など、最も謎の多い天体です。

 大きさに対して非常に重い天体で、質量が太陽と同じブラックホールがあった場合、直径はおよそ6キロメートルになるとされています。

 ブラックホールがつくられる仕組みは大きな恒星が死を迎えた時に、みずからの重力に押しつぶされてブラックホールになると考えられていますが、宇宙には質量が太陽の100万倍から100億倍という超巨大ブラックホールがあることも知られていて、それらがどのようにできたのかは解明されていません。

 また、ブラックホールは多くの銀河の中心にあるとされ、星の材料となるガスやちりを強い重力で引き付けながら膨大なエネルギーを生み出していることから、銀河や宇宙の成り立ちにも深く関わっていると考えられています。

 今回、ブラックホールを直接観測する道が開かれたことでこうした謎の解明につながることが期待されています。

◇「人類が初めて目にする姿」
 記者会見で国際研究グループで日本の代表を務める国立天文台の本間希樹教授は、ブラックホールの輪郭を捉えた画像を公開し、「これが人類が初めて目にするブラックホールの姿です。きれいな輪が見え真ん中が黒く抜けています。ブラックホールが光さえ出さないという事実が表われています」と述べました。

 そのうえで、「たった1枚の写真だが、アインシュタインの一般相対性理論で予言されて以来100年たってブラックホールの存在を視覚的に証明するものであり、銀河の真ん中にブラックホールが存在することを決定づけるもので、非常に大きな意味を持った1枚だ」と述べました。

 また、本間教授はブラックホールの輪郭を捉えた画像を公開し、「ブラックホールの黒い穴を捉えることができる視力を得ることができたことが大きなマイルストーン。ブラックホールの周りで起きるいろいろな現象を解き明かすツールを手にしたと言えます。まさに、新しい時代の幕開けで今後はブラックホールから噴出する『ジェット』の構造を明らかにしたいです」と話しました。

◇研究成果の意義は
 記者会見で国際研究グループのメンバーで国立天文台の秦和弘助教は、今回の成果の意義を解説しました。

 この中で、秦助教は、「研究成果の意義は2つあり、1つ目はブラックホールの存在と、『時空の歪み』を目で見て視覚的に捉えたことです。アインシュタインが一般相対性理論を唱えて強い重力があると時空がゆがむことを提言して100年がたったいま、その現場を視覚的に捉えることができました。もう1つが天文学的な側面の成果で、『活動銀河中心核』と呼ばれる、宇宙で最も明るく輝く天体の正体を解明したことです。これまで正体については周辺の間接的な現象から巨大ブラックホールだと信じるしかありませんでした。しかし、今回の観測によってブラックホールがその正体であることが決定的になりました」と話しました。

◇観測と挑戦の歴史
 ブラックホールの存在は、100年余り前、アインシュタインが発表した「一般相対性理論」をもとに予言されました。

 星などの膨大な質量がごく狭い範囲に圧縮されると、極めて強い重力によって光すら逃れられなくなることが理論的に導かれたのです。

 しかし、実際の観測では長い間見つからず、ブラックホールとされる天体が初めて見つかったのは50年以上たった1971年でした。

 アメリカのX線観測衛星による観測で、温度が非常に高く、質量が太陽の10倍という天体が見つかり、周囲のガスなどを高速で吸い込んでいるブラックホールだと考えられたのです。

 その後、非常に遠くにありながら明るく輝いて見える天体には、エネルギー源としてブラックホールがあるとされるなど、候補と考えられる天体が次々に観測されるようになりました。

 しかし、どうしても見ることができなかったのが、黒い穴のように見える「ブラックホールの影」の部分、地球から遠くにあるブラックホールはこれまでの望遠鏡で観測するには限界があったためです。

 そこで、考え出されたのが、世界各地の電波望遠鏡をつないで地球サイズの望遠鏡としてブラックホールを見る方法です。

 この方法を用いると人間の目のおよそ300万倍というハッブル宇宙望遠鏡と比べても2000倍以上の解像度を実現でき、遠くの天体の観測も可能となりました。

 この方法の開発には日本も大きく貢献していて2011年には、国立天文台などの研究グループが、電波望遠鏡をつなぐ方法を用いて、今回、撮影に成功した「M87」銀河のブラックホールの位置をほぼ特定していました。

◇世界初の画像 言えることは
 ドーナツ状の輪、内側の黒い部分が世界初のブラックホールの輪郭を撮影した画像です。

 ドーナツの下の白い部分は、温度が高く電波が強い部分、上の赤い部分はそれよりも温度が低く、電波が弱い部分、そして電波を出さない部分は黒く表されています。

 ブラックホールは極めて強い重力で光や電波などを吸い込んで閉じ込めます。

 白や赤で見えるドーナツ状の輪は周囲のガスやちりなどが電波を出しているもので、中心の黒い穴は電波が観測できない「ブラックホールの影」と言われる領域です。

 画像の分析から「M87」銀河の「ブラックホールの影」の直径はおよそ1000億キロと太陽系がすっぽりと入る大きさであることも分かりました。

 そして、このブラックホールの質量は太陽のおよそ65億倍あり、ブラックホールの中でも極めて大きいものだとわかったということです。

 また、研究グループによりますとドーナツ状の輪の上下で色に違いがあったことからブラックホールが自転している可能性があるということです。

 研究グループによりますと、ブラックホールは「M87」銀河の中心部にあり、この付近からはジェットと呼ばれる高速のガスなどが噴出していることがわかっていますが、今回の撮影では捉えることができなかったということです。

 このため、今後、さらに撮影方法を改良しブラックホールの全容解明を進めたいとしています。

◇日本人研究者も重要な役割果たす
 電波望遠鏡によるブラックホールの撮影を果たした国際研究プロジェクト、「EHT」=「イベント・ホライズン・テレスコープ」には世界の11以上の国と地域から200人を超える天文学者が参加しています。

 日本人研究者もおよそ20人が参加し、重要な役割を担いました。

 このうち、日本チームの代表を務める国立天文台の本間希樹教授は、離れた場所にある複数の電波望遠鏡をつないで天体を観測する専門家で、日本における第一人者です。

 2012年にEHTが正式な国際プロジェクトとして発足すると、中心メンバーの1人として研究グループをけん引してきました。

 本間さんたちが取り組んだのは、観測したデータからより正確なブラックホールの画像を導き出す方法の開発です。

 EHTではアメリカのハワイとアリゾナ州、チリ、メキシコ、スペインそれに南極の世界6か所の電波望遠鏡で一斉にブラックホールを観測し、画像化しますが、大部分の望遠鏡がないエリアはデータが得られないため、画像がぼやけたり、実際とは異なる画像になったりしまうことが課題でした。

 そこで本間教授は医療などの分野で実用化が進む、少ないデータから正しい画像にたどりつく、最新の情報処理の手法に目を付け、予測されるブラックホールの画像の特徴を条件として与えることでコンピューターがより正確な画像を選び出す独自のプログラムを開発しました。

 そして、去年6月、実際に各地の望遠鏡から届いたデータをもとに画像化を試みたところ、見事にブラックホールの黒い輪郭の画像が現れたのです。

 ほかの国のチームも別の2つの方法で画像を作成しましたが、いずれの方法でも同じような画像が得られたということで、画像の信頼性がより高まったということです。

 本間教授は、「『ブラックホールを見たい』という理由にひかれ、多くの人が協力してくれました。歴史的な成果に貢献できてうれしい」と話していました。

 年に数回、小学校などの講演会に出向いて宇宙の魅力について語っている本間教授。

 子どもたちの純粋な疑問に答えることも科学者の使命だと考えています。

 本間教授は、「子どもたちの質問はすごくて、『ブラックホールはありますか?』と直球で聞かれることもありましたが、『あります』とはっきり答えられるようになりました。こうした質問に答えようとすることは、僕らにとっても次の研究を目指す原動力になります」と話していました。

◇松本零士さんも見守る
 「銀河鉄道999」など宇宙を舞台にした漫画を多く描いてきた松本零士さんは、10日夜の発表の瞬間を自宅でインターネット中継で見守りました。

 ブラックホールの輪郭の画像が画面に映し出されると、「ん−」と低いうなり声を何度も出しながら、見入っていました。

 そして、研究者の説明や記者の質疑応答にじっと聞き入っていました。

 松本さんは、ブラックホールに小さい頃から強い興味を持ち、科学雑誌や天文学の本を読んで自分の妄想を入れて想像で描いてきたといい、「子どもの頃からずっと考え続けてきたブラックホールをこの目で見ることができてうれしい」と話していました。

 これまで作品の中で描いてきたブラックホールとの違いについては、「真ん中が黒く丸い様子は、子どもの頃に思っていたものとほとんど同じで、不思議な気持ちだ」と話す一方「これまで黒い穴の周りは渦を巻き、暗いイメージで描いてきたが今回、黒い部分の周りがとても明るく写っているのには驚いた」と述べました。

 そのうえで、「実際の画像で見えたことは、創作活動への影響が大きい。今回見えた画像をもとに、また新たな想像がどんどん湧いてくる。今後の作品の重要な参考にしたい」と話していました。

 そして、「願わくば、研究者の方にさらに頑張ってもらって、立体的に見てみたいし、できることなら、自分がこのブラックホールの中に入って、どうなっているのか確認したい。私の年になると、友人も3分の2が亡くなっている。ブラックホールに入れば、時空を超えて、父や母、祖父母、それに友人たちに会えるのではないか、生命に限界はあるのか、その先はどうなっているのか、興味はつきない」と興奮気味に話していました。
| 環境とまちづくり | 20:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
桜も見納め
 毎日、二ヶ領用水の桜並木を通勤しておりました。先週末が満開でカミさんとも散歩が出来てとても良かったです。月曜日には雨が降り水曜日も冷たい雨の一日になりそうなので、昨日(火曜日)が見納めとなりそうです。










| 環境とまちづくり | 02:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
東急世田谷線 再生可能エネルギーだけで運行開始

 東京 世田谷区を走る路面電車、東急世田谷線で、再生可能エネルギーの水力や地熱で発電した電力だけによる電車の運行が始まりました。

 東急世田谷線は東京に残る数少ない路面電車の路線で、世田谷区の三軒茶屋駅と下高井戸駅の間、およそ5キロを結んでいます。

 運行する東急電鉄は「低炭素・循環型社会」の実現につなげようと、世田谷線を走る10の車両で使う電力をすべて再生可能エネルギーで賄うことを決め、電力供給会社と新たな契約を結びました。

 この契約で先月25日以降は東北電力が水力や地熱で発電した電力だけを使っていて、これまでと比較して、年間で東京ドーム半分ほどの二酸化炭素の排出を削減できる見込みだということです。

 会社によりますと、再生可能エネルギーだけで電車を運行するのは、一時的なものを除き全国で初めてだということです。

 東急電鉄は、「日常の足として利用されている鉄道なので再生可能エネルギーをより身近に感じてほしい」と話しています。
| 環境とまちづくり | 01:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
気温上がり25度以上の夏日のところも 黄砂も観測
 今日は暑く感じました。朝は青空が広がっていましたが、お昼頃からは霞む様な感じで黄砂の影響だったのでしょうか、青空もすっきりしなくなりました。

 6日も全国的に晴れて気温が上がり、ところによって25度以上の夏日となっています。

 一方、西日本と東日本では黄砂が観測されました。

 気象庁によりますと、6日も広い範囲で晴れて各地で気温が上がっています。

 午後2時半までの最高気温は、高知県四万十市中村で27度1分、熊本県あさぎり町で26度3分、山口市で25度1分と25度以上の夏日となったほか、甲府市で24度2分、静岡市で23度4分、東京の都心で21度6分、名古屋市で21度1分、大阪市で20度2分などと各地で20度を超えています。

 一方、気象庁によりますと、6日は大阪市や広島市、高松市、それに名古屋市など西日本と東日本の各地で黄砂が観測されました。

 西日本を中心に、6日は黄砂が飛来して、視界は10キロを下回ると予想されていて、気象庁は、洗濯物の汚れや、視界が悪い中での車の運転に注意するよう呼びかけています。
| 環境とまちづくり | 16:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
はやぶさ2 人工クレーター実験に成功 JAXA

 小惑星「リュウグウ」の内部を調べるため、人工のクレーターをつくる世界初のミッションに挑戦した「はやぶさ2」について、JAXA)宇宙航空研究開発機構)は、小惑星の表面に金属の塊を衝突させることに成功し、クレーターが形成される際にできる噴出物を確認したと発表しました。

 「はやぶさ2」は小惑星「リュウグウ」に人工のクレーターをつくるため、5日午前11時まえに、高度500メートルで金属の塊を発射する「インパクタ」と呼ばれる装置を切り離しました。

 そして、その40分後の午前11時半すぎにインパクタは自動的に爆発して、小惑星の表面にクレーターをつくる金属の塊を秒速2キロの高速で発射したとみられます。

 JAXAは計画の成否を確認するため、「はやぶさ2」が切り離した小型カメラの画像を受信して、何が映っているのか詳しく調べました。

 その結果、衝突予定時刻の直後、小惑星の表面からクレーターができる際に飛び散る岩石などの噴出物がカーテン状に広がる様子が確認されました。

 このことからJAXAは、「インパクタから発射した金属の塊を小惑星に衝突させる実験に成功した」と発表し、会見でプロジェクトの担当者は「人工のクレーターがつくられている可能性が高い」と述べました。

 「はやぶさ2」は衝突で飛び散った岩石などが機体に衝突するおそれがなくなるのを待って、今月下旬にもリュウグウに接近し、上空から最終的に地表の様子を確認することにしています。

 JAXAの津田雄一プロジェクトマネージャは、「考えていた中でベストの結果を出すことができた。画像で衝突を確認できた際は、メンバーの間で大きな歓喜の渦が巻き起こった。今回の成功によって宇宙探査の新しい手段を確立することができた」と話しています。

◇「人工クレーター作られた可能性高い」
 金属の塊がリュウグウに衝突した直後の画像について、プロジェクトのメンバーでクレーターなどの科学観測を担当している神戸大学の荒川政彦教授は、「大きな岩石が壊れただけではこのような形で噴出物が出ることはあまりなく、人工クレーターが作られている可能性は高いと考えている」と話しています。

◇「これ以上望むものない」
 津田プロジェクトマネージャは、「大変興奮してます。やってみなければ分からない運用でした。そのために非常に綿密に、打ち上げたあとも、『リュウグウ』に着いたあとも、検討を進めてきました。それをすべて計画どおりできました。実際に予定した地点に衝突の反応とみられるものが観察できているので、これ以上望むものはない。そういう成功だと思ってます」と話していました。

◇噴出の画像から分かることは…
 荒川教授は、噴出物を捉えた画像から、「噴出物の右側は結構はっきりと見えていて、左側はちょっと薄く見えている。この理由については局所的に斜めになっている場所に当たった可能性と、太陽光の加減で片方だけが濃く見えている可能性がある。さらには左の方の表面は弾丸の大きさに比べてかなり小さな粒子があり、右側は大きい岩石があるといった不均質な場所に金属弾が当たった可能性もある」と話しています。
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食べ歩きや危険な撮影「迷惑行為」 鎌倉で条例

 年間2000万人以上の観光客が訪れる神奈川県鎌倉市で混雑した場所での食べ歩きや危険な場所での撮影などを「迷惑行為」と定め、観光客らにマナーの向上を呼びかける新たな条例が、今月施行されました。

 条例は、観光客のマナーをめぐり鎌倉市に苦情が多く寄せられていることから制定され、混雑した場所での食べ歩きや線路周辺など危険な場所での撮影、それに山道で歩行者を走って追い越す行為などを「迷惑行為」と定め、これらを行わないよう求めています。

 土産物店や食品店が並ぶ小町通りでは、今月1日に条例が施行されたあとも、ソフトクリームや菓子などを食べ歩きする観光客の姿が多く見られました。

 訪れた人の中には、「条例を知ったので食べ歩かないようにしますが、楽しみの一つでもあり人に言われることでもないかと思います」と話す男子高校生や、「食べ歩きは見た目もよくないし服に付くと迷惑になるので条例に賛成です」と話す70代の女性もいて、さまざまな受け止めがありました。

 創業およそ100年の和菓子店の店主は、「鎌倉は食べて、味わう観光もあるのでゆるやかに楽しめるよう条例という形でなくてもよかったように思います」と話していました。

 小町商店会の高橋令和会長は、「ごみのポイ捨ての問題もあり、マナーを守って安全、安心に楽しんでほしいです」と話していました。

 また、今回の施行をうけ、市内のハイキングコースでは、観光課の職員が歩行者を追い越す際には、走らずに歩くよう呼びかける案内板を設置し、マナーの向上を呼びかけていました。

 ハイキングに訪れた80代の男性は、「山の中を走る『トレイルランニング』の練習なのか、かなり速いスピードで走る人もいて危ないのでマナーを守ってほしいです」と話していました。

 一方、人気漫画に描かれた江ノ島電鉄の鎌倉高校前駅近くの踏切では、2日も車道や線路で撮影する外国人観光客が多くいて、中にはドローンを飛ばす人もいました。

 鎌倉市では、今後、多言語で条例を周知していくことにしていて、観光課の廣川正課長は、「条例は禁止や規制を促すものではないが、自らマナーを守って皆が楽しく過ごせる機会になればと思っています」と話していました。
| 環境とまちづくり | 22:39 | comments(0) | trackbacks(0) |
巨大ブラックホール83個発見 初期宇宙でつくられたか 愛媛大学

 地球からおよそ130億光年離れたかなたに、重さが太陽の数億倍もある巨大なブラックホールを83個見つけたと愛媛大学などの研究グループが発表しました。

 初期の宇宙でつくられたとみられ、宇宙の成り立ちの解明につながる発見として注目されます。

 ブラックホールは光を吸い込むため観測が難しく、まだ詳しい実態が分かっていません。

 このため、愛媛大学などの研究グループは、ハワイにあるすばる望遠鏡などで、強い重力に引き込まれたガスなどがブラックホールの周りで高温になり、明るく見える現象を観測するなどしました。

 その結果、地球からおよそ130億光年離れた場所に、重さが太陽の数億倍もある巨大なブラックホールを83個見つけたと発表しました。

 遠い天体の光が地球に届くには時間がかかるため、遠くに見える天体は古い時期につくられたもので、今回見つかった大量の巨大ブラックホールは、138億年前に宇宙が誕生してから130億年前までの8億年の間につくられたとみられるということです。

 愛媛大学の松岡良樹准教授は、「この大きさのブラックホールができるには10億年が必要だと考えられてきたが、今回の発見では初期の宇宙の8億年の間につくられたとみられ、宇宙の成り立ちの解明につながる手がかりとなる」と話しています。
| 環境とまちづくり | 08:21 | comments(0) | trackbacks(0) |