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英語の授業時間確保で小学校の夏休み短縮 静岡 吉田町
 静岡県吉田町は小学校での英語の授業時間を確保するため、来年度から夏休みを10日程度に短縮し、授業に充てるなどの新たなカリキュラムを22日夜、保護者側に説明しました。これに対して参加した保護者からは「夏休みの部活に出られなくなる」などといった不安の声も出ていました。

 小学校の英語の授業は学習指導要領の改訂で、授業時間が平成32年度までに段階的に増えることになっていて、その時間をどう確保するかは各地の教育委員会や学校にゆだねられています。

 これを受け、静岡県吉田町の教育委員会は全国に先駆けて、来年度から夏休みなどの長期休暇を短縮し、英語の授業時間に充てる新たなカリキュラムを策定し、22日夜、保護者側に説明しました。

 この中で、町の担当者が授業の日数を今より10日ほど増やし、年間で220日以上とすることやこれに伴い、夏休みを最も短いケースでは10日程度に短縮するなど、長期休暇を減らす方針を説明しました。

 これに対して、参加した保護者からは、「夏休みの部活に出られなくなる」などといった不安の声も出ていました。

 小学校4年生の男の子の母親(40)は、「町がすごく考えてやっているのは評価しますが、成果が本当に出るのか心配です。保護者の意見をもっと聞いてほしいし、野球をする長男は部活ができるか心配してます」と話していました。

◇教員の繁忙感解消も狙い
 吉田町の教育委員会の今回の取り組みは、教員の繁忙感の解消につなげる狙いもあります。

 小学6年生の時間割のモデルを見ますと、昨年度は1週間の授業のコマ数は27で、5時間目で終了する日が週3日、6時間目は2日あります。

 これを来年度はコマ数を週に2つ減らして25とし、4時間目で終了する日を週に2日設けます。新たなカリキュラムでは1日の授業時間数を減らすため、その分、登校する日を増やして吸収する必要があります。

 そこで、町の教育委員会では夏休みなどの長期休暇を短縮して、登校する日を増やし授業時間に充てようというのです。

 町の教育委員会によりますと、小学校の教員の残業時間は現在ひと月の平均で57.6時間ですが、この取り組みによって来年度は17時間余り減らせると試算しています。

 1日当たりの授業の時間を減らして教員の繁忙感を解消し、子どもたちと向き合う時間を確保することが狙いで、結果的に教育の質を高め、学力の向上につながるとしています。

 吉田町の田村典彦町長は、「先生に求められるのは質の高い授業だが、現実は急がしすぎて時間が少なく、授業の中身が薄くなり子どもの学力が高まらない。先生が余裕を持ち、入念に準備した内容豊かな授業につなげて、学力を確実に身につけさせたい」と話しています。
| 福祉・医療と教育 | 08:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
国連人種差別撤廃委員に洪恵子さん 日本人初
 あらゆる人種差別をなくすことを目指す人種差別撤廃条約の履行状況を監視する国連の委員会の委員に、日本人として初めて南山大学の洪恵子教授が選出されました。

 人種差別撤廃条約は、あらゆる形の人種差別をなくすことを目指して1965年に国連総会で採択されました。

 1995年に加入した日本を含め、現在178か国が締約し、国連の人種差別撤廃委員会が条約の履行状況を監視しています。

 その委員18人のうち半数を選ぶ選挙が22日、ニューヨークの国連本部で行われ、南山大学法学部教授で国際法が専門の洪恵子氏が、これまでの人権問題に対する国連への提言などが評価され、最多の132票を得て選出されました。日本人が委員に選出されたのは今回が初めてです。

 委員会は、日本でヘイトスピーチと呼ばれる民族差別的な言動が社会問題になっていた2014年、日本政府に対して法律を整備して規制するよう勧告したことがあります。

 洪氏への支持を各国に働きかけた日本の国連代表部は、「日本がより積極的に人権分野で貢献していく決意をアピールできる」と期待を示しています。

 洪氏はNHKの取材に対して、「責任を感じている。委員会として各国との建設的な対話が必要だ。それぞれの国の事情を理解したうえで、差別の撤廃に取り組みたい。教育分野やジェンダーの差別に関心を持っている」と抱負を語りました。

 洪氏は、来年1月から4年間の任期を務めることになります。
| 福祉・医療と教育 | 23:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
「コデイン」含んだ医薬品 12歳未満への使用禁止へ
 「コデイン」という成分を含んだせき止めの薬などの医薬品について、厚生労働省は、子どもが服用するとごくまれに呼吸困難などを引き起こすおそれがあるとして、12歳未満への使用を2年後をめどに禁止することを決めました。

 「コデイン」は、せき止めの薬などの成分として広く使われ、厚生労働省によりますと、この成分を含む市販薬はおよそ600種類、医師が処方する薬は65種類あります。

 アメリカではことし4月、コデインが呼吸困難などの副作用を引き起こすおそれがあるとして、医師による12歳未満の子どもへの処方が禁止されたことから、厚生労働省の専門家会議が対応を協議してきました。

 その結果、国内でもおととしまでの7年間に、コデインを含む薬を処方された少なくとも24人に呼吸困難などの症状が出ていたことがわかりました。

 厚生労働省の専門家会議は、副作用が生じるケースは少ないとしながらも、「特に子どもはまれに呼吸困難などの重い副作用が出るおそれがある」として、12歳未満への使用を禁止すべきだとする見解をまとめました。

 これを受けて、厚生労働省は2年後の平成31年をめどに、市販薬と医師が処方する薬の両方について12歳未満への使用を禁止することを決め、それまでは製薬会社を通じて、医療現場に注意を呼びかけることにしています。

 専門家会議の座長を務める国立成育医療研究センターの五十嵐隆理事長は、「コデインを含む薬によって国内で重い副作用が出たケースは比較的少ないが、アメリカの対応を踏まえ、あくまで予防的な措置として12歳未満への使用を取りやめることにした」と話しています。

◇海外でも使用制限の動き
 厚生労働省によりますと、コデインはせきを鎮める効果がある一方で、体質によっては呼吸困難などの副作用をまれに引き起こすおそれがあります。

 欧米では、子どもへの使用を制限する動きが広がっています。

 このうち、アメリカでは、コデインを含む薬について、市販薬は9年前に2歳未満の子どもへの使用が禁止され、今後、12歳未満まで対象を拡大する方向で検討が進められています。

 また、医師が処方する薬についても、ことし4月、12歳未満への使用が禁止されました。

 さらに、EUでも、おととし、医師が処方する薬と市販薬の両方について、12歳未満への使用が禁止されたほか、呼吸機能に障害がある12歳から18歳の患者には「使用を推奨しない」とされています。

 一方、国内では、医師が処方する薬については15歳未満の場合、患者の状態を見極めて少ない量から慎重に投与するとされています。

 また、市販薬は、15歳未満の子どもには保護者の指導・監督の下で服用させ、中でも2歳未満の乳幼児については服用はやむをえない場合にかぎるよう、添付文書に記載されています。

 厚生労働省は、「日本人は欧米人に比べて副作用が出やすい体質の人は少ないとされているが、重い副作用が生じるおそれを考慮して、12歳未満への使用を禁止することにした」としています。

◇重い後遺症が残ったケースも
 コデインが含まれる薬を飲んだあと呼吸困難になり、重い後遺症が残った子どももいます。

 中部地方に住む幼児は数年前、かぜの症状が出たため、家族が市販のかぜ薬を用量を守って飲ませました。すると、数時間後に顔色が悪くなり、42度の高熱が出ました。

 その後、自力での呼吸が困難になり、気管を切開して呼吸を助ける器具を取り付けました。このため声を出すことができなくなりました。

 病院で調べた結果、かぜ薬に含まれていたコデインによる中毒症状が原因と診断されました。

 父親は、「市販薬を飲んで命に関わる事態になるとは想像もしなかった。子どもからは笑い声も泣き声も出なくなってしまった。こうしたことが二度と起きないよう、国は対策を進めてほしい」と話していました。

◇含まれているかの確認方法は?
 コデインは、せき止め薬のほか「総合感冒薬」などと呼ばれるかぜ薬にも含まれていることがあります。

 家庭で購入した市販薬にコデインが含まれているかどうかは、製品の箱の側面や添付文書の「成分」の欄を見れば分かります。

 コデインは、製品によって「コデインリン酸塩」、「リン酸コデイン」、「ジヒドロコデインリン酸塩」などと表示されています。
| 福祉・医療と教育 | 20:35 | comments(0) | trackbacks(0) |
ハンセン病の差別撤廃へ 国連が特別報告者任命へ
 国連人権理事会はハンセン病に関わる偏見や差別の撤廃に取り組む「特別報告者」を新たに任命することを決め、今後、理事会が任命する独立した専門家が世界各国の現状を調査して、改善に向けた勧告などを行うことになりました。

 スイスのジュネーブで開かれている国連人権理事会の会合で22日、日本が中心となり43か国が共同で提案した「ハンセン病差別撤廃決議」が採択されました。

 決議では、「ハンセン病の患者やその家族に対して、根拠のない偏見や差別が世界の各地で今も根強くある」と指摘していて、偏見や差別の撤廃に取り組む「特別報告者」が新たに設けられることになりました。

 ハンセン病を専門に扱う特別報告者の設置は初めてで、今後、人権理事会が任命する独立した専門家が世界各国の現状を調査して、改善に向けた勧告などを行うことになります。

 ジュネーブ国際機関日本政府代表部の志野大使は、「日本が中心となって設置できたことを誇りに思う。根拠のない差別を世界からなくすためにも、日本としても新たな特別報告者を最大限支援していきたい」と話しています。
| 福祉・医療と教育 | 13:06 | comments(0) | trackbacks(0) |
「60代のひきこもり」増える理由
 50代、60代のひきこもり、さらに高齢化していくのは自明です。社会福祉の課題となるのも時間の問題ではないでしょうか。

◎「60代のひきこもり」が増えている
 (6月18日 プレジデントオンライン 畠中 雅子)

 「親亡き後」に突入するひきこもりの当事者が増えています。もし、何の対策もしなければ親の支援がなくなった途端、生活は行き詰まり、住まいも追われかねません。「働けない子どものお金を考える会」の代表を務めるファイナンシャル・プランナーの畠中雅子さんが、ひきこもりの子どもを持つ家庭の実態と対策について解説します――。

◇79歳男性のSOS「私が死んだら息子は……」
 関東に地方に住む79歳の男性はこう言います。

 「母親(妻)が亡くなって、働けない息子と2人暮らしをしています。もともと息子と会話する機会は少なかったのですが、この1年くらいは、お互いの顔もろくに見ていない状態です。私ももうすぐ80歳です。息子はひとりっ子、私が死んだら路頭に迷わせてしまうのでしょうか……」

 独り言とも、SOSとも取れる、しぼり出すような声でした。

 私は「働けない子どものお金を考える会」の代表を務めています。この会は、ひきこもり、ニート、あるいは障がいをお持ちのお子さんを抱えるご家族の家計を考える、ファイナンシャル・プランナーの集まりです。

 親だけでなく、お子さんの生涯、とりわけ親亡き後をどう生き抜いていくかを模索する「サバイバルプラン」を中心に資金計画を立てるお手伝いをしています。

 高齢化した「ひきこもり」が着実に増えている

 その活動もはや25年。四半世紀が過ぎました。

 アドバイスを始めた頃は、ひきこもりのお子さんの存在が世の中に認知されていたとはいえず、生活設計のアドバイスをすること自体、奇異な目で見られることも少なくありませんでした。同時に、「親が死んだ後の話をするなんて、縁起でもないことを言うな」と、当事者の家族から怒られたこともありました。

 25年という時間が流れ、「ひきこもり」という言葉が理解されるようになった今では、私たちが提唱している「サバイバルプラン」を受け入れ、具体的な計画を立て、実行に移してくれるご家庭が増えてきています。

 とはいえ、それは、ひきこもりのお子さんの数が増えている現実を表すだけではなく、後述するようにひきこもりの状態から抜け出せないまま、お子さん自身が高齢化している現実も意味しています。

◇「50代はもう珍しくありません。最近は60代もいます」
 私たちが提唱する「サバイバルプラン」とは、働けない状態がこの先も続くと仮定して、親が持つ資産でどうやって生き抜いていくかを考え抜くプランです。

 親が持つ資産というと、金融資産だけをイメージする人が多いのですが、不動産活用も重要なポイントです。親亡き後も、住み続けられる住まいを確保できなければ、生活は行き詰まってしまいます。

 住まいを確保する方法として、都市部では賃貸併用住宅への建て替えが選択肢になります。一方、地方在住の場合は、老朽化した家から築浅の家への住み替えを促します。また、親に介護が必要になった場合に備えて、親子別居のプランを立てるケースもあります。

 サバイバルプランの具体的な手法については、この連載で徐々に触れていきます。なかでも最近、深刻化しているのは「働けないお子さんの高齢化」です。

 親は80代以上というケースが増加「待ったなしの状態」

 私のご相談者の中には、お子さん側がすでに60代に入られたケースが何例も出てきています。50代のご相談者は、もう珍しくありません。ご相談者の親御さんの年齢が80代というケースも増えていて、中にはすでに「親亡き後」へ突入している人も出てきています。ひきこもりの高齢化は、待ったなしの状態になってきているのです。

 ひきこもりのお子さんが高齢化すると、「就業は絶望的であり、お子さん自身の生活設計など立てられない」と考えるのが一般的かもしれません。しかし、「早めの対処・対策」を立てることによって、親も子もサバイバルすることは可能です。

◇「全く働けない子ども」が2人以上いる家庭も増えた
 「高齢化」のほかに見逃せない問題は、ひとつのご家庭に、「働けない状態のお子さんが複数いる」というケースのご相談が増えていることです。2人とも働けないだけではなく、中には3人や4人のお子さん全員が働けない状態のご家庭もあります。

 働けない状態にあっても障がい年金を受給することなどで、サバイバルプランが成り立つケースもありますが、本来なら「親亡き後」に手続きなどで力を貸してくれるはずのご兄弟がいないという、別の問題を抱えていることになります。

 さらに親側にとっても子ども側にとっても厳しいのは、親が持つ資産が減ってきていることです。企業業績は改善していますが、給与相場はそれほど上がっていませんし、年金受給額も減っています。

 ひきこもりの子を支える親の資産は減っている

 私が相談を受け始めた25年前は、ご相談者の多くが、親(お子さんにとっての祖父母)の持つ資産でサバイバルプランが成り立ちました。ところが、時間が経過するごとに親側の資産に余裕のないご家庭が増え、現在、サバイバルプランが成り立つのはご相談者の半分程度に減っています。

 サバイバルプランが成り立たないと思われるご家庭こそ、先ほど申し上げたように早めの対策が必要になります。

 資産の少ないご家庭は、厳しい現実に向き合わない傾向があります。「子ども自身がなんとか収入を得てくれれば……」といった現実的とはいえないプランしか立てていないケースが多いのです。厳しい現実から逃避しても、明日や明後日の生活に困るわけでもありません。しかしそれは、いつか訪れる「親亡き後」について先送りしたまま、あるいは考えることをフリーズしたままにしているだけです。

 「親亡き後」のお子さんの生活を守るためには、この先も働けない状態が続くという現実を受け入れる勇気が、何よりも重要です。資産が少ないご家庭ほど、1日も早くサバイバルプランづくりに取りかからなくてはいけません。

◇今、働いている子が突如、働けなくなる日
 また、ひきこもりの問題というと、ごく一部のご家庭の問題であり、自分の家庭とは関係のない話だと捉える方も多いでしょう。ですが、ひきこもり状態ではなくても、フリーターやニート(仕事も通学も求職もしない)のように、定職についていないお子さんが増えている現状*を考えれば、ひきこもり家庭の状況は決してひとごととは言い切れないはずです。

(編注)
 2017年版「子ども・若者白書」によれば「ニート」を含む若年無業者数(15〜39歳)は2016年で約77万人と依然高い水準にある(ニートの割合は男性2.8%、女性1.6%)。この白書は調査対象の年齢が39歳までであり、実際は40歳以上の者もかなりの数にのぼると推測できる。

 「新卒で働き始めた会社で、老後の手前まで働く」というのは、親の世代には常識として通じても、お子さんたちの世代にとっては難しい現実になってきています。「一生働ける仕事に就く」という願いでさえも、かなわない現実があるのだと受け入れる覚悟が必要です。「働けない状態の子どもを抱える」というリスクは、どのご家庭にも起こりえます。そうした現実を、一人でも多くの方に知っていただきたいと思います。
| 福祉・医療と教育 | 09:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
がん患者に子ども持てる可能性を 初の指針
 がん患者が、抗がん剤などの治療が原因で生殖能力を失い、治療後に子どもを持てなくなる事態を防ごうと、日本癌治療学会は、抗がん剤の使用前に卵子を取り出して凍結保存するなどの対策や、手順を具体的に定めた初めてのガイドラインをまとめました。

 国内では新たに、がんと診断される40歳未満の患者は、毎年およそ2万人いますが、がん治療の過程では、卵巣や精巣がダメージを受けて生殖能力を失うことがあり、アメリカの学会の報告では治療法によっては、患者の7割以上が治療後に子どもを持つことができなくなるとされています。

 日本癌治療学会は、若いがん患者でも治療後に子どもを持てる可能性を残すため、初めて医師向けのガイドラインをまとめました。

 ガイドラインは、およそ180ページで、がんの治療を最優先としながらも、がんの治療後に子どもを持てなくなるリスクがあることを患者に伝えることや、生殖機能に与える影響を考慮して治療を進めること、それに、患者が必要としたら、可能なかぎり、速やかに生殖医療の専門医を紹介すべきだとしています。

 そのうえで、乳がんの場合には、摘出手術のあとに行う抗がん剤治療の開始を、最大で12週間遅らせ、その間に卵巣から卵子を取り出して凍結し、保存できるケースがあることや、子宮頸がんについては、腫瘍の直径が2センチ以下で、子宮のけい部にとどまっていれば、子宮全体を摘出せず、治療後に妊娠できる可能性を残せることなど、がんごとに具体的な手順を盛り込んでいます。

 学会の理事で、慶応大学の青木大輔教授は、「治療法が進んで、がん患者の生存率が上がる中、治療後に子どもを持つ可能性を考慮することが重要な課題となっていて、このガイドラインが広く共有されるようになってほしい」と話しています。

 このガイドラインは、患者やその家族のために、来月下旬には全国の一般の書店でも販売される予定です。

◇「女性の生殖器のがん」
 若い患者が増えている子宮頸がんについては、10年ほど前まで再発の危険性が不明確であったことから小さな腫瘍であっても子宮をすべて摘出し、不妊になるケースがほとんどでした。

 しかし、ガイドラインでは、腫瘍が直径2センチ以下で、子宮のけい部にとどまっていれば、一部だけを摘出する最新の手術方法によって、再発の危険性を抑えながら、生殖機能を残せる可能性があるとしています。

◇「乳がん」
 女性で最も患者が多い乳がんについては、がんの摘出手術のあとに行う抗がん剤治療について、できるだけ速やかに実施すべきだとしながらも卵巣から卵子を取りだして凍結保存するために最大で12週間遅らせることができるとしています。

 一方で、ほかの臓器に転移するなど最もがんが進行した状態のステージ4の患者やがんが再発した患者は、母体の安全が保証できないため、治療後も妊娠は勧められないとしています。

◇「泌尿器がん」
 若い患者が多い精巣がんについては、標準的な抗がん剤治療を行った場合、1年以上経過した時点で2割から4割の男性が精子が全くない無精子症になっているとする海外の研究データを示したうえで、少なくとも全身を対象にした抗がん剤治療を行う場合は、可能な限り治療前に精子を採取して凍結保存することを推奨しています。

◇「小児がん」
 小児がんは治療技術が飛躍的に進歩し、10年後に患者が生存している割合は、7割を越えていると推計されていて、生殖機能を残す対策が重要な課題となっています。

 思春期より前の子どもの患者は、生殖器が成熟しておらず、卵子や精子を採取できないため、ガイドラインでは女の子の場合は、切り取った卵巣の一部を凍結保存する方法が唯一だとしています。

 ただし、卵巣の凍結保存は国内で実施された報告が少なく、研究段階であるため、日本産科婦人科学会の登録施設で行うことを勧めています。

 また、男の子の場合、国内では精巣の凍結保存は実施された報告がなく、研究段階のため、現時点で、生殖医療による対策がないのが現状だとしています。

◇「血液のがん」
 急性白血病の場合、標準的な抗がん剤治療で女性が生殖機能を失う確率は3割未満とされています。

 一方で、がんの進行が速いため、治療を最優先にすべきだとしていますが、初回の治療の時から卵子の凍結保存をどのタイミングで行うのかなどについて、生殖医療の専門医と相談することを推奨しています。

 一方、男性が生殖機能を失う可能性は低いとしていますが、治療前に精子を採取して凍結保存することを勧めています。

◇「骨のがん」
 骨などのがんである悪性骨軟部腫瘍(こつなんぶ)については、使用される抗がん剤に、生殖機能にダメージを与える薬が多いため、治療前に生殖医療の専門医と相談して卵子や精子を凍結保存するなどの対策が必要だとしています。

◇「脳腫瘍」
 脳腫瘍については、頭部の手術や放射線治療などによって、脳内からホルモンが分泌されなくなり、卵巣や精巣の機能が低下する可能性があるとしています。

 この場合、事前に卵子や精子を凍結保存する必要はないものの、将来、子どもをもつためにホルモンを補充する治療を受けることなどを勧めています。

◇「消化器がん」
 消化器のがんは、高齢の患者が多く、40歳以下の患者は1%程度で、若い患者では遺伝性のがんである可能性が少なくないとされています。

 このため、治療前に精子や卵子を凍結して保存する対策があるとする一方で、遺伝性のがんと診断された場合は、子どもががんになるリスクなどについて専門的なカウンセリングを行うべきだとしています。

◇「患者をフォローする医療体制を」
 若いがん患者の中には、抗がん剤や放射線治療によって不妊になる可能性があることを医師から十分に説明されないまま治療を行い、その後、不妊に悩む人も少なくありません。

 横浜市に住む赤坂友紀さん(39)は、10年前の29歳のときに乳がんが見つかりました。

 抗がん剤による治療が将来の妊娠に影響を与えないか担当の医師に相談しましたが、当時は治療後の妊娠出産に対する知識が浸透していなかったことなどから、医師からは一時的に抗がん剤の影響が出るものの、不妊になる心配はないと簡単な説明を受けただけだったといいます。

 しかし、抗がん剤治療で止まった生理が1年たっても戻らないため、心配になって産婦人科で卵巣の働きを調べる検査をした結果、閉経したと告げられたといいます。

 赤坂さんは、当時の心境について、「当初の話は何だったのだろうと恐ろしく感じました。乳房に続いて抗がん剤の影響で髪の毛も失い、最後には閉経して妊娠出産ができなくなったと言われたので、もう私には女性らしさが残されておらず、どうやって生きていけばいいのだろうという思いでいっぱいだった」と振り返ります。

 赤坂さんはその後、4年半にわたってホルモンを投与する不妊治療を続け、妊娠、出産することができました。

 こうした経験から今回のガイドラインの必要性を感じていて、「私は何も知らされずに悔しい思いをしたので、閉経の可能性や卵巣へのダメージについて、きちんと説明してもらい、妊娠できる可能性をどうしたら残せるのか示してもらえるようになるのはすごく大きな一歩だ」と話しています。

 そのうえで、「がんの専門医だけでなく、生殖医療の専門医や、不妊カウンセラーなどさまざまな分野の人が連携して患者をフォローする医療体制が必要で、ガイドラインはその大きな一歩になってほしい」と訴えています。

◇医師「生殖医療施設との連携増えるのでは」
 日本癌治療学会がまとめたガイドラインについて、乳がんの専門医で、聖マリアンナ医科大学の津川浩一郎医師は、「がんの治療医は患者の命を助けることが第一の使命なので、卵子の凍結保存など生殖機能を残すためにどれだけ治療を遅らせてもいいのか悩み、一歩を踏み出せない現状があった」としたうえで、「ガイドラインができたことによって、全国共通の指標ができるので、生殖医療施設と連携して治療を進める医師が増えるのではないか」と話しています。

◇日本産科婦人科学会「健康な人には勧めず」
 一方で晩婚化が進む中、健康な女性が、将来の妊娠出産に備えて若い時に卵子を凍結保存する動きについては、日本産科婦人科学会が「基本的に推奨しない」としています。

 学会では、卵子の採取には卵巣の出血や感染症を引き起こすなどのリスクがあり、「妊娠や出産は適切な年齢で行われることが望ましく、その代替方法として用いるべき技術ではない」としています。
| 福祉・医療と教育 | 14:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
“卵子の質を改善“ 新不妊治療で4人が出産成功
 本人の細胞の一部を卵子に移植する新しい方法を使って、国内で初めて4人の女性が体外受精での出産に成功したと、大阪市にある不妊治療専門のクリニックなどで作るグループが発表しました。

 これは、大阪市北区にある不妊治療専門の「HORACグランフロント大阪クリニック」などで作るグループが21日発表したものです。

 この方法は、加齢などで老化した卵子を体外受精させる際、本人の細胞から取り出した「ミトコンドリア」というごく小さな器官を移植することで卵子の質が改善し、妊娠しやすくなるとされるものです。

 グループは臨床研究で、この方法を使った受精卵を21人の女性の子宮に戻した結果、27歳から36歳までの4人の女性が、国内では初めて無事に出産したということです。

 HORACグランフロント大阪クリニックの森本義晴院長は、「卵子の状態が悪く、出産を諦めかけていた女性が出産できたことで、この治療法が新たな希望になったことをうれしく思っています」とコメントしています。

 この技術をめぐっては、日本産科婦人科学会がおととし、「科学的な効果は十分に検証されておらず、初期の研究や実験段階の治療法だと考えられる」との見解を示したうえで、臨床研究の実施を承認していました。
| 福祉・医療と教育 | 11:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
寝る前3分 自律神経整える方法
 「疲れているのに眠れない」と言う方には、脳をリラックスさせることが必要です。

◎寝る前3分。寝たままできる!自律神経を整える4つの方法
 (2017年06月14日 19:32 Life & Aging Report)

 上質な眠りは最高のエナジーチャージ。寝ないといけないって分かっているけれど「疲れているのに眠れない」という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。それは自律神経のバランスが悪く、脳が緊張しているから入眠できないのです。

 身体の緊張がほぐれていても、脳の緊張が取れないと入眠に時間がかかり、良い睡眠を得ることができません。脳をリラックスさせるカギは、自律神経。活動時に優位な交感神経から、リラックスして休息時に優位な副交感神経へのスイッチを切り替えることで眠りやすい状態へと導きます。今回は「自律神経を整えるストレッチ」をご紹介します。

■自律神経の働きを妨げるNG行動
1.寝る直前までスマホを見る。(ブルーライト)

2.寝る2時間前までに食事を済ませない。

3.寝る直前の激しい運動。

4.寝る前の飲酒。

5.睡眠1時間前に熱い湯船につかる。

6.長電話。

7.仕事の資料を読む。

8.考え事をする。

 上記にご紹介したものは、交感神経を優位にしてしまいます。副交感神経を優位にするためにも、寝る前はこのような行動を控えましょう。

■自律神経を整える4つの方法
1)首の筋肉をほぐす
1.枕を外し、頭を動かしやすい状態にします。
2.頭の重みで首を左右に揺らします。肩に顔を近づけるイメージで首の筋肉を伸ばします。呼吸を止めずに行ってください。

 仰向けで肩が固定された状態だと、首の筋肉だけに働きかけやすい状態になります。起きているとき、常に頭を支えている首は、寝ているときこそ筋肉がほぐしやすいときです。首の筋肉がほぐれると、フェイスラインから首を通り、鎖骨下リンパへ老廃物を排出しやすい状態となります。また、首の骨「頸椎」には、神経が通っています。首周辺の筋肉をほぐしてリラックスさせる状態は、自律神経を整えることにつながります。

2)目の筋肉をほぐす
1.目をギュッと5秒つぶります。

2.目をパッと開きます。閉じて開いてを10回程度繰り返し、目の周辺の筋肉をほぐします。 スマホやデスクワークなどで、目の神経は一日中酷使され、疲れがたまった状態になっています。視神経と脳は密接な関係にあると言われていて、目が疲れて頭痛がするとか、目の調子が悪いと思ったら脳に原因があったという話はよく聞く話です。目の周辺の筋肉をほぐすことで、神経の緊張もほぐれます。

3)頭の筋肉をほぐす
1.側頭部を手のひら全体で押します。こめかみから頭頂部に向かってゆっくりと押します。呼吸を止めずに3往復します。目の周辺だけでなく、側頭部までの緊張をほぐすことにより、自律神経のバランスを整えます。 目は、近くを見たり遠くを見たりすることで自律神経のバランスをとっています。しかし、現代社会では電子機器の普及により、近くを見続ける機会が増えて、自律神経のバランスが崩れる環境が多いです。目尻から側頭部までの緊張をほぐし、リラックスさせることで自律神経のバランスを整えます。

4)呼吸で身体の内側から整える
1.腕を身体の横に置き全身の力を抜きリラックスします。

2.ゆっくりと深く長い呼吸を10回行います。脚・骨盤・背骨・腕・頭の力が抜けていくことをイメージしながら呼吸しましょう。深い呼吸は副交感神経が優位に導き、自律神経が整います。

 睡眠時には、成長ホルモンがでて細胞の再生につながります。どんな高価な美容液よりも、上質な睡眠が美肌をもたらします。もちろん、健康にもよい影響をもたらすことは言うまでもありません。ぜひ寝る前の習慣にしてみてください。

(日本ウォーキングセラピスト協会代表理事 長坂 靖子)
| 福祉・医療と教育 | 09:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
60歳以上の半数超が車運転し買い物に 「高齢社会白書」
 政府は16日の閣議でことしの「高齢社会白書」を決定し、店舗で日常の買い物を行っている60歳以上の人の半数以上が自分で車などを運転して買い物に行くとして、地域の公共交通の確保など、高齢者の暮らしやすい環境の整備が課題だと指摘しています。

 ことしの「高齢社会白書」では、内閣府が去年、全国の60歳以上の2900人余りを対象に行った高齢者の経済や生活環境に関する意識調査の結果を特集しています。

 それによりますと、経済的な暮らし向きについて、「心配ない」と回答した人が64.6%だったのに対し、「心配だ」は34.8%でした。

 一方、日常の買い物の方法を尋ねた質問では75.9%が「自分で店に買いに行く」と回答し、こうした人に買い物に行くときの主な交通手段を尋ねると、55.6%が「自分で自動車等を運転」と答えました。

 特に、人口が10万人未満の市や町や村で暮らす人では、「自分で自動車等を運転」と回答した人の割合が60%台後半と高い傾向になっています。

 白書では、「加齢などで自動車の運転が難しくなると、自力では食料品などの調達が困難になる可能性がある高齢者が少なくない」として、地域の公共交通の確保や移動販売の取り組みも含めて、高齢者の暮らしやすい生活環境の整備が課題だと指摘しています。
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園児2人死亡 川崎市が会見「感染症示す結果出ず」
 川崎市の幼稚園に通う園児2人が発熱などの症状を訴えて、相次いで死亡した問題で、16日夜、市が会見を開き、市が依頼した国立感染症研究所などの、これまでの調査で、2人の血液から強い病原性があるウイルスや細菌による感染症であることを示す結果は得られなかったと明らかにしました。

 幼稚園は今月25日まで休園し、市は引き続き、死亡した原因を詳しく調べることにしています。

 この問題は、川崎市川崎区にある私立、大師幼稚園に通う、いずれも4歳の男の子と女の子の園児2人が自宅から病院に搬送され、今月6日と今月12日に相次いで死亡したものです。

 2人のうち、女の子は発熱やおう吐、胸の痛みを訴えていたほか、男の子は発熱以外にもけいれんを起こしていたということです。

 川崎市では、2人が短期間に相次いで死亡したことから、感染症の可能性が否定できないとして、市の検査機関とともに国立感染症研究所に依頼して、血液のウイルスや細菌の有無を調べました。

 川崎市は、16日午後7時から会見を開き、これまでの調査で、強い病原性があるウイルスや、細菌による感染症であることを示す結果は得られなかったと明らかにしました。

 そのうえで、これまでに市内の医療機関を訪れた、同じ幼稚園に通う園児などについては、特異な病原体などは見つかっておらず、市は「今回の幼稚園や周辺の地域で、強い病原性のあるウイルスや細菌が流行している状況ではなく、現時点では日常生活を送るのに問題はないと判断している」としています。

 一方、幼稚園は園児の安全と健康を再確認したいとして、休園期間を当初より1週間延長して25日まで休園するということです。

 川崎市は、市の検査機関や国立感染症研究所でさらに詳しい検査を進め、死亡した原因を調べることにしています。
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