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がん在宅療養の「一時避難所」
 「一時避難」的な有床診療所が無かったこと自体がビックリしました。

◎<がん患者>在宅療養の「一時避難」に 墨田区に有床診療所
 (2017年10月21日 15:27 毎日新聞)

 がんを抱えて自宅で療養する患者が、「いざ」というときに入院できる有床診療所が、東京都墨田区に誕生した。

 一般に、在宅療養の患者が緩和ケア病棟などへ入院する手続きは煩雑だが、家族の事情などで一時的な入院が必要になることは多い。

 このような患者の「急な入院」のための有床診療所開設は全国でも珍しく、関係者は「各地に広がってほしい」と話す。

 取り組みを始めたのは「クリニック川越」(川越厚院長)。今年9月、クリニックの建物内に整備したのはわずか2床。「小さな宿泊所」と名付けた。白い壁、木目調の建具、間接照明の病室は温かな雰囲気だ。「あくまでも家庭の延長。病院のようにしたくなかった」と川越さん。

 がんが進行し、自宅で過ごす患者の中には、介護する家族が疲れたり、体調を崩したりする場合や、一人暮らしで不安が大きくなる場合がある。

 長く在宅療養患者を診てきた川越さんは、「気軽に利用できる一時的な『避難所』が必要」と感じていたという。

 グループホームなどの開設は条件が厳しく、自宅にいるときと同じ医師や看護師とのつながりも維持できる有床診療所という形態を選んだ。

 川越さんは、「自宅でつらくなった際、患者や家族が我慢したり、不自由な病院へ入ったりしないで済む選択肢にしたい。自宅で過ごす患者の心の支えになりたいから、採算のためにベッドを埋めることは考えていない」と話す。開所以来の利用者は2人だという。

 入院中は、同クリニックの患者を支援してきたボランティアがケアに当たることも特徴だ。

 ボランティアの養成・運営を担うNPO法人「在宅ホスピスボランティアきぼう」の川越博美代表は、「ボランティアの存在によって日常性を継続できる。きちんとした医療を提供しながら、新しいケアの形を目指したい」と話す。

 NPO法人の活動などを支援するチャリティーコンサートと講演会が27日午後6時から開かれる。会場は本所地域プラザ(墨田区本所)。参加費1000円。問い合わせは同法人事務局(03・5669・8302)。
| 福祉・医療と教育 | 15:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
病気腎移植 保険適用の先進医療に承認可能との見解
 がんの治療で摘出した腎臓を腎不全の患者に移植する「病気腎移植」について、厚生労働省の専門家会議は医療費の一部が保険適用となる先進医療に条件付きで承認できるとする見解をまとめました。

 病気腎移植は、がんなどの治療で摘出した腎臓を腎不全の患者に移植する手術です。

 平成18年に愛媛県の宇和島徳洲会病院などで実施されていたことがわかり、日本移植学会などが安全性や倫理面に問題があるなどと指摘しましたが、病院を運営する徳洲会はその後、医療費の一部が保険適用される先進医療として、厚生労働省に申請していました。

 厚生労働省は19日、専門家による会議を開き、腎臓の摘出手術をする前に、手術の内容などについて患者に十分説明することや、日本移植学会の医師など第三者を交えて移植の妥当性を審査してから実施するなどを条件に、先進医療として承認できるとする見解をまとめました。

 病院の計画では、対象とするのはがんの大きさが7センチ以下で部分切除が難しく、腎臓を摘出することに患者が同意した場合で、腎臓からがんを取り除いたあと腎不全の患者に移植し、9年間で42例実施して有効性などを検証するとしています。

 厚生労働省では、さらに別の専門家の委員会で検討し、社会的に妥当だと判断されれば先進医療に認められることになります。

 これについて、徳洲会は、「腎移植を待っている患者に新たな道ができた。治療成績をしっかり比較し運用していきたい」としています。
| 福祉・医療と教育 | 08:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
国民年金の保険料 延滞金約4億7000万円徴収できず
 国民年金の保険料の滞納者に対する強制徴収の実施状況について、会計検査院が調べたところ、日本年金機構が文書で催促するなど適切な対応をしなかったために徴収できていない保険料の延滞金が、昨年度までの3年間でおよそ4億7000万円に上り、このうち1億7000万円余りが時効で回収できなくなっていることがわかりました。

 国民年金には全国の自営業者などおよそ1500万人が加入していますが、保険料の納付率は65%にとどまっていて、日本年金機構は一定の所得がある滞納者に対し、未納期間分の延滞金を請求するとともに、財産を差し押さえるなど強制徴収の手続きを進めています。

 会計検査院が昨年度までの3年間に25の都道府県のおよそ150の年金事務所が行った強制徴収の手続きを調べたところ、延滞金およそ4億7000万円が徴収できていないことがわかりました。

 このうち1億7000万円余りはすでに時効で、回収できなくなっているということです。

 検査院によりますと、年金機構は延滞者が未納の保険料を支払ったあとに延滞金の納付書を1度送付しただけで、その後、文書で催促するなどの適切な対応をしていなかったということです。

 会計検査院は日本年金機構に対し、延滞金についても文書や電話などで繰り返し催促し徴収するよう求めることにしています。

 日本年金機構は、「国民年金事業に関する検査は受けているが、詳細な中身は現時点では確認していない」と話しています。

◇国民年金の現状と強制徴収
 国民年金は、国内の20歳以上60歳未満のすべての人に加入が義務づけられている公的年金のうち、自営業者やパート従業員などが加入するもので、今月1日の時点でおよそ1503万人が加入しています。

 しかし、保険料の納付率は昨年度の時点で65%にとどまり、2年以上滞納している人は179万人に上っています。

 このため、日本年金機構は、滞納が続いている人に対して、文書や電話、戸別訪問を繰り返し支払いを求めていますが、それでも応じない場合は一定の所得がある人などに限り強制徴収の手続きを進めています。

 強制徴収では、改めて支払いを求める「催告状」や「督促状」を送ったうえで、それでも払わない場合、最高で年14.8%の延滞金を課したり、所得や資産の状況によって、預貯金など財産を差し押さえたりします。

 昨年度の時点で強制徴収の手続きを始める際の最終催告状の送付は8万5000件余りに上り、財産の差し押さえはおよそ1万4000件となっています。

 一方、こうした未納の保険料の徴収のためには年間70億円以上の費用がかかっており、いかに滞納者を減らし、未納分についても効率的に回収していくかが課題になっています。
| 福祉・医療と教育 | 15:26 | comments(0) | trackbacks(0) |
“追い詰められて自殺”男子中学生の遺族「指導の見直しを」
 ことし3月、福井県池田町で、校舎から転落して死亡した男子中学生について、町の教育委員会が設置した第三者委員会が、担任などからの厳しい指導で追い詰められて自殺したと結論づけたことを受けて、15日夜、保護者会が開かれ、「先生たちがきちんと受け止めて指導を見直してほしい」とする、遺族からの手紙が紹介されていたことがわかりました。

 福井県池田町の中学2年の男子生徒(14歳)は、ことし3月、校舎から転落して死亡し、町の教育委員会が設置した第三者委員会は、担任などから繰り返し厳しい指導を受けたことで追い詰められて自殺したとする調査報告書を15日公表しました。

 家族が担任らと話し合うなどしても指導方法は変わらず、ほかの教員も適切な対応をとらなかったとしています。

 公表に先立って、15日夜、中学校の保護者会が非公開で開かれ、この中で、出席者の1人から生徒の遺族の手紙が紹介されていたことがわかりました。

 複数の関係者によりますと、「亡くなったことを忘れないでほしい。先生たちがきちんと受け止めて指導を見直し、保護者に説明してほしい」などとする内容だったということです。

 教育委員会は、学校の対応に問題があったとして、生徒への指導に関する情報をすべての教職員で共有するほか、保護者に定期的にアンケートを行って意見や要望を学校運営に反映させるなどの再発防止に取り組むとしています。

◎福井中2自殺、叱責で過呼吸や土下座も 報告書「逃げ場のない状態に追い詰められていた」
 (2017年10月16日 12:02 産経新聞)

 福井県の池田町立中学校で3月、担任らからの厳しい指導を受け、2年の男子生徒=当時(14)=が自殺した問題で、叱責を受けていた際に生徒が過呼吸の症状を訴えたり、土下座しようとしたりするなど精神的に追い詰められていたことが分かった。

 町教育委員会が設置した調査委員会の報告書によると、生徒は生徒会の副会長を務めていたが、昨年10月、参画していたマラソン大会の運営で担任から校門前で準備の遅れを怒鳴られ、目撃した生徒は「身震いするくらい怒鳴られていた」と証言したという。

 11月には、宿題を忘れた理由を、生徒が生徒会や部活動としたのを、副担任が注意。「宿題ができないなら、やらなくてもよい」とすると、生徒は「やらせてください」と土下座しようとしたとしている。

 生徒は母親に「僕だけ強く怒られる。どうしたらいいのか分からない」と泣きながら訴えて登校も渋ることもあり、母親が副担任を変更するように要望したこともあったという。

 だが、今年に入っても生徒会活動に関し、担任から「お前やめてもいいよ」と大声で怒られ、自殺前日の3月13日には宿題の提出ができないことを副担任に問われ、過呼吸を起こした。

 過呼吸の際、事情を聞いた担任は自身で解決可能と考え、家庭や校長に報告しなかったという。報告書は「担任、副担任とも生徒の性格や気持ちを理解しないまま大声での叱責や執拗な指導を繰り返し、生徒が逃げ場のない状況に追い詰められた」としている。
| 福祉・医療と教育 | 09:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
セルフネグレクト 若年層にも
 若年層がセルフネグレクトには、あまり自覚がなく明確なきっかけが掴めない事が少なく無いそうです、それだけに深刻とも言えます。

◎“緩やかな自殺”セルフネグレクトが若年層にも増えてきた理由とは
 (2017年10月12日 08:03 教えて!goo ウォッチ)

 ゴミ屋敷の問題が語られるときのキーワードにセルフネグレクトがある。生活に必要な自身の身の回りのことにすら気を使えなくなって、最悪のケースでは孤独死に至ることもあり、緩やかな自殺とも呼ばれる状態に陥ることだ。

 高齢者に多いとされていたが、若年層にも増えているという。「教えて!goo」に寄せられた「部屋の掃除が出来ない、床にちらばっている空き缶を拾う気力もない」という相談の回答にも「セルフネグレクトの延長ではないか」との意見があった。ゆうメンタルクリニックの森しほ先生に話を聞いてみた。

■なんとなく。セルフネグレクト
 認知症になったり身体機能が衰えたりする高齢者の場合、身の回りのことが億劫になる理由が想像しやすいのに対し、若年層の場合は原因の見当がつかない。

 森先生は、「若年層がセルフネグレクトに至る心理には自己嫌悪や無価値観といった感情が関わっています」と述べ、「実はその感情にあまり自覚がなく、深刻なセルフネグレクトに至るまでの明確なきっかけが掴めないことも少なくありません」と明かす。

 うつ病などの精神疾患、いじめ、進学の失敗など分かりやすい状況があれば、解決策も見えてくるかもしれないが、そうでない場合はセルフネグレクトの状態から抜け出すのにも困難が待ち受けていそうだ。

 きっかけにも明確な理由はなく、「“なんとなく”人付き合いが面倒になってきた、“なんとなく”家のことが面倒になってしなくなった、という部分から始まることも多い」(森先生)そうだ。

■自分を大切にする感覚の欠如
 職場など外ではしっかりしているのに、「家ではだらしなくしている」と話す人は、筆者の身の回りにもたくさん存在する。ゴミ屋敷の主にならないまでも、仕事で気が張っているぶん、一人になると気が緩むのだろう。

 森先生も、「疲れていたり嫌なことがあったりして、様々なことが面倒になることは誰にでもあります」と理解を示す。一方で、「そういった『なんとなく、面倒くさいからしない』の状態が継続してしまうのがセルフネグレクトの特徴です」と続ける。

 体力や気持ちが回復すれば、ゴミ出しや水回りの掃除など最低限のことを自然とするようになるのが通常だが、生活環境が悪化してもなお“面倒くさい”を引きずってしまうのはなぜなのか?

 森先生は、「特に若年層のセルフネグレクトでは、そもそも『自分を大切にする』という感覚自体が育っていない人も少なくなく、生活を維持していく最低基準が低いケースも多く見受けられます」と説明する。

■習慣を維持できず深刻化
 セルフネグレクトの兆候とも言える現象は、ゴミ出しや最低限の掃除を怠ることだけではない。「お菓子やインスタント食品で食事を済ませる、お風呂に入らない、夜更かしするといった行動」(森先生)も挙げられる。

 自身にダメージを与える行為にも関わらず、「『自分を粗末に扱っている』という自覚がなく、それを注意してくれる人がいないためにエスカレートしてしまい、生活を立て直すことが出来ないと、深刻な状態に発展してしまう」(同)のだ。

 森先生は、「片付けも食生活も、習慣です、習慣は、毎日行っていれば苦にならないもの。ですが逆に、毎日行っていないと、とてつもなく面倒に感じてしまうのです」と忠告する。

 次回は周囲ができるサポートについて話を聞いてみよう。

※専門家プロフィール:森しほ
 ゆうメンタルクリニック産業医、皮膚科医。同クリニックグループ(上野院、池袋東口院、新宿、渋谷院、秋葉原院、池袋西口院、ゆうスキンクリニック池袋西口院)は、心安らげるクリニックとして評判が高い。

(武藤章宏)
| 福祉・医療と教育 | 09:32 | comments(0) | trackbacks(0) |
高齢者が赤信号を平気で渡る理由
 標記は、あらゆる老化による体の変化があるそうです。マンツーマンで応対する事が大事という事でしょうか。また、高齢者は聞こえたふりをすることがあることに注意する必要がありそうです。

◎「赤信号を平気で渡る老人」への大きな誤解 「老人の困った行動」はボケが原因と限らない
 (10月9日 東洋経済オンライン 平松 類)

 人間、年を取ると、周りを困らせる行動をとることが増えます。「約束を完全に忘れてしまっている」「赤信号でも平気で渡る」「高額商品をいきなり買ってしまう」など、その典型です。高齢者がこうなってしまうのは「認知症でボケてきたから」「カタブツで頑固になっているから」と思われる方も多いでしょう。

 『老人の取扱説明書』の著者である医師の平松類氏は、こういった行動は、ボケや性格によるものというよりも、老化による体の変化に原因があると言います。現在も診療の現場に立ち、延べ10万人以上の高齢者と接してきた平松氏が、その根本的な原因と、どう解決するべきなのか、どう予防するべきかを、医学的な観点を交えて解説します。

◇老化の原因を知れば、解決策も見えてくる
 「老化による体の変化」について丁寧に考えたことはありますか? それを知ることは、非常に重要です。知ってそれに対する対処・対応を間違えなければ、周囲は高齢者が困った行動を起こしてもイライラしなくなりますし、冷静に対処できます。高齢者自身は、思うように体が動かなかったり、周囲と上手にやり取りできなかったりすることに卑屈になることも減ります。

 本記事では、この「老化による体の変化」を踏まえて、周囲がすべきこと、高齢者本人がすべきことを、医学的背景に沿ってわかりやすく具体的に示します。理想論ではなく、現実的で手軽にできる方法です。

 高齢者は信号が赤になっても、平気でゆっくりと渡る。よく目にする光景の1つです。どうしてそんな行動をとってしまうのでしょうか? こう考える人が多いと思います。「車のほうが止まってくれると、老人が思っているから」「渡り切れるという自信を、老人が持ってしまっているから」。でもそんな高齢者は、非常に少数派。先ほども触れたとおり「老化による体の変化」が原因なのです。

 そもそも日本の信号機は赤になるのがとても早く、特におばあちゃんには渡り切れないように作られています。歩行者が1秒に1m歩いた後に赤になる設定になっているのですが、85歳を超えると男性は0.7m、女性は0.6mしか歩けないのです。

 また、高齢者は信号機をもともとよく見ていません。それは信号無視ではなく、「瞼(まぶた)が下がってくるから、信号機が設置された上のほうがよく見えない」「転倒すると寝たきりにもなりかねず怖いので、下を見て歩かないと不安」「腰が曲がってしまうから、信号機はよく見上げないと見えない」など、多くの老化による体の変化が関係してしまいます。

 そういった事情を知っていれば、周囲も「歩くのが遅いなあ」「なんで信号無視してるんだ?」といらだつことも減るでしょう。

 こうならないための解決策としては、瞼の下がり防止には「目を強くつぶってから強く開けるという運動を、1日10回程度行う」「メークを落とす際は、瞼を強くこすりすぎない」、転倒防止をして歩行速度を速めるには「シルバーカーを使う」「簡単なスクワットで足腰を鍛える」などが解決策の一例となります。いずれも、そんなに難しい方法ではありません。

 周囲は、高齢者が信号の近くにいる際には、手助けしたり、車の運転中はスピードを落とすなどができます。

◇「約束を忘れている」のではない
 約束したのに「そんなこと言ったっけ?」と言って、完全に約束を忘れてしまっていることも、高齢者の困った行動の典型でしょう。

 もちろん完全に忘れてしまっていることもありますが、これは高齢者に限らず、若い人にもよくあることです。

 それよりも約束の話自体、もともと高齢者が聞こえていなかった可能性のほうが大きいのです。

 特に、雑音が多い所では非常に聞こえにくくなります。実際に介護施設などでは「何も言われず、食べ物を口に詰め込まれた」と怒る高齢者が後を絶ちません。もちろん介護士は、ちゃんと話しかけてから食べ物を差し出しているのですが、周囲には多くの高齢者や職員がいるためにガヤガヤとしていますし、介護士は同時に多くの高齢者の世話をしているので、面と向かって話していないこともあります。

 つまり、なるべく面と向かって話すようにすることで、高齢者にも伝わりやすくなります。大事な用事は、雑音があまりない場所でしっかりと伝えることも意識するといいでしょう。

 また、大人数での会話も、高齢者は苦手です。誰が誰に対して話をしているのかがわかりにくく、それが聞こえにくくなることにもつながっています。簡単にできる解決策としては、名前を呼んでから、あるいは肩をたたいてから話しかけるのを心掛けることです。

 周囲ができるほかのこととしては、横文字を乱用しないことです。「モチベーション」ではなく「やる気」、「ポジティブ」ではなく「積極的」、「コンセンサス」ではなく「意見が一致する」といった具合に、です。

 また、同時に多くのことを言わず、短い文で少しずつ確認しながら伝えるのも有効です。「明日は一緒にそばを食べに行くから新宿西口に10時に待ち合わせましょう」だと長すぎるので「新宿だけどいい?」「時間は10時? それとも11時?」など、少しずつ話を詰めればいいのです。

 なお、注意したいのは、高齢者は聞こえたふりをすることがあることです。でもこれは、悪意があってではなく、むしろ気遣いによります。

 「自分だけが聞こえなかったからといって、会話の流れを止めたくない」と思っているのです。また、何度も聞き返すと相手も「もういいよ!」「そんな大した話じゃないから……」となり、それを恐れています。

 耳をよくするには、多くの人が同時に話し出すバラエティ番組などを観る、オメガ3脂肪酸の多い青魚やクルミを食べる、などが有効です。

 すごく大事なことは、紙に書いてメモしたり、電話ではFAXも併用するのもいいでしょう。

◇「おカネがない」と言う割に、なぜそれを買うの?
 おカネがないと言う割に無駄遣いが激しいことも、よくある高齢者の困った行動です。

 実家に帰ると、巨大なテレビや冷蔵庫を買っていたり、見慣れない高級羽毛布団があったり、もっと深刻になると不必要な家のリフォームの話が決まっていたりなどです。

 まず、高い買い物をしてしまうのは、行きつけのお店や、そこにいる店員の言うことを信じ切ってしまうことにあります。今はネットショップをはじめ非常に安い店は多いのですが、長年愛用して信頼しているお店で買ってしまうのです。

 また、電化製品をはじめ商品の数は非常に種類が多くなっていますが、選択肢が多くなりすぎると高齢者はむしろ選びにくくなることも、研究でわかっています。そのため、店員に言われたおすすめ商品をホイホイと選んでしまうことが増えます。

 お店を限定してしまうのは、年を取ると移動が大変になることも関係しています。限られた時間で、限られた回数で買い物をしないといけないので、多少高くても買ってしまうのです。

 住宅のリフォームなどの訪問セールスにひっかかってしまうのは、高齢者のほうが、将来起きる悪いことを考えず物事のいい面を見がちな「ポジティブバイアス」が関係するからだと言われています。

 ポジティブバイアスは、残された人生の長さを考えると自然に起きてくる現象です。「あと余命1年」と言われたら、どの商品やサービスを選ぶのかで迷うよりも、さっさと決めて趣味に時間を回すようになるはずです。

 こうした高齢者を相手にする犯罪が後を絶ちません。高額を請求するビジネスの多くは、老人以上に老人のことを徹底的に勉強して詳しく知っていますから、「自分はだまされないから平気」とタカをくくるのは非常に危険です。

 解決策としては、「電話は留守電モードにして、必要な用件だけかけなおす」「高額商品やサービスは、支払う前に家族に相談する」「アダルトサイトの高額請求など家族に相談しにくい案件は、消費者センターに相談する」などが挙げられます。

◇「認知症」や「頑固な性格」が原因だと決めつけるのは危険
 ほかにも、よくある老人の困った行動は多数あります。「同じ話を何度もする」「自分の家の中など、『えっ、そこで!?』と思うような場所でよく転ぶ」、あるいは「せっかく作った手料理にしょうゆやソースをドボドボとかける」「『私なんていても邪魔でしょ?』など、ネガティブな発言ばかりする」「実の息子の話は聞くけど、自分は無視される」など、「嫁・姑問題」にありがちなことまで、多岐にわたります。

 ただ、医学的によく調べると老化による体の変化が原因であることが非常に多くなっています。

 「認知症」や「頑固な性格」と決めつけては、何も始まりません。何が原因だと予想されるのか、それを踏まえてどうすれば少しでも状況が改善されるのかを考えていくことが重要です。老いて困った行動をする親などを持つ方も、これから高齢になっていくことに不安を抱えている方も、すでに高齢になっている方も、そのことを意識することが大事です。

 高齢者とかかわる職業の方も知っておくべきことです。医療や介護の業界が主かもしれませんが、シニア層にも向けたビジネスでしたらすべてが関係します。営業、接客業をはじめ、商品開発の方も含めまして、社会人のほとんどの方が該当するでしょう。

 先ほど挙げた事例が、あらゆる老化による体の変化を知るヒントになれば幸いです。
| 福祉・医療と教育 | 22:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
親が他界、申請するともらえるお金
 人が亡くなった際の手続きは知らない事の方が多いので、知っておいた方が良いでしょう。

◎親が他界「申請しないともらえないお金」
 (10月7日 プレジデントオンライン 井戸 美枝)

 親が亡くなったとき、「申請しなければもらえないお金」があることは、ご存じだろうか。たとえば国民健康保険の「葬祭費」は申請がなければ1円も出ないが、申請すれば自治体によって1万〜7万円が支給される。ファイナンシャルプランナーの井戸美枝氏が、「親が亡くなる前後に知っておきたいお金のこと」を解説する――。

◇親が亡くなる前に知っておきたいお金のこと
 高齢化が進む日本。

 9月17日に総務省が発表した人口推計では、90歳以上の人口が206万人、総人口に占める65歳以上の割合は27.7%と過去最高になりました。それにともなって亡くなる人も増えており、2016年度の年間死亡者数は約130万人でした。

 読者のなかにも、親の健康状態を心配している方がいると思います。あまり考えたくないことですが、高齢であれば、たとえ今は元気でも、ケガや病気で突然倒れてしまうリスクがあります。すぐに亡くなってしまうこともあるのです。

 本稿では、「親が亡くなる前後に知っておきたいお金のこと」を3つ取り上げます。具体的には(1)葬儀のこと、(2)健康保険のこと、(3)年金のことです。

 特に、(2)健康保険や(3)公的年金の手続きには期限がありますので、注意してください。また、こちらから請求しなくてはならないケース(未支給年金や払い過ぎた保険料の払い戻しなど)もあります。知らないと損をしてしまうかもしれません。

▼葬儀 親が互助会に加入しているのを知らずに大損
 まずは(1)葬儀についてです。

 「親が希望する葬儀の様式は何か」「仏教の場合、戒名はどうするか」「誰を呼ぶか」など、いくつか生前に確認したいことがあります。親と別居している場合には、お盆や年末年始などの帰省の際にぜひ話してみてください。

 もうひとつ重要なポイントは「互助会に加入しているかどうか」の確認です。

 互助会とは、冠婚葬祭を催している事業者が、積み立てや一括払いで、葬式や結婚式などにかかる費用を前払いする仕組みのことです。加入者の多くは、毎月1000円〜5000円を支払い、20万〜50万円程度を目安に積み立てているようです。積立金は、葬儀の費用の一部にあてられます。

 互助会は公的なサービスではなく、冠婚葬祭の事業者に前払いする仕組みです。ただ、将来を不安に思って、かなりの人が互助会に加入しているようです。問題は、加入者の名義が故人だった場合、子供などの遺族が加入の事実を知らなければ、積立金がムダになってしまう点です。事業者が用途を制限しているため、互助会が提携していない斎場で葬儀をしてしまった場合、「積立金は使えません」というケースもあります。葬儀を終えてから解約しても、数万円単位の手数料が発生することが多いようです。

 加入の有無を直接確認できない場合には、契約書を探すか、預金通帳などで定期的な引き落としがないかどうかをチェックしましょう。

◇最大7万円 国民健康保険から「葬祭費」が支給される
 次は、亡くなったあとの手続きをみてみましょう。

 親を亡くした後は心身ともに疲れていると思いますが、健康保険や年金の手続きには期限があります。家族と手分けをして進めましょう。

 まずは(2)の健康保険です。

 国民健康保険や後期高齢者医療保険(主に75歳以上の人が対象)では、被保険者が亡くなってから14日以内に「資格喪失届」を提出しなくてはなりません*。市町村によっては「死亡届」を提出すると、役所側で手続きしてくれる場合もありますが、いずれの場合も「健康保険被保険者証」(いわゆる健康保険証ですね)を返却する必要があります。

 *亡くなった人が働いていて、「協会けんぽ」などの健康保険に加入していた場合は、勤務先が手続きをしてくれます。勤務先に連絡して、必要な書類があれば提出しましょう。

 手続きは、亡くなった人の住んでいた市区町村の国民健康保険担当窓口で行います。個人のマイナンバーカード(もしくは通知カード)や、亡くなったことを証明する書類、届出人の印鑑が必要です。地域によっては必要のない書類もありますので、役所へ行く前に確認しておきましょう。介護保険証や高齢受給者証などもこのタイミングで返却できます。

▼埋葬費の補助は請求しないと支給されない
 国民健康保険料は「前払い」の制度です。よって、亡くなった時期によっては保険料を払い過ぎていることがあります。払う必要のなかった保険料は「過誤納金」として払い戻されます。上記の「資格喪失届」の手続きをすると、後日「過誤納金還付兼充当のお知らせ」が届きますので、振込先などを記載して返送しましょう。そうしなければお金は戻ってきません。

 また、あまり知られていませんが、国民健康保険や後期高齢者医療保険からは葬儀費用の補助として「葬祭費」が支給されます。金額は市区町村によって異なりますが、1万〜7万円程度です。亡くなった人が会社で働いていた場合も、それぞれの健康保険組合から5万円を上限に埋葬費*が支給されます。

 *被保険者に生計を維持されていた人が埋葬を行うと「埋葬費」として5万円、親族がいない場合は埋葬を行った人に上限5万円が支給されます。

 ただし、葬祭費はじっと待っていても支給されません。受け取る側から請求の手続きをする必要があります。窓口は上記と同じ市区町村の国民健康保険担当窓口ですので、資格喪失届のときに一緒に手続きしておくといいでしょう。

 請求には、埋葬をおこなったことを証明できるもの(領収書や会葬礼状など)、埋葬を行った人の印鑑、振込先の口座番号が必要です。

◇「年金受給者死亡届」を期限までに提出しないと……
 続いて(3)年金の手続きです。

 亡くなった人が年金を受け取っていた場合は、国民年金は14日以内に、厚生年金は10日以内に「年金受給者死亡届」を提出しなくてはなりません。手続き先は年金事務所または年金相談センターですが、後述する「未支給年金」の請求をする場合は市区町村の年金担当窓口でもOKです。

 手続きが遅れると、亡くなった後も年金が支払われることになります。

 時折、「死亡届を出さずに故人の年金を家族が受け取っていた」というニュースをみかけますが、不正に受給した年金は、年金事務所から返還をもとめられます。忘れずに手続きを済ませましょう。ただし、2011年7月以降、日本年金機構に住民票コードを登録している人は、原則として死亡届を出す必要はありません。

▼未払い分の年金をしっかり受け取る
 年金は「偶数月の15日」に過去2カ月分が振り込まれます。後払いということですね。たとえば、4月15日に振り込まれる年金は、2?3月分の年金です。年金は亡くなった月の分まで受け取ることができ、3月1日に亡くなった場合は、2月と3月分の故人の年金を遺族が受け取ることができます。これを「未支給年金給付」といいます。

 年金は後払いですので、この未支給年金は必ず発生します。手続き先は市区町村の年金担当窓口ですので、死亡届を出すときに手続きしておきましょう。なお厚生年金の場合、窓口は年金事務所や年金相談センターになります。

 受け取ることができるのは、故人と生計を同じくしていた遺族で、受け取る権利は「配偶者」「子」「父母」「孫」「祖父母」「兄弟姉妹」「その他3親等以内の親族」の順です。

 その他にも、高額な医療費がかかっていた場合は、高額療養費に該当する場合があるかもしれません。故人が個人事業主である場合、また収入が一定の金額を超えていた場合には、遺族が「準確定申告」をする必要があります。

 拙著『身近な人が元気なうちに話しておきたい お金のこと 介護のこと』(東洋経済新報社)では、昨年親をみとった私自身の経験をもとに、親が亡くなる前にやっておいた方がよいこと、亡くなった後に大変だったことなどを記しました。参考になれば幸いです。
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神奈川県 修学貸付金の返済免除判断せず10億円余放置
 神奈川県は、看護師などを目指す学生に修学資金を貸し付け、卒業後に県内で一定期間働いた場合は、返済を免除しています。

 この制度で、返済を免除するか判断せずに放置されていた貸付金が10億6000万円分に上ることがわかり、神奈川県は、要件を満たしていない人には、今後返済を求めていくことにしています。

 これは神奈川県の黒岩知事が、11日開かれた定例の記者会見で明らかにしました。

 それによりますと、神奈川県は、看護師や保健師などを目指す学生に修学資金を貸し付け、卒業後に県内で一定期間働いた場合は、返済を免除しています。

 この制度で、返済を免除するか判断せずに放置されているケースが多くあると去年の監査で指摘され、県が調べた結果、平成7年度から22年度の卒業生のうち、放置されていた貸付金が1684件、およそ10億6400万円分に上ることがわかったということです。

 返済を免除するかどうかは、本人の申請を受けて審査されますが、神奈川県は、申請がされていないケースについて、本人の意思などを確認しないまま返済を求めずにいたということです。

 神奈川県は、担当部署の態勢を強化したうえで、要件を満たしていない人には、今後、返済を求めていくことにしています。
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世界の子どもの肥満が40年で10倍以上に
 世界で肥満の子どもは、この40年で10倍以上に増え、1億2400万人に上ることがWHO(世界保健機関)などの研究でわかり、WHOは食生活の見直しや啓発活動の強化が欠かせないと指摘しています。

 この研究は、WHOとイギリスの大学の研究グループが200の国や地域の人々の体重と身長の記録をもとに分析したもので、10日付けのイギリスの医学誌「ランセット」に発表しました。

 それによりますと、5歳から19歳までの肥満の割合は、1975年には世界全体で1%未満だったのに対し、去年は男子で7.8%、女子で5.6%となりました。

 人数にすると1100万人から1億2400万人と、この40年で10倍以上に増えたとしています。

 国別で見ますと、肥満の割合が最も高いのは、男子では南太平洋のクック諸島で、33.3%とこの40年で12倍に増え、女子では同じ南太平洋のナウルで、33.4%と2倍に増えています。

 先進国ではアメリカで肥満の割合が、男子が23.3%、女子が19.5%に上り、3倍から4倍に増えています。

 また、日本は男子が5%、女子が1.7%でした。

 WHOは、子どもの肥満が増えている背景には、カロリーの高い加工食品や糖分が多い飲料水などが中心の食生活、それに、運動する機会が少ないことなどがあるとしています。

 そのうえで、肥満は糖尿病などの深刻な病気につながりかねないとして、食生活の見直しや啓発活動の強化が欠かせないと指摘しています。
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年金よりも生活保護、老後破産の実態
 日本の子どもの貧困率は、厚生労働省が発表した国民生活基礎調査によりますと、2015年時点あ13.9%と前回(2012年)2.4ポイント低下したものの、7人に一人が貧困状態にあり高止まりしているのが現状です。

 一方、高齢者世帯全体の貧困率は27.0%と、極めて高い数字になっております。

◎老後破産をする人が増えている?今から備えて回避する方法
 (10月2日 ZUU Online)

 老後破産をする人が、高齢者世帯全体の約4割に達しているという調査結果が出ています。老後に破産するとはいったいどういう状況なのでしょうか。また今から備えておくことはできるのでしょうか。

■老後破産の現状
 老後破産の原因は、一つや二つではないようです。いくつかのタイプがあり、それぞれ原因は変わっています。共通していることは、老後の生活でお金が底をついてしまうこと。高齢化社会が生み出した現象であることに間違いありません。

 破産してしまう理由としては、退職金やコツコツと貯めていた貯金が老後に患った病気の治療費でなくなってしまった、夫婦二人の年金で暮らせると思っていたのにどちらかが亡くなり年金が減ってしまった、昨今の晩婚高齢出産によって定年後にも教育費の負担がある……などのケースです。このようにさまざまな理由から、年金よりも生活保護を受けた方が月々の収入が高くなるということで破産を選ぶ人が増えているといいます。

 どうしてこのような状況になってしまうのでしょうか

■本当に必要な老後の費用を自身で計算
 世帯主が60歳以上で無職である世帯(世帯員が2人以上)では、1ヵ月の消費支出は約24万8000円となっています(総務省「家計調査年報(2015年)」より)。また、公益財団法人生命保険文化センターによると、ゆとりある生活費としては平均34万9000円が必要だとされています(生命保険文化センター「生活保障に関する調査(平成28年度)」より)。

 しかし、この金額の根拠も人によっては合致しません。例えば20代後半で結婚して子どもをもうけ、上場企業の管理職に就いて定年、子どもは大学が私立だったが高校までは公立高校に通わせたとします。このケースの家庭では、貯金をする余裕もあり、子どもたちが独立した後も定年までに数年間貯蓄をする期間もあるため、老後はその貯蓄と退職金で過ごせるかもしれません。

 しかし、このようなケースに当てはまる家庭は一体何世帯あるのでしょうか。実際には子どもを幼稚園から私立に通わせたり、高齢になっても養育費がかかったり、自身や親たちの介護や治療費への出費が重なったりと各家庭によって諸問題が引き起こります。

 情報は耳にするかもしれませんが、リアルに自身の場合はどうすればいのかを考える必要があります。子どもが一人なのか二人なのかでも大きく違います。夫婦のどちらかが一人っ子で両親の生活環境はどうなのかということも関係してくるでしょう。そこへ自身の生涯収入を想定し、夫婦で入念に試算してみることが大切です。

■社会・経済情勢に応じて老後の費用の試算も見直す
 大切なことは、変化に気付き常に老後の試算を見直す習慣を付けることです。事業に成功する人や投資で収益をあげられる人には「変化に気付き素早く対応できる」という共通点があります。個人の人生設計も同じです。これほど情報社会が発達している世の中では、流行や傾向、それに伴う経済情勢や法整備等は日々目まぐるしく変化しています。

 昭和の時代のように、この保険にさえ入っていれば大丈夫、というような長期的に安心な老後策はありません。貯金以外での資産形成はもちろんですが、保険商品の見直しや金融消費のチェック、持ち家を含めた所有不動産の見直しなど、定期的にこまめに行うことが必要です。

 先のことだからと言って気楽に考えてしまいがちですが、ここできっちりと家計を見直し、定期的にその内容をアップデートしていく世帯こそが、年を重ねるごとに着実に安心を得られる構図が定まってくるでしょう。

(提供:不動産投資セミナー)

◎高齢世帯4分の1が貧困 「生活保護未満」独居女性は2人に1人 立命館大教授分析
 (9月15日(金) 9:47配信 西日本新聞)

 65歳以上の高齢者がいる世帯の貧困率は2016年時点で27.0%−。厚生労働省の国民生活基礎調査を基にした立命館大の唐鎌直義教授(経済学)の独自分析で、こうした結果が明らかになった。1人暮らしの女性は特に深刻で、2人に1人が生活保護の水準を下回る収入で暮らしている。高齢者世帯の貧困率は上昇しており、その背景について唐鎌教授は年金受給額の減少を指摘している。

 唐鎌教授は、全国約29万世帯を対象に所得や家計支出などを調べた2016年の国民生活基礎調査のデータから高齢者世帯の所得状況を分析。平均的な生活保護費(1人世帯で月額約12万円と想定)に租税免除などの影響を加味し、生活保護受給者と同等の生活水準になる世帯年収を1人世帯160万円▽2人世帯226万円▽3人世帯277万円▽4人世帯320万円と設定。この基準に満たない世帯の割合を貧困率として算出した。

 分析によると、1人世帯の貧困率が特に高く、女性56.2%、男性36.3%。2人世帯でも2割を超え、高齢者と未婚の子の世帯は26.3%、夫婦世帯は21.2%だった。

 高齢者世帯全体の貧困率は27.0%で、以前まとめた2009年調査の分析結果と比較すると2.3ポイント増加。この間、貧困世帯は156万世帯以上増えて約653万世帯に、人数で見れば1.3倍の約833万6千人になった計算だ。

◇「公的年金の給付額が低下」
 背景について唐鎌教授は、「公的年金の給付額が低下したため」と指摘。国立社会保障・人口問題研究所の統計から割り出した高齢者1人当たりの年金受給額は「(直近の調査結果である)2014年度は年間約161万8千円で、2009年度に比べ14万円減っていた」と説明する。

 国民生活基礎調査は、1986年から毎年実施。全国から無作為に対象世帯を抽出し、回答結果から全体数を推計している。3年ごとの大規模調査の年は、子どもの貧困率も公表しているが、高齢者の貧困率については算出していない。子どもの貧困率は、平均所得の半分に満たない家庭で暮らす子どもの割合で、今回の分析はこの基準と異なるが、唐鎌教授は、「子どもだけでなく高齢者の貧困も深刻。生活保護受給者は今後さらに増えるだろう。これ以上の年金引き下げはやめるべきだ」と強調した。
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