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日本の教員「世界で最も多忙」 部活動が要因 OECD調査

 日本の教員は世界の中でも最も多忙であることがOECD(経済協力開発機構)の調査で明らかになりました。

 部活動などの課外活動にかける時間の長さがその大きな要因で、専門家は「海外の事例も参考にしながら働き方改革を進めるべきだ」と指摘しています。

 この調査は、OECD(経済協力開発機構)が世界各国の教員を対象に勤務実態や指導内容などを調べるため、5年に一度実施しています。

 去年の調査には、日本の小中学校の教員およそ7000人を含む世界48の国と地域が参加し、その結果が公表されました。

 このうち、中学校の教員の1週間の勤務時間は全体の平均が38.3時間だったのに対して、

▽日本は最も長く56時間、

▽カザフスタンが48.8時間、

▽カナダが47時間、

▽イギリスが46.9時間、

▽アメリカが46.2時間

などとなりました。

 業務別にみると、日本は授業の時間は18時間で、ほかの国や地域と大きな差はありませんでした。

 しかし、

▽部活動などの課外活動が7.5時間と平均の4倍、

▽書類作成などの事務作業も平均の2倍に上っていました。

◇専門家「海外参考に働き方改革を」
 今回の結果について調査分析に関わった国立教育政策研究所の杉浦健太郎総括研究官は、「日本は教員が授業以外の業務に時間を費やす特徴があるが、海外は教員をサポートする支援員が充実しているなど教員が担う仕事の範囲が国によってだいぶ違う。海外の例も参考にしながら日本でも働き方改革を進め、教員が授業に自信を持てるようにすべきだと思う」と指摘しています。

◇OECD局長「強みを維持し業務見直すべき」
 調査の結果についてOECDのアンドレアス・シュライヒャー教育・スキル局長が、日本のメディアの取材に応じました。

 日本の教員の長時間勤務の要因について、シュライヒャー氏は、「日本が特殊なのは、教員が生徒の個別指導やクラブ活動、保護者の対応など教室以外の場所で責任を多く負わされていることだと思う」と分析します。

 一方で、「授業以外の場で教員が生徒と深く交流し、生徒の人格形成に関与できるのは日本教育の強みでもある」とも話しました。

 今、日本でも進められている心理士などの専門家が学校に入り教員との分業を図る方法については、先進地のイギリスを例に挙げて、「一見合理的なように見えるが子どもの全般に関わることができないという点で教員は幸福感を感じていない」と指摘します。

 そして、「日本の子どもは学力も高く今までのやり方で結果も出している」と話したうえで、教員の働き方について、「事務作業の負担軽減など子どもの福利厚生や学習に関わる業務以外の点で業務改善を行うことが大事だ。部活動もカリキュラムの中での位置づけを見直すなどまだ改善の余地はあると思う。日本の強みを維持したまま長時間労働の壁を乗り越えられるよう働き方を見直すべきではないか」などと指摘しました。
| 福祉・医療と教育 | 20:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
「予防」に重点 認知症対策で新たな大綱決定 政府
 将来的に増加が見込まれる認知症について、政府は、発症を遅らせる「予防」を進めるための対策に重点を置いた新たな「大綱」を決定しました。

 高齢化に伴い、認知症と診断される人の数は、2025年には65歳以上のおよそ5人に1人に上ると推計されており、政府は、18日開いた関係閣僚会議で、認知症対策をまとめた「大綱」を決定しました。

 大綱では、発症を遅らせるための「予防」に重点を置いていて、具体的には、高齢者が、地域で体操などに取り組み、運動不足を解消できる場を充実させるほか、効果的な予防法の確立に向けて、国内外の事例や論文などの研究を進めるとしています。

 また、地域で安心して暮らせる「共生」を進めるために、認知症の人たちへの理解を深めるための講座を、日頃接する機会が多いと想定される、公共交通機関や金融機関の従業員などにも拡充するとしています。

 一方、政府は当初、70代での発症を、今後10年間で1歳遅くすることを、数値目標として掲げる案を示していましたが、当事者の団体などから批判が出たことから、大綱では、参考値にとどめました。

 会議で、安倍総理大臣は、「大綱は、認知症の人や家族の視点を重視し、『共生』と『予防』を車の両輪としている。施策を速やかに実行に移し、誰もが、いくつになっても活躍できる生涯現役社会の実現に向けて全力を尽くしてもらいたい」と述べました。

◇厚労相「認知症の人との共生が大前提」
 根本厚生労働大臣は閣議のあと記者団に対し、70代での発症を今後10年間で1歳遅くすることを参考値にとどめたことについて、「頑張って予防に取り組んでいながら認知症になった人が落第者になり自信を無くしてしまうといった意見を真摯に受け止め、表現ぶりを見直した。予防の取り組みを進めるには、認知症の人とそうでない人とが同じ社会でともに生きる『共生』を実現することが大前提だ」と述べました。

◇2000万円の議論 大綱から削除
 18日決定した認知症対策の大綱では、先月の時点の案に盛り込まれていた「保有資産の活用のための準備」という項目が削除されました。

 厚生労働省によりますと、この項目は老後の資産形成で「およそ2000万円必要になる」などとした金融庁の審議会の議論を踏まえたものでした。

 案の段階では、この項目には、「高齢社会における資産の形成・管理に関する個人の心構えを整理する」などと記されていましたが、その後、金融庁が削除したということです。
| 福祉・医療と教育 | 06:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
「過労死110番」長時間労働やパワハラなど無料で電話相談
 長時間労働やパワハラなどに関する電話相談に弁護士が無料で応じる「過労死110番」が15日、全国一斉に行われています。

 この電話相談は全国34の都道府県で一斉に行われていて、このうち東京文京区の事務所では長時間労働による過労死やパワハラのほか、セクハラなどの問題にも詳しい弁護士が対応に当たっています。

 相談の中には、「会社の幹部の暴言に困っている。管理職なのを理由に残業代を払ってもらえない」という内容もあり、弁護士は管理職が名ばかりであれば残業代を請求することができ、暴言はパワハラにあたる可能性が高い、などと答えていました。

 厚生労働省によりますと、平成29年度に過労死や過労自殺で労災が認められた人は190人にのぼり、依然、多い状態が続いています。

 相談に当たっている川人博弁護士は、「人手不足の影響で会社を支える40代の人たちに過重な負担がかかり、過労死したという相談や、若い人たちが精神的に追い詰められて仕事を休んでしまうという相談が多い。体を壊す前に相談してほしい」と話していました。


 電話の受け付けは15日午後3時までで、

 番号は東京が0120−111−676、

 大阪が06−6364−7272です。

 各地の相談窓口の電話番号は「過労死110番」のホームページ、

 https://karoshi.jp

に掲載されています。
| 福祉・医療と教育 | 14:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
食べきれない食品 子ども食堂に「フードドライブ」の取り組み

 家庭で食べきれずに保管されている食品などの寄付を募り、子ども食堂などに届ける「フードドライブ」という取り組みが埼玉県庁で行われています。

 「フードドライブ」は、賞味期限が迫っているものの家庭で食べきれずに保管されているレトルト食品などの寄付を募り、必要とする人や子ども食堂などに無償で届ける活動です。

 埼玉県庁では13日、職員を対象にしたフードドライブのコーナーが設けられ、職員が冷蔵品や酒以外の賞味期限が1か月以上ある食品を寄付していました。

 活動は13日午後4時まで行われ、集まった食品は貧困世帯や子ども食堂を支援する県内のNPOに届けられます。

 埼玉県によりますと、県内で子ども食堂などの子どもの支援活動を行う団体などは増えていて、食品の確保が課題になっているということです。

 30代の女性職員は、「レトルト食品を中心に寄付しました。必要な人たちのためになればうれしいです」と話していました。

 埼玉県福祉部の内田貴之企画幹は、「フードドライブに、まず関心を持ってもらい、それぞれの地域で活動の輪を広げていけるよう取り組みたい」と話していました。
| 福祉・医療と教育 | 23:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
70年ぶりの識字調査実施へ 未就学者や外国籍の増加受け

 日本で生活していても簡単な日本語の読み書きができない人たちはどれくらいいるのか。国内ではこうした識字調査は戦後の占領下で行われてから70年以上実施されていません。

 しかし近年、不登校の子どもたちや親の仕事の都合で来日する外国籍の子どもたちが増えていることを受けて専門家が実態調査に動き出しました。

 日本では明治時代から学校教育に力が入れられてきたため、日本語を読み書きする能力は極めて高いとされてきました。そのため、国内の識字調査は、戦後まもない1948年にアメリカの教育使節団の指示で実施されたのを最後に行われませんでした。

 しかし近年、不登校や親による虐待などで、学校に通えないまま卒業した人たちや、親の仕事の都合で来日する外国籍の子どもたちが増加していることを受けて、日本語の調査研究を行っている国立国語研究所の野山広准教授らのチームが実態を調査することになりました。

 調査は全国で設置が進む「夜間中学」や地域の日本語教室などに通う16歳以上の日本人や外国人を対象に行われ、簡単な日本語の文章が理解できるかどうかなどを把握します。また、日常生活の聞き取りも行う方針です。

 野山准教授は、「日本人の教育だけでなく、今回は外国人も対象となる。基礎教育を保障する多文化共生社会の実現に向けた調査の在り方を検討していきたい」と話しています。

◇なぜ今、識字調査が必要なのか?
 識字調査が必要になってきたのは、日本語で生活を送る人たちの多様化が背景にあります。

 1つは、不登校や親による虐待などで就学の機会を奪われたいわゆる「未就学者」の存在です。7年前に公表された国勢調査で、その数は12万8000人以上とされていますが、実際はその何倍にも上ると指摘する専門家もいます。

 また、増え続ける外国籍の子どもたちの問題も明らかになってきています。国はことし4月、法律を改正し、外国人労働者の受け入れを拡大しましたが、政府は今後5年間でその数は34万5000人を超えると試算しています。

 こうした事情により、日本語で生活する人たちの「識字」の実態を改めて把握する必要が出てきたというのです。

◇最後に行われた識字調査とは
 日本で大がかりな識字調査が行われたのは終戦後の1948年にさかのぼります。

 調査を指示したのは、GHQ(連合国最高司令官総司令部)が戦後の日本で教育改革を行うためアメリカから派遣された使節団です。使節団は「漢字とひらがなを使う日本語は難しすぎて負担となっている」と考え、当初、ローマ字の採用を検討していたといいます。

 そこで、日本語が国民にどれだけ定着しているかを把握するため行われたのがこの調査でした。全国の15歳から64歳までの男女およそ1万7000人を対象に行われ、読み書きや文章の理解など合わせて90もの問題が出されました。

 その一部です。

 「朝太陽は、(上、雨、東、冬)から出る」

 「あの人の(態度、国民、各派、必要)は立派だ」

 調査の結果、読み書きできる能力がある人たちは全体の97%を超えていて、文部省も日本で読み書きできない人の割合は世界で最も低い部類に属していると公表しました。

◇当事者の若者たちは
 岡山市に住む井上健司さん(34)は、小学3年生の時に糖尿病を患い、母親の看病などもあり、学校にほとんど通えませんでした。その後、警備などの仕事をしましたが、20歳の時に体調を崩して、退職しました。

 しかし、読み書きについては、自分の住所が書けなかったり、町なかの看板が読めなかったりするなど、日常生活でも苦労したため、再就職には学び直す必要があると感じました。そこで、1年半前から岡山市内の自主夜間中学で小学校の学習内容から再び勉強をしています。

 井上さんは、「一人前になれていないという思いが強く、情けない。僕は書いたり、計算することができませんが、普通に話しているかぎりは気付かれることは少ないので、このような問題は表に出づらいと思う」と話していました。

 また、日本に住む外国人の若者も、識字の壁に苦しんでいます。

 料理人として日本で働く父親らに呼び寄せられて、2年前に来日したネパール人の17歳の少年は当時、都内の公立中学校に転入しましたが、日本語が分からないため授業の内容はほとんど理解できず友達も作れませんでした。

 今でも、買い物に行っても漢字が読めないため、書かれている内容が理解できないといいます。少年は日中はホテルで部屋の清掃作業などをするアルバイトをしていますが、平日は毎晩、夜間中学で日本語を基礎から学んでいます。

 少年は、「昼間の中学校では日本人と同じ授業で勉強についていけずとてもつらかった。今後は高校や大学に進学して、アルバイトではなく、会社の社員として働けるように勉強したい」と話していました。

◇日本語の専門家は
 日本語の識字調査に向けて準備している国立国語研究所の野山広准教授は、「日本で初めて識字調査が行われた70年前から社会状況は大きく変わった。そのため、今回の調査は日本人だけでなく、外国人も対象となる。学校で学ぶことがなければ、読み書きの能力は育たず、人生を豊かに生きることができないばかりか就職さえできない可能性も高くなることは目に見えている。就学の機会を奪われた人やもともと母語が日本語ではない人たちが、どのように最低限の読み書きを習得すればいいかを考えるためにも、正確な実態を把握することが必要だ」と話しています。
| 福祉・医療と教育 | 22:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
“老後に2千万円必要”指針 首相釈明「不正確で誤解与えた」
 老後の資産形成をめぐり、「およそ2000万円必要になる」などとした金融庁の審議会の指針について、安倍総理大臣は、参議院決算委員会で、不正確で誤解を与える内容だったと釈明したうえで、公的年金の信頼性は変わらないと強調しました。

 老後の資産形成をめぐり、「高齢夫婦の世帯では、老後30年間でおよそ2000万円必要になる」などとした金融庁の審議会の指針をめぐって、野党側は「『年金制度は100年安心だと言っていたのはうそだったのか』と国民は憤っている」などと指摘しました。

 これに対し、安倍総理大臣は、「不正確であり、誤解を与える内容だった」と釈明しました。

 そのうえで、「『年金100年安心がうそだった』という指摘には、『そうではない』と言っておきたい。今年度の年金は0.1%の増額改定となり、現在の受給者、将来世代の双方にとってプラスとなるものだ。公的年金の信頼性はより強固なものとなったと考えている」と述べました。

 また、麻生副総理兼財務大臣は指針について、「冒頭の部分、目を通した。全体を見ているわけではない」としたうえで、「高齢者の家計は、貯蓄や退職金を活用していることに触れることなく表現した点は、国民に誤解や不安を広げる不適切な表現であったと考えている」と述べました。

 このほか、与野党から、景気認識や新たな景気対策の必要性などについて質問が相次ぎ、安倍総理大臣は「経済財政運営に万全を期していきたいと思うが、仮にリスクが顕在化する場合には、機動的なマクロ経済政策をちゅうちょなく実行していく方針だ」と述べました。

 さらに、安倍総理大臣は憲法改正をめぐって、「国会の会期を延長して、憲法審査会でしっかり議論すべきではないか」とただされたのに対し、「憲法審査会を開くか開かないかはまさに国会で決めることだと思うが、いずれにせよ、憲法審査会は重要な役割を担っており、予算もかかっているので、ここで議論すらしないのはどうかということは、いずれ国民が判断することになるだろう」と述べました。

◇金融庁 審議会の報告書が議論呼ぶ
 老後の資産形成をめぐり議論が起きるきっかけとなったのは、金融庁の審議会が今月3日に公表した「高齢社会における資産形成・管理」という報告書です。

 この報告書の中では、収入が年金中心の高齢夫婦の世帯は、収入よりも支出が上回るため、平均で毎月およそ5万円の赤字になっているとしています。

 これが老後の30年間続けばおよそ2000万円が必要になると試算されますが、この分は貯蓄などの金融資産から取り崩す必要があるとしています。

 しかし、退職金は近年減少しているなどとして、現役世代から長期の投資などを行って資産形成を進める必要性を指摘しています。

 これについて、野党などから批判が出たことを受けて、麻生副総理兼金融担当大臣は、7日の記者会見で、「一定の前提で割りふった単純な試算を示しただけで、貯蓄や退職金を活用していることをあたかも赤字ではないかという表現をしたのは不適切だった」と釈明しました。

 そのうえで、公的年金が生活設計の基本的な柱であるという認識は変わらず、報告書はより豊かな老後を送るための指針だと強調しました。

◇自民 二階幹事長「年金制度の信頼性とは別では」
 自民党の二階幹事長は記者会見で、「指針は『老後に備えて、個人の置かれた状況に応じ、有利な資産形成ができるように』という観点からの提言であり、年金制度の信頼性とは別のものではないか。国民もその内容は、ちゃんと受け止めているだろう」と述べました。

◇立民 蓮舫参議院幹事長「読んでないことに驚き」
 立憲民主党の蓮舫参議院幹事長は記者団に対し、「5分で読める報告書を担当の麻生大臣が読んでいなかったことに驚いた。報告書のどこにも『豊かな生活の額だ』とは書いていない。読んでいない人がめちゃくちゃなことを言っている。どうして、生活が苦しく、非正規雇用で頑張っている人たちなどに、『お金をためろ』と、上から目線で言うことができるのか」と述べました。

◇国民 玉木代表「読みもせず答弁自体不適切」
 国民民主党の玉木代表は山形市で記者団に対し、「報告書を読みもせず、答弁している態度自体が不適切ではないか。年金財政が非常に厳しいことは、これまでの財政検証からも明らかになっており、ことばでごまかしたり、不適切だったと言い逃れをするのではなく、年金財政の真実の姿や、公的年金制度で国民が老後の生活をできるのかという、シンプルな問いに明確に答えてほしい」と述べました。

◇共産 小池書記局長「国民の暮らし 全く見えていない」
 共産党の小池書記局長は記者会見で、「『安倍総理大臣は、年金問題になると、どうして、急にむきになるのか』というのが率直な印象だ。過去の選挙が頭をよぎって、トラウマになっているのではないか。安倍総理大臣は『年金の制度さえ維持されればよい』というロジックで、国民の暮らしは全く見えていない」と述べました。

◇社民 吉川幹事長「年金 参院選の最大の焦点の一つ」
 社民党の吉川幹事長は日本記者クラブで会見し、「『年金は出るが、2000万円くらいは資産を持たないと暮らしていけない』ということでは、国民の不安は一向になくならない。公的部門が果たすべき役割は非常に重要で、年金をどうするのかは参議院選挙の最大の争点の一つだ」と述べました。

◇10日の政府税調 大部分は非公開
 老後の資産形成をめぐって国会で論戦が繰り広げられる中、政府税制調査会は10日、老後の資産形成に向けた税制の議論を大部分、非公開で行いました。

 政府税制調査会は、去年の秋から、高齢化を踏まえて老後に備えた資産形成を税制でどう後押しすべきか議論を進めています。

 10日は、調査会の委員たちが欧米の制度について現地調査をした結果を報告する会議が開かれましたが、冒頭の会議の趣旨に関する説明以外は非公開で行われました。

 政府税制調査会の会議は、多くの場合、すべて公開で行われています。

 財務省は、非公開にした理由について、「実務的で技術的な議論を率直に行ってもらうためだ」として、野党から批判されている金融庁の審議会の指針の問題とは関係がないとしています。
| 福祉・医療と教育 | 22:21 | comments(0) | trackbacks(0) |
無給医 少なくとも2000人 国が初めて存在認める 公表へ
 大学病院などで無給で診療にあたっている若手医師。「無給医」と呼ばれていますが、国は長年その存在を否定してきました。しかし、全国の大学病院を調査した結果、少なくともおよそ50の大学病院に2000人を超える無給医の存在が確認できたとして、近く明らかにする方針です。

 無給医は、大学病院などで診療にあたっているにもかかわらず、研修中であることなどを理由に給料が支払われない若手の医師や歯科医師のことです。

 1960年代には大学の医局の権力構造を象徴する問題として学生運動のきっかけにもなりましたが、国はその後、若手医師の処遇は改善されたとして、長年その存在を否定してきました。

 平成24年に行われた調査でも「無給医は存在しない」としています。

 しかし、ことし1月から文部科学省が全国108か所ある医学部と歯学部の付属病院を対象に調査したところ、無給医が今も存在することが確認できたということです。

 この調査結果を踏まえ、文部科学省は近く無給医の存在を認めるとともに、その数が少なくとも全国およそ50の大学病院で、合わせて2000人を超すことを明らかにする方針です。

 国がこうした無給医の実態を明らかにするのは今回が初めてです。

◇無給 ピラミッド構造で声上げづらく
 医師を目指す学生は医学部で6年間学んだあと、国家試験を受けて医師免許を取得します。

 「初期研修」と呼ばれる最初の2年間は月給30万円ほどが手当てされますが、そのあとも大学の医局に所属しながら、「大学院生」や「医局員」などの立場で数年間にわたり若手医師として診療などの経験を積むケースがほとんどです。

 医局は教授を頂点とし、准教授、講師、助教と連なるピラミッドのような構造となっていて、最も下に位置する大学院生や医局員などは、医師として診療にあたっていても無給だったり、わずかな給与だったりすることがあるということです。

 しかし、医局に所属する若手医師は、専門医や医学博士の資格などを取るためや、関連病院に出向する際の人事権などを握られているため、現状の制度に対して医局の上司らに疑問や不満の声を上げづらく、問題が顕在化しなかったと見られます。

◇「勤務は週一日」とうその契約書
 首都圏の大学病院で働く30代の男性医師は、朝から深夜まで外来診療や手術などにあたっていますが、わずかな手当以外は給料をもらっていないといいます。

 男性は医学博士になろうと大学院に進みましたが、実際は研究に充てる時間はほとんどなく、ほかの医師と同じくフルタイムで大学病院で診療にあたっています。

 しかし給料はもらえず、健康保険や雇用保険などにも加入できません。

 院生のため学費を支払う必要があり、週一日、外部の病院でアルバイトをして収入を得ています。

 所属する大学は文部科学省による調査のあと、全くの無給状態から月に数万円程度が支払われるようになりましたが、実際は毎日働いているにもかかわらず、大学には、勤務は週一日だけ、とうその契約書を書かされたといいます。

 男性は、「勉強中だからお金がもらえなくて当たり前ということがこれまでまかり通ってきました。しかし、実際、医師として行っていることは通常の大学病院の業務です。当たり前にやっていることを当たり前のように認めてほしいです」と話していました。

◇大学病院医師「氷山の一角では」
 国が初めて無給医の存在を認めたことについて、都内の大学病院に勤める30代の医師は、「ようやく認められたかという気持ちです。これまで、業務命令を受けて医師として診療に従事しているのに、自分だけそれは『実習』だと言われて、無給で働く屈辱的な思いをしてきました」と話しました。

 そのうえで、「私の大学では医師個人には調査しておらず、調査結果の2000人は氷山の一角ではないでしょうか。国の調査後も待遇改善の兆しはありません。この調査で終わりにせず、行政には適切に対応してほしいです」と訴えていました。

◇専門家「若い医師が希望持てるよう解決策を」
 国が初めて無給医の存在を認めたことについて、医師の働き方に詳しく厚生労働省の「医師の働き方改革検討会」の委員も務めた特定社会保険労務士の福島通子さんは、「出るべくして出た結論だと思います。今まで手を付けられなかった医療という分野にさまざまな手が入り、医師は聖職ではなく、一人の労働者だという考え方が広まり始めたのではないか。昔からこうだから同じようなことを繰り返すという考え方はもう通らないと思います」と述べました。

 そのうえで、「調査されて実態がある程度把握できた今を好機と捉えるべきです。これからの将来を背負う若い医師が将来に希望を持てるよう、国、医療機関、国民も含めて総力を挙げて解決策を考えていかなければならない」と指摘しました。
| 福祉・医療と教育 | 07:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
子宮けいがん 原因ウイルス増殖抑える新薬の治験
 子宮けいがんは主にウイルスが原因で発症しますが、京都大学のグループがこのウイルスの増殖を抑える新たな物
質を開発し、新薬として国の承認を受けるための治験を始めたと発表しました。

 今後、1年余りかけて安全性や効果を検証するということです。

 これは、京都大学医学部附属病院の濱西潤三講師と、京都大学医学部の萩原正敏教授らのグループが会見を開いて明らかにしました。

 子宮けいがんは、主に「ヒトパピローマウイルス」と呼ばれるウイルスに感染して起きるがんで、子宮の摘出手術が必要になるケースも少なくありません。

 今回、治験に使われるのはグループが15年前に別の病気の研究のため合成した物質で、これまでの研究から「ヒトパピローマウイルス」の増殖を抑え、子宮けいがんの発症を防ぐ効果が期待できるということです。

 治験はすでにことし4月から始まっていて、ウイルスに感染し、子宮けいがんにつながる症状が出ている患者など22人を対象に2週間、薬を投与したうえで、1年余りかけて安全性や効果を検証するということです。

 京都大学医学部の萩原教授は、「子宮けいがんは、がんにつながる症状が見つかっても手術以外に治療法がないのが現状だ。この段階でも治療できる薬を開発することで、子宮けいがんで亡くなる女性をゼロにしたい」と話しています。

◇「定期的ながん検診で早期発見を」
 子宮けいがんは国内では年間およそ1万人がかかり、3000人が亡くなっている病気で、近年は30代から40代の女性を中心に患者が急増しているのが現状です。

 子宮けいがんの主な原因はヒトパピローマウイルスで、このウイルスに感染すると一部の人で子宮の入り口に腫瘍ができ、子宮けいがんにつながります。

 子宮けいがんの予防にはワクチンがありますが、国内では副作用の指摘があったことから5年前から厚生労働省がワクチン接種の積極的な呼びかけを中止していて、接種率は3年前の統計では0.3%にとどまっています。

 こうしたことから厚生労働省は、定期的にがん検診を受けて早期の発見を心がけてほしいと呼びかけています。

◇新薬の仕組み
 子宮けいがんは、「ヒトパピローマウイルス」に感染し、ウイルスが体内で増殖する際に作り出される特殊なたんぱく質が主な原因とされています。

 今回、開発された物質は、ヒトの細胞に含まれている酵素に働きかけ、ウイルスが増殖し、がんの原因となるたんぱく質が作り出されるのを抑制する効果があるということで、治験に先立って行われた動物実験などでは高い効果がみられたということです。
| 福祉・医療と教育 | 23:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
“がんゲノム医療” 遺伝子の新検査技術開発へ 東大など
 患者の遺伝子を調べて、その患者に合った薬などを探す新しいがん治療の手法「がんゲノム医療」をめぐり、東京大学や精密機器メーカーなどが共同で、遺伝子に関係する新たな検査技術の実用化を目指すことになりました。

 「がんゲノム医療」は、DNAを調べてその患者に合った薬を探す技術が実用化され、国ががん対策の重要な柱と位置づけています。

 これについて、東京大学と国立がん研究センター、それに精密機器メーカーのコニカミノルタは共同で、DNAだけでなく、遺伝子の情報を伝える「RNA」と呼ばれる物質に異常がないか調べる技術を開発するということです。

 RNAは、DNAを調べるだけでは分からない異常を見つけることができるため、DNAとRNAを同時に検査することで、より正確な診断ができるようになるということです。

 これによって、東京大学などは、日本人特有の遺伝子変異を解明するほか、革新的ながんの治療法や新薬の開発につなげたいとしています。

 東京大学先端科学技術研究センターの油谷浩幸教授は、「RNAを調べることで、よりよい治療法が提供できる可能性が広がる。非常に動きの早い分野なので、1年半くらいを目指して研究成果を出して、広く使ってもらえる形を目指したい」と話しています。
| 福祉・医療と教育 | 22:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
「介護休暇 時間単位で取得を可能に」規制改革推進会議が答申
 政府の規制改革推進会議は「介護離職ゼロ」の達成を目指し、半日単位でしか取れない「介護休暇」を時間単位で取得できるよう法整備などを求める答申を決定し、安倍総理大臣に提出しました。

 政府の規制改革推進会議は6日の会合で、およそ80項目の規制緩和策などを盛り込んだ答申を決定し、安倍総理大臣に提出しました。

 答申では、「介護離職ゼロ」の達成を目指し、法律で年間5日まで取得できる「介護休暇」について、半日単位でしか取れない今の制度を改め、時間単位で取得できるよう法整備を求めています。

 また、副業や兼業の推進に向け、複数の職場で働く人の労働時間が法定労働時間を上回った場合「副業」側の事業主が時間外の割り増し賃金を支払うことになっている今の制度を改め、職場ごとに管理すべきだとしています。

 さらに、後継者不足が深刻な中小企業の事業承継を支援するため、銀行の出資割合の上限を原則5%から最大5年間100%まで可能とする規制緩和も求めています。

 会議で安倍総理大臣は、「規制改革は安倍政権の成長戦略の柱だ。直ちに規制改革実施計画を策定し、改革の実現を急ぐ考えだ」と述べました。

 規制改革推進会議は来月末で設置期限を迎えることから、政府は今後、後継組織の検討を進める方針ですが、改革の進ちょく状況を確認し着実に推進していく体制整備が課題となりそうです。

◇旧姓使用の範囲拡大
 女性活躍の推進に向けて、旧姓の使用が可能な資格を拡大するため、まずは女性の比率が高い保育士、介護福祉士、幼稚園教諭、「生命保険の募集人」の4つの資格について、今年度中に制度の見直しの検討を進めるよう求めています。

 ほかの国家資格などについても、所管する府省庁で旧姓使用を認める方向で対応すべきだとしています。

◇限定正社員の雇用ルール明確化
 子育てや介護など、さまざまな事情を抱える人が働きやすい環境を整備するため、職務や勤務地、労働時間などの条件を書面で明示する形で、正社員としての労働契約を結ぶことができるよう制度の見直しを求めています。

◇副業・兼業推進
 「副業」の推進に向けた「日雇い派遣」の規制緩和も盛り込まれました。

 30日以内の「日雇い派遣」は副業として行う場合、年収が500万円以上の人に限って認められていますが、所得の低い若者の「副業」が妨げられているとして、年収要件を引き下げるべきだとしています。

◇畜舎に関する規制の見直し
 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)などの発効で、畜産や酪農の国際競争が激しくなっている中、農家の負担を減らそうと、牛や豚などの家畜を飼育する「畜舎」を建築基準法の対象から外し「畜舎」の種類や利用実態に応じて別の安全基準を定める特別法を整備するよう求めています。

◇デジタル教科書
 4月から学校で使えるようになった「デジタル教科書」をめぐっては、規制改革推進会議の作業部会で、使用時間の制限をなくすべきだという意見が出されましたが、文部科学省が「子どもの健康面への配慮が必要だ」として慎重な考えを示したため、答申では「国際競争力の観点から検討を行い、必要な措置を講じる」という表現にとどまりました。
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