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生活保護の生活扶助 一部の世帯で引き下げへ
 生活保護で支給される食費などの生活扶助について、厚生労働省の専門家会議は、大都市の子どもが2人いる世帯や65歳の単身世帯などの金額が一般の低所得世帯の生活費を上回ったとする報告書をまとめました。厚生労働省はこうした世帯の生活扶助を引き下げる方針です。

 生活保護のうち、食費や光熱費などの生活扶助は、地域や年齢、世帯人数などによって支給の基準額が決まっていて、厚生労働省は5年に1度、専門家の会議で見直しを検討しています。

 14日開かれた会議では、生活扶助の基準額と一般世帯のうち収入が低いほうから10%以内の世帯の1か月の平均支出とを比較した報告書がまとまりました。

 それによりますと、いずれも大都市の、18歳未満の子どもが2人いる夫婦の世帯や18歳未満の子どもが2人いる母子家庭、それに65歳や75歳の単身世帯などで、生活扶助が収入が低い世帯の支出を上回りました。

 厚生労働省は、こうした世帯の生活扶助の基準額を引き下げる方針です。

 ただ、引き下げ幅については、会議の委員から、「低所得世帯との差額をそのまま適用すると大幅な減額につながる」という指摘があり、厚生労働省は慎重に検討したいとしています。

 一方、地方の町村部の子ども1人を育てる母子家庭や子どもが1人いる夫婦の世帯では逆に生活扶助が下回り、基準額が引き上げられる見通しです。

 厚生労働省は、今月中に見直しの金額を決め、来年度から反映させることにしています。

◎生活保護費引き下げへ 都内4人世帯で13%減の試算も
 (2017年12月14日 20:16 朝日新聞デジタル)

 厚生労働省は14日、生活保護費のうち食費や光熱費などの生活費にあたる「生活扶助費」を、来年度から引き下げる方針を決めた。地域や世帯類型によって増える場合もあるが、都市部や多人数の世帯の多くが減る見通しだ。

 厚労省が8日に示した原案では減額幅は最大で1割を超す。当事者や支援団体らの反発は強く、厚労省は減額幅を縮小した上で来週に支給水準を正式に決める。

 生活扶助費の支給水準は5年に1度見直されており、この日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会が大筋で了承した。

 生活扶助費は、生活保護を受けていない一般世帯の年収下位10%層の生活費とバランスを保つように決められている。

 厚労省は、世帯類型ごとに一般低所得世帯と均衡する扶助額を算出。特に多人数世帯や都市部の世帯で現在支給されている扶助額が、同じ類型の一般低所得世帯の支出より高い水準になっていた。

 扶助額は地域別には6段階ある。減額幅が大きい見通しの東京23区や大阪市など上位2段階の受給者が約6割を占めるため、生活扶助全体でも減額となる。

 原案では、東京23区で40代夫婦と中学生、小学生の4人家族は13.7%減の15万9960円、65歳の単身高齢者は8.3%減の7万3190円となる。

 一方、6段階で最も水準が低い地方に住む30代母と小学生の母子世帯は、13.4%増の10万5020円になる。
| 福祉・医療と教育 | 08:39 | comments(0) | trackbacks(0) |
ユニセフ事務局長 日本の子どもの貧困率に懸念
 日本を訪れているユニセフ=国連児童基金のレーク事務局長がNHKの取材に応じ、日本の子どもの貧困率が先進国でも高い水準にあることに懸念を示し、格差の解消に向けて教育などの機会の平等を確保すべきだという考えを示しました。

 ユニセフのアンソニー・レーク事務局長は13日、都内でことしの「世界子供白書」を発表したのに続いて、NHKのインタビューに応じました。

 レーク事務局長は、国連が掲げる世界の持続可能な開発目標「SDGs」が、あらゆる貧困の解消を掲げているにもかかわらず、日本の子どもの貧困率が先進国の中でも高い水準にあることについて、「日本のおよそ16%の子どもが深刻な貧困状態にある。SDGsの下で、とりわけ豊かな社会において子どもが飢えや格差に苦しむことがあってはならない」と懸念を示しました。

 そして、「相対的な貧困はどの社会にも存在するが、その原因の多くは医療と教育の不平等にある」と述べ、日本でも子どもたちが医療や教育を平等に受ける機会が確保されるべきだという認識を示しました。

 また、ことしの「世界子供白書」がネット空間での若者の保護を提言していることについて、「インターネットは若者にとってよい側面がある一方、悪用されることもある。ネット上のいじめや、残虐な事件、人身売買などに利用される影響は大きい」と述べ、各国の政府やIT業界と協力して対策を進めていく考えを示しました。
| 福祉・医療と教育 | 16:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
生活保護制度の見直し「無料低額宿泊所」規制の強化の案
 生活保護制度の見直しを議論している厚生労働省の専門家会議は、いわゆる貧困ビジネスに悪用されるケースがある「無料低額宿泊所」の規制の強化などを盛り込んだ報告書案をまとめました。

 厚生労働省の専門家会議は、生活保護制度の見直しを議論していて、11日の会議で報告書案が示されました。

 この中で、生活保護の受給者などに無料または低料金で提供される宿泊施設、「無料低額宿泊所」に対する規制の強化が盛り込まれました。

 狭い部屋に住まわせて割高な利用料を取る「貧困ビジネス」に悪用されるケースが後を絶たないため、部屋の広さや防火設備、それに利用料金などに法的な基準を設け、違反した場合は自治体が改善命令を出せるようにします。

 また、生活保護世帯の子どもが、経済的な理由で大学への進学をあきらめることがないよう、進学時に一時金を支給するなどの支援策も盛り込まれました。

 厚生労働省は、制度の見直しに必要な法律の改正案をまとめたうえで、来年の通常国会に提出することにしています。

 また、生活保護のうち食費などに充てられる生活扶助の基準額についても見直しを進め、年内には結論をまとめたいとしています。

◇無料低額宿泊所の現状は
 厚生労働省が2年前に行った調査では、無料低額宿泊所は全国に1700か所余りあり、およそ3万2000人が利用していました。

 狭い部屋に住まわせて割高な利用料を取る、いわゆる「貧困ビジネス」に悪用されるケースがあることから、厚生労働省は、部屋の面積や防災設備、それにサービスに関する基準を設けていますが、法律に基づくものではなく強制力はありません。

 このため、今回専門家会議がまとめた報告書案では、法律で基準を明確にし、自治体の指導などに法的な強制力を持たせるべきだとしています。

 一方で、無料低額宿泊所の中には良質なサービスを提供し、利用者の自立促進につながっている施設もあり、今回の報告書では、こうした優良な施設を評価し支援を拡充する案も盛り込まれています。

◇宿泊所にいた男性は
 先月まで、都内にある無料低額宿泊所で生活していた66歳の男性は、狭い部屋をあてがわれ、サービスに見合わない利用料を徴収されたと訴えています。

 もともと大工だった男性は、仕事を失って路上生活を送り、ことし10月に宿泊所の運営団体の関係者から「無料低額宿泊所に入ればすぐに生活保護を受けられる」と声をかけられたといいます。

 男性は宿泊所に入って生活保護を受け始め、月12万円の保護費が支給されましたが、利用料や食費などの名目で9万円余りを徴収され、手元には3万円ほどしか残らなかったということです。

 しかし、男性にあてがわれた部屋は6畳一間の真ん中をカーテンで仕切った3畳ほどのスペースしかなく、食事では缶詰や変色した米などが出されたということです。

 男性は、毎月9万円を支払うほどのサービスではないと考えて、生活保護を放棄して宿泊所を逃げだし、現在はNPO法人が運営するシェルターで暮らしています。

 男性は、「食事は出るがさまつなもので、プライバシーは全く守られず人が暮らす環境ではなかった。それでも毎月9万円取られ絶対におかしいと思う」と話していました。

 ホームレスの人たちなどの支援活動を続け、無料低額宿泊所に詳しいNPO法人・「TENOHASI」の清野賢司代表理事は、「ホームレスの人たちなどに『生活保護が受けられる』と声をかけて宿泊所に連れて行くケースが多いが、あまりに劣悪な環境なため路上生活のほうがましだと考え逃げ出す人が後を絶たない。行政側はこうした宿泊所を厳しく規制し、空き家などを活用して当たり前の暮らしができる住居を確保してもらいたい」と話しています。
| 福祉・医療と教育 | 10:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
生活保護の生活扶助 低所得世帯の生活費上回る
 生活保護で支給される食費などの生活扶助について、厚生労働省の専門家会議が調査した結果、大都市の子どもが2人いる世帯などで、生活扶助の金額が一般の低所得世帯の生活費を上回ったことがわかりました。

 厚生労働省は、こうした世帯では基準額の引き下げを検討する方針です。

 生活保護のうち食費や光熱費などの生活扶助は、地域や年齢、世帯人数などによって支給の基準額が決まっていて、厚生労働省は5年に1度、専門家の会議で見直しを検討しています。

 8日に開かれた会議では、生活扶助の基準額と一般世帯のうち収入が低いほうから10%以内の世帯の1か月の平均支出を比較した結果が示されました。

 それによりますと、大都市で小学生と中学生の子どもがいる40代夫婦の世帯では、生活扶助は18万5000円余りで、収入が低い世帯の支出より2万5000円余り、率にして14%多く、65歳の単身世帯などでも生活扶助が上回っていました。

 厚生労働省、はこうした世帯では基準額の引き下げを検討する方針です。

 一方、大都市で30代の母親が小学生1人を育てる母子家庭では、生活扶助は11万4000円余りで、収入が低い世帯より逆に5600円余り、率にして5%下回り、基準額の引き上げも検討されます。

 また、今回はこれとは別の算出方法を使った比較結果も公表され、これらを基に、今後、基準額の見直しが議論されますが、専門家会議の委員からは「比較結果をそのまま反映させると大幅な減額につながる世帯が出てくる」として、慎重な検討を求める意見が出ています。
| 福祉・医療と教育 | 20:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
入浴時の「ヒートショック」各地で注意呼びかけ
 冷え込みが強まる中、入浴時の温度差で血圧が急激に変化し、危険な状態に陥る「ヒートショック」を防ごうと、家庭でできる対策を紹介し注意を呼びかける取り組みが各地で進んでいます。

 「ヒートショック」は、入浴の際に、脱衣所や湯船の温度差で血圧が急激に変化し、心筋梗塞や脳梗塞など危険な状態に陥るものです。

 冷え込みが強まる中、注意を呼びかける取り組みが各地で進んでいて、千葉市美浜区にあるガス機器メーカーのモデルルームでは、家庭でできる対策を客に紹介しています。

 ヒートショックに詳しく、メーカーに協力している東京都市大学の早坂信哉教授によりますと、家庭での対策で重要なのは、温度差をできるだけ小さくすることだといいます。

 脱衣所の温度を20度前後に保ち、浴室に入る前に数分ほどシャワーからお湯を出して、暖めておくとよいということです。

 また、熱い湯船にいきなりつかるのではなく、かけ湯で体を温め、湯船の温度は40度程度までにして、追い炊きや差し湯であとから温度を上げるよう呼びかけています。

 年間5000人近くに上る入浴中の事故での死者の大半は、ヒートショックが原因と見られていて、冷え込みが強まるこれからの時期、特に注意が必要です。

 早坂教授は、「小さなことで防げるので、対策を実践してほしい。また家族の入浴がふだんより長いと感じたら、ショックを起こしていないか声をかけてほしい」と呼びかけています。

◎入浴時の温度差に注意 「ヒートショック」対策学ぶ
 各地で冷え込みが強まる中、入浴時の温度差で血圧が急激に変化し危険な状態に陥る「ヒートショック」を防ごうと、お年寄りが対策を学ぶ講座が群馬県高崎市で開かれました。

 高崎市で開かれた講座には、地元のお年寄り40人余りが参加し、「ヒートショック」に詳しい群馬県立県民健康科学大学の肥後すみ子教授が講師を務めました。

 肥後教授は、特に高齢者は入浴の際に脱衣所と湯船の温度差で血圧が急激に変化し、ヒートショックとなって心筋梗塞や脳梗塞など危険な状態に陥りやすいことを説明しました。

 そのうえで、対策として、脱衣所や浴室を暖かくし、かけ湯をするなどして湯船に入る前とあとの温度差を抑えるほか、飲酒後の入浴は血圧の変化が大きくなるため、できるだけ避けるよう呼びかけました。

 参加した79歳の女性は、「毎日入る風呂に危険性があることを知って勉強になりました。これからは温度差に注意して入浴します」と話していました。

 肥後教授は、「脱衣所に暖房器具を置いたり、ふたを開けたまま湯をはって浴室を暖めたりして、安全で快適に入浴をしてもらいたい」と話していました。
| 福祉・医療と教育 | 08:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
新共通テストに向けて実施のプレテスト 問題公表
 大学入試センター試験に代わる新たな共通テストの実施に向けて、先月、試験的に行われたプレテストの問題が4日、公表されました。

 国語と数学の問題には初めて記述式の解答が導入されていて、専門家は、「記述の力をつけることは重要だが、大量の採点をいかに迅速かつ正確に行うか、検証することが必要だ」と話しています。

 大学入試センターは、2021年1月から始まる共通テストの実施に向けて、先月、初めてプレテストを実施しました。

 テストにはおよそ2週間にわたって全国の高校生10万人以上が参加し、4日、その問題文が公表されました。

 これを受けて、埼玉県の私立高校では、早速、新たなテスト対策として、国語に導入された記述式の解答を求める問題に取り組みました。

 テストを受けた男子生徒の1人は、「文章から必要な情報を見つけ出し、さらに自分の言葉で表現しなければいけないので、難しいと思いました」と話していました。

 一方、記述式の導入により課題となるのが採点ですが、先月、大学入試センターはその様子を一部公開しました。

 採点に当たるのは委託を受けた民間事業者で、解答をコンピューターに画像データとして取り込んだあと、採点のばらつきをなくすため、1つの解答に対して2人が採点に当たります。

 さらに、結果が一致しなかった場合は複数で協議することも検討しているということです。

 東京大学高大接続研究開発センター長の南風原朝和教授は、「記述式の問題は大量の資料を読み込ませ、早い読解が問われている。書く力を身につけることは重要だが、大量の採点をいかに迅速かつ正確に行うか、検証することが必要だ」と指摘しています。

◇国語の記述式問題例
 国語の記述式の問題例は次のとおりです。

 ある高校の生徒会で、部活動について話し合う生徒の会話が示されています。部活動の終了時間を延長するかどうか話し合っていたところ、ある生徒が「課題もある」と発言しました。

 問題では、このあと「生徒がなんと述べたと考えられるか」について、3つの資料を活用して80字から120字でまとめるよう求めています。

 3つの資料には、終了時間の延長を求める声が多いことや他校でも延長している高校が多いことが表で示されたり、延長すると通学路の交通量のピークと重なり危険だと指摘したりした校内新聞の記事が使われています。

 正答例は、「確かに、部活動の終了時間の延長の要望は多く、市内に延長を認める高校も多いことから、延長を提案することは妥当である。しかし、通学路は道幅も狭いうえに午後六時前後の交通量が特に多いため安全確保に問題があり、延長は認められにくいのではないか」となっています。

 文章を読んで自分の考えを記述するのではなく、図やグラフから必要な情報を読み取り、一定の条件のもと、表現する力が求められています。

◎新テスト:低い正答率 試行調査の問題公表
 (2017年12月04日 21:33 毎日新聞)

 大学入試センターは4日、センター試験に代えて2020年度に始める大学入学共通テストに向けて11月に実施した試行調査(プレテスト)の問題を公表した。新たに導入される国語の記述式問題では身近な話題に関する文章や資料を読み取る力が問われた。マークシート式も思考力や判断力を測る新しい形式が採用され、正答率(速報値)は全体的にセンター試験よりも低い傾向が見られた。

 試行調査は先月13〜24日、記述式が導入される国語と数学1・A、マーク式のみの数学2・B、地理歴史・公民、理科の計11科目で実施され、全国の高校の4割にあたる約1900校の2、3年生延べ約18万人が参加した。記述式問題は小問3問ずつが出され、生徒は自己採点もした。

 記述式の採点結果の公表は来年3月になるが、マーク式は7割の採点が終わり、小問ごとの正答率が発表された。全科目の正答率の最高は87.1%。過去3年のセンター試験は最高が90%超で、試行調査は全体的に低い傾向にあった。

 センターは知識だけでなく思考力や判断力を問うことを重視。国語で性質の異なる文章を読ませたり、地理や歴史などで複数の資料やグラフから必要な情報を読み取らせたりする問題を多く出した。その結果、小問は過去3年のセンター試験で最多だった313問から25問減り288問になった一方、冊子は307ページから56ページ増え363ページになった。解答に時間がかかったためか、終盤の問題は無解答が目立ったという。

 また、正答の数を示さずに選択肢の中から正答を全て選ばせる問題や、選択肢の中に正答がない場合「0」をマークさせる問題など新たな形式の問題も9科目で16問出された。このうち正答率が30%を超えたのは4問で、10%未満も3問あり、全科目で最低の0.9%だったのは数学1・Aの正答を全て選ばせる問題だった。

 センターの大杉住子審議役は正答率が低い傾向について「問題が難しくなったというより、問題の質が変化した。分析し、作問に反映させたい」としている。

◇記述式 細かい正答条件
 国語の記述式問題には、従来のマークシート式では十分に測れない思考力と表現力を測る狙いがある。しかし、正答の条件が細かく設定されており、大学入試改革を議論する文部科学省の専門家会議の委員を務めた南風原(はえばら)朝和・東京大高大接続研究開発センター長は「本来育成すべき表現力の評価には適さないのでは」と指摘する。

 問題では、生徒会規約や学校新聞の記事などを基に話し合う生徒の会話の空欄を埋める文章などを答えさせた。5月に公表された問題例が駐車場の契約書などを題材にしたのと同様、身近で実用的な内容となった。

 3問中2問は50字以内と25字以内の短文で答える形式。3問目は、2文構成で計80〜120字とするほか、書き出しの言葉、盛り込む内容など四つの条件を満たすよう求めた。問題と併せて公表された自己採点用紙では、正答と認めるためのさらに細かい条件が示され、正答例に近い表現以外は認められにくい仕組みになっている。

 大学入試センターも、本来問うべき「自分の考えを明確にして記述を工夫する力」は自由記述式でなければ測れないとの見解だが、採点の手間や経費が増大することから導入は難しいとしている。
| 福祉・医療と教育 | 04:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
大声の叱責 なぜ5歳がPTSDに
 殴る蹴るなどの身体的な虐待では無くても、分別のついていない子どもに対して、諭すのではなく怒鳴りつける行為は『マルトリートメント(不適切な養育)』に当たり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の原因になるそうです。

◎大声の叱責で5歳児がPTSDに 「しつけだから当たり前」という大人の「常識」が覆る最新の脳科学
 (2017年12月01日 11:13 弁護士ドットコム)

 当時5歳だった女の子(都内在住)が、秋祭りで景品の駄菓子を手に取ったため、ボランティアの80代男性から叱責され、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとして、祭りの主催者だった埼玉県深谷市を相手取り、約190万円の損害賠償を求めた裁判の判決が11月9日、東京地裁であった。判決では、叱責されたことなどをPTSDの原因と認め、深谷市に約20万円の支払いを命じた。

 この判決に対し、ネットでは「叱られたぐらいでPTSDになるのはおかしい」など親子への批判が少なくなかった。「悪いことをした子どもはきつく叱るべきだ」「周囲の大人が子どもを叱るのは昔からあったことだ」と考える人もいるかもしれない。しかし、その日の大人たちによる女の子への接し方は、最新の科学的研究から見た場合、決して適切とは言えない。

 これまでの大人の「常識」が、どれだけ子どもを傷つけているのか。メディアではあまり報じられなかった判決文を読み解きながら、なぜ女の子はPTSDとなり、それがどのような影響を及ぼす危険性があったのか、『子どもの脳を傷つける親たち』(NHK出版)を著した福井大学「子どものこころの発達研究センター」(福井県永平寺町)の友田明美教授に聞いた。 (弁護士ドットコムニュース・猪谷千香)

◇「黒いクレヨンで塗りつぶされた絵」「あのおじさんが夢に出てくる」
 親子連れでにぎわう地域の秋祭りで、一体何があったのか。

 判決で認定された事実によると、2014年11月22日、当時5歳だった女の子は、深谷市の施設「ふかや緑の王国」の秋祭りに家族と出かけた。お祭りで家族が目を離した隙に、女の子は無人だった輪投げ会場の受付に近づき、台の上にあった景品の袋から駄菓子を取り出したところ、ボランティアの男性が気づいて、女の子を大声で叱責して駄菓子を取り上げた。

 近くのコーナーにいた父親は、男性の大声が聞こえてきたので、母親と女の子のもとへと駆け寄った。女の子がお菓子を手に取ったことで、男性から大声で注意を受けたことを母親が伝えると、女の子は泣き出した。それから父親は男性に近づき、大声を出して女の子を泣かせたことについて謝罪を求め、2人は女の子の面前で口論になった。

 その際、深谷市の職員が2人の口論を聞いて駆けつけ、全員で施設の管理棟に移動し、父親の通報を受けて警察官が到着。その間も、女の子は泣き続けていた。女の子は先に、母親と一緒に母親の実家に帰り、画用紙いっぱいを黒いクレヨンを塗りつぶした絵を描いている。

 両親の訴えによると、事件の当日、女の子は口数も少なく、夜も「あのおじさんが夢に出てくる」といって怯え、いつもは午後9時に寝ているにもかかわらず、眠りについたのは午後11時を過ぎていた。翌日も女の子は元気がなく、食欲もなかった。夜もまた、「怖い夢をみる」といって、なかなか眠れなかった。

 3日目も状態に変化がなかったため、両親は女の子を心療内科のクリニックを受診させた。女の子は12月末までの28日間、クリニックに通院し、カウンセリングを中心とした心理療法を受けた。担当医師は約半年後の2015年4月、女の子の病名をPTSDであると診断するに至った。

◇「男性は激高した時は相当に大きな声」「女の子は相当に強い精神的ショック」
 これらの事実を受けて、東京地裁はどのように判断したのだろうか。判決文は、女の子のPTSDの原因を明確にしている。

 男性を法廷で本人尋問した際、片耳がほとんど聞こえない状態であり、「地声は相当に大きかった」と指摘。お祭りの日も、「激高した時は相当に大きな声を出したものと認めるのが相当である」と指摘している。

 そして、「男性は、曲がったことが嫌いな性格で、物を盗むことが悪いことを小さい頃から子どもに教えるべきであり、5歳の子どもが物を盗むのは親によるしつけができていないと考えていたから、女の子が駄菓子を取り出すのを見て、親のしつけができていないと考えて、激高して相当に大きな声で注意したものを考えられる」と判断した。

 その上で、「男性から大声で注意された女の子は、その当時5歳であったから、相当に強い精神的ショックを受けたものと考えられる」とし、「女の子のPTSDは、男性に注意されたことが契機となり、その後の父親と男性の口論を見て、相当に強い精神的ショックを受けたために発症したものと認めるのが相当である」と結論づけた。男性が女の子を注意した声は相当大きく、それによって女の子が強い精神的ショックを受けることは、男性も十分に予想できたとして、賠償責任を認めている。

 一方、親側の過失についても、判決文では触れられている。母親は女の子のそばにいたにもかかわらず、その行動を見ていなかったために、駄菓子を手に取る前にやめさせることができず、もし女の子の行動を注視していれば、男性の女の子に対する注意や、精神的ショックの大きさも違っていた可能性があると指摘した。

◇子どもの脳を傷つける「マルトリートメント」とは?
 この判決では、「子どもを大声で叱責する」という行為を、PTSDの原因と明確に言い切っている。しかし、ネットでは男性は本来、親がやるべき「しつけ」をしただけで、親子の反応は大げさと非難する声があった。

 しかし、これは本当に「しつけ」にあたるのだろうか。小児精神科医で福井大学「子どものこころの発達研究センター」の友田教授はこう説明する。

 「『大声で叱責する』『駄菓子を取り上げる』などは、殴る蹴るなどの身体的な虐待ではありませんが、分別のついていない子どもに対して、諭すのではなく、怒鳴りつける行為は『マルトリートメント』にあたると考えます」

 マルトリートメントとは、1980年代からアメリカなどで広まった表現で、日本語で「不適切な養育」と訳され、子どもの健全な発育を妨げるとされている。友田教授の著書『子どもの脳を傷つける親たち』によると、虐待とほぼ同義だが、「子どものこころを身体の健全な成長・発達を阻む養育をすべて含んだ呼称」であり、「大人の側に加害の意図があるか否かにかかわらず、また、子どもに目立った傷や精神疾患が見られなくても、行為そのものが不適切であれば、それは『マルトリートメント』」なのだという。

 友田教授は、男性の行為についてこう話す。
「この男性と女の子の力関係は対等ではありません。『強者』である大人が、『弱者』である子どもを怒鳴りつけるという行為は、わたしたち大人が想像するより女の子に強い衝撃を与えたことでしょう。彼女の誤りを正す方法はほかにもあったはずです。一昔前には、封建的な親が怒鳴ったり叩いたりしていうことを聞かせるということがあったかもしれません。しかし、『しつけ』とは子どもに恐怖を与えることではなく、正しく導くことが目的でなければなりません」

 ニュースで報道される児童虐待といえば、ひどい暴行や性的虐待など、極端なケースが多い。しかし、マルトリートメントには、しつけと称して脅したり、威嚇したり、暴言をぶつけるといった心理的・精神的な虐待も含まれる。多くの子どもに関わる大人が、自分は児童虐待と無関係だと思って見過ごし、日常的に不適切な接し方で子どもを傷つけてしまっている可能性もあるのだ。

 では、マルトリートメントは子どもにどのような影響を与えるのだろうか。外見からはわかりづらい「心の傷」を可視化するため、友田教授とハーバード大の研究グループはさまざまなマルトリートメントを受けた人の脳の画像検査を行った。

 その結果、マルトリートメントが発達段階にある子どもの脳に大きなストレスを与え、実際に変形させていることが明らかになった。これまでは、生来的な要因で起こると思われていた子どもの学習意欲の低下を招いたり、引きこもりになったり、大人になってからも精神疾患を引き起こす可能性があることが分かった。

 たとえば、親から暴言を浴びせられるなどのマルトリートメントの経験を持つ子どもは、過度の不安感や情緒障害、うつ、引きこもりといった症状・問題を引き起こす場合があるという。

 友田教授らは、暴言のマルトリートメント経験者と未経験者のグループに精神的トラブルを抱えていないかなどアンケートを行い、それぞれの脳をMRIで調べた。その結果、経験者のグループは大脳皮質側頭葉にある「聴覚野」の一部の容積が、未経験者に比べ平均14.1パーセントも増加。子ども時代に暴言を受けたため、正常な脳の発達が損なわれ、人の話を聞きとったり、会話したりすることに余計な負荷がかかるようになった可能性を指摘している(『子どもの脳を傷つける親たち』より)。

◇突然の過酷な体験がトラウマとなり、「PTSD」を引き起こす
 マルトリートメントは、PTSD発症のリスクを高める。今回のケースでも、女の子はPTSDと診断された。子どものPTSDとはどのような症状なのか、友田教授に聞いた。

 「一般論で言えば、人は、あまりにも過酷で耐えがたい体験をしたとき、その体験記憶を『瞬間冷凍』し、感覚を麻痺させることで自分の身を守ります。しかし、その体験は新鮮な状態で丸ごと保存され、類似した音や視覚などの刺激で何度も、何年後でも『解凍』されることがあります。

 具体的には、自分自身や近親者の生命に危険が生じるような事態に遭遇し、強い恐怖や無力を感じたとき、その体験はトラウマになります。例えば虐待などの暴力や災害、そして戦争などです。

 うまくトラウマの治療がなされないと、人生の大半において、傷が刺激され、冷凍した記憶がよみがえる生活を強いられることもあります。最悪なことに、トラウマは成長したあとに心の病気やDV行為、アルコールや薬物依存などの形で現れることもあります」

 両親の訴えによると、女の子は事件後、眠れない、食欲がなくなる、自分を怒鳴った男性の夢をみる、などの状況が数日間続いていた。父親が気分転換にと公園へ連れて行っても、元気がなかったという。

 「子どものPTSDには、主要な症状としては、『再体験』『回避』『過覚醒』があります。

 『再体験』とは、過去の体験を意図せずに繰り返し思い出してしまい、苦痛を感じることです。悪夢をみてうなされて眠れない、ふとした拍子に蘇り、体験した時点に引き戻されたかのような感覚、さらには動機・発汗・震えなどの身体的な反応を伴います。また、出来事を連想させるような物事に触れると、苦痛を感じてしまい、大人に比べて抑制が利かないことが多いので、突然興奮して過度の不安状態や緊張状態に陥ったり、パニックやけいれんを起こしたりします。

 また、その体験を思わせる遊びや話を繰り返すことが特徴的で、早急にこの再体験を伴う反復行動をやめさせていくことが重要です。突然人が変わったようになったり、現実にはありえないことを言い出したりする行動も、再体験の現れです。

 『回避』は、原因となった出来事に関する事柄を避けようとする肉体的・精神的な行動を言います。一般的には、その出来事のことを考えたり話したりすることを避け、そういう場所に近づかないようになります。思い出すこともいやがり、逆に意識的に思い出そうとしても、肝心な内容が思い出せなくなったりもします。

 また、『自分が自分でなくなるような』症状が出てくることもあります。こうなると、好きだったはずの物事に以前のような関心が持てず、周囲との間に壁ができたように感じて疎遠になります。また感情が自分のものとして感じられず、愛情や幸福感などの自然な気持ちが薄まってしまったような感覚を受けたりもします。

 子どもの『回避』症状は、普段より活動性が低下するところから始まることが多い特徴があります。表情や会話が乏しくなり、ぼーっとしていたり、引っ込み思案になったり、さらには食事などの日常の行動にも支障がでてくるため、食欲がなくなると訴えたりします。もちろん、勉強への集中力も低下し、記憶力も下がるようになります。また観察していると、好きだったはずの物事へ関心を示さなくなっていることもあります。

 『過覚醒』は、気持ちが落ち着かず、いつも興奮しているような状態です。具体的には、眠れなくなったり、些細なことに苛立って怒りっぽくなったりすることが続きます。また危険に対する警戒心が過剰で、些細な物音にでも激しく反応してしまいます。子どもは、大人と同様に、いつも怯えて、そわそわして落ち着かず、少しの刺激にも激しく反応して驚いて泣き出したりします。

 詳しくは、『子どものPTSD』(診断と治療社・友田明美、杉山登志郎、 谷池雅子編)をお読みいただければと思います」

◇直接的な暴言だけでなく、面前での暴言もマルトリートメントに
 今回の判決では、原告である両親や被告である深谷市、双方の主張にはなかったが、男性と父親が女の子の面前で言い争ったことも、PTSDの原因であると認めている。面前での暴言の応酬も、やはりPTSDの原因になりうるのだろうか。

 「子どもと密接に関わる人への言葉の暴力もマルトリートメントになり、PTSDの原因となります」と友田教授は話す。「これまで、直接、子どもが被害を受けていないため、子どもの発達との関連についてはあまり指摘されてきませんでしたが、両親間のDVを目撃すると、実際はこころと脳に多大なストレスがかかります」

 児童虐待防止法でも、2004年の改正時に児童虐待の定義の中に、「児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと」(第二条)を含めている。

 楽しいお祭りの日に、自分よりも大きな大人の男性に突然、大声で叱責されるという出来事が、たった5歳の女の子に与えたストレスは、「たかが叱られたぐらいで」という言葉で片付けるには、あまりに重すぎるのではないだろうか。

 (弁護士ドットコムニュース)
| 福祉・医療と教育 | 16:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
後期高齢者医療制度の保険料 高所得者の上限額引き上げへ
 厚生労働省は、75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度の保険料を4年ぶりに見直し、来年度(平成30年度)から、年金の収入が864万円以上の人が1年間に納める保険料の上限額を5万円引き上げて62万円にする方針を決めました。

 厚生労働省は、高齢化の進展に伴って増え続ける医療費の財源を確保する一環として、75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度について、所得の高い人たちの保険料を4年ぶりに見直すことになりました。

 具体的には、来年度(平成30年度)から、年金の収入が864万円以上の人が1年間に納める保険料の上限額を今の57万円から5万円引き上げて62万円にする方針です。

 また、自営業者らが加入する国民健康保険の保険料も2年ぶりに見直し、給与の収入が1078万円以上の単身世帯と、年金の収入が1062万円以上の単身世帯については、来年度から、年間の保険料の上限額を今の73万円から4万円引き上げて77万円にする方針です。

 ただ、40歳から64歳までの国民健康保険の加入者が健康保険料とともに納めている介護保険料の上限額は、年間16万円のまま据え置くことにしています。
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知っていますか?“助けて”のマーク
 私は、「ヘルプマーク」を知りませんでした。本当に、一見健康そうに見えても障害があり、そういう人が心無い言葉を投げかけられた経験があります。

 「ヘルプマーク」の認知度アップもそうですけど、見た目で判断しないで寛容を持つ余裕を持って欲しいと思います。

◎知っていますか?“助けて”のマーク
 (11月29日 NHK News Up)

 赤地に白の十字とハート。何のマークかご存じでしょうか。
名前は「ヘルプマーク」。

 “助けてほしい”という大事なメッセージが込められているんです。

 東京オリンピック・パラリンピックに向けて全国共通の規格にも採用され、今後、目にする機会が増えるかもしれません。(名古屋局記者 松岡康子/ネットワーク報道部記者 佐藤滋 野田綾)

◇きっかけは当事者の声
 ヘルプマークは、東京都が5年前に作りました。きっかけになったのは、外見では分からない病気や障害がある人たちの声。周りの人に理解や配慮、援助を求めたいとき、そのための方法がないというのです。

 ヘルプマークの対象となるのは、心臓や肺、腎臓、腸などの内臓や免疫機能に障害がある「内部障害」の人のほか、義足や人工関節を使っている人、がんや難病の患者、認知症の人、知的障害のある人、耳が不自由な人、それに妊娠初期の女性など、援助を必要とするあらゆる人たちです。

 一見、健康そうに見えても、疲れやすい人や電車のつり革につかまる姿勢すらつらい人がいます。突然、意識を失って倒れることがあり、立っているだけで危険な場合もあります。

 ヘルプマークはこうした人たちが身につけ、「事情を分かってほしい。そして、もしものときは助けてほしい」…そんな気持ちを伝える手段なのです。

◇広がるマーク
 東京都はこのマークのタグを無料で配っています。

 裏にはシールを貼って、「私は耳が聞こえません。筆談での対応をお願いします」といったメッセージや、病名やかかりつけの医療機関、家族の連絡先などを伝えることができます。

 都営地下鉄やバスなどの駅や営業所、それに都立病院などで配り、ことし8月までにおよそ19万個を配布しました。

 東京以外の自治体でも配られるようになり、10月末の時点で、青森県、神奈川県、岐阜県、大阪府、広島県など12の都府県や一部の市町村で配布が始まっています。

 さらに、このマーク、7月には、JIS(日本工業規格)で定める標準的な規格に追加されました。

 東京オリンピック・パラリンピックに向けて、日本人だけでなく外国人にも分かりやすい案内マークなどを定める際、援助や配慮を必要としていることを知らせる全国共通の表示として採用されたのです。

◇見かけたらどうする?
 このマークをつけている人を見かけたら、周りはどうすればいいのでしょうか。

 東京都は3つを呼びかけています。

 まず、「電車やバスで席を譲る」。

 そして、「駅や商業施設で声をかけるなどの配慮を」。
立ち上がる、歩く、階段を上り下りするなどの動作が難しい人もいます。支援が必要かどうか声をかけて確かめ、手をさしのべてほしいというわけです。

 そして、3つめは、「災害時、安全に避難できるよう支援する」。すぐに状況を把握できなかったり、1人で避難できなかったりする場合があります。介助や誘導を呼びかけています。


◇“お守り”として
 東京都には、マークを使い始めた人からさまざまな声が寄せられています。

 「これまでは優先席に座っていると注意されたが、マークをつけるようになって気持ちが楽になった。“お守り”になっている」(義足や人工関節を使う人)

 「通院のために出かけるが、薬の副作用で立っているのもつらい。気付いてほしくてマークをつけている」(がん患者)

 「知的障害がある子どもが迷子になったとき、駅員さんがマークに気付いて、声をかけながら見守ってくれていた」

 腎臓病の患者などおよそ8万人で作る「全国腎臓病協議会」も、ヘルプマークの普及に期待を寄せています。患者は、人工透析を受けたあと血圧が下がって気分が悪くなることがあります。

 また、長年、透析を受けると、骨や関節に痛みが出たり骨折しやすくなったりします。協議会は会報などでヘルプマークを紹介し、普及を図っているということです。

 内臓に障害がある人などを支援するNPO法人「ハート・プラスの会」は、東京都よりも早く、十数年前から独自のマークを作って活動を続けてきました。

 みずからも心臓病を患う代表の鈴木英司さんは、「かつては『内部障害』ということば自体、ほとんど知られていませんでした。ヘルプマークは私たちのこれまでの活動を踏まえた取り組みで、見えない障害や病気への理解がより深まってほしい」と話しています。

◇でも、「誰も声かけてくれなかった」
 徐々に利用が広まるヘルプマークですが、大きな課題があります。

 一般の人に、まだ十分知られていないのです。

 三重県四日市市の小崎麻莉絵さんは、血液の成分が正常に作れない「骨髄異形成症候群」という病気を患っています。名古屋市内まで電車で通勤していますが、体のだるさや貧血などに悩まされ、確実に座れる電車を待って通っています。

◇皆さん、知っていますか?
 ヘルプマークはどの程度、知られているのでしょうか。

 東京・渋谷で聞いてみました。さまざまな年代の男女に尋ねたところ、知っている人と知らない人がほぼ半数でした。

 同じ学校に通う女子高校生2人は、心臓病を患う同級生が持っているため、学校でマークについての説明を受けたそうです。

 「本当は助けてほしいけれども、言い出せないことがすごくあるみたいです。なので、もうちょっとみんなに知ってもらえれば…」と、同級生の気持ちを代弁してくれました。

 このほか、「高齢の親族が持っているので知っている」という人も何人かいました。

 一方、「全く知らない」という40代の女性、「CMなどで、もうちょっとアピールしたほうがいいですよね」と話していました。

 20代の男性も、「マタニティマークぐらい認知度が上がればいいですね。今度、見かけたら席を譲ります」と力強く話してくれました。

 東京都も、認知度の低さを深刻に受け止め、駅にポスターを貼ったり、企業や団体にリーフレットを配ったりしています。

 さらに、ヘルプマークを紹介する動画を作り、ホームページで公開したり、繁華街の大型ビジョンで放映したりしているということです。

 これまで啓発活動を続けてきた東京でこんな状況ですから、ほかの地域では認知度がもっと低いかもしれません。

◇安心して外出できる社会を
 つらい経験をした小崎さんも、多くの人に知ってもらおうと活動しています。

 企業関係者が集まった名古屋市内の会合に出向いて講演し、「気付いてほしいからマークをつけているので笑顔で声をかけてください。声をかけられると安心するし、うれしくなります」と呼びかけました。

 講演を聞いた人からは、「全然知らなかったので、話を聞けてよかった」、「見かけたら声をかけます」といった感想が聞かれました。

 小崎さんはこう話していました。
「誰もが普通に知っているマークになるまで頑張らないと、と思っています。病気や障害があっても、安心して外出できる社会であってほしい」

 赤と白の手のひらサイズのマーク。“助けてほしい”のメッセージを受け取る人がいて、はじめてその役割を果たせます。「これ、知ってますよ!」…そんなひと言から自然な助け合いが生まれるといいですね。
| 福祉・医療と教育 | 11:32 | comments(0) | trackbacks(0) |
東京都 「インフルエンザ流行始まる」発表
 都内でインフルエンザの患者が増えていることから、東京都は30日、「インフルエンザの流行が始まった」と発表し、こまめな手洗いの徹底など予防を呼びかけています。

 東京都によりますと、今月26日までの1週間に都内419の医療機関から報告されたインフルエンザの患者は1つの医療機関当たり1.86人になりました。

 このため、都は、流行開始の目安となる「1」を超えたとして、30日、都内でインフルエンザの流行が始まったと発表しました。

 都内では、すでに学校や福祉施設などでインフルエンザと見られる集団感染が合わせて95件発生し、58の幼稚園や学校で学級閉鎖などが行われたということです。

 また、1つの医療機関当たりの患者の報告数が最も多かった世田谷区は、流行注意報の基準となる「10」に近い9.64人となっています。

 インフルエンザは、例年12月から3月にかけて流行し、これから本格的な流行が予想されることから、都はこまめな手洗いの徹底やせきなどの症状がある場合はマスクを着用するなど、予防を呼びかけています。
| 福祉・医療と教育 | 04:04 | comments(0) | trackbacks(0) |