<< December 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
今年度の補正予算案を閣議決定 赤字国債の追加発行も
 政府は新たな経済対策を実行するため13日の臨時閣議で追加の歳出を4兆4700億円余りとする今年度の補正予算案を決定しました。今年度の税収が当初の見込みを下回ることから、年度の途中としては3年ぶりに赤字国債を追加発行します。

 13日の臨時閣議で決定された今年度の補正予算案は、先にまとめた事業規模が総額26兆円程度の新たな経済対策を実行する費用を盛り込んでいます。

 この中では、台風19号など一連の災害からの復旧・復興や「国土強靭化」に向けた河川の堤防などのインフラ強化に2兆3086億円を計上しました。

 また、高齢ドライバーによる交通事故を防ぐため、自動ブレーキを備えた車の購入に対する補助などに1139億円、小中学生に1人1台のパソコンやタブレットを配備することを目指す事業などに2318億円を盛り込みました。

 この結果、追加の歳出は一般会計で4兆4722億円となります。

 そのための財源は、公共事業などに使い道を限った建設国債を2兆1917億円発行するなどして捻出します。

 一方、今年度の税収の見込みは米中の貿易摩擦の影響などで法人税の税収が減っていることから当初より2兆3150億円引き下げ、財源不足を補うため赤字国債を2兆2297億円発行します。

 年度の途中で赤字国債を追加発行するのは3年ぶりです。政府はこの補正予算案を年明けの通常国会に提出することにしています。

◇今年度の補正予算案に計上された主な項目です。

1.災害からの復旧・復興
 新たな経済対策のうち、台風19号など一連の災害からの復旧・復興、国民の安全・安心の確保には、2兆3086億円が計上されました。

 この中には防災・減災と「国土強靭化」に向けて、

▽河川の堤防のかさ上げや、川底を掘削して水位の上昇を防ぐなどの治水対策に2437億円、

▽市街地の浸水被害を防ぐため、雨水をためておく施設の整備に673億円が盛り込まれています。

 また、

▽台風15号により千葉県で大規模な停電が発生したことを踏まえて、市街地の緊急輸送道路などで電線を地中に埋める「無電柱化」の加速に205億円。

▽台風19号による豪雨災害で出た廃棄物の処理などにおよそ535億円、

▽災害に強い処理施設の整備に480億円余りを計上しました。

▽東日本大震災の発生から再来年3月で10年になることを踏まえ、被災地でのインフラ整備などの費用、およそ2700億円を盛り込みました。

 一方、

▽大規模な火災で主要な建物が全焼した那覇市の首里城の復元に向けたがれきの撤去などに8億円を計上しました。

◇2経済の下振れリスク対応
 経済の下振れリスクに備えるための対策には、9173億円が計上されました。

 この中で、

▽中小・小規模事業者の生産性の向上に向けて、革新的な製品やサービスを開発するための設備投資や、最低賃金の引き上げに向けた支援などに3847億円。

▽日米の貿易協定を踏まえ、和牛の増産に向けた支援の拡充や農林水産業の輸出拡大に向けた施設整備の補助などに3428億円を計上しました。

 また、

▽いわゆる「就職氷河期世代」の支援を強化するため86億円を計上しました。

◇3オリパラ後を見据えた景気活性化策
 東京オリンピック・パラリンピック後を見据えた景気活性化策には1兆771億円が計上されました。

 この中では、

▽10月から始まったキャッシュレス決済のポイント還元制度で、想定を上回るペースで利用が増えていることから、還元するポイントの原資などとして1497億円。

▽高齢ドライバーによる交通事故を防ぐため、自動ブレーキを備えた車の購入に最大10万円の補助金を出す制度などに1139億円を盛り込みました。

 また、

▽令和5年度までに小中学生に1人1台のパソコンやタブレットを配備することを目指す事業などに2318億円。

▽高速・大容量の通信規格、5Gのさらに次の世代にあたる「ポスト5G」の技術開発を支援する基金を設けるため1100億円を盛り込みました。

 さらに、

▽ことし日本で開催されたラグビーワールドカップをきっかけに、子どもや地域の人たちがラグビーをプレーできる施設を増やすため、自治体のスポーツ施設の新築や改修を補助する費用として20億円、

▽首里城の火災を踏まえて、国宝や重要文化財の防火・防災対策を進めるため58億円を計上しました。

◇その他経費
 このほか、経済対策以外では、

▽幼児教育と保育の無償化をめぐって、保育所の利用者が想定より多かったことなどから今年度予算に計上した経費が不足するため、392億円を追加で計上しました。

◇菅官房長官「経済成長と財政健全化の両立を」
 菅官房長官は、臨時閣議のあとの記者会見で、今年度の補正予算案で、赤字国債を追加で発行することについて、「今回の赤字国債の発行は、海外経済の影響による税収の減少を受けたものだ。海外経済を要因とする先行きリスクに対応するため、経済対策を策定したところだ。経済対策を着実に実行することにより、持続的な経済成長を実現し、経済成長と財政健全化の両立を図っていきたい」と述べました。
| 政策 | 19:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
ヘイトスピーチに刑事罰 全国初の条例成立 川崎市議会

 ヘイトスピーチなどの民族差別的な言動を繰り返した場合、刑事罰を科すことを盛り込んだ全国初の条例が12日、川崎市議会で成立しました。川崎市は、表現の自由への配慮と実効性の確保の両立を目指したとしています。

 川崎市はヘイトスピーチなど、民族差別的な言動を市の「勧告」や「命令」に従わず3回繰り返した場合、最高で50万円の罰金を科すことなどを盛り込んだ条例案を開会中の市議会に提出していました。

 この条例案について12日の本会議で採決が行われ、継続審議が必要だとして退席した議員2人を除く全員の賛成で可決されました。

 川崎市は、表現の自由への配慮と実効性の確保の両立を目指したとしていて、条例では、禁じる差別的行為について対象、場所、内容、手段を具体的に示しているほか、「勧告」や「命令」の効力を6か月とし、「公表」の前には、必ず専門家による審査会の意見を聞くことになっています。

 市議会では条例の対象外となる市民についても、不当な差別的言動により、著しい人権侵害が認められれば必要な措置などを検討するよう付帯決議が付けられました。

 成立を受け、福田紀彦市長は、「採決に至るまでには、議会にも行政にも妨害行為があったが、乗り越えて真摯に議論でき、今議会で条例を成立できたことはよかった」と述べました。

 そのうえで、「捉え方で適用基準が変わらないよう、年度内に解釈の指針を作り、審査会は公平中立な専門家の人選を進めたい」と今後の方針を述べました。

 川崎市の条例は、来年7月1日に全面施行されます。

◇対象となる差別的言動
 12日に成立したヘイトスピーチなど、差別的な言動を禁じる川崎市の条例の内容です。

 条例で禁じているのは、市内の道路や公園などの公共の場所において「日本以外の国や地域の出身者や、その子孫に対する差別的言動」を行うことです。

 具体的な内容は3つで、

▽1つ目は「居住する地域からの退去を扇動・告知する」行為。

▽2つ目は「生命、身体、自由、名誉、または財産に危害を加えることを扇動・告知する」行為。

▽3つ目は「人以外のものに例えるなど、著しく侮辱する」行為です。

 具体的な手段としては、「拡声機の使用」「看板やプラカードなどの掲示」「ビラやパンフレットなどの配布」が明記されました。

 これに違反すると、市長がこれらの行為を6か月間行ってはならないと「勧告」し、期間内に再び違反行為があれば、次は「命令」します。

 それでも従わず、命令から6か月以内に3回目の違反が行われた場合、個人の氏名や団体の名称、住所などを公表するほか、刑事告発して50万円以下の罰金を科すとしています。

 表現の自由に考慮し「勧告」「命令」「公表」の前には、専門家の審査会に意見を聞く流れになっています。

 ただし、「勧告」「命令」に関して、緊急性が高い場合は、必ずしもその必要はなく、恣意的な判断の防止と実効性の確保の両立を目指したとしています。

◇被害を訴えてきた在日コリアン3世「抑止効果に期待したい」
 条例の成立を受け、川崎市在住でヘイトスピーチの被害を訴えてきた在日コリアン3世の崔江以子さんらが会見を開き、喜びを語りました。

 崔さんは、「『朝鮮人は日本から出て行け』などということばを聞き、つらい思いをしてきた。条例の可決は、川崎市が私たちを守ると宣言してくれたようで本当にうれしい」と述べました。

 そのうえで、「条例ができたからと言って、すぐに差別がなくなるわけではない。実効性を保てるかは、これからだと思うが、市が条例の素案を公表してから職場への嫌がらせの電話がなくなるなど、すでに影響を感じている。抑止効果に期待したい」と話していました。

 また、川崎市に50年住み、市議会に可決を要請してきた在日コリアン2世の石日分さんは、「長年かけて地域に溶けこみ穏やかに暮らしてきたのに、今になってヘイトスピーチによって差別を受ける理由はない。子どもたちには、そういう思いをさせたくないので条例の制定に感謝したい」と話していました。

◇専門家「具体的手続きのガイドライン必要」
 条例の成立を受け、ヘイトスピーチの問題に詳しい師岡康子弁護士は、「ヘイトスピーチ解消法の成立後もヘイトスピーチはなくならず、刑事罰を設けた実効性のある条例を、川崎市が全国に先駆けて成立させたことには大きな意義がある」と評価しました。

 一方、内容については、「意図的に差別的な言動を繰り返した場合のみを規制の対象とするなど、表現の自由とのバランスが取れているが、今後の運用については市民からのヘイトスピーチに関する情報提供の受け付け方や、警察や検察との連携など、具体的な手続きについてガイドラインなどで定めていく必要がある」と指摘しています。
| 政策 | 04:06 | comments(0) | trackbacks(0) |
内閣支持45% 不支持37% NHK世論調査
 NHKの世論調査によりますと、安倍内閣を「支持する」と答えた人は、先月の調査より2ポイント下がって45%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は2ポイント上がって37%でした。

 NHKは今月6日から3日間、全国の18歳以上の男女を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。

 調査の対象となったのは2150人で58%にあたる1238人から回答を得ました。

◇安倍内閣 支持する45% 支持しない37%
 それによりますと、安倍内閣を「支持する」と答えた人は先月の調査より2ポイント下がって45%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は2ポイント上がって37%でした。

 支持する理由では、
▽「他の内閣より良さそうだから」が49%、
▽「支持する政党の内閣だから」が17%などとなりました。

 支持しない理由では、
▽「人柄が信頼できないから」が47%、
▽「政策に期待が持てないから」が26%などとなっています。

◇中東地域に海上自衛隊を派遣 賛成40% 反対39%
 中東地域での日本に関連する船舶の安全確保に向けて、情報収集態勢を強化するため、政府が海上自衛隊を派遣することを閣議決定する方向で調整を進めていることについて賛否を尋ねたところ、「賛成」が40%、「反対」が39%でした。

◇日韓関係改善 向かう16% 向かうと思わない62%
 日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を韓国側が維持することを決定したことをきっかけに、日韓関係が改善に向かうと思うか聞いたところ、「改善に向かうと思う」が16%、「改善に向かうとは思わない」が62%でした。

 日本と韓国の関係改善に向けて、どちらの国が歩み寄るべきだと思うか尋ねたところ、「日本」が5%、「韓国」が28%、「日韓両国」が49%、「関係改善をする必要は無い」が11%でした。

◇桜を見る会
 総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐる問題で、安倍総理大臣のこれまでの説明に納得できるか尋ねたところ、「大いに納得できる」が2%、「ある程度納得できる」が15%、「あまり納得できない」が30%、「まったく納得できない」が41%でした。

 政府は「桜を見る会」について、来年は中止し、招待基準を明確にしたり、人数などを見直したりするとしています。

 こうした見直しのあと、「桜を見る会」を再開してもよいと思うか聞いたところ、「再開してもよい」が33%、「廃止すべき」が53%でした。

◇国語と数学 記述式の問題 実施すべき17% 中止すべき59%
 再来年から始まる大学入学共通テストの国語と数学に導入が予定されている記述式の問題について、予定どおり実施すべきか尋ねたところ、「予定どおり実施すべき」が17%、「中止すべき」が59%でした。

◎各政党の支持率 NHK世論調査

NHKの世論調査によりますと、各党の支持率は、
▽「自民党」が36.1%、
▽「立憲民主党」が5.5%、
▽「国民民主党」が0.9%、
▽「公明党」が2.7%、
▽「日本維新の会」が1.6%、
▽「共産党」が3.0%、
▽「社民党」が0.7%、
▽「れいわ新選組」が0.6%、
▽「NHKから国民を守る党」が0.1%、
▽「特に支持している政党はない」が41.4%でした。
| 政策 | 19:03 | comments(1) | trackbacks(0) |
7〜9月期GDP 年率プラス1.8%に上方修正
 ことし7月から9月までのGDP(国内総生産)の改定値は年率に換算した実質の伸び率がプラス1.8%となりました。最新の統計で企業の設備投資が伸びたため、先月の速報段階のプラス0.2%から大きく上方修正されました。

 内閣府が発表したことし7月から9月までのGDPの改定値は物価の変動を除いた実質の伸び率が前の3か月と比べてプラス0.4%となりました。

 これを年率に換算するとプラス1.8%となり、先月の速報段階の年率プラス0.2%から大きく上方修正されました。

 これは最新の統計を反映した結果、企業の「設備投資」が速報段階のプラス0.9%からプラス1.8%に大きく伸びたためです。

 GDPの半分以上を占める「個人消費」も速報段階のプラス0.4%から今回はプラス0.5%に上方修正されました。

 全体としてGDPは7月から9月期まで4期連続のプラス成長となりましたが、10月に消費税率が10%に引き上げられたあとの個人消費や企業の生産活動を示す経済指標はいずれも大きく落ち込んでいます。

 このため10月から12月までのGDPはマイナスに転落するという見方が出ていて、国内の景気の先行きが懸念されています。

◎10月の経常収支 1兆8000億円余の黒字
 日本が海外との貿易やサービスなどの取り引きでどれだけ稼いだかを示すことし10月の経常収支は1兆8000億円余りの黒字でした。原油価格の下落などにより輸入額が大幅に減少したことなどから、黒字の額は前の年の同じ月に比べて5000億円余り増えました。

 財務省の発表によりますと、ことし10月の日本の「経常収支」は1兆8168億円の黒字で、黒字額は前の年の同じ月に比べて5005億円増えました。黒字はこれで64か月連続です。

 これは輸入が15%余りの大幅な減少となり、輸出から輸入を差し引いた「貿易収支」が2540億円の黒字に転じたことが主な要因です。

 原油価格の下落により原油や天然ガスの輸入が減ったほか、中国からの携帯電話や衣類、台湾からの半導体などの電子部品の輸入も減りました。

 一方、日本企業が海外の子会社から受け取った配当や利子などの稼ぎを示す「第一次所得収支」は1兆7775億円の黒字でした。

 また、「旅行収支」は2035億円の黒字でしたが、韓国からの旅行者が大幅に減った影響などで黒字額は200億円縮小しました。
| 政策 | 21:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
景気動向指数の悪化幅 前回の増税を上回る 8年7か月ぶり
 消費税率が引き上げられた、ことし10月の景気動向指数は、ホームセンターなどの小売店で、日用品の売り上げが落ち込んだことから、前の月より5.6ポイント悪化しました。悪化の幅は、前回、5年前の増税後を上回って、8年7か月ぶりの大きさとなりました。

 内閣府が発表した、ことし10月の景気動向指数は、景気の現状を示す「一致指数」が、2015年を100として94.8となり、前の月を5.6ポイント下回りました。

 悪化の幅は前回、5年前の増税後の4.8ポイントを上回って、東日本大震災があった2011年3月以来、8年7か月ぶりの大きさとなりました。

 これは、消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要の反動で、ホームセンターなどの小売店で日用品の売り上げが減少したほか、海外経済の減速を背景に、自動車や工場で使う機械の生産が落ち込んだためです。

 指数の動きから機械的に導かれる景気の基調判断は、景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」とされました。

 「悪化」となるのは、これで3か月連続です。

 内閣府は、「台風19号などの災害も、小売店の販売減少の要因とみられる」としています。
| 政策 | 08:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
菅官房長官 「不信任決議案提出なら解散の大義」
 今の国会の会期末を来週9日に控え、菅官房長官は、安倍内閣に対する不信任決議案が国会に提出された場合、衆議院を解散する大義になり得るという考えを改めて示しました。

 菅官房長官は、ことし5月、「衆参同日選挙」をめぐって、与野党双方からさまざまな見方が出ていた中、記者団から「野党側が国会に内閣不信任決議案を提出した場合、衆議院を解散する大義になるか」と質問されたのに対し、「それは当然、なるのではないか」と述べ、解散の大義になり得るという認識を示していました。

 これに関連し、5日の閣議のあとの記者会見で、記者団が今の国会の会期末が来週9日に迫っていることを踏まえ、この認識に変わりはないか質問したのに対し、菅官房長官は、「全く変わっていない」と述べ、不信任決議案が提出された場合、衆議院を解散する大義になり得るという考えを改めて示しました。
| 政策 | 23:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
事業規模は総額26兆円 新経済対策を決定 政府
 政府は、一連の災害からの復旧・復興や経済の下振れリスクに備えるための施策を盛り込み、事業規模が総額26兆円程度の新たな経済対策を正式に決定しました。GDP(国内総生産)を実質で1.4%程度押し上げる効果が見込まれるとしています。

 政府は5日夜、臨時閣議を開き、一連の災害からの復旧・復興、経済の下振れリスクへの備え、それに、東京オリンピック・パラリンピック後を見据えた景気活性化策の3つを柱とした、新たな経済対策を決定しました。

 災害からの復旧・復興は事業規模が7兆円程度で、河川の堤防などのインフラ強化をはじめ、ハザードマップの作成を加速させることを盛り込んでいます。

 経済の下振れリスクへの備えは7兆3000億円程度で、日米貿易協定を踏まえ、農林水産物の輸出拡大に向けた支援の強化や、いわゆる就職氷河期世代の支援として、来年度から3年間、国家公務員への中途採用に集中的に取り組むとしています。

 来年以降を見据えた景気活性化策は、11兆7000億円程度で、マイナンバーカードを持つ人に買い物で使えるポイントを付与する制度を来年9月から導入することや、高齢ドライバーによる交通事故を防ぐため、自動ブレーキなどを備えた車の購入を支援することを盛り込んでいます。

 また、令和5年度までに小中学生に1人1台のパソコンやタブレットの配備を目指すほか、東京オリンピック・パラリンピックを契機に、外国人観光客をさらに受け入れる環境を整備するとしています。

 事業規模の総額は26兆円程度で、第2次安倍政権以降の経済対策としては、3年前の28兆円余りの対策に次ぐ規模となりました。

 このうち財政投融資を含めた財政支出は13兆2000億円程度で、政府は、今回の経済対策でGDP(国内総生産)を実質で1.4%程度押し上げる効果が見込まれるとしています。

 臨時閣議では、来年度予算案について、今年度の補正予算案とあわせた「15か月予算」の考え方で編成にあたるとした基本方針も決定され、政府は、年末に向けて編成作業を加速することにしています。

◇主な施策は
 今回の経済対策は、「災害からの復旧・復興」「経済の下振れリスク」への対応、それに「オリンピック・パラリンピック後を見据えた景気活性化策」を3つの柱として、200を超える施策が盛り込まれています。

◇災害からの復旧・復興
 このうち、「災害からの復旧・復興」では、台風19号など一連の災害の被災地で、被害にあった家屋の解体や災害廃棄物の処理の支援、鉄道の復旧や代行バスの運行を支援するなどして、被災した人たちの生活の再建を後押しします。

 また、被災した中小企業や農林漁業者が仕事を再開できるよう支援するとともに、被害を受けた河川や道路の本格的な復旧を進めます。

 さらに、今後の防災・減災に向けて「国土強じん化」の取り組みに力を入れます。氾濫の危険性がある河川で堤防を強化したり、川底を掘削したりして、水位の上昇を防ぐ工事に対し個別に補助金を出すほか、市街地の浸水被害を防ぐため、地下に雨水をためておく施設を整備します。

 また、市街地の緊急輸送道路などで電線を地中に埋める「無電柱化」を加速させるとともに、災害時に拠点となる病院や社会福祉施設で給水設備や自家発電装置の整備などを進めます。

◇経済の下振れリスク対応
 「経済の下振れリスク」への対応としては、経済の好循環を持続させるための施策が盛り込まれました。

 最低賃金の引き上げに向けた中小企業への支援や、中小企業が事業承継を進めやすくするため後継者候補の育成や経営改革を支援します。

 農業分野では、日米の貿易協定を踏まえ、和牛の増産に向けた酪農家への支援の拡充や、国産チーズの競争力強化に向けた対策を実施します。

 さらに、いわゆる「就職氷河期世代」の支援策として、ハローワークに専門の窓口を設置するほか、国家公務員としての中途採用を来年度からの3年間で集中的に取り組むとしています。

◇五輪パラ後を見据えた景気活性化策
 「オリンピック・パラリンピック後を見据えた景気活性化策」として、消費を下支えするため、来年9月から再来年3月までの7か月間、マイナンバーカードを持つ人に対し、買い物に使えるポイントを付与する新たな制度を導入し、1人当たり最大2万円までのキャッシュレスでの決済や入金に対して、5000円分のポイントを付ける方針です。

 デジタル化の時代に対応する人材を育てるため、令和5年度までに小中学校の児童・生徒に1人1台のパソコンやタブレットを配備することを目指し、事業を実施する自治体への補助制度を作ります。

 高速・大容量の通信規格、5Gのさらに次の世代にあたる「ポスト5G」の技術開発を支援する基金を設けることや、高齢ドライバーによる交通事故を防ごうと、65歳以上の人が自動ブレーキを搭載した車などを買う場合の補助制度を創設することも盛り込まれました。

◇今後の焦点は
 新たな経済対策は、事業規模が26兆円にのぼり、前回3年前の平成28年8月に策定した28兆1000億円の対策に匹敵する規模です。

 国と地方の支出は9兆4000億円で、これに加えて、国が「財投債」と呼ばれる債券を発行して民間の事業に低金利で資金を供給する「財政投融資」を3兆8000億円行って、インフラ整備などを進めます。

 巨額の財政投融資を活用することで「財政支出」を13兆2000億円として事業の規模を確保した形です。

 政府としては、対策の規模を可能なかぎり大きくすることで、海外経済の減速が国内の景気に悪影響を及ぼす懸念に対して、先手を打って万全の対応をしていると強調するねらいがあります。

 しかし、巨額の規模を確保しても施策の実施には課題もあります。対策のうち、国土強じん化などに充てる「公共投資」は6兆円程度と見込まれますが、建設現場で人手不足が続く中、巨額の予算を計上しても十分に執行できないおそれがあります。

 また、財政支出を除いた、残りの13兆円近くは民間の支出や政府系金融機関による企業への融資などですが、想定通り利用されるかは現時点では不透明です。

 一方、支出を賄う財源をどう確保するかも課題となります。政府は、編成作業を進めている今年度の補正予算案に対策に必要な経費として4兆3000億円を計上する方針です。

 これに対して、財源は、公共事業などに使い方を限った建設国債を発行するほか、経費の削減や使われなかった予算の活用などを検討しています。

 歳入の3割程度を借金にあたる国債の発行で賄う厳しい財政状況の中、対策に必要な支出の一部はさらなる借金に頼らざるをえない形で、財政健全化に向けた目標の達成は一段と厳しくなります。

◇安倍首相「今こそアベノミクス加速を」
 安倍総理大臣は、臨時閣議に先立って開かれた経済財政諮問会議で、「海外経済を要因とする経済の先行きリスクが視界に入りつつある中、まさに今こそ、アベノミクスを加速し、課題の克服に取り組むべき時だ」と述べました。

 そのうえで、「今年度補正予算や来年度予算の臨時・特別の措置を組み合わせて、しっかりとした規模の切れ目ない予算措置を講じていく。実効ある『15か月予算』の編成を進めてもらいたい」と述べ、関係閣僚に編成作業を急ぐよう指示しました。

◇麻生副総理兼財務相「未来の安心のため」
 麻生副総理兼財務大臣は臨時閣議のあとの記者会見で、「日本経済は内需を中心に緩やかな回復基調だが、ことしは台風19号など自然災害が広範囲で発生し、被災者の生活や経済への影響の解消が急務だ。また、米中の摩擦など通商問題をめぐる緊張から海外発のリスクが出て、設備投資や個人消費が下押しされる可能性が否定できない。東京オリンピック・パラリンピック後も民需を中心とした自律的な成長を実現する必要があり、未来の安心のため新たな経済対策を実施する」と述べました。

 また、対策に必要な財源について麻生大臣は、「今後、補正予算の編成作業を開始するが、財源については編成過程において検討するので、この段階で答えることはできない」と述べました。

◇自民 二階幹事長「われわれの思うような方向で」
 自民党の二階幹事長は、記者団に対し、「私が10兆円規模の補正予算案を編成すべきだと申し上げた時は、かなり驚きの声も上がったが、政府に決意を促してきた。結果的にわれわれの思うような方向で政府も取り組んでいて結構だ」と述べました。

◇西村再生相「規模ありきでない」
 西村経済再生担当大臣は臨時閣議のあとの記者会見で、「規模ありきではなく、効果のある施策を積み上げた。経済を下支えし、民需主導の持続的な成長軌道につながる十分な規模だ。実質GDPの押し上げ効果を1.4%程度と見込んでいるが、実際には、さらに乗数効果が発揮され、消費拡大などの間接的な効果も期待できる。早期に効果が表れるよう、しっかりと予算編成を行い、施策の実現と進捗(しんちょく)を確認していきたい」と述べました。

◇公明 山口代表「政府与党で結束し実施」
 公明党の山口代表は、記者団に対し、「与党の提言も十分に反映された経済対策になったと思う。相次いだ災害からの復旧・復興を図り、世界経済の下振れリスクに対応し、来年の東京オリンピック・パラリンピックまでの勢いがその後も持続できるような対策を講じるという3つが柱になっており、実行に移すことが大事だ。政府・与党でしっかり結束して実施に当たりたい」と述べました。

◇国民 原口国対委員長「ばらまきはやめたほうがいい」
 国民民主党の原口国会対策委員長は、記者会見で、「毎回のごとく経済対策を行っても結果が出ていない。日銀の黒田総裁は、『デフレから脱却する』と言ってもう7年もやっている。結果が出ていない中で、いつまでも税金だけをばらまくのはやめたほうがいい」と述べました。

◇安倍政権 過去の経済対策は
 平成24年の第2次安倍政権発足以降、経済対策を実施するのは今回が5度目です。

 最初の対策は、平成25年1月に決定された「日本経済再生に向けた緊急経済対策」です。東日本大震災からの復興を加速させる施策や、ベンチャー企業の支援ために資金を供給する施策などが実施されました。国としての財政支出は、10兆3000億円程度で、民間などの負担をあわせた事業規模は、20兆2000億円程度となりました。

 2度目の対策は、最初の対策と同じ年、平成25年12月に早くも決定されました。翌年4月に消費税率を8%に引き上げるのを前に、景気の下振れリスクに対応することがねらいでした。東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けたインフラ整備や、所得が低い人や子育て世帯への支援策が盛り込まれました。経済対策の規模は、国の財政支出で総額5兆5000億円程度、事業規模としては18兆6000億円程度となりました。

 3度目の経済対策は、平成26年12月に閣議決定されました。消費を喚起することや地方の活性化を目指したもので国の財政支出で、3兆5000億円程度の規模となりました。

 そして4度目の経済対策は、3年前、平成28年8月に決定され、リニア中央新幹線の全線開業の前倒しなどを盛り込みました。国と地方の財政支出に、国が低い金利で資金を供給する財政投融資をあわせた「財政措置」は13兆5000億円程度で、事業規模は、28兆1000億円程度となりました。今回の新たな経済対策は、単純に事業規模を並べると4度目の対策に次ぐ大規模なものとなっています。

◇専門家「中身の吟味が不十分な可能性」
 新たな経済対策について三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員は、「災害からの復旧復興を迅速に進めるためには、それなりの規模の資金を準備する必要があり、このタイミングでの経済対策の上乗せは、評価できる」と述べました。

 その一方で、「政府が緩やかに景気は回復していると評価する中で、これだけ大規模な経済対策が本当に必要なのかを考えるとやはり多すぎるのではないか。まずは規模の大きさとスピードが必要だということで、中身の吟味が十分でない可能性がある。消費税率の引き上げに踏み切ったのに、財政再建の遅れにつながるおそれがある」と指摘しました。

 また、経済対策を実施していく上での課題について小林主席研究員は、「災害からの復旧復興は第一にやっていくべきだ。ただ、建設業は人手不足の課題で工事があってもすぐに着手できない状態になっていて、いかに優先順位をつけて取り組んでいくかが問われる」と述べました。
| 政策 | 21:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
牛肉 豚肉安く?日米新貿易協定 来年1月1日発効の方向で調整

 日米の新たな貿易協定の国会承認を求める議案は参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党などの賛成多数で可決・承認されました。日米両政府は来年1月1日を協定の発効日とする方向で調整しています。

 日米の新たな貿易協定の国会承認を求める議案は4日の参議院本会議で討論が行われました。

 この中で自民党は、「懸念された自動車の追加関税は課されないことが確認され、さらなる交渉による関税撤廃についても協定上、明記されている。農業分野もアメリカ産牛肉と豚肉の関税削減はTPP協定と同じ水準であり、わが国の国益はしっかりと守られ、増進した」と述べました。

 一方、立憲民主党などの会派は、「自動車、自動車部品の関税撤廃を勝ち取ることができず、今後の交渉でも関税撤廃は確約されていない。日米貿易協定は日米双方にとってウィンウィンの成果物ではなく、日本にとって完全敗北の内容であることは明らかだ」と批判しました。

 このあと採決の結果、国会承認を求める議案は自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決・承認されました。

 また、インターネットを使った商取引のルールを定めた日米デジタル貿易協定もあわせて可決・承認されました。

 政府は近く、協定の締結を閣議決定し、アメリカに通知する方針です。

 日米貿易協定は両政府が合意する日に発効すると定められていて、日米両政府は来年1月1日を協定の発効日とする方向で調整しています。

◇農産品と工業品の物品関税に関する日米2国間の協定
 日米の新たな貿易協定は農産品と工業品の物品関税に関する日米2国間の協定です。

 このうち農産品の分野で日本は、アメリカが求める市場開放にTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の水準を超えない範囲で応じます。

 牛肉は現在38.5%の関税を2033年度に9%まで引き下げる一方、国内の畜産農家への影響を抑えるため、一定の数量を超えれば関税を緊急的に引き上げる「セーフガード」と呼ばれる措置が導入されます。

 豚肉は価格の安い肉にかけている1キロ当たり最大482円の関税を2027年度に50円に、価格の高い肉にかけている4.3%の関税は2027年度に撤廃します。

 小麦については国が一括して輸入し、国内の製粉業者などに販売する「国家貿易」の仕組みは維持したうえで、アメリカに対し、最大で15万トンの輸入枠を新たに設けます。

 これらはいずれもTPPの交渉時に日本がアメリカと合意していた内容と同じ水準です。

 一方、日本が最も重要な品目として交渉に臨んだコメは1キロ当たり341円という高い関税は維持したうえで、TPP交渉で日本がアメリカに設定した年間最大7万トンの無関税の輸入枠は設けないことになりました。

 また、乳製品もバターや脱脂粉乳などの低関税の輸入枠は設けないとしていて、いずれもアメリカ側が譲歩した形です。

 さらに、アメリカへの輸出の分野では、牛肉は低い関税が適用される枠が実質的に拡大することになり、日本産牛肉の輸出の増加が期待されます。

 一方、工業品の輸出をめぐっては主要な輸出品である自動車と関連部品の扱いが継続協議となり、国会審議ではこの分野の交渉内容が論点となりました。

 政府は協定の付属書に、「関税撤廃に関してさらに交渉する」と記載されたことなどを踏まえ、将来的な関税撤廃は合意事項であり、今後、どのくらいの期間をかけて撤廃するかについてアメリカと交渉していくと説明しています。

 これに対し、野党側は自動車関税をめぐる交渉の継続を確認したにすぎず、関税撤廃は確約されたものではないなどと批判しました。

 また、政府はアメリカが通商拡大法232条に基づく日本車への追加関税や、日本からの自動車の輸出を制限する数量規制を発動しないことを首脳間や閣僚間で確認したとしていますが、野党側は「口約束にすぎない」などと追及しました。

◇貿易協定の今後は?
 日米貿易協定は両国が国内手続きを完了したことを通知した日から30日後、もしくは両国が合意する日に発効すると定められていて、日米両政府は来年1月1日を協定の発効日とする方向で調整しています。

 協定の発効後はことし9月の日米共同声明に沿って、発効日から4か月以内に次の交渉分野をめぐる協議を行うとされています。

 次の交渉分野をめぐっては、野党側が農産品やサービスなどの分野でアメリカからさらなる譲歩を求められるのではないかと指摘しているのに対し、政府は日本側が交渉対象として想定しているのは継続協議となった自動車分野のみだと説明しています。

 一方、共同声明の記載内容が「日米両国は交渉を開始する『意図』である」と断定的な書き方を避けていることなどから、実際に交渉が始まるかどうかは不透明だという指摘も出ています。

◇日米デジタル貿易協定 電子データで関税課さず
 日米貿易協定とともに国会で承認された「日米デジタル貿易協定」ではインターネットを使った商取引など、デジタル分野での日米の貿易を促進するとともに、両国が国際的なルールづくりで主導権を握りたいねらいがあります。

 協定では日米間の電子データのやり取りについて原則として禁止や制限をしないことや関税を課さないことを定めています。

 これは例えばアメリカのアマゾンやネットフリックスなどの動画配信サービスを日本で利用する際には今後も関税をかけないことを約束するものです。

 協定ではさらに、IT企業などの活動の妨げにならないよう企業のサーバーを自国内に設置するよう求めないこととしているほか、企業の知的財産を保護するためサービスを販売する条件として、ソフトウエアの設計図とも言える「ソースコード」や性能を左右する「アルゴリズム」などを国が開示するよう求めてはならないとしています。

 この背景にはデジタル分野で成長著しい中国が自国内からの自由なデータの移転を原則禁止していることなどに対抗する意味合いもあり、日米が協定を結ぶことにより、国際的なルールづくりで主導権を握りたいねらいがあります。

◇自民 中谷氏「日米関係 当面心配ない」
 自民党の中谷・元防衛大臣は谷垣グループの会合で、「貿易協定は日米間の信頼関係の下、協議された。アメリカと中国などが貿易摩擦を起こしている中、日米関係は当面そういった心配もなく非常によかった」と述べました。

◇公明 山口代表「今国会最大のテーマ承認」
 公明党の山口代表は党の参議院議員総会で、「今国会の最大のテーマだった日米の貿易協定が、きょう承認の運びとなった。皆さんの努力に心から敬意を表したい。残りわずかな会期となったが、最後まで与党として、攻めの一手を打ち続けることが大事で、守りもしっかり対応して乗り切りたい」と述べました。

◇国民 玉木代表「令和の不平等条約」
 国民民主党の玉木代表は記者会見で、「自動車の追加関税が課されないという政府の説明は納得できないし、アメリカ側の関税撤廃率がWTO(世界貿易機関)のルールに違反する可能性もある。とてもウィンウィンとは呼べず、将来に禍根を残す『令和の不平等条約』で大変残念だ。引き続き注視し、追及したい」と述べました。

◇経済同友会 櫻田代表幹事「想定どおりで安心」
 日米の新たな貿易協定の国会承認を求める議案が参議院本会議で賛成多数で可決・承認されたことについて、経済同友会の櫻田代表幹事は4日の定例の記者会見で、「想定どおりで安心した。われわれが期待していた自動車や自動車部品の関税撤廃は先送りということでじっくり、諦めずに取り組むことが大事だ」と述べ、今後の交渉を注視していく考えを示しました。
| 政策 | 21:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
スーパーコンピューター「富岳」出荷始まる 「京」の後継機
 神戸市の理化学研究所に設置する次世代のスーパーコンピューター、「富岳」の出荷が、石川県の工場で始まりました。

 「富岳」はかつて世界一の計算速度を誇り、ことし8月に運用を終えたスーパーコンピューター「京」の後継機として、理化学研究所と大手電機メーカーの富士通が共同で開発を進めてきました。

 そして、400台以上を組み合わせるコンピューターのうち、1号機から6号機までの最初の6台が完成したことから、製造拠点の石川県かほく市の工場で出荷を記念する式典が開かれました。

 「富岳」は神戸市にある理化学研究所に設置されることになっていて、富士通によりますと、同じような構成のシステムに比べおよそ3分の1の電力で世界トップクラスの計算速度を達成する見通しだということです。

 また、実用性を高めることを目標にしたということで、気象と地球環境のより精度の高い予測や新薬の開発などに活用される見通しです。

 「富岳」の出荷作業は半年程度続き、再来年の2021年に運用を開始することを目指しています。
| 政策 | 19:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
新経済対策 25兆円台とする方向で最終調整へ
 政府は、新たな経済対策について、事業規模を25兆円台とする方向で与党との最終的な調整に入ることがわかりました。

 防災や減災に向け河川の堤防などインフラの強化を進めるほか、小中学校の児童・生徒に1人1台のパソコンの配備を目指すことなどが盛り込まれています。

 政府は一連の災害からの復旧・復興や、景気減速のリスクに備えるためとして、新たな経済対策の取りまとめを進めていて、その詳細が明らかになりました。

 それによりますと、防災・減災対策では河川の堤防などのインフラ強化のほか、土砂災害のハザードマップの作成を加速させること、社会福祉施設に非常用の自家発電や給水設備を整備することなどが盛り込まれています。

 また、デジタル化に対応した教育環境を整備するため、令和5年度までに小中学校の児童・生徒に1人1台、パソコンやタブレットを配備することを目指し事業を実施する自治体への補助制度を設けます。

 さらに、消費を下支えするためマイナンバーカードを持つ人に買い物で使えるポイントを付与する制度を、来年9月から導入します。

 最低賃金の引き上げに向けた中小企業への支援のほか日米の貿易協定を踏まえ、和牛の生産強化にも取り組むとしています。

 政府は、この経済対策を5日にも決定する方針で事業規模を25兆円台とする方向で与党との最終的な調整に入ります。

 このうち、国と地方の負担に加え、財政投融資の活用を3兆円台とすることで、財政支出は合わせて13兆円程度とする方針で、必要な経費を今年度の補正予算案と来年度予算案に計上します。
| 政策 | 06:02 | comments(0) | trackbacks(0) |